spoonコンプリートエンジンを搭載したトルネオとの心温まるストーリー【Honda Sports Meeting 2023】 | CARTUNEマガジン
spoonコンプリートエンジンを搭載したトルネオとの心温まるストーリー【Honda Sports Meeting 2023】

2023年06月17日 (更新:2023年06月30日)

spoonコンプリートエンジンを搭載したトルネオとの心温まるストーリー【Honda Sports Meeting 2023】

spoonのエンジンを積んだトルネオは酷使されることなく大切にされてきた1台。前オーナーの想いと引き継いだ責任感をもち、現オーナーからも愛情をたっぷりと注がれているトルネオはまた逸品です。

愛車&オーナー情報

  • 車種:ホンダ トルネオ ユーロR CL1
  • 年式:2000年(平成12年)
  • 走行距離:177,000km
  • ボディカラー:プレミアムホワイトパール
  • オーナー:龍美沢
  • 所有年数:2年10ヶ月

spoonコンプリートエンジン!

オーナーにお話を伺おうと声をかけたのも束の間、周囲の参加者からも「エンジン見せなきゃ!」「フード開けて!」との声が聞こえてきた。

早速中を覗いてみると、なんとそこにはspoonのコンプリートエンジンが鎮座していた。無限の外装を装着しているとはいえ、ぱっと見の印象はおとなしいカスタム。声をかけなければエンジン載せ替え車両とは絶対に気が付かなかった。

このトルネオとよく遠征もされるそうで、この日もなかなかの距離での参加だったオーナーの龍美沢さん。ガッツリ走っているのかと思いきやそんなことはなく、決して変に飛ばしたりサーキットを走ったりはせず、高速の合流などでたまに回す程度。それでもきっとspoonのエンジンのレスポンスはとても気持ちが良く、きっとどこまでも走りたくなってしまいそうだ。

外装周りは無限のフロントリップAzectのフロントグリルをセット。リアは無限のリアウイングといったシンプルで正統派な構成。フロントのリップはアコード用を流用装着しているそうだが、全く違和感がないのは見事だ。

ホイールはヨコハマのクロイツァーX。ボディと同じホワイトを組み合わせることで統一感もバッチリ。ブレーキダストの量から長距離走行のようすが垣間見えるのは白ホイールの宿命だ。

足回りにはTEINのFLEX ZをベースにMAQSのスプリング(F12キロ、R8キロ)でセッティング。スペーサーなどで無理にツラを出すこともなく、非常に紳士的なスタイルである。

前オーナーの想いを乗せて

エンジン載せ替えについてもっと伺おうと思ってオーナーに話を振ってみると、この時は予想していなかった答えが返ってきた。

龍美沢のサムネイル
龍美沢

実は載せ替えたのは前のオーナーなんです。

龍美沢のサムネイル
龍美沢

前オーナーの方は約18年もの間ずっと大事に乗られてて。前オーナーの方もあまり踏み込むことはなく、街乗りで大事に乗られていたんです。

と続けてくれた。

詳しく話を聞いてみると、コロナウイルスが流行り出して仕事が激減してしまった方々がいらっしゃったが、前オーナーもそのうちの1人となってしまったそう。そこで手塩に掛けてきたトルネオを泣く泣く手放すことになってしまったのだとか。

一方で龍美沢さんはこれまでワゴンRやアルトを乗り継いで、いわゆる”普通車”に乗りたいなと車を探していたそう。そんな時に知り合いから「こんな車があるんだけど、どう?」と紹介されたのが今のトルネオだ。

spoonのエンジンが載っている車両と聞いてからは興味津々になり話を聞きに行って、前オーナーとも意気投合。普通なら中古車の素性なんてまずわからないところを前オーナーから隅々まで話を聞くことができ、前オーナーの「大事に乗ってくれる人に引き継ぎたい」という想いとともにキーを受け取った。

そのため龍美沢さんもこの車に対する思い入れが非常に強い。基本的に晴れの日しか乗らず、エンジンの調子を保つためにも”ちょい乗り”はせず長距離のドライブの使用に限っていたり、半年ほど前には足回りをフルリフレッシュ、そして最近クラッチとタイミングベルト・ウォーターポンプ周りを一新したそうだ。

龍美沢のサムネイル
龍美沢

パーツが出るうちに交換できる範囲は順番に手をつけていっています。廃盤の部品なんかも多いですが、流用を駆使して乗り越えています。前オーナーさんの18年の想いを無駄にはできません。

前オーナーとはお互いの家を知っている仲で、今でもたまに”元気にしてるよ”と車を見せに行くこともあるそうだ。自分が手放した車にもう一度会える機会なんて普通はそうそう無いこと。前オーナーの方も、そしてこのトルネオ自身も、きっとものすごく嬉しく思っているだろう。愛車との別れは辛いものだが、こうして新しいオーナーのもとでも大切にされていることがわかると寂しい気持ちも和らぎそうだ。

ただ現オーナーも大切に思うあまり、自分がいくら安全運転で気をつけていても”貰い事故”が怖くて乗るのを躊躇うこともあるという。こんなにも想いが詰まった大切なトルネオ、不慮の事故による未練は計り知れない。望まない事故が1件でも無くなってくれることを本当に祈るばかりだ。

2人のオーナーからこれほど大切にされているこのトルネオは、どこか少しだけ誇らしげな表情をしているように見えた。これからさらに経年劣化や部品供給との戦いが増えてきてしまうと思うが、今後もオーナーとともに元気に走り続けてくれることを筆者も心から願っている。

スペック表

ホイール

  • ヨコハマ クロイツァーX
  • 17×7.5J+45

タイヤ

  • ミシュラン パイロットスポーツ4
  • 215/45R17

外装

  • 無限フロントリップスポイラー
  • 無限リアウィング
  • アゼクトフロントグリル

内装

  • パーソナルステアリング
  • ホンダ純正OP カーボン調パネル

足回り

  • テイン フレックスZ
  • F:MAQS 12K、 R:MAQS 8K

吸排気

  • フジツボ レガリスR
  • 無限エキゾーストマニーホールド

エンジン周り

  • spoonフルバランシングエンジン

補強

  • 無限タワーバー
  • オクヤマリアタワーバー

ギャラリー

◆ Honda Sports Meeting 2023のその他の取材記事

新着記事

おすすめ記事