2021年03月20日 (更新:2022年09月29日)
公道走行可能!まるでレーシングカーなほぼ溝なしストリートタイヤとは
これがハイグリップタイヤの最終形態?公道走行可能なほぼ溝無しセミスリックタイヤとは
ほぼ溝無しのセミスリックタイヤが登場
タイヤの開発生産力が上がり、ストリート用ラジアルタイヤでも十分なサーキット走行が可能となった今日。より強力なグリップを求めて、公道走行可能なハイグリップタイヤはさらなる領域へと踏み込みつつあります。
ハイグリップタイヤの最終形態かもしれない
まるでレーシングカーのようなこのタイヤ。スリックタイヤに近いショルダー形状と、まっさらなトレッド面に掘られた申し訳程度の溝、まさに最大限のグリップを得ることだけを目標に作られた、公道走行可能なハイグリップタイヤの最終形態ともいえます。
そもそもタイヤの溝の役割とは
車のタイヤには、タイヤの下に入り込もうとする水を逃がすための溝が彫ってあります。この溝の本数が少なかったり浅かったりすると、タイヤ下の水を排出しきれず水の膜に乗って滑ってしまいます(ハイドロプレーニング現象)。
なお、初めから溝がないタイヤや、残り溝が1.5mm以下でスリップサインが出てしまっているタイヤは公道を走行することができません。
グリップ力は接地面積が広い方が有利
タイヤのグリップ力はタイヤの接地面積によって変化します。スポーツ走行のような高負荷環境では、グリップ力は接地面積が大きいほうが有利。排水用の溝は接地面積が少なくなってしまうため、タイヤのスポーツ性能を高めると減る傾向にあります。
溝がトレッド面の剛性低下を招くことも
また、溝が彫ってあることによるトレッド面のゴムのヨレもマイナスに。剛性を保ってしっかりとしたグリップを得るためにも、溝は無い方が有利となります。
セミスリックタイヤの使用用途
使用シーンがかなり制限されるこのタイヤですが、どのような使用用途があるのでしょうか?
自走でサーキットに行きたいとき
サーキットでのタイムを重視したいが、スペースの関係でサーキット専用のタイヤホイールを積めないという場合には有利なタイヤです。一応溝が彫ってあるため公道走行が可能、このタイヤを装着したままサーキットへ赴くことができます。(終日晴天時に限る)
パワーがある車に乗っているとき
スーパーカーなど、暖かい季節の晴天時にしか乗らないハイパワー車に装着されることもしばしば。パワーをより確実に受け止められるため、スリップ事故を未然に防ぐ保険的な意味合いで使用されることがあります。
セミスリックタイヤ使用時の注意点
ハイグリップかつ溝が極端に少ないセミスリックタイヤには、いくつか注意しなければならない点があります。
雨の日は走れない
見ての通り溝がほとんどないため、雨天は走行できないと考えましょう。わだちに溜まった水程度でもグリップを失ってしまうため、万が一降ってきてしまうとその場で立ち往生となってしまいます。
フレームや足回りが負けるかも
公道仕様のタイヤで最強のグリップ力を誇るセミスリックタイヤ。旧車やミニバンなどに装着してスポーツ走行を行うと、想定を上回る負荷がかかって足回りやフレームが変形したり、コーナーで横転する可能性があります。
減りが分かりづらい
通常のタイヤなら全体に彫ってある溝の深さで減りを判断することができますが、溝の無い部分が多いセミスリックタイヤは減り具合を把握することがかなり難しくなります。減りではなく走行時間で管理するなど、高難易度なタイヤ管理が求められます。
セミスリックタイヤの使用レビュー
TOYO PROXES RR
トーヨーproxe rr
色々試して、これがグリップも扱いやすさも良いと思う
HANKOOK VENTUS Z214
筑波1000でZ214を履いてみました。
245ですが255のYH050よりコンマ6秒アップしました。グリップは見た目通り強力でした。
先日TC2000でもZ214を履いてみました。とりあえずコンマ7秒はアップしましたが・・・
TC1000 20分×2、TC2000 20分×1を走行後のフロント。やはり左側のセンターが多めに減ってました。
同じくリア。特に左側内側に半端無いくらいタイヤカスが張り付いてましたね。
しかもなかなか剥がれない(/_;)/~~ レコードライン付近以外はほとんど走らなかったはずなんだけど・・・
KUMHO ECSTA V710
クムホエコスタV710 このタイヤ、ヤバいです😄😄すぐ温まるし、鬼グリップです😲😲
13分X 3本ありましたが2本目で今日のベストが出ました。
Hoosier R7
自走でサーキット行って帰ってこれるスリック。DOT規格のラジアルで、ちゃんとスリップサインもあります。ちなみにR7がA050でいうところのMより、A7がGSよりの温度域です。
メリットもデメリットも見たまんまです。設置面積が広いのでドライは異次元ですが、ウェットは轍に溜まった雨で浮くくらい絶望的です。
あと忘れちゃいけないのが、サーキットやイベントで、Sタイヤ枠では扱ってもらえないことがあります。要確認。
変わったメリットとしては、19インチや20インチのラインナップも豊富なので、今時のクルマでちゃんとグリップするSタイヤ探してる方にもオススメです。
このタイヤ、低めのエアで走るとすぐバーストします。
一応誤解のないように追記しておくと、メーカー指定の空気圧でコースインして、温まってから抜けば、(たぶん)大丈夫です。感覚的にいうと、バースト対策前のRE55Sみたいな感じ?
が、一回の走行時間が限られてる日本の走行会、しかもエア調整してくれる人がいないと、ちょっと使いにくいですね。
サーキットで最速を目指せるタイヤ
ほぼ溝がないセミスリックタイヤは、間違いなく公道仕様で最速を狙えるチートタイヤ。
ドライ路面限定にはなりますが、公道仕様限定というレギュレーションがある草レースなどでは非常に有利となります。一度はそのグリップ力を体感してみたいですね。