2021年11月13日 (更新:2022年08月04日)
インパクトありすぎな全幅1800mm超の公認2シーター4枚ガルフィット!【第3回オレンジMT】
まさに”フルカスタム”という言葉がバシッと当てはまるGD3フィット。GD4からGD3に乗り換えたフィットを愛するオーナーによるカスタマイズは驚きの連続です!オーナーのこだわりポイントである4枚ガルウイングとオーバーフェンダー&ホイールのツラ具合に注目してお楽しみください!
愛車&オーナー情報
- 車種:ホンダ フィット 1.5S
- 年式:2006年(平成18年)
- 走行距離:95,000km
- ボディカラー:アルティメイトシャイニーオレンジ(EBG)(オールペン)
- オーナー:きょん@GD3RR
- 所有年数:2年4ヶ月
フィット歴は10年以上
今回取材したフィットの所有年数は2年4ヶ月と、カスタムの仕上がりを考えるととても短い期間だ。まずはどのような経緯でここまできたのかをオーナーへ伺ってみた。
もともとこの車の前にGD4っていう4WDのフィットに8年以上乗ってたんです。でも4WDにはATしか設定がなくて、MT乗りたいなって思い始めた時に4WD→FF、AT→MTにするとなるとものすごい金額になっちゃうんで...それでMTのハコを探すことになって買ってきたのが今のフィットです。
以前乗られていたフィットのパーツをできる限り移植し、かつ同時にフルリメイクを実施。前車ではやっていなかったオーバーフェンダーを新規追加し、それに合わせたホイール、そしてボディーカラーはシルバーだった前車から思い切って路線変更、R35GT-Rの純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」へと塗り替えた。この色が登場した2017年モデルに一目惚れし、”塗るならこの色”と決めていたそうだ。
苦労して実現した”4枚ガル”
一般的なフロントドアをシザードア化すること自体は、KITさえ用意できればそこまで難易度が高いものでもない。しかしドア4枚、かつ車が小さくなればなるほどその難易度は一気に向上してくる。
フロントは昔フィット用のキットがあって前車の頃からそれを使っています。リアにはシビック用が入るっていう都市伝説があって、試したんですけどどうやっても入らなくて。(笑)
それでどうしようってなって。結局すごく小さそうな汎用のキットを買ってみたんですけどそれも最初は入らなくて。それで切ってみよう切ってみようと繰り返していたら、下部の鉄板と上のヒンジ部分しか残らなくなって、そこまでしてやっと収められました。
リアのドアを閉じた状態を見せていただいたが、上の写真の通り想像以上に極小スペースだった。本当に相当な苦労があって取り付けられたものということがひしひしと伝わってくる。特にフィットのようなコンパクトカーで実現するには、軽い気持ちで手を出してはいけないカスタムメニューだ。
ただし逆に捉えればそれだけやる人が少ないということ。無事に取り付けられドアが上を向いた時の達成感は一入だろう。
フィットとしては規格外の車幅
どうしてもシザードアに目を奪われがちだが、ボディメイクはそれだけではない。ビス止めされた黒いワークスフェンダーは、旧車っぽさをコンセプトに持つオーナーのこだわりポイントの1つだ。フロント50mm、リア70mmのオーバーフェンダーにより、全幅の実測値はなんと約1,830mm!!公認3ナンバーのフィットは伊達じゃない。
ちなみにBNR34の全幅は1,785mm、GRヤリスで1,805mm。30系のアルファード/ヴェルファイアは1,850mmと片側1cmしか変わらない。数値で比較するとこのフィットの車幅がどれだけワイドか伝わるだろう。
ホイールはこちらも渋さを求めた結果であるWORKのMEISTER M1の16インチ。フロントには8.0J-20、リアには8.5J-27とこれまたフィットには到底考えられないサイズだ。
すぐ上の写真がリア、もう1つ上の写真がフロント。リムの深さはフロントが108mm、リアは120mmとこちらも数値で見るとなおすごい。とても綺麗な状態で保たれており、日頃のお手入れの丁寧さも伺える。
他にもワンオフの外装が満載
前車で組んでいたHKSのターボキットを移植するにあたり、「どうせエンジンを降ろすから」とリビルトのエンジンへ換装。インタークーラーもワンオフで製作したそうだ。
そしてこのインタークーラーを収めるために、ノブレッセのフロントバンパーをベースに開口部を大幅加工。フォグランプも元々の形状では大きすぎて装着できず、当時セカンドカーとして乗っていた先代アルトの純正フォグランプを当ててみたところサイズ感がぴったりだったため流用したそうだ。ヘッドライトの丸型3連との相性もバッチリである。
そのヘッドライトは社外品をベースにイカリングとシーケンシャルウインカーを装着。ライト部にはプロジェクターとバルカンヘッドライトをそれぞれ組み込んでいる。しかもオーナー自身が手作業で行ったというからなお驚かされる。
排気関連もHKSのエキマニからワンオフの4本出しマフラーとフル加工。バンパーはingsをベースに4本出しのテールに合わせて加工されている。ちなみにサイドステップは無限と全体はミックス仕様だが、全く違和感のない組み合わせに仕上がっている。
内装も凄すぎる!
まずはリアハッチから内装を覗き込むと、エアサスのシステムが煌びやかに出迎えてくれた。日常使いする車ではなかなか勇気が出ないが、遊び車と割り切っているからこそ存分にできる魅せ方だ。
搭載するシステムはIDEALの”D2 AIR”。今となってはやや古いモデルだが、前車フィットで使用していたものだそうでカスタムの意志を受け継いでいる。
そのまま視線を上に向けてみると、これまた目を引くシートが見える。取材スタッフは存在を知らなかったのでてっきりオーナーによるオリジナル塗装の一品ものかと思ったが、実はブリッドの”STRADIAⅡ JAPAN VENUS(ジャパン・ビーナス)”という限定モデルだそうだ。シートの複雑な曲面によって見る角度で本当に様々な表情を見せてくれる。
内張りやルーフ、ピラーも張替え済み。スエード調のシートとも雰囲気がよく合っている。リアドアだけはまだ純正だが、すでに張替え途中の内張りがあるそうだ。
オーディオ周りは高級カーオーディオメーカーであるBEWITH製をインストール。多連メーターや延長オフセットされたシフトノブもMT車らしいスパルタンな仕上がりとなっている。
まだまだ未完成!?
一見するともうこれ以上手をつけるところは無さそうに見えるフィット。しかしオーナーにとってはまだまだやりたいことがあるそうで、内装カラーの統一化や、完成して見えるフェンダーも作り直しを考えているそうだ。
しかしGD型のフィットも発売から年数が経過しており、オーナーも部品の製廃を懸念していた。古い車を長く乗るには避けて通れない道ではあるが、ぜひこの素晴らしい愛車とともにこれからもずっとカーライフを楽しんでもらいたい。
ギャラリー
(photo:CARTUNE運営 Hiroki)