2019年01月16日 (更新:2021年05月11日)
車が故障してしまった!車両保険は使えるの?
交通事故や物損事故など、車を運転していればいつどこで何が起きるかわかりません。そういった万一のときに備えておくのが車両保険ですが、車両保険に入っていれば車が故障してしまった場合でも、保険を使うことができるのでしょうか。 今回は、車の故障時でも車両保険が使えるかどうなのかなどを含め、車両保険について詳しく解説していきます。
車両保険が使える場合と使えない場合
車両保険は、事故などで自分の車に損害が生じた際、その修理費などを補償してもらえる保険のことですが、すべての損害に対して車両保険が使えるとは限りません。では、どのような場合は使えて、どのような場合に使えないのか、車両保険の補償範囲について、まずはご紹介していきます。
使える場合
車両保険というのは一般的に、「一般型車両保険」と「エコノミー型保険」との2種類のタイプに分かれており、どちらのタイプを選ぶかによって補償範囲が異なります。
一般型車両保険の補償範囲
一般型車両保険とは、自ら電柱などに衝突してしまった場合の自損事故はもちろん、他車との衝突事故に加え、当て逃げ事故など、様々な損害が対象となる手厚い保険です。
なお、一般型車両保険の補償適用範囲は以下のとおりです。
- 自ら壁や電柱などに衝突した自損事故
- 相手がいない場合の当て逃げ事故
- 落書きや傷付けなどのイタズラ
- 台風・洪水・高潮・竜巻などの自然災害
- 火災・爆発
- 飛び石など物の飛来
- 盗難
一般型車両保険は、このように補償してもらえる対象範囲が広いので、保険料もその分高くなりますが、補償範囲も広いことから、もっとも人気のあるタイプです。
エコノミー型保険の補償範囲
続いてエコノミー型保険ですが、こちらのタイプは一般型車両保険と比べて補償される範囲が狭くなるタイプです。では一般型車両保険と同様、エコノミー型保険の補償適用範囲を見てみましょう。
- 自ら壁や電柱などに衝突した自損事故
- 落書きや傷付けなどのイタズラ
- 台風・洪水・高潮・竜巻などの自然災害
- 火災・爆発
- 飛び石など物の飛来
- 盗難
このように、一般型車両保険と比べると補償範囲も狭くなりますので、その分保険料も安くなります。よってエコノミー型保険は、比較的運転に自信がある人に向けた保険であると言えます。
使えない場合
車に何らかの損害が生じた際、その損害を修復する際にかかる費用を補償してもられるのが車両保険で、ほとんどの損害に対して補償してもらえます。しかし、場合によっては車両保険が使えない場合もありますので、どのような場合に使えなくなるのかをよく確認しておきましょう。下記では、自動車保険が使えないケースの代表的な例をご紹介しています。
予測が出来ない自然災害または戦争や内乱などの被害
台風や洪水、竜巻など、ある程度予測のできる自然災害に対しては車両保険の補償範囲内ですが、地震や噴火、津波など予測することが不可能な自然災害や、戦争、内乱、暴動に関しても補償の対象外となります。なお、地震被害について一時金を支払ってもらえる特約を販売している保険会社もあります。
飲酒運転や無免許運転などの場合
当然ですが、飲酒運転や無免許運転、麻薬の服用などの違法行為が原因で起きた事故の場合は保険の適用範囲外となります。また、故意に事故を起こしたと判断された場合も保険適用範囲外です。
申告期限が過ぎてしまった場合
損害が発生して補償を受ける際、損害が発生してからの申告が遅くなると、補償が受けられなくなる場合があります。なお、保険会社への申告は一般的に、損害発生から60日以内とされています。
このように、車両保険は損害に対してすべてに補償されるというわけではなく、タイプによっても補償範囲が異なりますし、損害の原因によって補償対象外となる場合もあるので注意してください。
車両保険を使うデメリット
自損事故や自然災害、イタズラなどによって生じた損害に対して修理費用を補償してもらえる車両保険ですが、実は使うとデメリットになってしまうこともあります。では続いて、車両保険を使った場合のデメリットについてご紹介します。
等級が下がる=保険費用があがる
自動車保険には、基本的に等級制度というものが設けられており、等級によって保険料が上がったり下がったりします。等級は1から20までが一般的で、等級が下がると保険料は上がります。
この等級は、事故の種類によって下がり幅が異なり、たとえば事故などで車両保険を使った場合、等級は一気に3等級下がってしまいます。等級が3つも下がると、次年度の保険料は一気に高くなりますので、非常にデメリットになります。つまり、車両保険は使えば使うほど、支払う保険料も上がるということになるのです。
自動車部品の故障に対する保険もある
車両保険では、何らかの事故によって生じた損害を補償する保険ですので、車が故障した場合の補償はありません。もし、事故以外の故障についても補償してもらいたいなどの場合は、別途自動車部品の故障を補償してもらえる保険に加入する必要があります。
現在では、エアコン装置やエンジン機構、ブレーキ機構に装備品などなど、自動車部品の400項目以上が補償対象となり、さらに最高補償額も200万円まで補償してもらえるといった、自動車部品の故障に対しての保険も販売されています。
車の部品は一つひとつが高額なため、故障した際に修理するとなると、金銭的に非常に大きな負担となってしまいますので、こういった自動車部品の故障に対する保険があるのはありがたいですね。
まとめ
今回は、万が一の時に頼りになる、車両保険について詳しく解説してきました。ここでご紹介してきたとおり、車両保険は車のあらゆる損害に対して補償してもらえる保険ですので、もしもの時にはとても役に立ちます。
しかし、車両保険には補償範囲というものがあり、損害が生じた理由によっては保険が適用されない場合もありますので注意が必要です。また、保険というのは使えば使うほど支払う保険料は高くなるものですので、コスト的なことを考えると、できるだけ使わないようにした方が良いでしょう。
車両保険は、対人・対物賠償保険とは違い、あくまで安心を買うといったスタンスがもっともベストな考えです。車両保険の有無で、支払う保険料は変わってくるので、車両保険が本当に必要か否かをよく考えたうえで、決めるようにした方が良いです。