2022年05月21日 (更新:2022年06月16日)
こんな綺麗なEG6、どこにいたの!?令和に現れた極上のEG6!【第11回 T.C.M】
今回取材させていただいたEG6は、当時からタイムスリップしてきたと言われても違和感のない極上車。ツヤのあるボディに新車の匂いが漂ってきそうな内装で思わず目を奪われた1台をご紹介。シンプルにポイントを押さえたカスタマイズはお手本になること間違いなし!
愛車&オーナー情報
- 車種:ホンダ シビック EG6
- 年式:1995年(平成7年)
- 走行距離:108,000km
- ボディカラー:フロストホワイト
- オーナー:KAZ
- 所有年数:3年2ヶ月
まだこんな個体があったとは
会場内を散策していると目に飛び込んできたものすごく綺麗なEG6。気になってオーナーに話を伺ってみたところ、純正オリジナル塗装のままと聞いてさらに驚かされた。
KAZさんにとってこのEG6は初めての愛車だという。CR-Xと最後まで悩んでいたそうだが、EG6の”悪そうな雰囲気”に魅力を感じて決めたそうだ。
内装もほぼオリジナルの状態を保っており、しかもそれも極上もの。手を入れたのはNARDIクラシックのステアリングと、EG乗りの間では定番だというDC2やEK9の純正シフトノブの流用だ。
この個体の年式は1995年だが、すでに27年の時が経過しているとは思えなかった。EG6の最終後期とはいえ、前オーナーの保管状態がかなりよかったことがうかがえる。
シンプルにサラッと
KAZさんのコンセプトは「シンプルにサラッと下げてカッコよく」。純正のエアロにマッドガードと、外装はこの上ないくらいにシンプルだ。
現在の仕様になって今回のミーティングが初のお披露目の場となったそうだが、まさにコンセプト通りの車に仕上がっている。
スタイリングのキーとなっているのがこのホイール。RAYS VOLK RACING TE37Vだ。サイズは15x8.0J+0の通しと攻めたサイズを履きこなす。
もともと別のホイールを履かせていたそうだがオーナーがこのホイールに一目惚れして、高かったものの勢いで購入。しかしタイミングがなくしばらくの間保管したままとなってしまっていたそうだが、「このまま眠らせていたは勿体無い」と装着に至った。
足回りはMODE PARFUMEのサスペンションにMEGAN RACINGのアーム類と、まさにこのTE37Vを履くためにカスタマイズされたシンプルな構成。
驚かされたのはフロントフェンダーの爪処理。こればっかりは実車を見てもらうしか方法がないのだが、”爪折り”という概念ではない。筆者も触らせてもらったのだが、本来爪がある部分に綺麗な鉄板が貼り付けられたような触り心地で、タイヤとの干渉を避けることはもちろん強度もばっちり。できることならホイールを外して裏側を覗いてみたかったくらいだ。
手を加えようか否か...
外装は細かいヤレの修復等を除いて、ほぼ完成形。続いては内装...といきたいところだが、あまりにも”状態の良い純正”なので手を加えることを迷っているそう。
「本当はバケットシートとかも入れたいんですが」
と話すKAZさん。失礼して車内をぐるりと拝見してみると、これは確かに勿体無い。シートは穴あきどころか、運転席ですら若干シワがある程度でほとんどヤレを感じない。ダッシュボードやドアの内張にも艶があり、ぱっと見では傷が見つからないほど。
純正のフロアマットも写真の通り、ほつれや穴あきはもちろんロゴの剥げも見当たらない。
新しい年式の車やすでに年季の入った状態であれば躊躇しないが、この年代の車でこれほど綺麗な”オリジナル”となると確かに筆者も手を入れることを悩んでしまう。
この日も他のEGオーナーから「これは大事にしたほうがいいよ」と声をかけられ、さらに頭を抱えていた。
親孝行
KAZさんのお父様は、かつてミラージュに乗っていた車好きな方だそう。当時KAZさんが生まれたことをきっかけに、お父様はミラージュを降りてしまったそうだ。
そんな中、車を購入したことを何も伝えず実家へ帰った時のこと。久々の息子さんとの再会も束の間、EG6を見て興奮を隠しきれなかったそうだ。
「乗っていい?」
と言われKAZさんも快くOK。久しぶりの息子さんとのドライブ、お父様はどれほど嬉しかったことだろうか。その場面を思い浮かべるだけでこちらまで幸せな気持ちになった。改めて”車っていいな”と思わせてくれる素敵なエピソードだ。
「ひとまず今後は細かいヤレを綺麗にしたり、ルームランプが点かなかったりと年式なりの不具合が多少あるので、ゆっくり直しつつ乗っていきたいです。パーツも色々と廃盤になってきているので少しずつ確保しておきたいですね。」
ここから思いのままに手を加えていくのか、あえてこの状態を維持していくのか。古い車と付き合っていくにはどちらにしても大変な道のりかもしれないが、ぜひこの極上のEG6を末長く大切に、そしてたくさんの思い出を残していってほしい。
- 取材イベント:2022年5月 第11回 T.C.M
スペック表
ホイール
- RAYS VOLK RACING TE37V 15x8.0J+0
タイヤ
- GOODYEAR EAGLE LS2000 Hybrid II 165/50R15
足回り
- MODE PARFUME サスペンション(F:16kgf/mm, R:12kgf/mm)
- MEGAN RACING フロントアッパーアーム
- MEGAN RACING リアアッパーアーム
- MEGAN RACING リアトーロッド
吸排気
- ワンオフマフラー
内装
- NARDI CLASSIC
- EK9純正シフトノブ
ギャラリー
(photo:CARTUNE運営 Hiroki)
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