スーパーセブンを作ってる会社?『ケーターハム』ってなに!? | CARTUNEマガジン
スーパーセブンを作ってる会社?『ケーターハム』ってなに!?

2019年06月22日 (更新:2020年08月14日)

スーパーセブンを作ってる会社?『ケーターハム』ってなに!?

スーパーセブンはクラシカルなデザインを纏った公道を走れるレーシングカー。そのスーパーセブンを製造している会社がケーターハムです。ケーターハムとはイギリスロンドン郊外の地名であり、そこに本社をかまえるケーターハムは、約半世紀にわたってスーパーセブンをつくり続けています。

ケーターハムとは

c-point さんのスーパーセブン 1600BDRの画像
c-point さんのスーパーセブン 1600BDRの画像

ケーターハムは、スーパーセブンをつくるために1973年創設された会社。会社は幾度となく経営権が人から人へと渡りながらも、ケーターハム・スーパーセブンは約半世紀経った今も、当時とほぼ変わらない姿で存在し続けています。

スーパーセブンの原型となったのは、ロータス・カーズが製作したロータス・セブン。ロータスの創設者であり、元F-1ドライバーで天才エンジニアのコーリン・チャップマンが設計したロータス・セブンは、公道を走ることのできるレーシングカーでした。

ロータスが1973年にロータス・セブンの生産中止を決定した際、ロンドン郊外のケーターハムでロータスディーラーを経営していたグラハム・ニアーンがロータス・セブンの製造権と治工具一式を取得。グラハムによって再生産されたのがケーターハムとスーパーセブンのはじまりです。

ケーターハムとスーパーセブン

43987さんのスーパーセブンの画像
43987さんのスーパーセブンの画像

ケーターハム・スーパーセブンの外観は、ロングノーズ・ショートデッキ・オープンホイールが特徴の2シータースポーツカー。駆動方式はFRを採用し、シャシーは鋼管をつなぎ合わせたスペースフレームにアルミのパネルを被せたシンプルな構造です。

車重500〜600kgに収まるスーパーライトウェイトスポーツカーであり、初期スーパーセブンに搭載されたフォード製1.3L OHVのケントエンジンでも充分な速さを備えています。さらに、高出力エンジンが搭載される限定生産の特別モデルは、世界に名だたるスーパーカーを容易に追い回すことが可能なほどのポテンシャルを秘めています。

スーパーセブンの乗り味

現行型のエンジンは2種類。135psを発揮する1.6Lと、240PSの2.0Lのフォード製シグマエンジンです。

長い歴史のなかで、幾度となくマイナーチェンジを受け、徐々に排気量とボディサイズが大型化しましたが、軽量ボディの軽快さは失われておらず、依然として公道を走るレーシングカーというキャラクターは変わっていません。

もちろんエアコン・オーディオなどの快適装備の類は一切なし。パワステはおろかブレーキサーボすら搭載されていないため、乗りこなすには相応の腕力と脚力が必要です。とはいえ、軽量な車体のおかげで操作性は意外に良好。ただ、すべての操作がダイレクトで、正確な操作技術がなければキレイに走らせることは難しい車です。

現行型スーパーセブンのスペック

車種SEVEN 270SEVEN 480SSEVEN 620R
ボディサイズ全長3,100全幅1,575全高1,115(mm)
車両重量540kg520kg545kg
乗車定員2人
エンジン1.6L直列4気筒DOHC2.0L直列4気筒DOHC2.0L直列4気筒DOHC+スーパーチャージャー
最高出力99.3kW[135PS])/6,800rpm176.5kW[240PS]/8,500rpm228kW[310PS]/7,700rpm
最大トルク165N・m[16.8kgf・m]/4,100rpm206N・m[21.0kgf・m]/6,300rpm298N・m[30.4kgf・m]/7,350rpm
トランスミッション5速MT6速シーケンシャル
最高速度195km/h225km/h249km/h
0−100km/h加速5.0秒3.4秒2.8秒
新車車両価格529万円889万円929万円

ケーターハム・スーパーセブンができるまで

ケーターハムの生産工場の従業員人数は25人ほど。シンプルな構造のスーパーセブンの組み立ては、大きな自動車メーカーのようなオートメーション設備ではなく、すべて少人数の手作業でおこなわれます。

フレームは一本いっぽんが手で溶接され、パネルの曲面は工芸品のように滑らかな仕上げ。中間チェックには最新設備を用いているため手作業でも高い品質を維持することが可能です。伝統のエイトスポークホイールも入念なチェックのもと、自社生産されています。

エンジンはしっかりとバランスを取って組み付けられ、やはり手作業で搭載。最新設備を導入しながらも要所は昔ながらの手作業でおこなうことで、スーパーセブンの伝統を絶やさぬよう1台づつ丁寧に製作されています。

維持費格安!軽自動車のエンジンを搭載したケーターハム・スーパーセブン160

Chibimal SVさんのAZ-1の画像
Chibimal SVさんのAZ-1の画像

軽自動車規格のスーパーセブンがあります。もともと小さなスーパーセブンのタイヤとフェンダーを細め、スズキの660cc直列3気筒ターボエンジンを縦置きに搭載した紛れもない軽自動車です。

スズキ ジムニーで定評のあるK6Aエンジンは自主規制値を上回る80PS。それを乾燥重量490kgの軽量ボディに搭載したスーパーセブン160の加速性能は、0−100km/h加速6.9秒。最高速度は160km/hと本格スポーツカーにも負けない数値。

シャシーはスーパーセブンの通常モデルと同様にケーターハムの工場でのハンドメイドであるため、軽自動車だからといって一切の妥協はありません。本家同様エアコン・パワステ・ABSはもちろんブレーキサーボすらない純スポーツカーであるため、実用に一切向かない点は、良くも悪くもスーパーセブン。十分に刺激的でありながら、安価な税金と、優れた燃費性能を誇るスモール・スーパーセブンです。

ケータハムの記事のまとめ

ケー太さんのセブン スプリントの画像
ケー太さんのセブン スプリントの画像

スーパーセブンが世に出てから半世紀。今でも当時のスタイリングはそのままに、ハンドメイドで製作されるスーパーセブンは、伝統工芸品ともいえる車です。単純に軽量で速い車という非常に分かりやすいコンセプトを貫きとおし、一切の快適装備を省いた、ただただ運転するだけの車がスーパーセブン。それなのに、これほど贅沢な車は他にはありません。

スーパーセブンは登場以来、世界中の車好きを魅了してきた名車。車に対する価値観を一変させるほどの強烈な刺激を味わえるケーターハム・スーパーセブンは、これからも多くの車好きを虜にすることでしょう。

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