2018年09月12日 (更新:2020年07月20日)
【エアクリーナーの選び方】 エアクリーナーの役割や機能、種類を紹介します。
エアクリーナーには、エンジンに大切な役割と機能を持っています。そして、選ぶエアクリーナーの種類によってメンテナンス方法も変わります。そこで、エアクリーナーにどのような役割と機能があるのか、またエアクリーナーの種類はどのように選べばいいのかをご紹介していきます。
エアクリーナーの役割・機能
エアクリーナーとは、空気をきれいにするフィルターのこと。エンジンなどの機械で空気を取り入れる際にゴミやほこりを取り除く為に取り付けられています。車のエンジンにおいては、空気を吸い込める量に直接関わってくることから、エアクリーナーの素材や形状によってエンジン特性も変わってくるパーツになります。
役割
エアクリーナーの役割は、人間がマスクをつけるのと同じ。空気中は、何も見えなくても砂埃や小さなごみが飛んでいます。まして、高速で移動する自動車は走行風により、歩いている人が感じるゴミなどよりもっと多くのチリや埃、そしてゴミと接触しています。
エンジンは、空気と燃料を混合して爆発させ力を得ていますから、ゴミなどを吸ってしまうとエンジン内部を傷つけてしまうのです。そこで、エアクリーナーを取り付けて、不純物をろ過してきれいな空気をエンジン内に送り込むことで、キズなどからエンジン内部を守っています。
機能
一般的に純正のエアクリーナーが備えている機能は4つあります。
- エアクリーナーは、エンジンで燃焼させる燃料に必要な空気を浄化する
- 空気を取り入れる際の抵抗を最適化する(高すぎても低すぎてもダメ)
- エンジンに取り入れる空気の温度を一定に保つ
- エンジンの音を小さくする
エアクリーナーの種類
エアクリーナーには、純正同等品や、より吸入効率を高めた純正交換タイプのエアークリーナーがあります。この他、エアクリーナーBOXを取り外して、むき出しタイプの通称キノコ型と呼ばれる吸入効率が高いエアクリーナーが、チューニングパーツとして販売されています。
純正交換タイプ
純正交換タイプには、エアーフィルターが純正同等の集塵効果が得られる商品と、吸入抵抗を減らしたエアフィルターに分けることができます。
違い
純正と同じ性能を発揮する純正同等品に対し、スポーツタイプのエアクリーナーは、吸入抵抗を減らし、高回転時のパワーアップを狙った商品なので、ろ材の折り返しを少なくしてろ材の面積を大きくしています。
これにより、エンジンレスポンスが上がり、ドライバーはエンジンの吹け上がりが良くなったと感じることができます。純正交換タイプの良いところは、値段が安いことと、吸気音が大きくならないので、さりげなく他と差をつけることができることです。また、気になる集塵効率ですが、純正交換タイプはメーカー品であれば、純正同等品とさほど変わることはありません。
キノコ型
キノコ型と呼ばれるエアクリーナーは、吸入抵抗を大きく減らしてエンジンのパワーアップとレスポンス向上を狙った商品です。そのため、交換すればエンジンレスポンスの向上がすぐに体感することができ、レーシーな吸気音サウンドを奏でることができることです。交換するには、車種専用キットを使い、インテークパイプから交換する必要があり、高い商品では数万円します。
しかし、キノコ型エアクリーナーは、吸入抵抗を減らす代わり集塵効率を犠牲にしていることが多いほか、エンジンの熱害を受けやすいデメリットがあり、早め早めの洗浄や交換が必要になります。また、キノコ型エアクリーナーに交換すると、低速トルクが減少する傾向にあり、高回転まで回さなければその真価を体感することができません。
そして、吸入空気量が上がるということは、吸入空気量の補正を行う必要もあるほか、吸った分排気しなければならないので、効率の良いマフラーに交換しなければ意味はありません。このように、レーシーなキノコ型は、トータルでバランスを考えて装着しなければ、かえってエンジンのバランスを崩すことになり、逆にパワーダウンとなる事が多いです。
エアクリーナーの交換について
エアクリーナーは、定期交換部品なので、無交換のまま車を走らせていれば、燃費の悪化やパワーダウンに繋がります。純正でも社外品でも必ず交換サイクルが取扱説明書にあるので、その時期を守って交換をしていく必要があります。
交換時期
純正のエアクリーナーは、メーカー指定の交換サイクルを2万キロから3万キロを目安にしていることが多く、通常は車検ごと交換しているのがほとんどです。
オイルやタイヤと同じ
もちろん、年数によっても交換をする必要もありますが、エアクリーナーは、車を走らせることで汚れが溜まってきますから、年数より走行距離重視で交換をした方が良いでしょう。また、都内の渋滞を多く走る場合は、走行距離に関係なくエアクリーナーは汚れますから、整備工場に相談して早めの交換が良いでしょう。
キノコ型は早めの交換を心掛ける
社外品の純正交換タイプは、純正同等の交換時期でも問題ありませんが、キノコ型の場合はフィルターの目も粗くすぐに目つまりを起こすため、早めの交換が必要になります。例えばHKSのスーパーパワーフローの場合、乾式フィルターで6,000km~10,000km、湿式フィルターでは3,000km~5,000kmでの交換を推奨していますし、BLITZで5,000kmごとの洗浄を推薦しています。このように、純正タイプよりむき出しタイプのエアクリーナーのほうが、メンテナンスに気を使う必要があります。
部品代・工賃
純正タイプのエアクリーナーであれば、カー用品店やホームセンターに行くと2,000円~3,000円程度で購入することができます。車種により変わってきますが、交換作業は15分程度からで、作業工賃は時間で変わってきますが、おおむね2,000円程度。
ただし、車検ごとでエアクリーナーを交換するのであれば、作業工賃は24か月整備点検に含まれるので、部品代だけで済みます。チューニング部品としてのキノコ型のエアクリーナーは、部品代で数万円するものがほとんどで、インテークのパイクから交換する車種もあることから、工賃も5,000円程度を目安とすればよいでしょう。
まとめ
エアクリーナーは、エンジン内部に入り込むゴミを除去する大切な部品なので、定期的な点検と交換が欠かせません。いつもより燃費が悪くなってきたり、エンジンにパワーが無くなったと感じたら、エアクリーナーを点検してみましょう。エアクリーナーの役割と機能を理解して、快適なカーラーフを送りましょう。