2019年05月15日 (更新:2022年10月24日)
ポルシェボクスタースパイダーを徹底解剖!中古車相場も紹介します!
ボクスターの進化版モデル「ボクスタースパイダー」を詳しく知りたい人のために、同車種の性能、新車価格、中古車相場を解説します。従来のボクスターとは違うボクスタースパイダーの魅力や現状を徹底解剖していきます。
ポルシェ・ボクスタースパイダーとは
ポルシェ・ボクスタースパイダーとは、ボクスターを進化させたハイパフォーマンスモデルです。正確にはボクスターのベースグレードではなく、911 カレラSグレードをベースにしています。
ボクスターには初代の「550スパイダーエディション」、2代目の「RS60スパイダー」など、既存のポルシェ車両をモチーフに作られた特別グレードがありましたが、正式モデルとしては2010年に発売されたボクスタースパイダーが最初です。また、現行の718ボクスターには「スパイダー」はありません。
スペック
ポルシェ・ボクスタースパイダーの主なスペックは以下の通りです。
987系 | 981系 | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 4,340×1,800×1,230 | 4,410×1,800×1,260 |
エンジン | 水平対向6気筒24バルブ | 水平対向6気筒DOHC |
排気量(cc) | 3,436 | 3,799 |
出力(PS) | 320 | 375 |
最大トルク(Nm) | 370 | 420 |
0-100km/h加速(秒) | 5.1 | 4.5 |
重量(kg) | 1,310(AT 1,340) | 1,315 |
987ボクスタースパイダー
2009年12月のロサンゼルスモーターショーにて987型のボクスタースパイダーが発表となりました。以前のような限定モデルではなく、このモデルで初めて「ボクスタースパイダー」としてカタログ販売(通年販売)されることも同時に発表されました。
特徴は、リアのエンジンフード周りのデザインが往年の「カレラGT」を彷彿させるようなデザインなど非常にスポーティーで、当時販売していた「ボクスターS」とは異なり、手動ソフトトップへの変更やエアコンをオプション設定するなど、徹底して軽量化が図られました。
その結果、「ボクスターS」と比べなんとマイナス115kgもの軽量化に成功しました。エンジンは、「ボクスターS」と同じ水平対向6気筒自然吸気ながらも、10馬力パワーアップの320馬力にチューニングされ、サスペンションもスパイダー専用品が与えられ異次元の走りが実現しました。
981ボクスタースパイダー
981型のボクスタースパイダーは、2012年のジュネーブモーターショーにて発表されました。同時期に販売していた991型911と共用パーツが多くありますが、よりスポーティーで軽快な走りを実現するために、軽いアルミニウム製のドアへ変更やソフトトップの手動開閉機構化、「991型911カレラS」と同じ3.8L水平対向6気筒自然吸気エンジンへ換装など、「スパイダー」とは異なる仕様となっていました。
足回りも「991型911カレラS」譲りのブレーキやスタビライザーの強化がなされています。トランスミッションは6MTのみと左ハンドル仕様車だけというシンプルな設定で、カーボン製フルバケットシートがオプションで選択可能というスポーティーな装備が特徴的です。価格は販売当時で1012万円もしました。
【限定生産モデル】987ボクスター RS60スパイダー
987型ボクスターをベースに、ポルシェがかつて開発していたレーシングカー「RS60」をオマージュさせて融合させた限定モデルが、この「ボクスター RS60スパイダー」です。ボディカラーは以前のスパイダー同様に「GTシルバー・メタリック」一色のみでしたが、その代わり内装色が鮮やかなレッドもしくはダークグレーの2色、そしてソフトトップのカラーも赤か黒の2色から選択可能でした。
エンジンの構造自体やスペックは変わりないものの、エキゾーストシステムとデュアルテールパイプの構造変更に伴い、303馬力にまで出力が上がりました。
中でも特徴的なのは、車が走行中に車速やステアリング角度、そしてエンジン出力などをコンピューターが制御計算し、サスペンションの減衰力5段階を自動的に変更してくれる画期的なシステム「PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)」が、「ボクスター」・「ボクスターS」ではオプション扱いだったのに対し。
「 RS60スパイダー」では標準装備されていました。販売当時価格8,720,000円(6MT仕様)で、全世界1960台生産されました。
【限定生産モデル】986ボクスターS 550スパイダーエディション
初めて「スパイダー」という名が授けられたモデルが登場したのは、2003年の時でした。この時に、往年の市販レーシングカー「550スパイダー」の発売50周年記念モデルとして、世界で合わせて1953台の限定生産という形で販売され、そのうち日本には計61台という非常に少ない台数での販売でした。
「986型ボクスターS」をベースに、3.2L水平対向6気筒エンジンを266馬力へパワーアップ(※元は260馬力)が施され、サスペンションの見直しやモノブロック型ブレーキキャリパーなど足回りの強化がなされています。
内装も「スパイダーS」とは異なり機構やデザインが一新されて、当時ポルシェの超最高級モデルとして君臨していたスーパーカー「ポルシェ・カレラGT」を彷彿させるようなモデルでした。用意されていたボディカラーが「カレラGT」にも採用していた「GTシルバー・メタリック」のみというのも、スーパーカーを彷彿させる要因の一つだったかもしれません。
ポルシェ・ボクスタースパイダーのパフォーマンスは?
ポルシェ・ボクスタースパイダーのパフォーマンスは、従来のボクスターさえも上回るクオリティです。3.8L水平対向6気筒からは375馬力という驚異のパワーを誇ります。車両重量はコンパクトカーにもありがちな1300kg級なので、凄まじいパワー・ウェイト・レシオです。
サウンドも3,000rpm以下でもレーシーな響きが見られますが、5,000rpm以降はエッジの効いた爆音になります。サーキットで走りたい人にとってはたまらないでしょう。
軽合金を基本とした徹底的な軽量化により、ボクスターSとの比較で10kg軽くなっています。これにより、グリップや操縦安定性を引き出し、抜群の運動性能を誇ります。自在な旋回コントロールで、街乗りからワインディングまで楽しめます。スポーツクロノパッケージが搭載されており、「スポーツ」「スポーツプラス」といった段階を選択し、好みのパフォーマンスレベルでボクスタースパイダーを楽しめます
ボクスタースパイダーのパフォーマンスに関する評価
ボクスタースパイダーのパフォーマンスに関するユーザーなどの感想を紹介します。
987系の試乗動画です。「軽量化している分加速が速い」「走りが好きな人には合う」などと評価しています。ドライバーがボクスターのハイパフォーマンスを楽しむ姿も印象的です。
981系のドライブ動画です。「すごくレベルが高い」「名車だと思う」と評価しています。ボクスターの性能の素晴らしさを実感している様子です。
981系の試乗動画です。「普通のボクスターより気持ちいい車」と賞賛しています。ボクスタースパイダーのパフォーマンスはかなり高いところにあるようです。
ボクスタースパイダーの新車価格と中古車価格
ボクスタースパイダーの新車価格
ポルシェ・ボクスタースパイダーの新車当時の価格は以下の通りです。各モデルの最終マイナーチェンジ時点を基準にしています。7AT、6MTはトランスミッションを表しています。
モデル | 7AT | 6MT |
---|---|---|
987 | 918万円 | 871万円 |
981 | - | 1,012万円 |
ボクスタースパイダーの中古車価格
ポルシェ・ボクスタースパイダーの中古車価格相場をモデル別に紹介します。価格は支払総額基準です。※CARTUNE調べ
モデル | 価格帯 |
---|---|
987 | 930万~ |
981 | 1,228万~ |
どちらのモデルも、新車当時を上回った中古車価格で販売されているものがあります。ボクスタースパイダーのようなプレミアムスポーツモデルは生産台数が少ないですが、多くのカーマニアの憧れなので需要が高く、中古車価格が当時の新車価格を上回ることがあります。オプションパーツを装着している関係で付加価値がつき、中古車価格が高くなるケースもあります。
ボクスタースパイダーのようなプレミアムスポーツモデルは、支払総額不明のまま販売されているケースがあります。これは購入時、要応談であることを意味します。貴重なモデルをまとまった金額で売りたいという店側の考えで要応談になるケースが多いです。プレミアムスポーツモデルを中古で購入する際は予算、オプションパーツなどの車の状態、店側の事情や情報などを総合的に考えて判断するようにしましょう。
まとめ
ボクスタースパイダーはポルシェ・ボクスターから進化したスーパーカーです。その言葉通り、エンジンや走りなどのパフォーマンスは、レーシングカーと思うぐらいのハイレベルです。
現在は中古車市場でしか見られませんが、当時の新車価格を上回って販売されている車もあります。ボクスタースパイダーはスーパーカーの歴史に名を連ねる価値がある、プレミアムな一台です。