レクサス・RXとトヨタ・ハリアーの違いはマークやデザインだけ？

初代と2代目におけるレクサス RXとトヨタ ハリアーはほぼ同じ車でした。レクサスの成り立ちは、トヨタ車の北米市場向けの高級車としてリファインした車。RXとハリアーの違いも同様に、細部のディティールや保安部品、搭載エンジンや内装素材などのこまかな差以外は同一車として販売されていました。

2005年のレクサス改変以降のRXは、トヨタ車との徹底した差別化を進め、ハリアーよりも大型ボディに改めれられ、ラグジュアリーSUVというコンセプトこそ同じであるものの、まったく別の車として識別されます。

RXとハリアーはシルエットこそ似通っているものの、ボディサイズはRXのほうがひと回り大きく、フロントフェイスにはレクサスの象徴となるスピンドルグリルが鎮座します。ヘッドライトの意匠やプレスラインなどのディティールもレクサスとして新たにデザインしなおされ、より高級車としての風格があたえられています。レクサスRXには、7人乗りのストレッチリムジンモデルであるRX450hLが用意されています。

ハリアーよりも、ひと回り大きなボディサイズを持つRXのほうが、広い室内空間を備えます。内装はRX・ハリアーともにファブリックと本革が用意されていますが、RXの最上級グレードには高級ソファなどに用いられるセミアリニン仕上げの本革内装が奢られます。インテリアのカラーバリエーションもRXのほうが豊富かつ上質な色合いに調整されています。

ハリアーの搭載エンジンは、2.0L 直列4気筒の自然吸気エンジンとターボエンジン。それに加えて2.5Lのハイブリッドエンジンがラインナップしています。

対して、RXでは、最廉価グレードでハリアーと同じ2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、豪華装備の搭載で重くなった車重をカバーします。RXの上位グレードになると、3.5L V6エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、パワー・トルク・回転フィールのすべてにおいて高級車らしい余裕のある動力性能を確保しています。

WALD Executive LineボディキットとG-CORPORATION Style-TF57の22インチホイールを装備した2代目ハリアー。シンプルで大人の落ち着きを感じさせるハリアーです。

アドミレイションのフルエアロにWeds Kranze Graben（ウェッズ クランツェ グラベン）の22インチホイールを装着。アンダーガートをはじめとする各所のゴールド加飾が目を引くアクセントになっています。

アメリカのフォージアート・ホイールズの24インチホイールを装備。エアロは、アーティシャンスピリッツのリアアンダー、TRDのサイドスカート、フロントは加工品と思われるミックスエアロで上手にまとめられたレクサスRXです。落ち着いた雰囲気のレクサスRXが、独特なアレンジでカスタマイズされています。

レクサス改変以降、RXとハリアーは同じく日本でも販売されることから、大きく差別化され独立した車になりました。販売価格でもおよそ200万円もの差がつけられ、高級車レクサス車と大衆車トヨタとして明確に区別されます。

ミドルクラスのラグジュアリースポーツユーティリティービークルという位置づけは両車とも同じではあるものの、どちらにも、それぞれのキャラクターを備えているため、額面上だけで優劣をつけられるものではありません。

豪華装備で重くなったレクサスRXでは、ハリアーのように軽快な走行はできませんし、ハリアーにRXと同じくらいの豪華仕様にするには、RX以上の金額がかかってしまいます。RXにしかできないことと、トヨタ ハリアーにしかできないことがあります。