ディーゼル仕様エクストレイル、日本市場に向かず

2019年05月15日

ディーゼル仕様エクストレイル、日本市場に向かず

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ディーゼル仕様のエクストレイルについて解説します。現在の国産乗用ディーゼルエンジンといえばマツダが筆頭にあがりますが、日産はそれ以前からクリーンディーゼルエンジンを搭載したエクストレイルを販売していました。

先代エクストレイルにはディーゼル仕様が存在

2代目エクストレイルの大きなトピックとして、ディーゼルエンジンがランナップしたことが挙げられます。それまでの国産ディーゼルエンジンは大量の黒煙と大きな振動を発生し、乗用車向けのエンジンとは呼べるものではありませんでした。しかし、2代目エクストレイルに搭載されたディーゼルエンジンはガソリンエンジンと遜色ないレベルにまで洗練されたクリーンディーゼルエンジンです。

エクストレイルのエンジンスペック

エンジン 最高出力(PS/rpm) 最大トルク(kgf・m/rpm) JC08モード燃費(km/L)
2.0L ディーゼルターボ 173/3,750 36.7/2,000 13.8〜14.2
2.0L ガソリンエンジン 137/5,200 20.4/4,400 13.2〜14.0
2.5L ガソリンエンジン 170/6,000 23.5/4,400 11.6

2代目エクストレイルに搭載されたディーゼルエンジンは、日産とルノーとで共同開発したM9Rエンジン。高圧・高精度の燃料噴射が可能になるコモンレールシステムとピエゾ式インジェクターを採用することで燃焼状態を大幅に改善。それにより少なくなった黒煙は、排気管に備わったフィルターで回収処理できるようになり、従来のディーゼルエンジンのように黒煙を吐き出さず、ガソリンエンジン並の低振動・高レスポンスが与えられたディーゼルエンジンです。

ディーゼル仕様エクストレイルの特徴

低回転域での大トルクを発生させるディーゼルエンジンの特徴により、同排気量のガソリンエンジンよりも低い回転数で大きなトルクを発揮するため、発進や一定速での巡航性能に優れます。さらに、燃料代が安価な軽油を使うため、燃料代が安いメリットがあります。

2008年の登場時は6MTはのみの設定でしたが、2010年のマイナーチェンジでは、待望の6ATが用意され、使い勝手が向上しています。

ディーゼル仕様は消えた?

2013年に登場した3代目エクストレイルにはディーゼルエンジンのラインナップはありません。クリーンディーゼルエンジンのメリットは多いものの、高価な車両価格に対して日本の道路事情へのマッチングが取れない点がその理由です。さらに、ディーゼルエンジンは、日本のような短距離走行を多用すると調子を崩しがちになる点も理由のひとつです。

欧州仕様は進化を続ける

一度あたりの走行距離が長く、一定速で走ることの多い欧州ではディーゼルエンジンが根強い人気。そのため、3代目エクストレイルの欧州仕様には、ディーゼルエンジンが継続して搭載されています。3代目エクストレイルのディーゼルエンジンは、先代と同じM9Rエンジンであるものの、パフォーマンスと環境性能の改善に加え、新たにCVTを組み合わせ、より優れた車へと進化しています。

今後、日本仕様は登場するのか

日本のみならず、今後は欧州でも乗用車におけるディーゼルエンジンも、厳格化する排出ガス規制に対応できずに衰退していく傾向にあります。よって、エクストレイル・ディーゼルの日本仕様が登場する可能性はきわめて低いといえるでしょう。

日産は、欧州向け車両を生産していたイギリス工場での、ディーゼルエンジンの生産を次期エクストレイルではおこなわないと発表。その背景には、2021年から施行される予定の新欧州排出ガス規制の影響があります。

まとめ

歴史上におけるディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも後に設計された高効率エンジンであるものの、ガソリンエンジンに比べて騒音や振動が大きく、乗用車に向いたエンジンとはされていません。しかし、エクストレイルなどに搭載された次世代クリーンディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと遜色がないほどまでに進化を遂げました。

初代に比べてややマイルドになったものの、SUVらしい無骨なイメージが残る2代目エクストレイルには、強力なエンジントルクを発揮するディーゼルエンジンのキャラクターがよくマッチしています。

日本の道路事情に合わないというのはあくまで一般論であり、少々使い方に気をつければディーゼルエンジンのメリットを十分に感じることができるでしょう。安価な維持費で乗れる本格SUVスタイルのエクストレイル・クリーンディーゼルは、いまや希少な1台といえます。