2019年05月11日 (更新:2022年07月07日)
クーラントの選び方を徹底解説!その役割や選び方はこれで完璧!
皆さんはラジエーターや冷却水の重要性を知っていますか?冷却水はエンジンをしっかりと冷やすために、とても大切な役割を担っています。今回はそんな冷却水の重要性や選び方を徹底解説。冷却水とあわせて機能するラジエーターについても簡単に解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ラジエーターの役割
車のエンジンを冷却するために欠かせない重要な部品であるラジエーター。エンジンが駆動することによって走行している車はすべてラジエーターを搭載しています。
スポーツカー乗りや車をチューニングするのが好きな人にとっては馴染み深い存在であるラジエーターですが、ラジエーターがどうやってエンジンを冷却しているのかご存知でしょうか。まずは、ラジエーターがどのようにしてエンジンを冷却しているのか、わかりやすく解説したいと思います。
エンジンを冷やす
走行中のエンジンはとても高温になります。それなりの距離を走行してエンジンを停止した後、車のフロント周りは熱を持っていまよね。これはエンジンが高熱を発生させているからです。仮にエンジンが高温のまま走行を続けると、エンジンオイルが焼き付いてしまい、オーバーヒートになってしまいかねません。それを防ぐためにラジエーターは存在しています。
ラジエーターを搭載することで、エンジンは熱を逃がすことができ、車にとって致命的なトラブルであるオーバーヒートを回避することができるのです。どのようにしてエンジンの熱を逃しているかというと、冷却水(クーラント)がエンジンの中を通ることで熱を逃がしています。
エンジンを冷却した冷却水はラジエーターに流れてくるのですが、ラジエーターに冷却水が流れる仕組みはどのようになっているのでしょうか。
ラジエーターに冷却水が流れる仕組み
そもそも冷却水とは、ラジエーター内部を循環することでエンジンを冷却する役割を持つ液体のこと。冷却水はパイプを通じてエンジンの熱を逃しますが、代わりに冷却水自体が熱を持ってしまいます。
高温になった冷却水はウォーターポンプによって強制循環し、ラジエーターに到達。ラジエーターは搭載されているファンと走行中に受ける風によって、流れてきた高温の冷却水を冷ますことができるのです。
ラジエーターを通過して温度が下がった冷却水は、別のパイプを通じてエンジンを冷却します。これを繰り返すことで、エンジンはオーバーヒートせずに走行を続けることが可能となっています。
エンジンを冷却する役割を持つラジエーターですが、厳密にはエンジンを冷却しているのは冷却水で、ラジエーターはエンジンではなく冷却水を冷やしているということになります。 ラジエーターはエンジンを冷却するシステムのいち部品に過ぎないということです。
クーラントの重要性
エンジンの熱を直接逃がしている冷却水はとても重要です。冷却水の重要性は皆さんもご存知だと思いますが、実際に冷却水の定期的なメンテナンスや交換を実施している人はそう多くありません。これから定期的なメンテナンスや交換を欠かさず実施できるようになるために、改めて冷却水の重要性を再認識しておきましょう。
オーバーヒート対策に不可欠
冷却水がないとエンジンはオーバーヒートしてしまいます。オーバーヒートが起こる原因はいくつかありますが、代表的なのは冷却水の蒸発によるオーバーヒートと冷却水の液漏れによるオーバーヒートです。
冷却水は、エンジンを冷やしているうちにどんどん蒸発していきます。蒸発して冷却水の量が少なくなってしまうと、エンジンをきちんと冷却することができずオーバーヒートの原因になってしまうのです。
また、事故や経年劣化、修理や点検時の不注意によって部品に傷がついたりブッシュが劣化したりすると、冷却水が漏れ出してしまう恐れがあります。冷却水が液漏れすると、冷却水の量が足りなくなってしまい、最終的にはオーバーヒートという最悪の事態を引き起こしてしまうのです。
オーバーヒート対策には必要不可欠な冷却水ですが、入れておけば安心というわけでもありません。「量が少なくなれば継ぎ足し、古くなったら交換する」という定期的なメンテナンスを心がけることで、冷却水は本来の役割を果たしてくれます。
オーバーヒートするとどうなるか
エンジンにとって最悪のトラブルであるオーバーヒート。冷却水の不足などによって、エンジンがオーバーヒートするとどのような症状が起きてしまうのでしょうか。オーバーヒート初期段階ではエンジンパワーが低下するだけで、エンジンを冷却すれば復活します。
その状態のまま乗り続けていると、アイドリングが不安定になりエンジンから水蒸気が発生。その後、エンジンが焼きついてしまいます。エンジンが焼きつくと高額な修理代がかかってしまうので、それを防ぐためにも定期的なメンテナンスを心がけてください。
寒冷地仕様もある
冷却水の代わりに水道水を入れる人もいますが、寒い時期に水道水を入れることは禁物です。気温が0度を下回ってしまうと、冷却水代わりに入れた水道水が凍って体積が膨張してラジエーターを破壊してしまうことがあります。
そうなると、オーバーヒートにも繋がりかねません。このようなトラブルを防ぐためにも、冷却水はきちんとしたものを選んで入れてください。冬場に0度を下回ることが多い地域に住んでいる人は寒冷地仕様の冷却水(不凍冷却水、不凍液など)を入れましょう。
クーラントの選び方
冷却水は車用品店やホームセンターでも簡単に手に入れることができますが、種類が非常に多いためどれを選ぶべきなのかわからないという人は少なくありません。 商品によって冷却性能や耐久性などが異なっていて、もちろん値段もそれぞれです。
そこで今回は冷却性能・値段・耐久性の3つの項目で個人的におすすめしたい冷却水をピックアップしました。冷却水のどんなところを重視するのかは、人によってそれぞれ異なると思うので、自分が求めている冷却水にあてはまるものを選んでください。
冷却性能で選ぶクーラント
スポーツ走行を楽しんでいる人は、高い冷却性能を実現している冷却水を購入すべきです。冷却性能を重視してピックアップした商品が「HKS Super Coolant Sport」。SuperCoolantSportは高い冷却性能を実現しているだけでなく、消泡性・防錆性・防蝕性にも優れています。
凍結温度マイナス18°までの環境に対応することができるので、寒い地域に住んでいる人でも問題はありません。スポーツ走行だけでなく普段使いにも最適です。
SuperCoolantSportの交換目安は2年から3年となっています。希釈せずにそのまま使用することが可能です。冷却水としてはやや高価ですが、その分、多彩なシチュエーションに対応することができます。
値段で選ぶクーラント
冷却水を値段重視で選ぶなら、5-56をはじめとする様々な車用品の製造を手掛けている呉工業の「スーパーロングライフクーラント」がおすすめです。とてもリーズナブルな価格で購入することができます。
耐熱性・耐久性にも優れていて、クーラント液を全量交換することで4年間もしくは10万km走行まで効果を持続することができます。もちろん定期的なメンテナンスは欠かせませんが、ずぼらな人でも安心できる冷却水です。
スポーツカーやアルミエンジン搭載車、ディーゼル車にも使用することができます。ただし、輸入車への使用は控えるべきだと記載されているので、輸入車の冷却水としては適切ではありません。マイナス40度までの凍結を防止、希釈せずそのまま使用することが可能です。
耐久性で選ぶクーラント
スポーツ走行をするために数々のチューニングを施している車は、エンジンへの負担が非常に大きいと思います。チューニングマシンには耐久性の高い冷却水を使用すべきです。
今回ピックアップした製品は、「WAKO'S RHB-P」。こちらはチューニングマシン向けの冷却水として製造されています。一般的な冷却水よりもエンジンの熱を逃がしやすく、オーバーヒートの不安を抱えずにスポーツ走行を楽しむことができるでしょう。凍結温度はマイナス12°と、寒い地域に住んでいる人も安心です。
まとめ
今回はラジエーター冷却水の重要性や選び方を紹介しました。これでラジエーターや冷却水がいかに重要なのかが分かったと思います。冷却水は車のエンジンにとって必要不可欠な存在です。ウォッシャー液と同じように考えている人は今すぐその考えを改めてください。冷却水にはたくさんの種類があるので、自分の車の使い方に適した冷却水をチョイスしましょう。