はみ出してない?ホイールのオフセットについて学ぼう | CARTUNEマガジン
はみ出してない?ホイールのオフセットについて学ぼう

2019年03月13日 (更新:2020年07月31日)

はみ出してない?ホイールのオフセットについて学ぼう

皆さんはホイールのオフセットが何を指している用語なのか、説明することできますか? 「オフセットについてなんとなく知ってはいるけど、具体的に説明するのはちょっと・・・」という方が多いと思います。そこで、今回は皆さんが愛車をもっとカッコよくカスタムできるように、オフセットの基本的な情報をわかりやすく解説します。

オフセットが車のカッコよさを決める。

ひかるん StyleさんのフィットGE8ボディの画像
ひかるん StyleさんのフィットGE8ボディの画像
引用元:ひかるん Styleさんの投稿

カッコイイ車はツライチ

カッコイイ車とは何でしょうか?人それぞれ好みはありますが、一つの絶対的に基準として、ツライチかどうかが挙げられると思います。モーターショーやオートサロンなどのショーカーでツラをせめてない車はないといっても過言ではありません。現代ではツライチと車のカッコよさは切っても切れない関係にあるのです。

ツライチを決めるためのオフセット

ツライチをかっこよく決めるために一番大切なのはホイールのオフセット。逆にいえばオフセットについて熟知していれば、どんな車にどんなホイールを装着してもかっこよく仕上げることが可能です。

ホイールのハブ取り付け面とリム幅中心間の距離

オフセットとは、ボディとホイールを繋ぐハブ取り付け面とホイールのリム幅中心間の距離を表している用語のことです。現在は国際規格に合わせるためにオフセットではなく「インセット」と呼ばれています。

ホイールのリム幅の中心に線を引いたとしましょう。リム幅の中心線よりもホイールのハブ取り付け面が外側に配置されている場合は「インセット(従来のプラスオフセット)」、リム幅の中心線よりもホイールのハブ取り付け面が内側(ボディ側)に配置されている場合は「アウトセット(従来のマイナスオフセット)」と呼びます。

リム幅の中心線とハブ取り付け面の配置が重なっている場合の呼称は「ゼロセット(従来のゼロオフセット)」です。従来の呼称であるプラスオフセット、マイナスオフセット、ゼロオフセットを使い続けている人もいるので、混乱しないようにしてください。

オフセットが大切な理由

車のカスタムでよく用いられるオフセット(インセット)ですが、オフセット(インセット)は車の安全性を確保するためにとても大切なものです。誤った知識でオフセット(インセット)の適合しないホイール装着してしまうと、たくさんの問題や不具合が発生してしまいます。

  • フェンダーよりも外側にタイヤがはみ出してしまう
  • タイヤとフェンダーが干渉してハンドルが全切りできなくなる
  • ブレーキキャリパーと干渉してしまう

オフセットに関する知識を誤ったままホイールを装着してしまうことで、上記のような問題や不具合に見舞わられることになります。ありがちなのはフェンダーよりも外側にタイヤがはみ出してしまうことです。

フェンダーよりも外側にタイヤがはみ出してしまうと、保安基準に適合しなくなるので車検を通すことができなくなります。また、安全性に大きな支障をきたしたりせっかく購入したホイールが装着できなかったりする恐れもあるので、オフセットは慎重に選ぶ必要があります。

オフセットで必ず知っておきたいこと

ゆーたさんのセルシオサスペンションの画像
ゆーたさんのセルシオサスペンションの画像
引用元:ゆーたさんの投稿

オフセットを勉強していく上で必ず知っておきたいことはホイールサイズの表記の読み方です。ホイールサイズの表記の読み方が分からなければ、オフセットが何なのかについて知識を深めていくこともできません。

これからホイールサイズの表記の読み方を勉強しましょう。そのうえで、プリウスの純正ホイールサイズを参考に、どれくらいのオフセットの社外ホイールなら装着できるのかを調べていきたいと思います。

表記の読み方

「15×6½ J5

  • 114.3 44」というホイールサイズがあるとしましょう。前半の「15×6½ J5」はリム径とリム幅、フランジ形状とボルト穴数を表しています。

リム径

リム径はホイールの直径のことで「15」がそれにあたります。リム幅はタイヤを組み込む幅のことで、車をフロントから見たときのホイールの横幅と考えるとわかりやすいかもしれません。「6½」がそれにあたり、リム幅が6.5インチ(6.5J)であることがわかります。

フランジ径

フランジ形状はホイールとタイヤの接合部分のことです。ホイールの太さ(幅)に当たる要素でもあります。「J」がそれにあたり、そのほかに「B」や「JJ」などの規格もありますが、現在では「J」が一般的です。

ボルト穴数

ボルト穴数はその名の通り、ホイールをボディに固定するためのボルト穴の数のこと。「5」はボルト穴数が5つあることを表しています。

PCDとオフセット

後半の「114.3 44」はP.C.Dとオフセットのことです。P.C.DはPitch Circle Diameter(ピッチ・サークル・ダイアメーター)の略称で、ボルト穴の中心を結んだ際にできる円の直径を表しています。「114.3」なら114.3mmという意味で、国産車では114.3mmもしくは100mmが一般的です。

そして、最後の「44」がオフセットになります。この場合はリム幅の中心から44mm外側にハブ取り付け面が配置されているプラスオフセット(インセット)です。仮に「-44」となっている場合は、リム幅の中心から44mm内側にハブ取り付け面が配置されているマイナスオフセット(アウトセット)ということになります。

プリウス純正ホイールを例にサイズとオフセットを考えてみよう!

純正ホイール装着時のクリアランスを知ることで、社外製ホイールに交換するときに「どのくらいのオフセットのホイールなら装着できるか」がわかります。50系プリウスのS"ツーリングセレクション"の純正ホイールサイズを参考に、装着可能な社外製ホイールのオフセットを導き出してみましょう。

50系プリウスのS"ツーリングセレクション"の純正ホイールサイズは「17×7J 5 100 50」です。先述したホイールサイズの表記の読み方を参考にすれば、50系プリウスのS"ツーリングセレクション"のホイールサイズはこう読み取ることができます。

  • 直径:17インチ
  • リム幅:7インチ(7J)
  • ボルト穴数:5穴
  • P.C.D:100mm
  • オフセット:50mmのプラスオフセット

純正ホイールサイズをしっかりと把握したら、次はリムの頂点からフェンダーまでの距離を測ります。仮にリムの頂点からフェンダーまでの距離が50mmとすれば、純正ホイールサイズのオフセットと合計してプラスオフセットが100mmまでのホイールを装着できるということになります。

もちろん、プラスオフセットが100mmのホイールなんてありません。あくまで仮定の話です。100mmほどのクリアランスがあるとわかれば、その分、リム幅の大きい(太い)ホイールを装着することができますよね。

リム幅は1インチ(1J)=25.4mmなので、単純に考えれば8~9インチ(8~9J)のホイールを装着することができると判明するわけです。もちろん、タイヤハウス内のスペースなど様々な要因が関係するので、一概にはいえません。

ですが、純正ホイール装着時のクリアランスとリム幅のインチ数(J数)、オフセットを計算することで、ざっくりとどんなサイズの社外製ホイールが装着できるのかがわかります。皆さんも実際に計算して、よりカッコいいホイールを愛車に装着しましょう!

まとめ

ゆうすけさんのプリウスZVW50ボディの画像
ゆうすけさんのプリウスZVW50ボディの画像
引用元:ゆうすけさんの投稿

今回はホイールのオフセットに関する情報をお伝えしました。オフセットが何をさしているようなのか、社外ホイールを装着する上でどのような計算をすればいいのかが分かったのではないでしょうか。

オフセットに関する知識を深めることで、愛車の足元はさらにカッコ良く仕上がります。スペーサーなどのパーツを用いなくても、見事なツライチを実現することができるはずです。

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