2019年03月13日 (更新:2022年10月20日)
マツダの代表者デミオ!DJデミオのスペックやカスタムを紹介します!
デザインや走りで高い魅力を持つマツダブランドの自動車。今回ではエントリーカーとして代名詞でもあるコンパクトカーのDJデミオについて、価格やグレード、スペック、カスタム事例について紹介します。
デミオという車について
DJ型のマツダデミオは4世代目です。初代デミオが生まれた背景には、どのような歴史があるのでしょうか。
初代モデルの発売年度
マツダデミオが発売されたのは1996年のこと。前年に東京モーターショーにコンセプトカーとして出展されたモデルの名称は『BU-X』でした。
当時のマツダは、販売チャンネルを5つに分けたことで経営が悪化してしまい、いわゆるクロノスの悲劇状態でした。この状況を打破するために、マツダは量販車種をコンパクトカーに絞り、短い期間で開発を行い生まれたのが初代デミオでした。
マツダを救った初代デミオ
このデミオは、車両本体の全長こそコンパクトカーのジャンルに収まる規格でしたが、座席を2列にし荷室を広くとったシンプルなデザインになっており、全高を機械式の駐車場に収まるギリギリの高さに設定し、フルフラット化が可能なシートを搭載。コンパクトカーのジャンルにおいて、居住・実用性を徹底的に追求する形を取られていました。
そのため、初代デミオは幅広い層からの支持を受けて、日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞、ならびにRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するに至り、マツダは経営危機を脱出。初代デミオは「マツダの救世主」と呼ばれることになったのです。
デミオの使われ方
デミオは、初代から現行型に至るまで、その使い勝手の良さから様々な用途に使用されています。ファミリカーとしての用途はもちろん、荷室の広さと扱いやすいボディサイズを生かし社用車としても活躍。コンパクトなボディからくる取り回しの良さは街中だけでなく、モータースポーツでの機動力の高さにも繋がり、ジムカーナやラリーでもその姿を見かけるようになりました。後述するモータースポーツグレードである『15MB』は、デミオの持つポテンシャルの高さを裏付ける一台となっています。
DJデミオの基本情報
四代目となる「DJ系」のデミオの生産開始は、2014年7月。「魂動 -Soul of Motion」をテーマにしてデザインされたボディを持ち、タイヤを車体の4隅ギリギリに配置しています。
先代である三代目の「DE系」で一部のグレードにのみ装備されていたLEDヘッドライトは4灯化され、野生動物を連想させる鋭いイメージへと変わりました。
グレード及び価格
「DJ系」デミオの基本となる、2WDモデルのグレード展開と価格は以下のようになっています。
グレード | 価格 |
---|---|
15C | ¥1,393,200~ |
15S | ¥1,490,400~ |
15S Touring | ¥1,733,400~ |
15S Touring L Package | ¥1,814,400~ |
15S Mist Maroon | ¥1,782,000~ |
15S Noble Crimson | ¥1,792,800~ |
XD | ¥1,814,400~ |
XD Touring | ¥2,014,200~ |
XD Touring L Package | ¥2,073,600~ |
XD Mist Maroon | ¥2,062,800~ |
XD Noble Crimson | ¥2,073,600~ |
15MB | ¥1,560,600~ |
「15」シリーズは全てガソリンエンジン仕様車であり、「XD」シリーズはディーゼルモデルとなっています。ベースグレードは15C。15SやTouringでは、インテリア機能の向上が図られています。また、「Mist Maroon」および「Noble Crimson」は特別仕様車。シックなコーディネートにより、大人の雰囲気を演出しているモデルです。
スペック
「DJ系」デミオの基本となるスペックは以下の通り。
- 全長:4060mm
- 全幅:1695mm
- 全高:1500-1550mm
- ホイールベース:2570mm
- 車両重量:1020-1240kg
- 乗員定員:5名
続いて、エンジンスペックです。
スペック | SKYACTIV-G(ガソリン) | SKYACTIV-D(ディーゼル) |
---|---|---|
最高出力 | 81kw110ps/6000rpm | 77kw105ps/4000rpm |
最大トルク | 141N・m/4000rpm | (AT車)250N・m/1500-2500rpm(MT車)220N・m/1400-3200rpm |
2018年のマイナーチェンジ
1.3Lエンジンを1.5Lガソリンエンジンへ変更
今回のマイナーチェンジでの最も大きなトピックは、何と言ってもガソリン1.3Lエンジンを撤廃し、ガソリン、ディーゼルの全てを1.5Lエンジンに置き換えたことです。近頃の世情に照らし合わせれば、ダウンサイジングが当然の自動車業界。
普通に考えれば3気筒化で1.0Lにダウンサイジングして、動力性能をターボによって1.5L並みを維持しつつ低燃費化を図るのが常識というもの。しかし、デミオではそうせず、あえて排気量アップを選んだことにはどのような理由があるのでしょうか。また、それによる性能の変化やメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょう。
排気量アップの背景
エントリーグレードの「13C」➡「15C」、主力グレードの「13S」➡「15S」となって発売以来グレードの最低価格帯の車種であった1.3Lモデルが一掃されました。
その理由は、マツダの説明によると『「ゆとりあるスムーズな走りの実現」のためには、1.5Lのほうが、エンジン効率の良い領域を有効に活用でき、アクセルの踏み込みやシフトダウンの頻度が減少し、実用領域における燃費の向上に貢献する』となっています。
つい、排気量が少ないほうがコストパフォーマンスに優れてると考えがちですが、実走行では異なる結果になるようです。パワーがある分無駄にアクセルを踏んで回転を挙げずに済めば燃費は良くなるということなのでしょう。
マツダに高出力で低燃費の1.3Lや1.0Lエンジンがないことも「やむをえず」こうせざるを得ない要因でもあるのかもしれません。走りを重視するマツダにとっては、1.3Lのデミオの走りがよほど納得できなかったのでしょうが、今あるエンジンでやりくりせざるを得なかったともいえるのではないでしょうか。
排気量アップによる性能の変化
SKYACTIV-G 1.3エンジンからSKYACTIV-G1.5への排気量アップによる性能の変化としては、最高出力は18PS向上し110PSに、最大トルクは20N・mアップの141N・mとなります。最高出力と最大トルクはそれほど大きな変化をしておらず、ドライバビリティの向上が主体と言えます。
燃費についてはSKYACTIV-G 1.3が20.6~24.6㎞/L、SKYACTIV-G1.5がWLTCモードで19.0~19.8km/L㎞/Lとなっています。
これだけ見ると「やっぱり排気量の少ない方が燃費が良いじゃないか」と思われるかもしれませんが、1.3LがおなじみのJC08モードなのに対し、1.5Lエンジン車は今回からより実燃費に近いとされるWLTCモードを採用しています。そのため、1.3Lと1.5Lの燃費性能はほぼ変わらないといえます。
特別仕様車「ミスト・マルーン」の登場
これまでのデミオの商品改良の時を振り返ると、必ずと言ってよいほど特別仕様車も設定されていて、その後の主力車種となることが多くありました。
個性的なインテリアデザインを特徴とする「スタイルコレクション」シリーズとして、2015年12月の商品改良では「ブラックレザーリミテッド」、2016年10月の商品改良では「テーラード・ブラウン」、2017年11月の商品改良では「ノーブル・クリムゾン」が設定されていました。
今回も、その例にもれず、特別仕様車「Mist Maroon(ミスト・マルーン)」が設定されています。
特別仕様車「Mist Maroon(ミスト・マルーン)」は、「15S Touring」、「XD Touring」のSKYACTIV-DRIVE(6EC-AT)車をベースとし、ドアトリムや助手席前のインパネ、シートに肌触りのよいスエード調人工皮革を採用されています。また、これらはディープレッドとブルーグレーステッチという個性的な配色をキルティングで上品にまとめています。
さらに、ステアリングヒーター、高輝度ダーク塗装アルミホイール、フロントLEDフォグランプ(ピアノブラック&クロームメッキベゼル加飾)を特別装備としています。
特長・こだわりの点
モータースポーツにおけるデミオ
実用性を追求した結果生まれたデミオでしたが、街乗りだけにとどまらずモータースポーツにおけるベース車両としても注目されています。このグレードは『15MB』といい、1グレードのみで展開している車両です。名称の〝MB〟とは、「モータースポーツ・ベース」の略。
その名前が示す通り、ジムカーナやレースなどモータースポーツの分野におけるベース車両となるべくして開発されたデミオなのです。1.5Lという多様なレースカテゴリに参加しやすいエンジンサイズながら、ハイオク仕様になりMTも6速と少しだけ贅沢にチューンされています。『15MB』のエンジンスペックは以下のようなもの。
最高出力 | 85kW〈116PS〉/6,000rpm |
---|---|
最大トルク | 148N・m〈15.1kgf・m〉/4,000rpm |
この『15MB』は、クラスを超えた走りが自慢です。オプションの装備である16インチアルミホイールを履かせれば、さらに走りのキレはアップ。車重も軽自動車に近い軽さながら、1.5Lのエンジンのおかげで普通のデミオとは一味違う走りを見せてくれるのです。
CARTUNEユーザーのDJデミオを紹介
ホワイトボディにobula製カーボンボンネットを装着し、レーシーさを感じさせる一台です。ピンストライプやTE37ホイールがキマっています。
大胆なボディメイクこそしていないものの、足元のfifteen52 Formula TRや、わずかにタイヤにかぶせる程度の程よい低車高で、〝踏ん張り感〟溢れるカスタムに仕上がっています。
まとめ
近所のお買い物から遠出のドライブ、そしてサーキット走行に至るまで幅広い使い方ができるマツダデミオ。ガソリンエンジン車はもちろん、クリーンディーゼルエンジンの力強い走りも魅力です。自分のライフスタイルにぴったりな一台がきっとあるのではないでしょうか。