2019年03月13日 (更新:2020年06月03日)
外車の車検の費用はどれくらい?日本車との違いも解説
街中を颯爽と走る外車。BMW、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、アウディを始めとするドイツ車はもはや珍しいものではありませんね。最近ではポルシェやジャガー、フェラーリ、ランボルギーニまで見かけるようになりましたが、外車と聞いて皆さんはどんなイメージを持たれますか?「かっこいい!」「高価でお金持ちが乗っている」「壊れやすい」などなど・・・。そんな中「車検代も高そう」と思われている方も多いのではないでしょうか?今回は気になる外車の車検事情を調べてみました。
外車の車検費用が高いって本当?
なぜ「外車の車検費用は高い」と思われているのでしょうか?そして本当に外車の車検費用は高いのでしょうか?まず最初に、車検費用には大きく分けて「法定費用」と「整備費用」があります。ですが、この「法定費用」に外車と日本車の区別はありません。
車検の時に関わってくる法定費用は「自賠責保険」「自動車重量税」「印代・証紙代」ですが、自賠責保険は加入期間によって決まるものですし(車検時は24ヶ月)、印代・証紙代は同じです。
こうしてみると、決して外車の車検費用は高くないように思いますが、実際には日本車よりも費用はかかる傾向にあるようです。
車重が重い
法定費用の一つ、「自動車重量税」は、車の重さによって決まるので、自賠責保険と同じで外車・日本車による区別はありません。しかし、一般的にメルセデスベンツやポルシェなどは車重が重いために、自動車重量税は高くなる傾向にあります。もちろんこれも、全ての外車にあてはまるわけではありません。
整備費用が高い
外車の車検費用が高くなるのは、なんといってもこの整備費用がかかるから。整備費用といってもいろいろありますが、まずは部品代。わざわざ海外から部品を取り寄せなければいけないので、どうしても輸送代がかかります。修理・交換にすぐに対応できるようにある程度の数をストックしておく必要があるので、その保管費用もかかります。
こうした理由から、部品代はどうしても日本車に比べると高くなってしまします。そして、純粋に整備費用(工賃)が高くかかります。特にディーラー車検の場合、日本車ディーラーの整備士とは受けている教育(研修)が違うために、その研修費用がかかっているからです。新型車が発売されるたびに、その車の特徴や整備方法などを、時には海外にまで行って研修します。その費用がどうしても反映されてしまうというわけです。
他にも、日本車と比べて交換期間の短い部品もあるなどの理由で、全般的に整備費用が高くなります。
外車の車検を受ける際のポイント・注意点
それでは、外車の車検はどこで受けたら良いのか?どんな点に注意すれば費用を抑えることが出来るのでしょうか?
ディーラーは信頼度が高い
外車の車検を受ける時、まず選択肢に上がるのはやはりディーラーでしょう。
ディーラー車検のメリットはなんといってもその信頼性だといえます。ディーラーは自社の車のメカ部分に特化しています。整備費用の所でもお話ししたように、新型車が発売されれば、その車のメカニズム系教育のための研修が行われます。
そういった整備の面で自社特化型のスペシャリストを置くことで、整備品質を保っているといえます。そのために工賃が高くなってしまうのです。そして交換する部品は新品の純正品なので、部品代も高くなります。高価な外車を買ったんだから、割高だとわかっていても車検は信頼性の高いディーラーでという方は多いようです。
専門店は融通がきく
次に考えられるのは、外車車検の専門店です。インターネットなどを調べると、「BMW・ベンツ修理・車検専門店」などというのを見かけます。こういった専門店のメリットはやはりディーラーより安いことです。
ディーラーとの違いとして、専門店は「部品を修理して使用する」点。ディーラーは「基本的に部品を新品やリビルト品に交換」して整備しますから、この違いは大きいですよね。メーカー毎に特化した専門店なので、整備士の経験値もディーラーに近いものがあります。その経験を元に、「どうしたら安く整備できるか?」を考えて整備してくれます。そして、部品に関しても純正品にこだわらず、OEMという純正同等品などを使用して、整備費用を安く抑えています。
安さなら街の整備工場
そして、なんといっても金額的に一番安いのは、民間車検や町工場での車検です。
基本的に「最低限の整備で車検を通す」ことだけなら、民間車検や町工場でも大丈夫でしょう。
しかし、新しい車や年式の古い車は注意が必要かもしれません。まず新しい車はコンピューターで制御されている部分が多いので、専用のテスターによるコンピューター診断が必要な場合があります。そして、年式の古い車は交換が必要な部品が多くなります。これは国産車と外車の根本的なポリシーの違いで、車の作りが異なっている部分があり、年数や走行距離が増えれば交換部品が多くなるので、民間車検や町工場では整備できない車も出てきます。
そのような点からも、外車の車検業務を取り扱っていない業者もあります。
外車はそもそも考え方が違う
前項で「根本的なポリシーの違いで作りが異なっている」とお話ししましたが、それはどういうことなのでしょうか?
国産車は、オイル交換とバッテリー交換程度のメンテナンスでも、一般的なユーザーの使用期間である10年10万km程度をトラブルなしで走りきれるように作られています。
対して外車は、3年・5年ごと、3万km・5万kmごとといったように、定期的に部品交換を行うことで走行性能の低下を抑えるという思想のもとに作られているメーカーが多いのです。そのために、国産車と比べて交換する部品が多くなってきます。
ディーラーなどにお任せで車検に出すと、次の車検までに交換時期が来る部品は全て交換されてしまうので、整備費用が高くなってしまいます。ですので、業者ときちんと打ち合せをして、今交換しなければならない部品だけを交換し、まだ交換の必要のない部品は、交換時期が来た時に交換することで整備費用を抑えることができます。
まとめ
今回、外車の車検費用をみてきましたが「外車の車検費用は高い」というのは間違いであり、正解でもある。法定費用は日本車と同じですし、整備費用も日本車と比べて法外に高額というわけではないようです。
しかし、部品の交換時期など日本車とは違う点も多いですので、年数や走行距離など自分の車の状態をよくチェックし、2回に1回はディーラーで車検を受けるなどすることで、車検費用を安く抑えながら安心も得る方法を考えてはいかがでしょうか。