街で必ずといっていいほど見かける王冠のエンブレム。メーカーエンブレムではなく王冠を身に付けることを許されたトヨタの王を知らない日本人はいないでしょう。今回は平成最後となる現行型クラウンのスペックやグレード、実燃費をお届けします。
この記事の目次
トヨタ クラウンについて
トヨタを代表するセダン
トヨタ クラウンは、トヨタの量産車で最上級モデルとなる位置づけの車です。初代の販売開始は1955年1月と古く、現代までトヨタを代表する一台として脈々と歴史を紡いできました。
「いつかはクラウン」という名キャッチコピーが用いられたのは7代目クラウンのデビュー、1983年のことでした。当時の日本はバブル景気の真っ只中。人々は上がり続ける景気と終身雇用の時代の中、クラウンを買うことを夢見ていたのです。日本の歴史とともに歩んできたクラウンは、時代ごとに消費者が望む形を取り入れてきた日本人のための高級車です。高い信頼性と耐久性を併せ持つことから、官公庁やパトカー、ハイヤーなどにも採用されています。
現行型クラウン
現行型のトヨタ クラウンは、2018年6月にフルモデルチェンジ。クラウン史上初めてニュルブルクリンクで鍛え上げられ、走りへの開発に特に力を入れた車です。
グレード・価格
クラウンのグレードは非常に多くわかりにくいといわれますが、基本的にスポーツ仕様のRS仕様とラグジュアリー仕様の標準仕様の2パターンに分けることができます。今回のクラウンは、ロイヤル、アスリート、マジェスタが全て統合されてしまったこともあり、RS仕様と標準仕様を合わせると21種類ものグレードがあります。
RS仕様 2.5Lと3.5Lはハイブリッド車
グレード | 価格 |
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2.0 RS-B | 5,000,400円 |
2.0 RS | 5,184,000円〜 |
2.0 RS Advance | 5,594,400円〜 |
2.5 RS | 5,416,200円〜 |
2.5 RS Four | 5,632,200円〜 |
2.5 RS Advance | 5,799,600円〜 |
2.5 RS Advance Four | 6,015,600円〜 |
3.5 RS Advance | 6,906,600円〜 |
標準仕様2.5Lと3.5Lはハイブリッド車
グレード | 価格 |
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2.0 B | 4,606,200円 |
2.0 S | 4,746,600円〜 |
2.0 S | 4,941,000円〜 |
2.5 S | 4,978,800円〜 |
2.0 G | 5,416,200円〜 |
2.5 S Four | 5,194,800円〜 |
2.5 S | 5,157,000円〜 |
2.5 S Four | 5,373,000円〜 |
2.5 G | 5,621,400円〜 |
2.5 G Four | 5,837,400円〜 |
3.5 S | 6,237,000円〜 |
2.5 G-Executive Four | 6,323,400円〜 |
3.5 G-Executive | 7,187,400円〜 |
※RS仕様と標準仕様ともに、Fourとついているグレードは4WD車となっています。
トヨタ クラウンのスペック
全く新しいグレード体系になったクラウン。それぞれ、RSがアスリート、Executiveがマジェスタに相当するグレードとなっています。売れ筋となる2.5RS Advanceと2.5G-Executive Fourのスペックをご紹介します。
グレード | 2.5RS Advance | 2.5G-Executive Four |
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全長 | 4,910mm |
全幅 | 1,800mm |
全高 | 1,455mm | 1,465mm |
ホイールベース | 2,920mm |
トレッド フロント | 1,550mm |
トレッド リア | 1,550mm |
最低地上高 | 135mm | 130mm |
室内長 | 1,980mm |
室内幅 | 1,500mm |
室内高 | 1,185mm |
車両重量 | 1,770mm |
※クラウンのエクステリア寸法では、最低地上高が4WDのほうが5mm低くなり、グレードにより全高が10mm違います。
エンジン
トヨタ クラウンに用意されているエンジンは、2.0Lターボエンジン、2.5Lハイブリッドエンジン、そして3.5L V6ハイブリッドエンジンの3つのタイプを用意しています。
3.5L V6エンジン以外は、直列4気筒エンジンを採用しています。
最高出力 | 最大トルク | 特徴 |
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2.0Lターボエンジン | 180kw(245ps)/5,200rpm~5,800rpm | 350N・m(35.7kgf・m)/1,650rpm~4,400rpm | 先代より10馬力アップし、自然吸気エンジンに当てはめると3.5L並のパワーを誇ります。 |
2.5Lダイナミックフォースエンジン | 135kw(184ps)/6,000rpm | 221N・m(22.5kgf・m)/3,800rpm~5,400rpm | カムリから採用されたA25A-FXS型エンジンを搭載しており、モーターと合わせたシステム総出力は211馬力です。 |
3.5L V6エンジン | 220kw(299ps)/6,600rpm | 356kw(36.3ps)/5,100rpm | システム総出力は359馬力で、自然吸気エンジンに当てはめると4.5L並となります。 |
各エンジンの特徴
2Lターボエンジンは、トヨタの最新技術を投入しており、量産ガソリンターボエンジンの中でトップクラスの最大熱効率36%を達成しました。1650rpmという低い回転域から最大トルクを発揮するエンジンは、胸のすく加速を約束します。ターボ用に開発された直噴エンジンは、ツインスクロールターボと組み合わされることで、排気干渉することなく低回転から優れた応答性と髙過給を可能にしています。
2.5Lダイナミックフォースエンジン
2.5Lダイナミックフォースエンジンは、高圧縮とロングストロール化、高効率吸気ポートに直噴インジェクターにより高速で安定した燃焼をし、VVT-iE(可変バルブタイミング)を採用することで、高出力とレスポンスが向上しています。
3.5L V6エンジン
3.5L V6エンジンは、トヨタブランド初となる2基のモーターとの組み合わせでエンジンの幅広い回転で力強い動力性能を発揮します。
発進加速はもとより、中間加速でもアクセル操作に呼応するように力強く、そしてダイナミックに走らせることができます。
走行装置・駆動方式・トランスミッション
トヨタでは、プラットフォームをTNGAにシフトしており、当然クラウンにもTNGA FRプラットフォームが採用されています。ハンドルを切っただけ曲がるダイレクト感がある正確なハンドリングが可能で、運転して愉しく疲れない走りを実現しています。特にRS仕様では、電子制御式サスペンション(AVS)の採用し、走行中リアルタイムにショックアブソーバーの減衰力の調整をすることで、欧州車に負けない限界の高さを実現しています。
駆動方式は、2WDと4WDの2種類。4WDはトルク可変式となっていて、前後輪のトルク配分を走行条件に応じて30:70〜50:50の間で瞬時に変化させ、どんな状況でも車を安定して力強く走行させることができます。
トランスミッションには、3.5L V6エンジンに10段変速シーケンシャルシフト、2.5L
には電気式無段変速(シーケンシャルシフト6速)、2.0Lターボはスーパーインテリジェント8速オートマチックをそれぞれ搭載しています。すべてのトランスミッションにパドルシフトが付き、マニュアル操作で思うがままにシフトチェンジが可能です。
トヨタ クラウンの実燃費
トヨタ クラウンのカタログ燃費データには、より実燃費に近い値のWLTCモードが採用されており、カタログ値を見る限りではどのエンジンもかなり良い燃費となっています。
実燃費は?
そんななか気になる実燃費ですが、ユーザーの情報をまとめると、2.0Lエンジンが10km/l程度、2.5Lハイブリッドが、14km/l~17km/l、3.5Lハイブリッドが11km/l~12km/lといった情報が多くなっています。燃費を求めるなら2.5Lハイブリッドがおすすめで、パワフルさを求めるなら3.5Lハイブリッドといえるでしょう。
燃費は走行条件にもよりますが、特に冬場は発進前の暖機運転があるので悪くなる傾向にあるのと、渋滞の多い場所を走る車も悪くなりがちです。もちろん燃費が良い口コミもあり、中には2.5Lハイブリッドを高速主体で走行し、19.9km/lを記録しているユーザーもいます。
まとめ
トヨタ クラウンは今回で15代目となります。日本の道路事情に合わせた開発路線は今まで通り変わりませんが、走行性能は世界に通用するレベルで開発が行われました。運転して愉しく、後部座席に乗っても快適に移動できるクラウンは、トヨタを代表するというより、日本を代表する素晴らしい車といえるでしょう。