2019年09月01日 (更新:2024年07月30日)
クラウン220系を徹底解説!グレードや燃費性能もまるわかり!
街で必ずといっていいほど見かける王冠のエンブレム。メーカーエンブレムではなく王冠を身に付けることを許されたトヨタの王を知らない日本人はいないでしょう。今回は平成最後となる現行型クラウンのスペックやグレード、実燃費をお届けします。
2018年6月にフルモデルチェンジされた220系のクラウンは15代目にあたり、スタイルや車両性能も大きく進化されています。販売以来、月間販売目標の4,500台を上回る人気ぶりで、セダン不況と言われる中、このクラウンだけは別格となっています。このクラウン220系はどんな車なのか、グレードはどうなっているのかを、カーチューナーには最も気になるスペックや評判も含めてチェックしてみましょう。
クラウン220系のグレードを解説
クラウン220系では、長く使用されてきた「ロイヤル」「アスリート」、派生車種であった「マジェスタ」というモデルが廃止され、「ロイヤル」に代わる標準仕様と、アスリートに代わる「RS」仕様に整理されました。
RS仕様 のグレードと排気量
グレード | 排気量 |
---|---|
RS-B | 2L |
RS | 2L / 2.5L |
RS Advance | 2L / 2.5L /3.5L |
RS Four | 2.5L |
RS Advance Four | 2.5L |
標準仕様 のグレードと排気量
グレード | 排気量 |
---|---|
B | 2L |
S | 2L / 2.5L |
S Four | 2L / 2.5L |
G Four | 2.5L |
G-Executive Four | 2.5L |
G-Executive | 3.5L |
※RS仕様と標準仕様ともに、Fourとついているグレードは4WD車となっています。
ターボを搭載するクラウンのグレード
ターボを搭載しているクラウンのグレードは7種類です。そのうちの4種類が標準仕様で、3種類がRS仕様となっています。新型クラウンでは後輪が駆動する2WDモデルと4輪すべてが駆動する4WDモデルの2種類が設定されていますが、ターボモデルに関しては2WDモデルの設定しかありません。
B
「B」はターボモデルの標準仕様の中でベースグレードに位置している存在です。クラウンに設定されているグレードの中で最もリーズナブルな価格を実現しています。もちろんその分採用されている標準装備は少なく、クラウンとしての魅力は薄いです。
とはいえ、「S」との外観上の違いはホイールのみ。リーズナブルな価格でカッコいいクラウンに乗れるというのはとても魅力的ですよね。「B」の購入を検討している人は安全装備や先進装備が少ないということを把握した上で購入するようにしましょう。
S
「S」はターボモデルの標準仕様の中で量販グレードに位置している存在です。「S"C Package"」との外観上の違いはほぼありません。そういった意味ではコストパフォーマンスの高さに秀でたグレードです。
もちろん、安全装備やドライビングサポート装備の採用が少ないという違いもあります。クラウンとして最低限の高級感と快適性を求めるのであれば、「S」はとても魅力的なグレードです。価格もリーズナブルな部類に入るので、比較的おすすめしやすいグレードではあります。
G
「G」はターボモデルの標準仕様の中で最上級グレードに位置している存在です。標準仕様には「G-Executive」や「G-Executive Four」といったマジェスタの代わりとなるグレードがラインナップしていますが、残念ながらターボモデルには設定されていません。
そのため、ハイブリッドモデルでは量販グレードとして販売されているGが、ターボモデルの最上級グレードを担っているのです。「G-Executive」や「G-Executive Four」との外観上の違いはアルミホイールくらいで、大きな差はありません。
RS-B
「RS-B」はターボモデルのRS仕様のベースグレードに位置しています。RS仕様の中では最もリーズナブルな価格を実現しているため、比較的購入しやすいグレードです。「RS Advance」や「RS」との外観上の違いはヘッドランプだけで、それ以外は全く同じとなっています。
ベースグレードである以上、内装の質感や控えめで先進安全装備の採用も限られています。個人的に気になったのはステアリングホイールの材質がウレタン製であること。ベースグレードとはいえ高級車であることに変わりはないので、少なくともフェイクレザーは採用してほしかったところではあります。
RS
「RS」はターボモデルのRS仕様の中で量販グレードに位置している存在です。そのスタイリングは「RS Advance」と全く同じで、スポーツ性が強調されていることがわかります。もちろん、「RS Advance」と全く同じというわけにはいかず、安全性やドライビングサポートに関わる装備のいくつかが省略されているようです。
また、シート表皮もファブリックとなっています。とはいえ、スタイリングの迫力自体に大きな違いはないので、RS仕様の中ではコストパフォーマンスが高いグレードとして人気を博しているようです。
RS Advance
「RS Advance」はクラウンの7種類のターボモデルの中で最上級グレードを担っている存在です。スパッタリング塗装を施した18インチのアルミホイール&タイヤに加えて、RS専用のエクステリアパーツを多数採用しています。
新型クラウンにはグレードによって2種類のヘッドライトが採用されていますが、「RS Advance」はスタイリッシュな印象と上質感を演出する3眼ヘッドランプを採用。アウタードアハンドルにはメッキ加飾が施されていて、スポーツ性と高級感を両立しています。
S C Package
「S "C Package"」はターボモデルの標準仕様の中で上級グレードに位置しています。「G-Executive」や「G-Executive Four」との外観上の違いはホイールとヘッドランプ。「G-Executive」や「G-Executive Four」はスパッタリング塗装とノイズリダクションを施した18インチアルミホイールを装着していますが、「S "C Package"」はダークグレーメタリック塗装の17インチアルミホイールの採用に留まっています。
また、ヘッドランプも「G-Executive」や「G-Executive Four」は3眼LEDヘッドランプを採用していますが、「S "C Package"」が採用しているのはBi-Beam LEDヘッドランプです。そのほかにも、アウタードアハンドルのメッキ加飾が省略されていたり内装の質感が控えめになっていたりと、上質感にやや欠けるグレードではあります。
トヨタ クラウンのスペック
全く新しいグレード体系になったクラウン。それぞれ、RSがアスリート、Executiveがマジェスタに相当するグレードとなっています。売れ筋となる2.5RS Advanceと2.5G-Executive Fourのスペックをご紹介します。
グレード | 2.5RS Advance | 2.5G-Executive Four |
---|---|---|
全長 | 4,910mm | |
全幅 | 1,800mm | |
全高 | 1,455mm | 1,465mm |
ホイールベース | 2,920mm | |
トレッド フロント | 1,550mm | |
トレッド リア | 1,550mm | |
最低地上高 | 135mm | 130mm |
室内長 | 1,980mm | |
室内幅 | 1,500mm | |
室内高 | 1,185mm | |
車両重量 | 1,770mm |
※クラウンのエクステリア寸法では、最低地上高が4WDのほうが5mm低くなり、グレードにより全高が10mm違います。
エンジン
トヨタ クラウンに用意されているエンジンは、2.0Lターボエンジン、2.5Lハイブリッドエンジン、そして3.5L V6ハイブリッドエンジンの3つのタイプを用意しています。3.5L V6エンジン以外は、直列4気筒エンジンを採用しています。
2.0Lターボエンジン
- 最高出力180kW(245PS)/5,200~5,800rpm
- 最大トルク:350 N・m(35.7kgf・m)/1,650~4,400rpm
- JC08モード(WLTCモード):12.8㎞/L(12.4㎞/L)
2Lターボエンジンは、トヨタの最新技術を投入しており、量産ガソリンターボエンジンの中でトップクラスの最大熱効率36%を達成しました。1650rpmという低い回転域から最大トルクを発揮するエンジンは、胸のすく加速を約束します。ターボ用に開発された直噴エンジンは、ツインスクロールターボと組み合わされることで、排気干渉することなく低回転から優れた応答性と髙過給を可能にしています。
V型6気筒2.5Lエンジンを全てにおいて上回るスペックで、ついに廃止に追い込んだ新しい時代のベーシックエンジンが直4の2.0Lターボ。その軽快なレスポンスが若い層にも支持されています。
先代より10馬力アップし、自然吸気エンジンに当てはめると3.5L並のパワーを誇ります。
2.5Lダイナミックフォースエンジン
- 最高出力135kW(184PS)/6,000
- 最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3,800~5,400
- モーター最高出力105kW(143PS)
- モーター最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)
- JC08モード(WLTCモード):24.0㎞/L(22.0㎞/L)
2.5Lダイナミックフォースエンジンは、高圧縮とロングストロール化、高効率吸気ポートに直噴インジェクターにより高速で安定した燃焼をし、VVT-iE(可変バルブタイミング)を採用することで、高出力とレスポンスが向上しています。
直列4気筒2.5Lハイブリッドは、エンジンを先代と同じ排気量ながらカムリに搭載されたエンジンに換装。クラウンへの搭載にあたって、エンジン縦置きに伴う各種変更を実施している。システム最高出力は先代比で+4kW(+6PS)の166kW(226PS)に向上され、燃費も改善されています。
3.5L V6エンジン
- 最高出力220kW(299PS)/6,600
- 最大トルク:356N・m(36.3kgf・m)/5,100
- モーター最高出力132kW(180PS)
- モーター最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)
- JC08モード(WLTCモード):18.0㎞/L(16.0㎞/L)
3.5L車はハイブリッドシステムに「マルチステージハイブリッドシステム」を初採用、V6エンジンと2基のモーターから構成されることでシステム最高出力は264kW(359PS)を発生、低速から力強い駆動力を生み出し、10段変速制御の「マルチステージハイブリッドトランスミッション」が組み合わされることで、2.5Lハイブリッド車を圧倒する動力性能と、EV走行も拡大したことにより2.0Lターボ車を凌ぐ燃費性能を両立しています。
発進加速はもとより、中間加速でもアクセル操作に呼応するように力強く、そしてダイナミックに走らせることができます。
走行装置・駆動方式・トランスミッション
トヨタでは、プラットフォームをTNGAにシフトしており、当然クラウンにもTNGA FRプラットフォームが採用されています。ハンドルを切っただけ曲がるダイレクト感がある正確なハンドリングが可能で、運転して愉しく疲れない走りを実現しています。特にRS仕様では、電子制御式サスペンション(AVS)の採用し、走行中リアルタイムにショックアブソーバーの減衰力の調整をすることで、欧州車に負けない限界の高さを実現しています。
駆動方式は、2WDと4WDの2種類。4WDはトルク可変式となっていて、前後輪のトルク配分を走行条件に応じて30:70〜50:50の間で瞬時に変化させ、どんな状況でも車を安定して力強く走行させることができます。
トランスミッションには、3.5L V6エンジンに10段変速シーケンシャルシフト、2.5L
には電気式無段変速(シーケンシャルシフト6速)、2.0Lターボはスーパーインテリジェント8速オートマチックをそれぞれ搭載しています。すべてのトランスミッションにパドルシフトが付き、マニュアル操作で思うがままにシフトチェンジが可能です。
トヨタ クラウンの実燃費
トヨタ クラウンのカタログ燃費データには、より実燃費に近い値のWLTCモードが採用されており、カタログ値を見る限りではどのエンジンもかなり良い燃費となっています。
実燃費は?
そんななか気になる実燃費ですが、ユーザーの情報をまとめると、2.0Lエンジンが10km/l程度、2.5Lハイブリッドが、14km/l~17km/l、3.5Lハイブリッドが11km/l~12km/lといった情報が多くなっています。燃費を求めるなら2.5Lハイブリッドがおすすめで、パワフルさを求めるなら3.5Lハイブリッドといえるでしょう。
燃費は走行条件にもよりますが、特に冬場は発進前の暖機運転があるので悪くなる傾向にあるのと、渋滞の多い場所を走る車も悪くなりがちです。もちろん燃費が良い口コミもあり、中には2.5Lハイブリッドを高速主体で走行し、19.9km/lを記録しているユーザーもいます。
ユーザーの評判
otomiさんのクラウンAZSH20
スポーティで重厚感があり高級車にふさわしい。 以前のアスリートのデザインが好きになれず、今回は素晴らしいと思います。
もちろん気に入ったからこそ購入しているので、スタイリングは好評のようです。前モデルではロイヤルとアスリートで極端にテイストが変わっていましたが、新型ではスポーティーに偏りすぎず、それでいてクラウン本来の重厚感も持たせるという良いバランスになったことが方票の要因なのです。
きよさんのクラウ
走りに感しては最高。ボディーと足まわりは本当に素晴らしく、乗り心地は悪くないので流石です。 固くもなく、柔らかくもなく、中間的なところが良いです。
ニュルブルクリンクを走りこんで快活するほど、走行性能に関してはかなり力を入れた新型クラウン。TNGAに基ずく高剛性のシャーシー性能と性能を向上された3つのパワーユニットがユーザーに十分体感できるものになったようです。
クラウン220系のカスタム
エアロパーツ
コンプリートカーを発注することも可能なM'z SPEEDのスポイラーです。フロントスポイラーにはLEDを付属するなど、一味違ったクラウンを演出することが可能です。色により値段は異なりますが人気のエアロは下記のとおりです。
- フロントスポイラー:74,000円~92,000円
- サイドステップ:68,000円~118,000円
- リアアンダースポイラー:70,000円~110,000円
アルミホイール
19インチは走りと快適性を両立した形となります。タイヤが占める面積が増えますが、道路のギャップを吸収してくれます。また、ホイールブランドとして定評のあるウェッズなだけに、走りのスポーティーさを忘れないデザインも魅力です!
車高調
車高をある程度下げることによって見た目が良くなることはもちろんですが、運動性能も向上します。コーナリングやブレーキングの際、車体がフラフラしなくなるのも魅力の一つです。
また、ダウンサスという方法もありますがショックに負荷がかかってしまうので寿命が早くなってしまう心配があります。そのことを踏まえても、車高調は入れておきたいところです。
ブリッツからすでに220系クラウンの車高調が発売されています。しかし、加工が必要となるため専門店にお願いすることがベストです。見た目と走りの両方でアピールできるのが車高調です。
ステアリングホイール
CARTUNEユーザーのカスタムを紹介
RuiσД`*さんのクラウン
こちらはアイラインLEDの部分にフィルムを貼ったカスタムです。夜の印象がガラリと変わり、他とは違ったクラウンを演出できますね!この他にもスモークや赤などのカラーもあるそうですし、フィルムなので簡単に剥がせることも嬉しいですね!
19インチのホイールでもインパクトは大きいですね!20インチに不安のある方にとっては19インチでも充分に存在感をアピールすることができそうです!
まとめ
トヨタ クラウンは今回で15代目となります。日本の道路事情に合わせた開発路線は今まで通り変わりませんが、走行性能は世界に通用するレベルで開発が行われました。運転して愉しく、後部座席に乗っても快適に移動できるクラウンは、トヨタを代表するというより、日本を代表する素晴らしい車といえるでしょう。