2019年09月01日 (更新:2024年07月29日)
タイヤ交換は自分で出来る!交換方法や必要な工具も解説!
車のタイヤ交換は、必要な工具と注意点を守れば簡単に行うことができます。タイヤ交換ができるようになれば、工賃も削減できてカスタムに浮いたお金を使えそうですね。簡単に交換ができるように、作業手順や注意点、必要な工具の紹介をしていきます。
自分でタイヤ交換するメリット・デメリット
整備やカスタムをする時に必要となってくる作業の1つとして、タイヤ交換があります。自動車学校で習いましたよね?簡単そうに見えるのですが、やったことのない人からすると難しそうに見えます。
ですが、ちゃんと道具を揃えて、注意点さえ守ればできる作業です。タイヤ交換の方法を知ることも必要ですが、自分でタイヤ交換する際のメリットとデメリットを確認しておきましょう!
自分でタイヤ交換するメリット
いざというときのために交換方法を知っておく
タイヤ交換をする場合、タイヤの仕組みが視覚的に分かるメリットがあります。タイヤの仕組みを理解することで、タイヤにトラブルが発生したときの対応もスムーズになります。空気圧が適正であることの重要性など、タイヤ交換で学ぶことは少なくありません。
万が一タイヤがパンクした時やバーストした場合、一時的な対応としてスペアタイヤと入れ替えるのが普通です。スペアタイヤを交換する場合に、ロードサービスなどを利用する人も少なくありませんが、場所や状況によってはロードサービスを利用すると時間がかかる場合もありますが、自分でタイヤの交換ができればその必要はありません。
タイヤ交換の費用が節約出来る
タイヤ交換を自分で行うメリットは、何と言っても節約できることです。通常、タイヤ交換を依頼すると3,000円~5,000円ほどの工賃が発生します。雪が多い地域だと、冬タイヤと夏タイヤの交換が必要になるので、最低でも年間で2回のタイヤ交換が必要です。
交換を自分ですると、大幅な節約につながります。コツをつかめばスピーディーに交換できるようになるので時間もさほどかかりません。費用を抑える目的でタイヤ交換を自分でする人は少なくありません。
自分でタイヤ交換するデメリット
事故や故障の原因となる場合がある
タイヤ交換を自分で行う場合の最大のリスクとなるのがタイヤが外れる事です。走行中などにタイヤが外れると非常に危険で、タイヤが人にぶつかって死亡事故に発展したことも過去にあります。もちろん運転手自身も危険を伴います。
逆説的に考えるとしっかりした知識を持ち、普段から自分で締め付けなどの確認が行えるようになれば、任せっきりで確認していないよりは、その様なトラブルに合う可能性も少なくできるので、正しい交換方法を覚えておきましょう。
タイヤ交換の際の事故のリスク
タイヤ交換を行うにはジャッキなどの工具を必要としますが、工具がない場合などに必要な工具を使用しないでタイヤ交換等を行いケガをするなどのリスクがあります。タイヤ交換は難しい作業ではありませんが、必要な工具で正しい交換方法を行えばと言う条件が前提ですので、しっかり確認して行うようにしましょう!
自分でタイヤ交換を行う方法
いざタイヤ交換をしようとしても、肝心の工具がないと何もできません。できたとしても怪我をしてしまう恐れもあります。タイヤ交換をする際に最低限必要な工具や交換に適した場所、他にも持っておくと便利な工具があるので順を追って紹介して行きます。
タイヤ交換に必要な条件
タイヤ交換をするにあたり、坂道の路面で作業することはやめてください。車体を持ち上げたときに、重力に引っ張られて車が動いてしまう可能性があります。これはタイヤ交換に関係なく、車体を上げて作業をするときは「平坦な路面」で作業するようにしてください。
また基本的に路面がアスファルトやコンクリートになど地面が硬い場所を選びましょう。砂利等の路面ではジャッキアップした際に安定せずジャッキが外れてしまう危険性があります。
※タイヤローテーションを検討する
タイヤは前後でかかる負担が異なるので、摩耗スピードが異なります。できるだけ四つのタイヤを長く使用するためには定期的なローテーションを行うことでタイヤの寿命を伸ばす事が出来ます。ローテーションは前後左右を入れ替えて行いますが、前輪左側のタイヤを後輪右側、前輪右側のタイヤを後輪左側にするのが基本になります。後はそれぞれの摩耗状態を見ながら判断します。
また、このローテーションができるのは前後のホイールとタイヤのサイズが同じ場合のみです。車によっては前後で異径サイズとなっている場合があるので事前に確認しておきましょう!
タイヤ交換に必要な工具
交換に際して最低限必要な工具は次の通りです。
- フロアジャッキ
- クロスレンチ
- トルクレンチ
- ジャッキスタンド
- 手袋
ジャッキとレンチの2つがあればタイヤ交換をすることが可能です。しかし、ジャッキで車体を上げたままで作業するのは、万が一落ちてくることを考えると非常に危険です。そのため、ジャッキスタンドもあるといいでしょう。
これはフロアジャッキで車体を持ち上げたあとに車体を支えるための工具で、これを下において支えることで、フロアジャッキを外すことができます。安全性を考えると是非持っておきたい工具ですね。
またトルクレンチは最後のホイールナットの締め付けの仕上げに使います。ナットを締める力を統一しておく必要がありますので、そのチェックに使います。
タイヤ交換に便利な工具
必要な工具に加えて、持っておくと便利かつ作業が早くなる工具も紹介していきます。以下の3つがあると便利です。
- インパクトレンチ
- エアーチェッカー
- 空気入れ
インパクトレンチは、エアー式と電気式があり、どちらもナットを緩めたり締めたりすることに使います。人力ではないので、作業が楽になります。
エアーチェッカーは、タイヤの空気圧を測るためのものです。空気圧が減っていないか確かめておかないと、パンクしている可能性もあります。
タイヤの空気圧は自然に抜けていくため、定期的に空気を入れて適正な空気圧に設定する必要があります。タイヤ交換をするときは、是非この機会に空気の量も確認しておきましょう。空気はガソリンスタンドや整備会社で入れてもらうこともできますが、自分で専用の機械を使って確認することやエアを入れることも可能です。
![](http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mahy1/cabinet/raku010_0059/01-20240511-14500200.jpg?_ex=300x300)
タイヤ交換方法完全マニュアル
ここからは実際の作業方法をご説明していきます。方法だけでなく注意点も記載しておきますので、よく見て作業を行ってください。また後輪の交換の場合はサイドブレーキが利用できるので4と8のタイヤを接地させる段階は省略出来ます。流れとしては、以下の通りとなります。
- 水平な路面か確認する
- 輪止めを設置する
- ジャッキアップポイントを確かめる
- 少しジャッキアップしてホイールナットを緩める(後輪を除く)
- ジャッキアップする
- ホイールナットを外してタイヤを外す
- タイヤを付けてホイールナットを仮締め
- 少しジャッキを緩めてトルクチェックを行う(後輪を除く)
- ジャッキをおろして空気圧のチェック
以上のような流れになります。9つのステップを順序良く行っていきましょう。それと、作業を始める前に工具を揃えたりするだけでなく、車も動かないようにしておく必要があります。
MT車であれば、ギヤをバックギヤに入れてサイドブレーキを掛けて、AT車であれば、P(パーキング)レンジに入れてサイドブレーキを掛けておいてください。
➊水平な路面か確認する
作業は必ず水平な場所で行いましょう!水平でない場所で作業を行った場合、ジャッキアップを行っている最中や、ジャッキアップ後にバランスを崩してジャッキが外れる場合があります。
この場合、重大な事故にもなりかねないため、作業を行う場所の確認は必ず行いましょう!また砂利や土の上での作業も同様にジャッキの水平が保てなくなる可能性があるため、アスファルトなコンクリートの上で行う事を忘れては行けません。
➋ 輪止めを設置する
たかが輪止めと侮っては行けません。輪止めがアあると無いとでは安全性に大きな差が出ます。サイドブレーキが甘かったりした場合でもこの輪止めがあることで車両が動いてしまうリスクが減らせます。
プロが整備工場などでは当たり前のように使用しているものを、自分で行う場合は使用しないとどんなリスクを含むかは明らかです。安全が最も最優先の事項となるので安価で安全性を高められる輪止めはクルマいじりには必須のアイテムです。価格も安いためお持ちで無い方は是非購入してください!
➌ジャッキアップポイントを確かめる
車にはジャッキアップポイントと呼ばれる、車体を持ち上げるためにジャッキを掛けても良い箇所があります。多くのクルマでは前方用に前輪タイヤ後ろあたり、後方用であれば後輪タイヤの前にポイントがあります。前輪タイヤと後輪タイヤの間の車体の下を覗いてみると、切り欠きのようになっている場所があります。そこがジャッキアップポイントです。
ジャッキアップポイントは他の箇所よりも強度のある場所が設定されています。もし他の場所でジャッキアップしてしまうと、フレームやパーツが変形してしまう可能性もありますので、必ず事前に確認してください。
➍少しジャッキアップしてホイールナットを緩める(後輪を除く)
ジャッキアップポイントを発見したら、そこにフロアジャッキを当てて車体をリフトアップしていきます。ですが、一気に上げないようにしてください。フロアジャッキの掛かりを確かめるために、少しだけジャッキが重たくなったところで止めて、ジャッキポイントに間違いはないかの確認をしてください。
そしてタイヤが浮く寸前くらいまで、少しジャッキアップを行ってください。少しジャッキアップとはジャッキアップを行ってもホイールが回せない状態を指します。これはホイールナットを緩めた際、ハブやハブボルトに余計な負荷を掛けないためです。
タイヤが完全に接地した状態でホイールナットを緩めてしまうと、通常ハブ全体で受け止めている荷重がハブボルトなどに掛かってしまい最悪の場合、変形するなどの可能性があります。これを避けるため、基本的には車重はジャッキで支えているがホイールが回らない状態を作り出すために必要となるのです。
ポイントはタイヤが浮いた状態から少しジャッキを下ろすとこの状態になります。
ホイールが回らない事が確認できたら、クロスレンチなどで手で回せる程度にホイールナットを緩めましょう!
➎ジャッキアップする
ホイールナットを緩めたら、完全にタイヤが浮くまでジャッキアップを行ってください。あまり高く上げ過ぎると作業性は増しますが、タイヤの上げ下ろしが大変になるので自分なりに程良い高さにしておきましょう。
➏ホイールナットを外してタイヤを外す
完全にジャッキアップが出来たら、ホイールナット外していきましょう!ホイールナットを外していくと、最後の1本だけ固くなったように感じる場合があります。その時は、タイヤが外れかけて斜めになっていることが多いですから、手や足でタイヤを少し抑えておいて緩めるようにするとスムーズに外れます。
ナットが完全に外れたら、タイヤを外します。持ち方は人それぞれですが、下からタイヤを持ち上げてあげると外しやすいです。腰を痛めないように気をつけましょう。もし重く感じたり、大型のホイールなどを外す場合はタイヤを簡単に運べるタイヤリフターが便利です。
➐タイヤを付けてホイールナットを仮締め
次に使うタイヤを取り付けます。ここで、初めて作業をする人にとって難所となるところがあります。ボルトとホイールの穴が合わない現象です。タイヤが重たく、なかなかボルトが入らないとイライラしてきますよね。ここでワンポイントです。
全ての穴に一気に入れようとすると難しいので、1本だけ入れるようにしてみてください。できれば、上に位置するボルトに狙いを定めて作業するといいでしょう。1本入れば、あとはタイヤを動かしてやると他のボルトも入るようになります。
そしてナットを締めていくわけですが、ここでも注意点。ナットをいきなり工具を使って締めないでください。斜めに入っていても気付かず締めてしまう恐れがあります。初めは手を使って手では締められない程度まで全てのナットを締めつけるようにしてください。
締め方の順番は対角線上に行うようにしてください。4本であれば、上下、左右の順番。5本であれば、星を描くように。6本であれば、三角形を描くように2回締めれば大丈夫です。
そして最後にクロスレンチなどで手で回らないけど、レンチでは締められる分を同じく順番に締めてください。ナットの締め具合は、仮締めとして力いっぱい締めないようにしましょう。軽く力を掛けて締める程度で大丈夫です。
➑少しジャッキを緩めてトルクチェックを行う(後輪を除く)
次にトルクレンチで規定の締付けトルクまで締めて行くのですが、やはりジャッキアップの時と同じように、いきなりジャッキを下ろしては行けません。タイヤが接地してホイールが回らない程度まで車体を下ろしてください。
ホイールが回らない程度になったら、ここでトルクレンチを使ってホイールナットを締めてください。締め付けトルクはクルマにより異なってきますので、説明書などで締め付けトルクを確認しておきましょう!
➒ジャッキをおろして空気圧のチェック
お疲れ様でした。最後にジャッキを下ろして完了です。作業で空気が抜けることはありませんが、スタッドレスタイヤなど使用していなかったタイヤを取り付ける場合等は安全のためにも空気圧をチェックして、足らなければ空気を入れておきましょう!
JAFによるタイヤ交換方法の動画
動画でも確認してみましょう。イメージがつかみやすくなります。
まとめ
今回はタイヤ交換の手順や方法、注意点についてご説明しましたが、これくらいならできそうですね。タイヤ交換ができるようになるだけでも、皆さんの作業性の幅が広がって益々カスタムや整備に力を注ぐことができそうです。
CARTUNEではメンテナンスに関する投稿もたくさん投稿されていますのでユーザーの投稿も是非御覧ください。