2019年01月04日 (更新:2022年11月09日)
バッテリーあがりは自分で解決!自分でジャンプさせる方法を解説します!
自宅の駐車場や出先の駐車場で車のエンジンを掛けようとしたらエンジンがかからないという場面に遭遇したことある方は多いことでしょう。そのような場面に遭ったことのない方はこれから遭うかもしれません、そんな時でもトラブルに対処できるように、自分でバッテリー上がりを解決するジャンプと押しがけを紹介します。これさえ読めばバッテリー上がりはもう怖くありません。
バッテリー上がりの症状
症状①:エンジンがかからなくなる
バッテリーが上がった時に見られる症状のひとつであり、かつ致命的なことは、エンジンがかからなくなることです。何故エンジンがかからなくなるのか、これはエンジン始動方法に関係しています。
エンジンを始動させるとき、バッテリーの電力を使ってスターター(セルとも呼ばれる)がエンジンを動かしてオルタネーターを作動させ、バッテリーの電力を用いてシリンダー内での燃料噴射やスパークプラグの点火を行わせてエンジンを始動させるという仕組みになっています。
この一連の工程からもわかるとおり、エンジン始動のきっかけを生み出すスターターはバッテリーの電力が不可欠であり、スパークプラグや燃料噴射をするにもバッテリー電力が必要なのです。つまり、スターターやオルタネーターに故障やトラブルが無い場合を除き、エンジンがかからない原因はバッテリー上がりであるということ、そしてバッテリー上がりの状況ではエンジンを始動させることができないということになります。
症状②:メーターの各ランプが点灯しない
次に紹介する症状はチェックランプなどの不点灯です。バッテリーが上がった状態だとメーター上にあるチェックランプなどが点灯しなくなります。イグニッションの位置にキーを持っていった時にチェックランプ各種が点灯するのが基本ですが、バッテリー上がりの状態では電力が不足しているためこのチェックランプすら点灯しないのです。バッテリー上がりの状態での電力の残量によってはチェックランプも点灯することもあります。
これらのランプが点灯しない、または点灯するけれど消えかけている、というような状況になってしまった場合には、エンジンが始動する・始動しないに関わらず、バッテリーを充電するか新品に交換するなどして対策しておきましょう。バッテリーの電力量を車内から確認することのできる数少ない方法のひとつとして考えることもできます。
症状③:電力を使うものが使用できなくなる
これは必ず発生するというわけではありませんが、バッテリーが上がった状態での電力量の残り具合にもよりますが、電力を使うものが使用できなくなります。電力を使うものというのは、例えばヘッドライトや室内灯、カーナビ、シガーソケット、さらに言えば最近の自動車の大多数に採用されているキーレスまたスマートキー機能といったものなどです。
エンジンがかからないくらいのバッテリー上がりであれば、ライトやキーレス機能は問題なく作動することが多いですが、バッテリー電力が全くないとキーレスやスマートキーでは機能すらしなくなります(バッテリー端子を外している時も作動しません)。
バッテリー上がりかどうかを見分けることが大切
このようにバッテリー上がり時にはさまざまな症状が発生します、このような時にバッテリー上がりが本当に発生しているのかどうかを見分けることが大切です。例えば、スターターが回らない時にはチェックランプが点滅しているかどうかをまずは確認し、それでもわからないようであればバッテリーを交換してエンジンが始動するかどうか様子を見る、というようにすると良いでしょう。
バッテリーがあがった際の対処方法
バッテリーがあがった事が判明した場合の対処方法はドライバーの環境により異なって来るかと思います。手間のかからない順で見てみましょう。
- ロードサービスを呼ぶ
- 他の車からジャンプスタート
- バッテリーを購入してジャンプスタート
- 押しがけ
➊ロードサービスを呼ぶ
バッテリーが上がった際、JAFのようなロードサービスを呼ぶ事が対処法の一つです。JAFに加入していない場合でも最近では多くの任意保険のサービスでロードサービスが提供されているので、加入している任意保険のサービスを確認しましょう!
ロードサービスでエンジンを掛けてもらって、その足でオートバックス等のカー用品店に行き、バッテリーを交換すれば急なバッテリーのトラブルでも費用を抑えられます。
JAFの場合
- 非会員の場合:基本料・作業料込みで12,880円(午前8時から午後20時の対応時の場合)
- 会員の場合:入会費・年会費込みで6,000円支払えば、バッテリーが上がりの対応は無料になります。
➋他の車からジャンプスタート
ジャンプとは
バッテリー上がりになってしまった時の対処方法にジャンプ(ジャンピングスタート)というものがあります。ジャンプとはバッテリー上がりの車と平常走行の車のバッテリーを接続することで電力を供給して救援する方法です。上がってしまったバッテリーを交換することなく復活させることができるというメリットがあります。
しかし、ジャンプする車両同士のバッテリー電圧は同じである必要があるので、乗用車にジャンプする場合には12V車両(乗用車)でなければジャンプできないということを覚えておきましょう、この場合24Vバッテリー搭載車ではジャンプは不可能です。普通の乗用車は殆どが12Vですが念のために確認をおすすめします。
ジャンプスタートに必要なもの
ジャンプ作業をするために必要なものは、乗用車という前提で説明すると、バッテリーが上がっていない乗用車とブースターケーブルです。ブースターケーブルとはバッテリー上がりの車に救援車からバッテリーを供給することを目的とするケーブルで、赤色(プラス)と黒色(マイナス)で構成されています。
自分の車がバッテリー上がりとなった、または友人・知人の車のバッテリーが上がってしまった時に助けてもらう・助けることができるように車載しておくと便利です。1,000円ほどで購入することができるので、用意しておきましょう。
ジャンプの方法・手順
ジャンプする方法・手順は次のようになっています。最初の手順は車両同士をできるだけ近づけることです。それぞれの車のバッテリー搭載位置を確認して、バッテリー上がりの車を動かすことはできないことが多いので、救援車を動かして作業しやすい位置に駐車しましょう。
次に、ブースターケーブルを取り付けます。ブースターケーブルの取り付けには順番がありますので、その順番に従って取り付け作業をしてください。ブースターケーブルは次の手順で取り付けましょう。
- バッテリーが上がった車のプラス端子に赤色ケーブル
- 救援車のバッテリープラス端子に赤色ケーブル
- 救援車のバッテリーマイナス端子に黒色ケーブル
- バッテリーが上がった車のエンジンブロック部分にマイナス部分
ブースターケーブルをこの順番で取り付けたら、救援車のエンジンを始動します。エンジンを始動したら、その状態で1~5分間維持してください。これをすることでバッテリーが上がった車のエンジンを始動することができるようになります。救援車のエンジン始動1~5分後にトラブル車のエンジンを始動してみてください。そうするとエンジンがかかるようになっているはずです。
最終段階はブースターケーブルの取り外し作業になります。ブースターケーブルを取り外す順番は、ブースターケーブルを取り付けた時と逆の順番で行いましょう。
- バッテリーが上がった車のエンジンブロック部分にマイナス部分
- 救援車のバッテリーマイナス端子に黒色ケーブル
- 救援車のバッテリープラス端子に赤色ケーブル
- バッテリーが上がった車のプラス端子に赤色ケーブル
という順番になります。バッテリーが上がっていた車のエンジンがかかっている状態でブースターケーブルを取り外してください。救援車のエンジンは切っても大丈夫です。
ジャンプする際の注意点
ケーブルの接続順番を守る
バッテリー電圧が同じ救援車さえいれば、新しいバッテリーに交換せずともバッテリー上がりに即席で対処することができることがジャンプのメリットであり良いところですが、注意点を挙げるならば、ブースターケーブルを取り付ける順番を間違えないということです。
上記で説明したようにブースターケーブルを取り付ける時には、初めにプラス端子を取り付けてからマイナス端子を取り付ける、そして取り外すときはマイナス端子のブースターケーブル・プラス端子のブースターケーブルという順番で取り外します。
この順番を守らずにブースターケーブルを着脱すると、場合によってはショートしてしまうのです。ショートを防ぐためにも、取り付け順序を守りましょう。なお、着脱順序を守ったとしても、ブースターケーブルがボディに触れるとショートする可能性があります、気を付けてください。
ハイブリッド車両からはジャンプできない
もう1つの注意点は、ハイブリッド車両を救援車としてジャンプに使用しないということです。一般的にハイブリッドの車を救援車として使用することはできません。例えばマツダのホームページではアクセラハイブリッドについて、「アクセラハイブリッドは他車のバッテリーあがりを救援することはできません。
アクセラハイブリッドには「救援用端子」を備えていますが、これは自車が救援を受けるためのものであり、他車を救援することには使用できません」というように質問FAQにて説明されています。なお自車が救援を受けることは可能とのことです。
➌バッテリーを購入してジャンプスタート
一昔前までは、大型のジャンプスターターが必要でしたが、モバイルバッテリーの進化に伴いジャンプスターターもモバイルバッテリーと共用できる製品が多数販売されています。
ほとんどの製品はブースターケーブルも付属しているので、この様なバッテリーを普段からモバイル用に使用していればこの様なバッテリーあがりにも対応できるので人気のアイテムになっているのも納得できます。
➍最終手段、押しがけの方法を解説
押しがけの仕組み
ブースターケーブルを持っていてもジャンプしてくれる車がいない場合にはジャンプすることができません、そんなときに試したいのが押しがけです。押しがけはバッテリー上がりで動かなくなった車で、救援車がいない時に試す最終手段みたいなものになります。
押し掛けの仕組みですが、これはスターターを回してエンジンを始動するという仕組みとはことなります。タイヤを回転させることでエンジン内部にあるクランクシャフトやピストンを動かして、クラッチペダル・シフト操作と合わせてエンジンを始動させようというものです。
なお、押しがけでエンジン始動することができるのはMT(マニュアル・トランスミッション)の車両だけというのが一般的に言われています。ATやCVT車ではMT車ほど容易にすることができないので、現実的ではありません。
押しがけの手順
MT車の押しがけ手順は次のように行います。
- 初めに車のシフトをニュートラルの位置にする
- キーのポジションをイグニッション(IGというところ)にしておきます。
- サイドブレーキを降ろして
- 車を押す
- 時速10km/程度になったら2速または3速でクラッチを繋ぐ
- エンジンがかかったらクラッチを切り、回転数を上げてキープ
押しがけするときの注意点
押しがけする際には注意点がいくつかあります。
- 平地ないしは下りこう配の道路で行うことです。押しがけをする必要がありますので、できるだけ少ない人数で車を押すことができるようにしましょう。その際には周りに他の車や人・障害物の有無をしっかり確認して、事故が起きないように注意を払ってください。一昔前の車であれば車両重量も軽いので押しがけしやすいですが、年式の新しい車は昔の車よりも重量がある傾向で、さらに車両によっては押しがけできないMT車両もあります。
- もう1つは押しがけ時におけるブレーキやステアリングの操作性です。エンジンがかかっていない状態ですので、マスターバック装着車両やパワーステアリング装備車両の場合ではブレーキが重たい・ステアリングが重たすぎるという状態で押しがけをすることになります。エンジンがかかってしまえば問題ありませんが、エンジンがかからなかった場合には車を停車させる必要も出てくるので、重たいブレーキやステアリングを操作できるように心の準備をして焦らないようにしておきましょう。
バッテリー上がり対策グッズを紹介
セカンドカーにもおすすめのターミナルスイッチ
このアイテムはバッテリーのマイナス端子につなぎます。そうすることで簡単にバッテリーと車との接続をオン・オフすることができるようになるスイッチです。長期間車に乗らないときはこのスイッチをオフにし、バッテリーを車から切り離しておくことでバッテリー上がりを防ぐことができます。
バッテリーの診断と充電を行う
コンセントにつないでバッテリーを充電できる、メルテックのバッテリーチャージャです。バッテリー診断がついており、使い方もコンセントとバッテリーに繋ぐだけと簡単ですね。3年保証もついているので安心して使うことができます。
まとめ
今回は車のバッテリーが上がった時に発生する症状、車がバッテリー上がりになってしまった時に使えるジャンプという方法並びにMT車限定で可能な押しがけによるエンジン始動方法を紹介しました。
バッテリーは新品で使用後2-3年で消耗すると言われていますので、ヘッドライトやルームランプの消し忘れやキーをイグニッションの位置にしたまま長時間放置していたというケアレスミスをしていなかったとしても、そのままバッテリーを使い続けると必ずバッテリー上がりが発生することとなります。
まずは無駄な電力消費に気を付け、それでもバッテリーが上がってしまったら、自宅であればバッテリー交換、出先であればブースターケーブルまたは押しがけでエンジン始動という方法でエンジン始動を試みるようにしましょう。それでもエンジンがかからなかったら、諦めてJAFを呼ぶか近場でバッテリーを購入して取り付けてください。