2019年01月05日
PCD 100の5穴の車に異なるPCDのホイールを付ける方法!
車のカスタムに欠かすことのできないホイール。現在では数多くのホイールが販売されており、選ぶのに迷ってしまうことも多々あります。しかしながら、PCD100の5穴の車に限っては、ホイールの選択肢も極端に狭くなり、履けるホイールも限られてしまいます。そこで今回は、PCD 100の5穴の車であっても、異なるPCDのホイールを履かせる方法をご紹介していきます。
この記事の目次
PCDとは
ホイールの「PCD」とはいったい何か?というところですが、PCDは「Pitch Circled Diameter(ピッチ・サークルド・ダイアメーター)」を略した名称で、ホイールの中心部分にある取り付けボルト穴の中心を結んだ時にできる円の直径のサイズを表しています。このPCDは、車によっても数値に異なり、国産車の場合は「PCD 114.3㎜・PCD 100㎜」の2パターンが一般的です。ただし、輸入車の場合は、それぞれ車種によってPCDの値も様々なので、注意してください。
なお、国産車においては、現在のところほとんどの車種でPCD 114.3となっており、PCD 100となる車種は、非常に少なく限られてきます。ですので、それと同時にPCD 100に適応するホイールも少なく、おのずと履けるホイールが限られてしまいます。ではここで、現在の国産車において、PCD100の5穴のホイールが使われている、代表的な車種をご紹介します。
PCD100-5穴の代表的な車
【トヨタ】プリウス/86
【スバル】レガシィ/エクシーガクロスオーバー7/BRZ/インプレッサ/フォレスター
【レクサス】CT200h
このように、PCD100の5穴のホイールが使われているのは「トヨタ、スバル、レクサス」の3メーカーで、なかでもスバル車が断トツで多くなります。ちなみに、プリウスはPCD100の5穴となりますが、同じプリウスでも「プリウスα」の場合はPCD114.3の5穴となるので、ここは注意したいところです。このように、国産車では、圧倒的にPCD 114.3-5穴が多いということが、お分かりいただけたかと思います。では、PCD 100の5穴の車でありながら、PCD が異なるホイールが履きたいという場合、一体どのようにすれば良いのでしょうか?
PCD変換スペーサー
PCD 100の5穴でありながらも、PCD が異なるホイールを履かせる方法として、まず「PCD変換スペーサー」を使用する方法が挙げられます。このPCD変換スペーサーというのは、文字どおりPCDの値を変換するスペーサーで、純正のホイールハブに装着して、PCD 114.3に変換させるというパーツです。現在K-SPEC(ケースペック)で販売されているPCD変換スペーサーで、PCD 100かPCD 114.3に変換するスペーサーです。出典:ケースペック
http://www.kspec.co.jp/digicam/catalog/pcd_spacer/index.html
こちらのPCD変換スペーサーは、4穴と5穴の2種類が販売されており、価格はいずれも12,800円(税抜)となっています。なお、装着するだけで簡単にPCDを変更することのできるPCD変換スペーサーですが、これを装着することによってのメリット・デメリットはどのような事が考えられるのでしょうか。
PCD変換スペーサーのメリット
PCD変換スペーサーを導入することによって得られるメリットは、手軽にPCDが変更でき、そのことでホイールを選ぶ際の選択肢が増えるということでしょう。
先程から記述しているとおり、PCD 100はPCD 114.3に比べて圧倒的にホイール数が少ないので、理想のホイールが履けるようになるという点では、大きなメリットです。
PCD変換スペーサーのデメリット
PCD変換スペーサーは、基本的に純正のホイールハブに装着して使うので、ものによっては十分にホイールナットがボルトに噛み込まず、走行時の安定性に悪影響を与えたり、ボルトの強度が下がるといった危険性も考えられます。
変換スペーサーの注意点!
繰り返しになりますが、PCD変換スペーサーは、純正のバブとホイールとの間に挟むスペーサーです。よってスペーサーの分ほどボルトが短くなり、同時に強度も落ちます。また、高速域での走行バランスが悪くなったり、振動や異音が発生することもあるので注意が必要です。
さらに、スペーサーを長期間つけっぱなしにしておくとサビが発生し、ハブとスペーサーが固着する場合があります。そうなると、仮に純正ホイールに戻そうとした際スペーサーが外れなくなる可能性もあるので注意してください。いずれにせよ、交換スペーサーを付ける際は、その商品の信頼性を念入りに調べ、こまめに点検を実施することが重要です。
ハブ移植
PCD100の車に、PCD 114.3やPCD120等のホイールを履かせたい場合、ハブ自体を移植するという方法もあります。このハブ移植は、よくブロショップなどで行われている方法で、一般的には同じ自動車メーカーで、同じ車格のハブを移植します。例えばトヨタ・プリウスにPCD 114.3のホイールを履かせる場合は、トヨタ・プリウスαのハブを移植するといった感じです。ハブを移植することによって、PCD100の車であっても、普通にPCD 114.3やPCD120等のホイールが履けるようになるのです。
ハブ移植で得られるメリット
ハブを移植することによって、PCD 114.3やPCD120等のホイールが履けるようになるので、ホイールの選択肢の幅が広がり、理想どおりのカスタムが愉しめます。また、ハブ移植はPCD変換スペーサーに比べて危険性も低くなるうえ、スペーサー分の厚みもないので、よりリムの深いホイールも履けるようになります。
ハブ移植で生じるデメリット
ハブ移植をおこなう際、純正のハブをはじめブレーキローター、ブレーキキャリパーなど関係部品をバラす必要があるため、非常に手間のかかる作業です。また、交換スペーサーなどに比べて費用も高くなります。なお、ハブ移植は、作業手順に慣れていない人がおこなうと、走行中など思わぬ事故に発展しかねませんので、極力実績のあるプロショップにお願いするようにしましょう。
ホイール加工
PCD100の車に、PCD120などの異なるホイールを履かせる3つ目の方法として、ホイール自体を加工するといった方法もあります。この方法は、文字どおりPCD120などのホイールにPCD100の数値に合せて穴を開け直す、といった加工方法で、プロショップのデモカーなどでよく使われている方法です。この方法は、PCD 114.3やPCD120など異なるホイールを履かせる際、車体側に一切の変更を加えないといった、純正へ強くのこだわりが感じられる方法で、特殊な加工技術が必要となります。
ホイール加工で得られるメリット
あくまでホイール側のPCDを加工するので、車体側は純正のままということになります。そうすることによって、いつでも純正のホイールに戻すことができると同時に、社外ホイールの選択肢も広がります。ただし、ホイールの形状によって加工ができない場合もあるので、必ずしもすべてのホイールに対して加工できるとは限りません。
ホイール加工で生じるデメリット
ホイールの加工は特殊な技術が必要となるため、基本的には専門店での依頼となります。その際、PCD変更加工代が、およそ1本20,000円以上と高い費用が必要です。また、PCDの変更加工が出来ないホイールもあるため、ホイールを選ぶ際は、加工前提で選ぶ必要があるなど、面倒な部分もあります。
まとめ
さて、今回はPCD 100の5穴の車に、異なるPCDのホイールを付ける方法を中心にお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。ホイールを選ぶにあたって、好みのデザインを選ぶことが難しく、限られた狭い範囲内で選ぶしかないPCD 100の5穴の車ですが、「PCD変換スペーサー」「ハブ移植」「ホイール加工」など、いずれかの手法を取ることによって、好みのホイールが履けるようになる可能性が高まります。ですので、PCD 100の車だとしても決して諦めず、ぜひタイヤ専門店もしくはプロショップなどに相談してみてください。
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