スカイラインGT-R R32型の魅力を解説!スペックやオーナーのカスタムも紹介! | CARTUNEマガジン
スカイラインGT-R R32型の魅力を解説!スペックやオーナーのカスタムも紹介!

2018年11月23日 (更新:2022年10月26日)

スカイラインGT-R R32型の魅力を解説!スペックやオーナーのカスタムも紹介!

国内のみならず、海外でも人気の高いR32型のスカイラインGTR。カスタムカー好きな皆さんなら知らない方はいないと思います。レースで勝つことを宿命付けられたBNR32スカイラインGT-Rの魅力を紹介していきます!

GT-R R32の歴史

ガンメタRさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
ガンメタRさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:ガンメタRさんの投稿

GT-R R32とRB26エンジン

1989年に登場したR32GT-Rは、誕生と共に国産チューンドカーの性能を一変させたといっても過言ではないでしょう。それまではFC3S RX-7やRB20DETを搭載したZ31、6M-GEUを搭載した初代ソアラやセリカXXをベースに高度なチューニングを施すことで300km/hの最高速を競っていました。

そうした場面に登場したR32GT-Rは、その生い立ちからこれらの車を前世代のものとしました。特にその心臓部であるRB26DETTは、当時覇権を握っていたフォード・シエラRS500をラップタイムで上回ってグループAを制覇するために、求める性能から逆算して目標馬力が定められたともいう逸話もあります。

一説にはそれは600馬力超ともいわれ、それに耐えうるエンジンブロックなどが必要とされていたのです。RB26DETTエンジンは、市販モデルでこそ当時存在した280馬力自主規制にあわせてデチューンが施されていましたが、もともとは600馬力を想定して設計されたエンジンです。ブーストアップを中心としたライトチューンでも容易に実馬力としての350馬力が狙えました。

革新的な装備

エンジン以外にもR32GT-Rは革新的な装備を備えていました。やはりグループAのレギュレーションで定められたタイヤ幅に収めつつ大パワーを効率よく路面に伝えるために採用された電子制御トルクスプリット4WD機構、ATTESA E-TSはトラクション性能に優れ最高速トライの場面においても抜群の直進安定性を実現しています。

また、サスペンションに関しても4輪マルチリンクサスペンションを採用したことによって優れたロードホールディング性能を発揮しました。

更なる最高速を求めて

大パワーを無理なく発揮するエンジンと、それを効率よく路面に伝える駆動系を搭載したR32GT-Rですが、ことエクステリアに関してはダウンフォースを獲得するための大型リアスポイラーや、NISMOで限定販売された冷却性能を向上させるために追加装備されたフードトップモール、ニスモダクトによって最高速トライアルにおいては不利になってしまうドラッグも増加しています。

実際のグループAレースにおいてもリアスポイラーが発生するダウンフォースが強すぎるために長い直線ではフロントの接地感が薄れるため、トランクとの前方取付部にワッシャーをかませてスポイラーを寝かせてバランスをとったというレーサーの言葉もあります。

リアスポイラーレスによるドラッグの低減と最高速の向上

グループAレースではレギュレーションによりリアスポイラーを取り外すことは出来ませんでしたが、最高速トライアルの場ではドラッグの低減を目的としたリアスポイラーレスの仕様も現れます。首都高湾岸線を舞台にした人気漫画に登場するヒロインのR32GT-Rもリアスポイラーレスである事からご存知の方も多いでしょう。

R32GT-Rのアイコンの1つでもある大型のリアスポイラーを外しても、リアのブリスターフェンダーや、それに収まる太いタイヤを見れば本気仕様であることが一目でわかります。また、申し訳程度に装着されたNISMO用のトランクスポイラーも迫力を加味しています。

全日本ツーリングカー選手権での活躍

BNR32とは、1989年8月21日に発売されたスカイラインGT-Rの車両型式です。BNR32は先代のKPGC110、通称ケンメリGT-Rから実に16年ぶりに復活を果たした待望の車種となりました。

当時日産自動車は、1990年代までに技術力でNo.1を目指す「901運動」という活動をしていました。そんな技術力の集大成として生み出されたのが、このBNR32のGT-Rなのです。そんなBNR32の技術力を知らしめたのが、レースでの目覚ましい活躍です。元々BNR32は、国内のツーリングカー選手権の「グループA」カテゴリでの起用を目論んでのものでした。

2600ccという中途半端な排気量は、グループAカテゴリのレギュレーションにFIXするためのものです。ここからも、日産がいかに本気でレースに取り組んでいたかが伺えます。実際レースを視野にいれた車作りは功を奏し、破竹の勢いで勝ち進んで行き、当時の全日本ツーリングカー選手権で鮮烈なデビュー戦を飾ります。出場したカルソニックスカイラインは、レースが4分の1ほどを過ぎたばかりで全ての車を周回遅れにして、そのままデビュー戦を圧勝で終えます。

その後もBNR32は勝利を重ね続け、全日本ツーリングカー選手権が終了するまで29戦29勝という圧倒的な成績でした。BNR32は国内のみならず海外のレースにも参戦し、素晴らしい成績を修めてきました。

海外での活躍

海外では、グループAとさらに改造範囲を限定された、グループNというカテゴリにも参戦し活躍の幅を広げていました。するとグループAはもちろんのこと、グループNカテゴリでも勝利を量産していきます。

特に、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで行われていた、24時間耐久レースでの活躍は眼を見張るものがあり、1991年のレースではグループN、Aの両カテゴリで優勝を飾りました。

グループAのレースでは、2位の車を20周周回遅れにしてしまうほどの速さでした。また、レース以外のモータースポーツでも数多くの伝説を残しています。今でこそ、各自動車メーカーがこぞってテストをするドイツのニュルブルクリンクサーキットですが、当時の日本車でテストをしているメーカーはそれほどいませんでした。

日産はいち早くニュルブルクリンクサーキットでのテストを行っており、BNR32はこのサーキットで鍛えられたと言っても過言ではありません。そして量産車となったBNR32はここでも、速さを証明しました。当時のニュルブルクリンクサーキットで量産車最速は、ポルシェ911であり、それを塗り替えたのがBNR32でした。その後もニュルと縁のあったGTRシリーズは、BNR34でついにグレード名にニュルの文字を冠することにもなりました。

それだけではなく、0-400加速でも当時最速だったポルシェ911を破り、まさに市販車最速の名を欲しいがままにしていました。このようにBNR32は数多くの素晴らしい戦績を残すまさにレジェンドと呼ぶにふさわしい車なのです。

GT-R R32のスペック

はやみんさんのスカイラインGT-RBNR32愛車紹介の画像
はやみんさんのスカイラインGT-RBNR32愛車紹介の画像
引用元:はやみんさんの投稿

レースにタイムアタックに多くの伝説を残した、BNR32のスペックを紹介します。

標準グレード(前期)

全長×全幅×全高4545×1755×1340mm
ホイールベース2615mm
車両重量1430kg
エンジン型式RB26DETT
最高出力280ps/6800rpm
最高トルク36.0kg・m/4400rpm
総排気量2568cc
過給機ICターボ
10・15モード燃費7.0km/リットル
サスペンション形式(前後)マルチリンク
ブレーキ形式(前後)Vディスク
タイヤサイズ(前後)225/50R16
最小回転半径5.3m
駆動方式フルタイム4WD
トランスミッション5MT

スペックに関しては以上の通りです。この後中期、後期となっていきますが、基本的なスペックは変わりありません。ですが中、後期で衝突安全対応のために車重が50kg増の1480kgとなっています。当時、自主規制枠いっぱいの280psのパワフルなRB26エンジンは未だに名機として語り継がれています。

また、フルタイム4WDではありますが、走破性を高めるものではなく、コーナーリング性能やトラクション性を高めるためのものでした。トルクスプリット型の4WD「アテーサET-S」と呼ばれるシステムで、現行のR35GTRにもその改良型が受け継がれています。

当時他にトルクスプリット型の4WDを採用している車種は、ポルシェ959くらいで車両価格は1億円はくだらないものでした。それよりもさらに高性能な4WDシステムを500万円ほどの車に採用したので、驚きの声が上がったものです。BNR32が今なお人気の秘訣は、今でも色あせない性能の賜物だといえます。

CARTUNEユーザーのカスタムを紹介

ノーマルでも十分な性能と見た目を持つBNR32ですが、みなさんがどのようなカスタムをしているか非常に気になりますね。ユーザーの皆様の愛車をピックアップして、紹介したいと思います。

トシキさんのBNR32

トシキさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
トシキさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:トシキさんの投稿

トシキさんのBNR32です。色分けされたリップスポイラーやレースカーさながらのタイヤレターが目を引きます。まるで車にスポットライトが当たっているような綺麗な写真ですね。ホイールは前後18インチ11J、タイヤは265/35とのこと。1989年の発売当初よりタイヤの性能も大幅に向上し、エンジンパワーをフルに引き出せるようになっています。

じんさんのBNR32

じんさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
じんさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:じんさんの投稿

つづいてご紹介するのはじんさんのBNR32です。真横から撮った写真を見ると前後フェンダーのワイドぶりがよくわかりますね。GT-Rはトレッドを広げ太いタイヤを履くために標準モデルより張り出したフェンダーが装着されています。じんさんはトラストのサイドスポイラーとリアアンダースポイラーを装着しサイドビューを引き締めています。シルバーのボディに5本スポークのホイールがよく似合っています!

清水さんのBNR32

清水さんのBNR32
引用元:清水さんの投稿

ガングレーメタリックのボディカラーに逆ゾリホイールの組み合わせでド迫力の仕上がりになっているのが清水さんのBNR32。このGT-Rは2800cc化されブースト2.2kg、フルコン制御で900~1000馬力は出ている怪物マシーンだそうです。

しかもシーケンシャルシフトというから驚きです…まさに「フルチューン」ですね。牽引フックやホイールナットはチタン製という徹底ぶり。ここまでカスタムするのはそうそう真似できません!

ナツさんのスカイラインGT-R

ナツさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
ナツさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:ナツさんの投稿

まずは真っ赤なBNR32の紹介です。某有名チューニングショップの関係者とのことで、とてもセンス良くまとまっている一台ですね。車体の赤色は、オールペンで塗装しているようです。

初期型の発売から30年ほど経っているBNR32ですので、塗装が劣化している場合もあります。この方は違いますが、そのような事態になったら好きな色に塗り直すのも手ですね。見た目だけでなく中身もかなり手を入れているようで、エンジン、ミッション、ブレーキなど走りに関するところも抜かりは無さそうです。

やっくんさんのスカイラインGT-R

やっくんさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
やっくんさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:やっくんさんの投稿

サーキット派なBNR32です。実際にサーキットを走っている車は、どこかオーラが漂います。元々の車の素材が良いせいか、皆さんあまりエアロパーツを装着している方が少ないように思います。この方も目立つのはGTウイングとカナードくらいで、あとはシンプルにまとめられています。TE37ホイールも、流石サーキットアタッカーのチョイスですね。

ゆーじ@Sunny Rtists さんのスカイラインGT-R

ゆーじ@Sunny Rtists さんのスカイラインGT-RBNR32ボディの画像
ゆーじ@Sunny Rtists さんのスカイラインGT-RBNR32ボディの画像
引用元:ゆーじ@Sunny Rtists さんの投稿

BNR32を始めGTRシリーズは、普通の車では履けない極太タイヤを履くことができます。ホイールもGTRサイズと呼ばれるものがあるなど、各ホイールメーカーも大いに意識しているようです。

しかしこちらの方のBNR32は、ツライチを極限まで求めているようです!ホイールの幅は驚きの11J!ダーク系のボディーカラーに、ホワイトのホイールが映えますね。シャコタン、ツライチのBNR32は珍しく、目立つこと間違いなしです。こういった方向性のカスタムも、似合ってしまうのは流石です。

Ryosuke@BNR32さんのスカイラインGT-R

Ryosuke@BNR32さんのスカイラインGT-RBNR32の画像
Ryosuke@BNR32さんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:Ryosuke@BNR32さんの投稿

本物のグループAカーのBNR32オーナーが!?そんなことはなく実はこの車、カルソニックスカイラインのレプリカ仕様だそうです。本物と見まごうほどの完成度ですね。市販車をベースとした、グループAカーなのでこのようにレプリカを作ることも可能です。憧れのレースカーを所有することは出来ませんが、カスタムすることによって夢に近づくことはできます。

れんさんのスカイラインGT-R

れんさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
れんさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:れんさんの投稿

最後にエアロパーツを装着した、BNR32です。CARTUNEユーザーのみならず、エアロパーツの装着率が少ないBNR32ですが、エアロパーツがないわけではありません。この方はヴェイルサイドのエアロでキメています。

元々フェンダーがブリスターフェンダーになっており、グラマラスな印象のBNR32なので、派手目なエアロでも難なく似合います。カスタムベースとしてもってこのBNR32ですが、1番新しくても25年落ちです。

皆さんの投稿を見ていても、故障の修理報告やディーラー帰りのようなものをよく見かけます。もし、今からBNR32を購入される方は当然中古車となるのでクルマ選びには慎重になるべきです。程度の差はそれぞれですし、たとえ走行距離が少ない個体だったとしても保管状態が悪ければすぐに故障してしまいます。ましてやそんな個体にカスタムを施せば、寿命を縮めるか最悪とどめを刺してしまうことになるかもしれません。

カスタムをする前に、まずは修理をするくらいの気持ちで購入することをおすすめします。修理をする中で、純正よりもグレードアップしたパーツを使うなど、修理しながらカスタムしていけばいつのまにか自分好みの車に仕上がってしまうこともあるかもしれません。

R32のカスタムパーツ

ミラクルクロスバー

直線番長さんのスカイラインGT-RBNR32の画像
直線番長さんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:直線番長さんの投稿

直線番長さんが装着しているのがミラクルクロスバーです。ミラクルクロスバーはボディ各部を金属の棒で繋ぎ剛性を上げるためのパーツですが、直線番長さんはこれをフルオプションで装着!ボディの穴あけ加工は行っていないとのことですが、効果のほどが気になります。ウインドウ越しにバーが見えるのがかっこいいです!

GTウイング

masashiさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
masashiさんのスカイラインGT-RBNR32の画像
引用元:masashiさんの投稿

レースカーといえばGTウイング!1880mmのワンオフワイドボディに超大型のGTウイングを取り付けているのがmasashiさんのBNR32です。オールペンされた鮮やかなブルーの車体も相まってレーシーな雰囲気を醸し出しています。エンジンは2.8Lにボアアップしているそうです。

まとめ

生産終了から25年ほど経った今でも、BNR32人気はとどまることを知りません。むしろその熱は年々増加していっているように思います。実際2018年に日本で行われたクラシックカーオークションでは、低走行のBNR32に800万円の値段が付けられました。

500万円弱の新車価格を大幅に上回っていることに、驚きを禁じ得ません。そして、北米で行われたクラシックカーオークションでは、1000万円以上の値が付けられたこともあります。

北米では、生産終了から25年を過ぎた海外のクラシックカーにはガス検が免除されるなど優遇措置が取られるようです。そのため、それに該当するBNR32は高値で取引される人気車種となっています。

今後北米でもBNR32が高値で取引されるようになると、日本にある状態の良い個体がどんどん輸出されるようになると思われます。そうなれば、日本にあるBNR32は益々高値になることは間違いなさそうです。

いまBNR32を所有している方は、末永く大切にすることをおすすめします。そして、これからBNR32を購入しようとされている方は、なるべく早めに探されることをおすすめします。日本の世界に誇れるスポーツカーの1台であるBNR32を、これからも大切に引き継いでいってくれることを願います。

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