2018年11月27日 (更新:2022年09月14日)
86のグレード別完全ガイド!あの86はこの86!
86ZN6型は2021年まで発売されていたトヨタを代表するスポーツカーです。2世代目となるZN8型ではGR86へと車名が変更されましたが、86ZN6型は今もなお絶大な人気を誇るクルマでもあります。この記事では86ZN6型が作られたエピソードや、販売されていた86をグレード別に紹介。86のグレードで迷っている方は必見です!
86開発エピソード
86ZN6型はAE86に対し区別する意味でZN86とも呼ばれており、とても人気がある車種です。SUBARUとの共同開発車でエンジンはSUBARUが、デザインはトヨタが行なっています。また開発技術も開発費用も折半されています。車両のコンセプトやデザインなどはトヨタが、細部設計や確認作業などはSUBARUが行なっているのです。
トヨタの社内で「スポーツカーは売れない!」という意見があったため、最初はスポーツカーの制作は却下されていましたが、若年層の車離れが深刻化してきたことで「安いスポーツカーを作ろう!」ということになりました。
スポーツカーの開発担当になったのは多田さんという方です。多田さんは日本やアメリカの車好きの元に出向いて、今求められているスポーツカーは何なのか?を探りました。そこで分かったことは「軽くて安い、いじりやすいスポーツカー。尚且つ遅くても文句はない」ということでした。さらに「見た目もかっこいいスポーツカーがいい!」という要望も多くありました。
見た目をかっこよくするためには低い車でFRでなくてはならないという思いがあったため、低いスタイリングのエンジンを探すことになりました。そんな時にトヨタとSUBARUは資本提携を生かすプロジェクトを考えていました。そこのプロジェクトに多田さんの低いスタイリングのエンジンと、今求められているスポーツカーのコンセプトが重なったのです。それから開発がどんどんと進められていきました。
本来であれば、車を開発する上では様々な部署の意見が必要ですが、ZN86の開発は車内のスポーツカーユーザー200人の意見が取り入れられて作られたのです。共同開発したことでお互いの良さを入れることができ、さらにニーズにあったスポーツカーが誕生しました。
86のスペックを紹介
ZN86にはFA20型の水平対向4気筒直噴DOHCが搭載されています。MT車とAT車が設定され、どちらも6速です。パワーも十分ありますし、SUBARUが開発したエンジンが搭載されていることでエンジン性能は抜群です。
車体のサイズとしてはタイプによって違います。車体自体は低めで長さは長めという理想のスポーツカーを作り上げています。また、スポーツカーならではのFR車なので走りを活かすことができますね。
スペック | 6MT | 6AT |
---|---|---|
エンジン型式 | FA20 | |
最高出力 | 207ps(152kW)/7000rpm | 200ps(147kW)/7000rpm |
最大トルク | 21.6kg・m(212N・m)/6400~6800rpm | 0.9kg・m(205N・m)/6400~6600rpm |
エンジン種類 | 水平対向4気筒DOHC | |
総排気量 | 1998cc | |
燃料供給装置 | 筒内直接+ポート燃料噴射装置(D-4S) | |
WLTCモード燃費 | 12.8km/リットル | 12.0km/リットル |
86をグレード別に紹介!
86は8年間販売されていましたが、人気車種という事もあり限定車なども多くリリースされました。エンジン等の基本スペックはMTとATの違いのみとなるため上記で記載したとおりですが、それぞれのグレードの違いをベースグレードGと比較して見ていきましょう!
86・G
シリーズのエントリーモデルではありますが、16インチアルミホイール、デュアルエキゾーストテールパイプ、ベンチレーテッドディスクブレーキを装備し、MT車にはトルセン®LSDが採用されるなど、86の基本性能と最低限の装備を持っていることからカスタマイズには最適なベース車となっています。
86・GT
86・GTではベースグレードGに下記の装備が追加されています。
- プロジェクター式ディスチャージヘッドランプ
- 17インチ専用アルミホイール
- 本革ステアリングホイール
- 本革シフトレバーノブ
- 本革パーキングブレーキレバー
- スポーツアルミペダル
- フロントフォグランプ
- フルオートエアコン
- クルーズコントロール
- プライバシーガラス
86・GTリミテッド
86・GTリミテッドではGTをベースに下記の装備が追加されています。
- 本革×アルカンターラのシート表皮(運転席・助手席シートヒーター付)
- リヤスポイラー
- リアフォグランプ
- フロアアンダーカバー
- スポーツブレーキパッド
シート地は3パターンの本革とアルカンターラのコンビとなって、高級感あるインテリアとなっています。
86・GTイエローリミテッド エアロパッケージ
86・GTイエローリミテッド エアロパッケージではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- フロントスポイラー
- リヤ大型スポイラー
- サイドマッドガード
- キセノンヘッドランプ(HID)
- シートやステアリングなどをイエローステッチに変更
- メーターバイザー部アルカンターラ仕様
86・GTエアロパッケージ
86・GTエアロパッケージではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- フロント・リヤのバンパースポイラー
- リヤ大型スポイラー
- サイドマッドガード
- フロアアンダーカバー
- キセノンヘッドランプ(HID)
86・GTソーラーオレンジリミテッド
86・GTソーラーオレンジリミテッドではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- グランリュクス採用インストルメントパネル
- ブレンボ製17インチベンチレーテッドディスクブレーキ
- 専用17インチアルミホイール
- SACHS(ザックス)アブソーバー
86・GTブラックリミテッド
86・GTブラックリミテッドではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されており、MT車とAT車をそれぞれ43台、限定86台の設定となっています。
- グランリュクス採用インストルメントパネル
- ブレンボ製17インチベンチレーテッドディスクブレーキ
- 専用17インチアルミホイール
- SACHS(ザックス)アブソーバー
- リヤスポイラー
- フロアアンダーカバー(フロア下・タンク下)
86・GTブリティッシュグリーンリミテッド
86・GTブリティッシュグリーンリミテッドではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- グランリュクス採用インストルメントパネル
- グランリュクス採用メーターバイザー
- ブレンボ製17インチベンチレーテッドディスクブレーキ
- 専用17インチアルミホイール
- SACHS(ザックス)アブソーバー
- リヤスポイラー
- ステアリングホイール、シフトブーツなどにタンステッチ
86・GTリミテッド ハイパフォーマンスパッケージ
86・GTリミテッド ハイパフォーマンスパッケージではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- ブレンボ製17インチベンチレーテッドディスクブレーキ
86・GTリミテッド ブラックパッケージ
86・GTリミテッド ブラックパッケージではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- ブラック・サイドミラー
- ブラック・リヤスポイラー
- ブラック・アルミホイールック
- ブレンボ製17インチベンチレーテッドディスクブレーキ
86・GR
86・GRではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- 追加ブレース
- 専用チューニングのSACHS製アブソーバー
- トルセンLSD
- 高性能ブレーキ
- 専用メーター
- レカロシート
86GRMNと同じトルセンLSD、フロント6ポット、リヤ4ポット+ドリルドローターといった高性能ブレーキを搭載した86・GRは上質でスポーティな内装で高い次元で走りを楽しめるモデルとなっています。これ以上カスタムを入れなくても充実した内容で、メーカー製コンプリートカーという安心感もあって注目されるモデルです。
86・GRスポーツ
86・GRスポーツではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- 追加ブレース
- GR専用スポイラー
- GR専用メーター
2018年7月に設定されたGR SPORTは、スポーツカーシリーズ「GR」のエントリーモデルとなり、日常の中で走りを楽しむスポーツカーとして、専用スポイラーやメーターなどスポーティで機能的なGRの内外装を継承し、リヤサスペンションメンバーにブレースを追加することにより剛性を向上し、意のままに操る喜びと上質な乗り心地を両立しています。
また、トランスミッションはGRが6速マニュアルのみなのに対し、6速オートマチックも選択可能とし、ボディカラーには、クリスタルホワイトパール、クリスタルブラックシリカ、ピュアレッドの全3色を設定しています。納車されたその日からスポーツムード満点のコンプリートカーの人気はますます高くなっています。
86・14R
トヨタのテクノクラフトの創立60周年記念に公開された、86 TRD Griffon Conceptを元に開発されたコンプリートカーになっています。100台の限定車です。
86・14RではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- 専用エアロパーツ
- フロントアンダーリップ
- フロントホイールフェアリング
- 専用エンブレム
- 専用オーナメント
- 専用ドアスカッフプレート
86・14R-60
高性能実験車両「Griffon Concept」の技術をフィードバックした100台限定車両。
エンジンはノーマルですが給排気性能向上を図り、スポーツエアフィルター、専用マフラーの採用しています。またボディ補強も行われ重量増を最小限に抑えながらボディの剛性を向上させています。インテリアにはGriffonのイメージカラーであるオレンジを使用し、Griffon独特の空間を作っています。
86・14R-60ではGTリミテッドをベースに下記の装備が追加されています。
- スポーツエアフィルター
- 専用マフラー
- 18インチマグネシウムホイール
- サイドスカート
- リヤウィング
- フルバケットシート
- 4点式シートベルト
- リヤシート排除
- ステアリングホイール
86・スタイルCb
ベース車とは異なる上品でクラシカルなデザインを実現。ヨーロッパ車の様なスタイルでフェンダー部には、夜間走行で個性が際立つトリプルフィンのLEDイルミネーションを採用。
86・スタイルCbではGTをベースに下記の装備が追加されています。
- 専用フロントバンパー
- 専用フロントグリル
- 専用オーバル形ヘッドランプ
- リヤスポイラー
- 専用LEDフロントターン
- クリアランスランプ
- トリプルフィンのLEDイルミネーション
86・GRMN
ニュルブルクリンク24時間でクラス優勝をした際の前期型86レーシングカーをモデルにしたカスタムカーで100台の限定車になっています。価格は648万円と高くはありましたが3000人が応募したほど人気となりました。
またこの86だけはエンジンもチューニングされ200ps/205Nmから219/217Nmにパワーアップされています。エンジン内部パーツにもこだわりトヨタの最高峰のチューニングが行われた車両でもあります。
下記に記載する各パーツを見れば分かる通り、軽量化が行える場所は徹底的に変更されており、乗車数も2名となっています。
86・GRMNではGTをベースに下記の装備が追加されています。
- CFRP製エンジンフード
- CFRP製トランクリッド
- CFRP製ルーフパネル
- CFRP製大型リヤスポイラー
- CFRP製フロントスポイラー
- CFRP製バンパーサイドフィン
- ポリカーボネート製リヤウインドウ
- ポリカーボネート製クォーターウインドウ
- 専用チューニングサスペンション
- 前後異径タイヤ
- 専用スポーツシート
- 小径ステアリング
まとめ
86ZN6型が開発されるまで、多くの人力と努力がありました。開発された今ではとても人気が高い車種になっています。スペックも豪華でトヨタとSUBARUの最高技術が搭載されています。
評判のGRやGRスポーツが良いのだけれど価格が高くて手が届かない。そんな時はGをカスタマイズするという手もあります。基本性能は変わらないのですから、自分の好きなアルミホイールやエアロパーツで思いっきり個性を主張するのも86の楽しみ方。