車のスペックでよく見る「トルク」の意味は?馬力とはどう違う?疑問を解消します!

2018年11月17日 (更新:2019年08月01日)

車のスペックでよく見る「トルク」の意味は?馬力とはどう違う?疑問を解消します!

あなたにちょっと難しい質問をします。車のエンジン性能を表す単位で最大トルクという項目がありますが、この「トルク」という意味を知っていますか?「トルク」とは日本語で「回転力」のこと!つまり回転する力です。自転車でいえばペダルを踏む力のことです。車のスペックに良く出てくる「トルク」という意味と馬力の違いについて説明します。これを知っていると周りから一目置かれること間違いありません。

「トルク」とは?

「トルク」とは、あえて日本語を使えば「回転力」!つまり回転する力のことです。自転車でいうところのペダルを踏む時の力といえばわかりやすいでしょうか。「トルク」とは「回転力」と言いましたが、押したり引いたりする力と違い、回転する力というのはちょっとわかりにくいかもしれません。たとえば四角い箱の真ん中を手で押すと箱は押した方に動きますが、中心をずらした箱の端を押すと回転しますよね。そのまま押した手を離さずに押し続けていくと箱は回転し続けます。このように円周状に力を加えて回転させる力のことを「トルク」といいます。

自転車でスタートする時は全体重をペダルをにかけて踏み込んでも、ノロノロとしかスタートしませんが、電動自転車のようにパワーが大きいモーターを使ったときは、スパッとスタートしていきます。トルクが大きいとはこのような感じのことを言います。このようにトルクとは回転する力の大きさを表す単位で、エンジンやモーターのような回転する動力源の性能を知るために必要なものです。

一般的にトルクが大きければ大きいほど瞬発力が大きく、性能がいい動力源といえますが、エンジンの場合は最大トルクが発生する回転数も関係するので、トルクが大きいだけではエンジンの性能が良いとは一概には言えません。しかし、トルクが小さければ良いということは決してありません。なぜなら、回転する動力源(自動車)にとってトルクがすべてといっても過言ではないからです。

トルクの単位

トルクの大きさを示す単位は1993年以前は kgf・m(キログラムメートル)が使われていましたが、現在は ISO国際規格への移行が義務づけられ トルクの単位にはN・m(ニュートンメートル)が使われています。

N・m と kgf・m との換算は、1N・m = 0.10197kgf・m、1kgf・m = 9.8067N・mになります。さらに詳しく説明すると、1N・m は1Nの力を中心から1m離れたところで働く力ということです。図で説明するとこんな感じです。

引用元:https://ktc.jp/torque/torque.html
トルクの説明図

大きなトルクを得るときは中心から離れた方が良いということがわかりますが、そのためにはより大きく動かねば回転数が上がらないことが理解できますよね。自転車でもペダルの距離が長ければ漕ぐ力は小さくて済みますが、そのためにはたくさん動かさないといけません。

たとえば 1N の力を1m のところに与えた場合と、5N の力を0.2m のところに与えた場合では1N×1m = 1N・m 5N×0.2m = 1N・m このようにトルクの値は同じですが、同じトルクでも後者の方がストロークが短いので、速く回転できることになります。このことは後で述べるエンジンの馬力と大きく関係することになります。

トルクと馬力の違い

さて前章でトルクがエンジンの馬力と大きく関係していることを述べましたが、一体どういうことだと思いますか?実は、エンジンの出力はトルクと回転数によって決定するのです。

引用元:https://www.subaru.jp/levorg/stisport/driving/1.6engine.html
1.6ℓ レヴォーグ インテリジェント“DIT”

トルクと馬力の計算式

単純な計算式はこうなります。

  • トルク×回転数=エンジン出力

トルクは力の大きさを表す単位ですが、エンジン出力を表す馬力「PS」や「KW」は単位時間当たりに行った仕事量(工率、仕事率)を表す単位のことを言います。トルクが大きくて回転が速いエンジンは高馬力ということになりますが、回転数を上げるときはクランクの半径が小さいショートストロークエンジンが有利になります。しかし、クランクの半径が小さいということはトルクも小さくなるというです。ですからトルクと回転数は相反する性質を持っているため、トルクを重視するか回転数を重視するか、これらのバランスが難しいのです。

馬力(PS)とは

1馬力とは75kgの荷物を毎秒1メートル動かす力のことを言います。単位はPS、HP、CVなど国によって単位が違います。また、値もそれぞれ少しずつ違いますので、車の出力の比較が面倒でした。現在は全世界共通の単位、KW(キロワット)で統一されていますので、どの国でも同じ単位を使っています。

75kgの荷物を毎秒2メートル動かせば2馬力になりますが、150kgの荷物を1メートル動かしても2馬力になります。前者をサラブレッド、後者を農耕馬としてみましょう。同じ2馬力どうしですが、サラブレッドは毎秒2メートル進むのに対し、農耕馬は1メートルしか進みませんから、サラブレッドの方が足が速いですね。しかし、二頭で綱引きをした場合、150kgの力を持つ農耕馬の方がサラブレッドを引きずっていく力を持っています。このことは同じ馬力でもサラブレッドは力が小さい=トルクが小さい、そして回転数が速い=足が速い。一方、農耕馬は回転数が遅い=足が遅い、トルクが大きい=力が強い。

このように考えればわかりやすくないですか?この場合、サラブレッドがスポーツカー、農耕馬がトラックに例えられます。ですからトラックはいくらトルクが大きくても回転数が低いのでスピードは出ませんが、大きな荷物を運ぶことはできます。

逆にスポーツカーは重い荷物を運ぶことはできませんが、速いスピードで走ることができるのです。あのスポーツカーの爽快な加速感はトルクの力によるもので、最高速度は馬力によるものです。トルクが大きい車は最高速度に到達する時間も短いので、0~400mタイムを競うときは馬力よりもトルクが大きい車が有利です。

ちなみにPS、HP、CV これらを使用している国は

  • PS:ドイツ語「Pferde starke」の頭文字 主に日本とドイツが使用
  • HP:「HorsePower」の略語、文字通り馬力のこと 主にアメリカ、イギリスが使用
  • CV:イタリア語「Cavallo(馬)Vapore(蒸気)」の略語 主にイタリア
  • KW:1999年に新計量法が公布 現在は全世界で表示が義務化されている

PSとCVは表示が違うだけで中身は同じです。

換算式

スペックを見比べるには換算しなければわかりません。いままでPS表示に慣れていたらKWは何PSか換算したほうがわかりやすいですよね。

  • 1PS=0.7355kw=0.986HP
  • 1HP=0.7457kw=1.014PS
  • 1PS=1CV

ですから147kwのエンジンは200PSということになります。なんかPSの方がわかりやすいですが、これからはkw表示になるので一刻も早く慣れることが必要です。

さいごに

馬力とトルクの関係はなんとなくお解りいただけましたか?トルクとは瞬間的な力で、馬力とはそれを持続する力とでもいいましょうか。今までエンジンの馬力だけを重視する傾向にあった人も、トルクや回転数が自動車の性能に大きな関係があることを知って頂ければ幸いです。