2018年10月30日 (更新:2020年06月02日)
今が狙い目かも!?ゼロクラウンに再注目!気になる維持費や前期・後期の違いは?
ゼロクラウン(18系クラウン)についての記事。なぜゼロクラウンと呼ばれているのか、ゼロクラウンの前期モデルと後期モデルの違いはなにか、ゼロクラウンの中古車ってどうなのか、ゼロクラウンの燃費や維持費はどれぐらいなのかについて解説していきます。
ゼロクラウンとは?
ゼロクラウンとは、トヨタ・クラウンの12代目にあたる180系クラウンの事を指します。一般的に、クルマ好きの間では「13クラウン」や「200系クラウン」などのように型式の数字を用いて歴代モデルを区別します。
しかし、12代目クラウンは「18クラウン」や「180系クラウン」とも呼ばれますが、「ゼロクラウン」もしくは「ゼロクラ」と呼ばれたりもします。これはなぜなのか?その由来は、デビュー当時のキャッチコピーにあります。
「”ZERO CROWN” かつて、このクルマはゴールだった。今、このクルマはスタートになる。」
このキャッチコピーを理解するには、7代目120系クラウンのテレビCMにおける「いつかはクラウン」というフレーズについても知っておかなければなりません。
7代目クラウンのデビューは1983年。その当時は、ある一つの会社で定年まで勤めあげるのが当たり前で、そこでの年功序列型賃金体系による収入の上昇とともに、マイカーに関しても徐々にランクアップしていくというのが一般的でした。
国産車の頂点に君臨するクラウン。当時の人々は、そんなクラウンを、”愛車遍歴の最後を締めくくる一台”にしたいと考えていました。言い換えれば、”アガリのクルマ”ということです。これが「いつかはクラウン」というフレーズの意味するところです。
同様に、ゼロクラウンの「かつて、このクルマはゴールだった。」もこのことを意味しています。ゼロクラウンのデビューは2003年。「いつかはクラウン」から30年後となります。
「ZERO CROWN」に秘められた想い
それまでのクラウンの開発スタイルでは、シャシーやパワートレインなどを新型にもキャリーオーバーするのが普通でした。
しかし、日本の自動車市場においてミニバンやコンパクトカーが大きなシェアを占めるようになったり、自動車開発がよりグローバル化したりする中で、クラウンが生き残っていくには、そのような保守的なやり方では厳しくなってきていました。
「柔らかくセッティングされた足回り、保守的な3ボックススタイル」という、”クラウンがクラウンである”為には必然ともいえる条件を一度ゼロにリセットし、「走る歓びとスタイリッシュなデザイン」を纏って新たな”スタート”を切る。
こうした想いが、「ZERO CROWN」というキャッチコピーに表されているのです。
ゼロクラウンの前期と後期の違いは?
ゼロクラウンの前期と後期って、どこが違うのでしょうか。外観上の違いを中心に、アスリート・ロイヤルそれぞれで、変更点を見ていきましょう。
クラウン・アスリートの特徴
フロントグリル
まずはアスリートのフロントグリルの違いから。
前期は定番の編み込み型メッシュグリルなのに対し、後期はちょっと独特な立体感が増した造形のメッシュグリルとなっています。ぱっと見では、後期グリルの方が黒っぽい印象を与えています。
ヘッドライト
アスリートのヘッドライトの違いはインナーメッキのスモーク度合いです。前期インナーに比べ、後期の方がスモークが濃く、ほぼブラックメッキに近いものとなっています。
フロントバンパー
ロイヤルについては、前期・後期共通のフロントバンパーですが、アスリートは異なります。前期アスリートはロイヤルのバンパーにリップスポイラーを着けたデザインとなっています。
これに対し、後期アスリートは開口部を3つに分割したよりスポーティな印象のバンパー形状となっています。
テールランプ
アスリートのテールランプは、下部のウィンカー&バックランプの部分に、僅かに前期・後期で差異があります。コーナー部分が、前期はクリアなのに対し、後期はスモーク調となります。
しかし、テールで前期・後期を見分けるのは至難の業ともいえるほど、細微な違いです。
3.5L V6エンジンの追加
ゼロクラウンのマイナーチェンジにおいて、外観上の変更以外で最大のポイントとなるのは、アスリートへの3.5リッターV6エンジンの採用です。マイチェン前のアスリートは、最上級の3リッターモデルでもロイヤルと同じエンジンだったので動力性能は変わりませんでした。
しかし、マイチェンに伴い、レクサスIS350やGS350に採用されていた3.5リッターV6の2GR-FSEが搭載されたことによって、絶対的な動力性能が大幅に向上しました。
具体的には、前期のアスリート3.0が最大出力256ps(188kW)/6200rpm、最大トルク32.0kg・m(314N・m)/3600rpmであるのに対し、後期のアスリート3.5は最大出力315ps(232kW)/6400rpm、最大トルク38.4kg・m(377N・m)/4800rpmを発揮します。
クラウン・ロイヤルの特徴
次にロイヤルです。
フロントグリル
前期は横4本、縦4本のラインが入っていますが、後期は横4本こそ変わらないものの縦ラインが6本になっています。
ヘッドライト
ヘッドライトについては、アスリート同様インナーが異なります。前期のわずかに緑がかったインナーメッキに対し、後期は完全なクリアメッキとなっています。
テールランプ
ロイヤルのテールランプの違いも、ウィンカー&バックランプ部分にあります。
前期では下部に配置されていたウィンカー&バックランプが、後期では上部に移動しています。アスリートのテールに比べ、ロイヤルのテールは明確に異なるので、前期・後期の見分けはしやすいですね。
ゼロクラウンの中古は今が狙い目!?
車の市場価値というのは、一般的に、新車価格からどんどん下がっていき、底値に達したら、次は徐々に相場が上がっていくという傾向があります。底値に達した時点で、そのクルマの現存数が大幅に減少していること&希少価値を見出す人が増え始めるので相場が上がるのです。
2018年10月現在、クラウンの中古車を調べていくと、170系クラウン(11代目)から徐々に180系クラウン(ゼロクラウン/12代目)に底値の座が譲られつつあることが見て取れます。既に、150系クラウン(10代目)はネオクラシックカーとしての価値が見出されつつあり、相場は徐々に上昇傾向に転じています。170系クラウンも、最後の「クラウンらしいクラウン」であるため、注目が高まりつつある状況です。このような状況下、歴代クラウンの相場の中で最底値に達しつつあるゼロクラウンは、いま”美味しい”一台といえるかもしれません。
前期の3.0ロイヤルなどであれば、50万もあれば間違いなく程度の良い個体が手に入ります。後期の3.5アスリートになると、程度良好な車両を手に入れるには80万ぐらいはあった方が良さそうです。
しかし、これらは一般的な中古車店で普通に買うときの話ですので、もっと安く買う方法もあるかもしれませんね。
ゼロクラウンの燃費や維持費は?
燃費は、そのオーナーの乗り方や乗る場所、グレード次第で変わると思いますが、概ね10km/リットル前後と考えておけば良いでしょう。良くて13km/リットル、悪くて7km/リットルといった感じでしょうか。
ガソリンは当然ながらハイオク指定ですし、排気量もイマドキのダウンサイジングターボなどとは異なり、最低でも2499㏄となります。
しかしながら、50万円ほどの乗り出し価格で、快適性・信頼性・安全性などを高次元でバランスしたゼロクラウンが手に入ると思えば、維持費がかかったとしても、それには多少目を瞑っても良いのではないかと思います。少なくとも、軽自動車やヴィッツ、カローラなどでは到底得られない魅力をゼロクラウンは兼ね備えていますから。マークXと比較しても、やはりクラウンの方が上でしょう。
そしてなんといっても、安心安全のトヨタですから、つまらない故障などで悩む確率も、ほかの同クラスの車種と比較して少ないのではないかと思います。故障などが心配な方は、トヨタディーラー保証付きの中古車を買うことをオススメします。
CARTUNEユーザーのカスタム例紹介
CARTUNEユーザーの方々のゼロクラウンを見ていきましょう!
銀真珠@編集長さんのクラウンアスリートGRS184
かなり”走り”に寄せたカスタマイズとお見受けしました。ベースも後期の3.5アスリートですし、間違いなく速いでしょうね。
たつやんさんのクラウンアスリートGRS182
前期アスリートをベースに後期ロイヤル仕様に仕上げられたこちらのゼロクラウン、ホイールはWORKの「MEISTER M1」、エアロはAIMGAINでシンプルにキマっています。
♛R I K I c h a n♛さんのクラウンアスリートGRS180
漆黒のボディが、50thアニバーサリー特別仕様車の純正クロームメッキホイールを見事に映えさせていますね。いわゆる”純ベタ”的なスタイルですかね。
終わりに
さて、ゼロクラウンについて幾つかのポイントに沿って解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
それまで保守的だったクラウンが、12代目にして”ZERO CROWN”として全てを一新する形で、大胆な革新を迎え、これが現在に至るまで、クラウンシリーズの在り方に大きな影響を及ぼし続けているのは言うまでもありません。2018年6月、クラウンはモデルチェンジを迎え、15代目となりました。そして、長らく続いた”ロイヤルサルーン”というグレード名称が、遂に15代目には引き継がれませんでした。
2003年、”ZERO"の原点に立ち戻ったクラウンは、15年の歳月を経て、進化し続けているのです。