アルファード30系の前期と後期の違いを徹底比較! | CARTUNEマガジン
アルファード30系の前期と後期の違いを徹底比較!

2018年10月20日 (更新:2022年08月08日)

アルファード30系の前期と後期の違いを徹底比較!

アルファード(30系)についての解説記事。先代アルファード(20系)からのモデルチェンジにあたっての開発経緯、スペックなどを解説。2018年1月のマイナーチェンジで後期型へ移行したが、どのようなポイントが進化したのかについても、項目別に解説していきます。

アルファード30系はこんなクルマ

こはく【琥珀会】さんのアルファードAGH30Wの画像
こはく【琥珀会】さんのアルファードAGH30Wの画像
引用元:こはく【琥珀会】さんの投稿

3代目アルファード(30系)は、「ミニバンの頂点」を極めたクルマではなく、「大空間高級サルーン」という新しいジャンルのクルマとして、「GRANDELUXE(最高の質的贅沢を極めるクルマ)」をコンセプトに開発されました。30系アルファードはユーザーフレンドリーな設計となっており、ボディが大きくても運転が楽で疲れません。

乗り心地は良く、遮音性はとても高くなっています。また、室内は広く使い勝手が良いという評判です。このように、30系アルファードは単純な見た目の豪華さや高級感にとどまらず更に一歩踏み込んだクルマになりました。

車速0km/h~100km/hまでの全ての速度域でシームレスに制御を行う全車速追従型レーダークルーズコントロール、カメラと超音波センサーを組み合わせることで従来よりも狭いスペースへの駐車を可能とした”インテリジェントパーキングアシスト2”、左右確認サポート&シースルービュー機能付きパノラミックビューモニターなど、先進的な制御システムも満載です。

また、前後最大1160㎜スライド可能な世界初の助手席スーパーロングスライドシートも特徴的です。先代モデル(20系)よりも特に進化した点として、2列目シートの乗り心地の向上があります。ミニバンは構造的にBピラー(センターピラー)より後ろの部分のボディ剛性が弱く、後部座席は揺れるし乗り心地が悪いという宿命を負っていました。

この常識を覆すべく、高張力鋼板の使用やスポット溶接の増し打ちにより、徹底的にボディ剛性の強化が図られました。加えて、低床化によりただでさえスペースの確保が難しいミニバンにもかかわらず、1㎜単位で関連部品の配置・形状を変更をすることで、複雑なダブルウィッシュボーン式サスペンションのリアへの採用が実現しています。

こうした苦労が、2列目シートの乗り心地の向上に大きく貢献しています。デザインは「豪華・勇壮」がテーマとされ、先代モデル以上に大胆でアクが強くなりました。特にロアグリルと一体の大型メッキフロントグリルは30系の大きな特徴といえ、存在感は歴代モデルの中でも突出しています。

エンジンは2.5リッターの直列4気筒DOHCのハイブリッドモデルとガソリンモデル、3.5リッターのV型6気筒DOHCのガソリンモデルの3種が用意されています。

トランスミッションは、2.5リッターモデルがCVT、3.5リッターモデルが6速AT(マイナーチェンジ後は8速AT)となります。ハイブリッドモデルは全車フルタイム4WD、ガソリンモデルはFFとフルタイム4WDの両方が選べます。

2.5リッターモデルでは、2列目・3列目シートがそれぞれ3人掛けとなる8人乗り仕様のグレードがありますが、3.5リッターモデルにはありません。2列目シートの居住性を向上させた”エグゼクティブラウンジ”仕様は2.5リッターハイブリッドと3.5リッターに設定されています。

アルファード30系後期型の変更点

白八〈Aspect Lowness〉さんのアルファードの画像
白八〈Aspect Lowness〉さんのアルファードの画像
引用元:白八〈Aspect Lowness〉さんの投稿

30系アルファードは2015年1月のデビューの後、2018年1月にマイナーチェンジが施され、後期型へと移行しました。見た目の違い以外では一体どこが改良されたのでしょうか?それでは、後期型で進化したポイントを見ていきましょう。

エクステリア

サダさんのアルファードAGH30Wの画像
サダさんのアルファードAGH30Wの画像
引用元:サダさんの投稿
セル@JUSTICE🔁変態一家さんのアルファードAGH30Wの画像
セル@JUSTICE🔁変態一家さんのアルファードAGH30Wの画像
引用元:セル@JUSTICE🔁変態一家さんの投稿

エクステリアにおいては、グリルセンター部の突き出しや階段形状の造り込み、縦基調を強調したメッキ加飾などにより、それまで大人しい印象でインパクトに欠けていたフロント部分を、より堂々とした顔付きへと生まれ変わりました。さらに、バックドアガーニッシュ、リアコンビネーションランプも個性をより際立たせたデザインになり、リアも迫力あるスタイリングになっています。

今回のマイナーチェンジで、ヘッドライトの形状はよりシャープなものに、そこから一体感のあるデザインで大型化されたグリルへと繋がるフロントフェイスとなりました。グリル左右の大きなインテークデザインも相まって、高級感と迫力に一層磨きがかかっていますね!カスタム手法としても、これから「後期仕様」が流行するのではないでしょうか?

また、後期型にはオシャレに流れる「シーケンシャルウィンカー」を装備するグレードも設定。視認性の向上とともにドレスアップ効果もあり、非常に人気の装備となっています。ボディーカラーでは、今までのアルファードのイメージにはない、「ダークレッドマイカメタリック」が追加されました。

インテリア

インテリア
インテリア
引用元:https://newsroom.toyota.co.jp

インテリアはというと、メーターリングやシートの表皮、木目の色をなどを変更したことで、もともとある高級感をさらに高められ、極上の心地よさを実現しています。

パワートレイン

まず3.5リッターV6モデルのパワートレインの変更です。エンジンが、筒内直噴とポート噴射の両インジェクターを備えた燃料噴射システム“D-4S”を採用する「2GR-FKS」に、またトランスミッションが、日本国内初採用となる「Direct Shift-8AT」に変更された結果、従来よりも省燃費となり、パワーも向上しました。

具体的には、JC08モード燃費が前期型が9.5km/Lに対して後期型が10.8km/L、最高出力が前期型が280ps(206kW)/6200rpmに対して後期型が301ps(221kW)/6600rpmです。

アルファードに搭載されるエンジンは、2.5L V6エンジンと、3.5L V6エンジン、直列4気筒のハイブリッドエンジンがラインナップしますがマイナーチェンジにより、3.5L エンジンはレクサスGS350と同じ2GR-FKSに変更されました。

新型3.5L V6エンジンは、2つの燃料噴射装置を搭載し、気筒内燃料直噴とポート噴射を適宜切り替えることで、それぞれの得意とする領域で優れたパワー特性を発揮。最高出力は前期型の280PSから301PSへと向上しています。

またトランスミッションが、日本国内初採用となる「Direct Shift-8AT」に変更された結果、従来よりも省燃費となり、パワーも向上しました。

6速ATから8速ATへと多段化され、低負荷時にはエンジンバルブタイミングをコントロールして、積極的にアトキンソンサイクル運転を使用することで前期型のJC08モード燃費9.5km/Lから10.8km/Lへと燃費向上を実現しました。

ボディ&足回り

ボディ剛性も、開閉しないガラスすべてに高剛性タイプの接着剤を使用したり、ボディの構造用接着剤の使用範囲を広げたりすることで、前期型よりさらに高められました。

足回りに関しては、サスペンションの基本構造はそのままですが、ショックアブソーバーの減衰力特性が見直され、操縦安定性および直進安定性が向上しました。

安全システム

前期型に搭載されていた衝突回避システム「トヨタセーフティセンスP」はマイナーチェンジにより機能・精度ともにバージョンアップされます。新機能としてクルーズコントロール使用時に車線を維持するようにステアリング補助をおこなう「レーントレーシングアシスト」と、道路標識を自動認識してドライバーに注意を促す「ロードサインアシスト」が追加されました。

2018年10月には一部改良がほどこされ、インテリジェントクリアランスソナーが搭載されました。ドライバーの操作にかかわらず、車の進行方向に障害物があった場合は自動的にアクセル・ブレーキをコントロールし衝突回避するインテリジェントクリアランスソナーは、全グレードに標準装備されます。

プリクラッシュセーフティシステム

前期型に搭載されていたものは設計が古い故に歩行者の検知すらできませんでした。後期型に新たに搭載された第二世代版の「トヨタセーフティセンス」は、センサー類の性能の進化により、昼間は自転車運転者の検知が可能なほか、夜間の歩行者検知能力も向上しています。また、緊急自動ブレーキ作動時の減速の度合いも拡大されています。

レーントレーシングアシスト

車線逸脱時にステアリング操舵制御により車線を維持する”レーントレーシングアシスト”、マルチインフォメーションディスプレイにカメラが認識した道路標識を表示する”ロードサインアシスト”、信号待ちなどで前車が発進した際にそのまま気づかずに停止している場合、ブザーとマルチインフォメーションディスプレイ表示で知らせてくれる”先行車発進告知機能”も全車標準装備されており、運転支援機能は特に進化したポイントといえます。

アダプティブハイビームシステム

先行車や対向車に光が当たる部分を自動的に遮光する”アダプティブハイビームシステム”、駐車場にてバックで出庫する際に左右後方から接近してくる車両を検知して知らせる”リヤクロストラフィックアラート”などがありますが、これらは全車標準装備の機能ではありません。

アルファード30系後期で追加された安全装備

  • 検知対象/歩行者(昼)
  • 検知対象/歩行者(夜)
  • 検知対象/自転車運転者
  • 自動ブレーキが作動する速度/対自転車運転者  約10~180km/h
  • レーントレーシングアシスト(LTA)
  • ロードサインアシスト(RSA)
  • 先行車発進告知機能(TMN)

さらに、2018年10月25日に一部改良が行われ、駐車場などでのアクセルの踏み間違いや踏みすぎなどで起こる衝突被害の軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナーを全グレードに標準装備し、セットオプションだったブラインドスポットモニター(BSM)を、デジタルインナーミラーとの組み合わせとしています。

Executive Lounge Sグレードが追加

ymsさんのアルファードGGH30Wの画像
ymsさんのアルファードGGH30Wの画像
引用元:ymsさんの投稿

エアロ仕様として、ゆとりのセカンドシートを備える最上級グレード「Executive Lounge S」が設定されました。「Executive Lounge S」は、フロントグリルを外側へ拡幅し、メッキモールをヘッドランプからバンパーコーナーへと張り出すようにレイアウトすることで、ワイド&ローなスタンスを強調。さらに、「ブラック&ホワイト」の専用インテリアを採用し、シルバー木目調の専用加飾や、防汚処理加工を施したホワイト色のプレミアムナッパ本革シートが、先進的でモダンな室内空間を演出します。さらに、ハイブリッド車のエアロ仕様には、エントリーグレードのアルファード「S」も設定されています。

操縦安定性をUP

走行性能では、筒内直噴とポート噴射の両インジェクターを備えた、トヨタ独自の燃料噴射システム“D-4S”を採用して高い燃費性能を確保した、V6・3.5LエンジンにDirect Shift-8ATを採用。また、低燃費、優れた走行性能、低排出ガス、そして圧倒的な静粛性を実現するハイブリッド車を設定しています。

乗り心地をUP

また、上質な乗り心地と操縦安定性を確保するために、ダブルウィッシュボーンリヤサスペンションに加え、ショックアブソーバーの減衰力を適正化する新型バルブを採用。さらに、構造用接着剤の適応範囲を拡大することでボディ剛性をより高めています。さらに、ウインドシールド、フロント・リヤクォーター、バックドアガラスには高剛性ガラス接着剤を新たに採用し、優れた走行安定性を実現しました。

まとめ

ぽにょさんのアルファードAGH30Wの画像
ぽにょさんのアルファードAGH30Wの画像
引用元:ぽにょさんの投稿

さて、30系アルファードの特徴やマイナーチェンジでの進化ポイントを取り上げてきましたがいかがでしたか?トヨタがいかに気合を入れて30系を開発をしたのかが少しでもお伝えできていたら幸いです。

ワンボックスの高級車というジャンルをここまで一般的に広めたアルファード、歴史的に見れば日産のエルグランドの方が同ジャンルにおいて先行していた経緯はありますが、後出しとはいえそれを大きく超えるモノを造り、進化させ続けていくトヨタ自動車は流石といえます。東南アジアでも大変な人気を博している、アルファード。今後のモデルチェンジ展開も見逃せませんね!

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