イモビライザーってどんなモノ?その防犯効果とは?後付けも出来る!

2018年10月10日

イモビライザーってどんなモノ?その防犯効果とは?後付けも出来る!

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イモビライザーはより高度な防犯性能をもつ車の鍵というのは広く知られていますが、どういう仕組みで防犯に役立っているかはあまり知られていません。 この記事では、イモビライザーにまつわるさまざまな疑問にお答えします。

イモビライザーとは

イモビライザーとは、いわゆる電子キーのことです。

その仕組みは、イモビライザーキーから固有IDをのせた電気信号を車に送り、車側に設定されたIDと一致すれば解錠され、エンジンがかけられるというもの。

イモビライザー(immobilizer)の名前は、否定を表す「im」、動くという意味の「mobile」を組み合わせた言葉で、和訳すると「動かないようにするもの」という意味。

その名が示すとおり、高いセキュリティ性能で自動車盗難を防止する装置です。

日本よりも自動車盗難率が高い海外では古くから採用されており、ヨーロッパでは1995年からすべての車に装着義務が設けられ、盗難件数は半減している実績があります。

日本では一部の高級車は早い段階で搭載されていましたが、2000年ころからスマートキーの普及とともに徐々に装着率が高まってきています。

イモビライザーの仕組み

イモビライザーは、、トランスポンダと呼ばれる送受信機が内蔵されたキーホルダーや、キーヘッドに組み込まれる形で使用されます。

そもそも古くから使われる「鍵」というものは、鍵のカギ山とキーシリンダー内のカギ穴が一致した場合に限り解錠できる装置で、一致する鍵を持っていなければ解錠できないことから、不特定多数の人間によるアクセスを防ぐためのもの。

ハンズフリーでエンジン始動ができるスマートキーが普及する以前は、金属製の鍵とイモビライザーが併用されて使われていました。

イモビライザーの特徴

イモビライザーも基本的には鍵と同じであり、イモビライザーキーが発信する固有ID(カギ山)と車側に設定された固有ID(カギ穴)が一致した場合にのみエンジンがかかる仕組みです。

「電子化されている」というのがポイントで、これにより従来の鍵のように、鍵の複製やピッキングによる盗難はほぼできなくなります。

電波を通してやり取りされる固有IDは暗号化され、数百万通りの暗号を複数回に渡って送受信。

それら全てが一致し、認証されなければエンジンはかからないため、鍵の複製はもちろん、解読するにはスーパーコンピューターでも用意しなければエンジン始動は不可能という、高いセキュリティがイモビライザーの特徴です。

イモビライザーを後付してみよう

イモビライザーがついていない車に、後からイモビライザーを取り付けることのできるキットが販売されています。

特に有名なのが、VIPER(バイパー)やHONET(ホーネット)、CLIFFORD(クリフォード)やユピテルといったブランドから、優れた防犯実績のある多彩なイモビライザーキットを販売しています。

純正イモビライザー機能を活かしたままセキュリティ性能をアップフレードさせるキットもあります。

イモビライザーキットの価格

イモビライザーキット価格は、5万円〜10万円ほど。

さらに追加オプションという形で、アラームやセンサなどを追加し、環境に応じてセキュリティ性能を強化することができます。

取り付け時の注意

純正イモビライザーの多くは、エンジンコントロールユニット(ECU)に連動し、イモビライザーの認証が行われなければ、ECUが動作しないためにエンジンがかかることはありません。

後からECUに加工を施すのは容易でないため、後付の社外品は、主にECU配線やイグニッション配線、燃料コントロールの配線、あるいはそれら複数の配線に割り込ませることで、エンジンの動作を防止します。

そのため、ある程度の電気配線加工の知識があれば、後付イモビライザーを自分で取り付けることは可能です。

しかし、セキュリティ性能を発揮させるには「防犯効率を高める取り付け方」が存在します。

キレイに取り付ける

ビライザー装置を取り付ける際には、「キレイに取り付ける」ということ。強いて言えば、窃盗者がどこにイモビライザー装置が取り付けられているのか「わからないように取り付ける」のがセキュリティ性能を高める取り付け方です。

例えば、位置の見える落とし穴に落ちる人間はいないように、車内に侵入されて「どこに」「どのように」装置が取り付けられているかが分かってしまえば、簡単に取り外されて盗難されてしまいます。

本体や配線を見えない箇所に純正配線に紛れ込ませてキレイに取り付けることが、セキュリティを高める取り付け方の基本です。

アラーム・センサーの調整

後付のイモビライザーの多くの製品は、ドライバー不在時の防犯性を高めるため、振動センサーやエリアセンサーと連動したアラームを用いて、盗難やいたずらなどに対し警告を発する機能を備えます。

それらのセンサーの取り付け位置や感度などをしっかり調整しなければ、一般人が車の隣を歩いただけでアラームが鳴ったり、一瞬の突風で車がわずかに揺れただけでもセキュリティが反応してしまうことがあります。

どの程度の感度で反応させるかは、取り付け慣れたノウハウがなければなかなか難しいものです。

取付費用

イモビライザーなどのセキュリティは、単に取り付けるだけでは真の効果を発揮しません。

窃盗者の行動を洞察した、取り付け後のセットアップをしてこそ本来の性能を発揮できるようになります。

鍵屋やセキュリティを取り扱うプロの業者は、窃盗犯罪の動向に熟知し、どのように取りるけるのが効果的であるかを知っているので、業者に取り付けを依頼した場合は10万円〜20万円ほどのやや高額な取付費用がかかる場合があります。

ただし、そこまで高度な取り付けをほどこさなくても、一定以上のセキュリティ性能は発揮しますので、単純に取付依頼をしただけならば取付工賃は1万円〜3万円ほど。

もちろん自分で取り付ければ0円です。

イモビライザーは万能ではない?

イモビライザーが登場した当初は、その高い防犯性から盗難は不可能とされていました。

そのため、イモビライサーを搭載した車が盗難された事件では、裁判所は「イモビライザーがあるため盗難は車の保有車にも一定の過失がある」とし、盗難保険料の支払い義務はないものとして処理されることもありました。

しかし、現在ではイモビライザー付きの車でも盗難されるというのが常識となり、盗難された場合の保険料は確実に支払われるようになっています。

鍵としては万能なイモビライザー

では、イモビライザーは万能な盗難防止装置ではないのでしょうか?

イモビライザーの電子キーとしての性能は完璧です。それを破るには相当な腕のクラッカーかスーパーコンピューターがなければ正面突破は不可能なほどの堅牢性を備えます。

しかし、車を盗難する方法は鍵を破る他にもたくさんあります。

イモビライザーキー自体を盗まれてしまったり、レッカー移動で盗難されてはイモビライザーの鍵としての機能は無意味なものになってしまいます。

イモビカッター

それに加えて、2010年あたりから、増加し始めたイモビライザー付き車両の大量盗難は、「イモビカッター」という装置を用いた盗難です。

直接イモビライザーを破るのではなく、車両診断コネクタからイモビライザーを制御するコンピューターにアクセスして、イモビライザーの固有IDをリセットしてしまう方法。

新たに任意の固有IDを再セットしてしまえば、それはイモビライザーキーが手に入ったことと同じくやすやすと車を盗むことができるのです。

現在では、ほとんどのメーカーが「イモビカッター」への対抗措置を実施し、新型車ではイモビカッターによる盗難は困難になっています。

リレーアタック

「イモビカッター」が使えないとなると、盗難業者は別の手を考えます。

持ち主が持つスマートキーが発する微弱な電波信号を増幅させて送信することで、あたかも車の近くにスマートキーがあるように、車のセキュリティシステムに誤解させて車を盗難する手法。

電波を機器によってリレーさせることから「リレーアタック」と呼ばれるこの手法は、車のセキュリティを飛び越える驚くべき手法です。

トヨタなどの数社は、すでにリレーアタックへの対処を講じていますが、より完璧に対処をするには、ユーザー自身でスマートキーの電波を遮断するポーチで管理するなどの対策が必要不可欠です。

イタチごっこは続く

盗難業者が新たな手法で車を盗めば、自動車メーカーがそれに対応し、その裏をかく新たな盗難手法が編み出されるという、イタチごっこが自動車盗難の実態です。

メーカーの盗難対策には、コストなどの制約があるため、根本的な盗難対策を期待するにはやや荷が重く、ユーザー個人の防犯意識とセキュリティの向上が求められます。

コストに制約がなく、イモビライザーと多彩なバリエーションを組み合わせて自由にセキュリティ強化ができる社外セキュリティの方が、純正イモビライザーに比べ自動車盗難に大きな効果を発揮することでしょう。

セキュリティをチューンナップすることも、安全に車を維持していくうえで重要な要素です。

イモビライザーを活かした防犯システムを

イモビライザーは完璧な鍵。しかし、装置としては優秀でも、防犯システムにはなりえません。

車の盗難を防止するには、ひとつの機能に依存するのではなく、あらゆる方向から鍵を守る防壁と、二重三重のセキュリティで、広く厚い防犯システムを構築することが重要です。

自動車の盗難に掛けられる時間はおよそ10分といわれます。それ以上の時間を掛けてしまうと発見されてしまう可能性が高まるため、ハンドルロックやホイールロックといったアナログなセキュリティで時間を稼ぐというのも、ひとつの防犯システムです。

とはいえ、どれだけ技術が進歩しても自動車盗難がなくなることはないでしょう。

新たな対策は、その裏をかく新たな手法を生み出します。大切なのは一人ひとりの防犯意識を高めること。まずはできる範囲で、ひとつでも盗難対策を実行してみましょう。