2018年05月29日 (更新:2022年10月11日)
シルビアS14型を徹底解説!その魅力について再検証します!
クールなS13?かっこいいS15?7代にわたって販売された日産・シルビアの中では、S13型とS15型が人気を二分しています。しかし、近年になって再評価されつつあるS14型シルビアを忘れてはいけません。今回は、スペック紹介や他車との比較を通じてその魅力を紐解きます。後半では息をのむようなかっこいいカスタムも紹介します!
S14シルビアのってどんな車?
S14型シルビアは、日産自動車が1993年から1998年まで生産したスポーツカーです。日産を代表するシルビアシリーズの6代目で、30万台を売り上げたS13型シルビアの後継車種にあたります。
ここでは、開発コンセプトや販売実績、専門家や世論からの評価を紹介します。
S14シルビアの開発コンセプト
6代目シルビアは、「意のままに楽しい走りとセンスの良さを徹底追及したスタイリッシュスポーツクーペ」を開発コンセプトに掲げて、1993年に販売が開始されました。プラットフォームは先代から引き継いだものでしたが、ボディ剛性向上・エンジン出力アップ・ブレーキの大容量化など多岐にわたる改良を受けて、スポーツ性能が大幅に引き上げられました。
また、先代よりも曲線を多用したデザインで、新しい種類のカッコよさを目指した車でした。
S14シルビアの販売期間と販売台数
S14型シルビアは1993年から1998年まで販売されました。およそ30万台を販売した大人気S13型と比べると人気は乏しく、販売台数は10万台以下と言われています。当時からすでに、レジャーに使えるSUVやミニバンに人気が集まり、スポーツカーの販売台数は大きく落ち込んでいました。S14型はボディを大型化したことでスポーツ性能が低下したというイメージが付き、販売面で苦戦を強いられました。
なお、S13型シルビアの兄弟車として知られる180SXは、S14型シルビアが発売されてからも販売が継続されました。S14型の大型化やS14型にはクーペタイプしかなかったことなどが主な理由です。小型で安価な180SXが継続販売されていたことやS13型シルビアが中古車として大量に出回っていたことも、S14型の販売台数が少なかった原因の一つです。
S14シルビアの評価
ボディの大型化については賛否両論がありました。トレッド幅が拡大したことによる安定性の高さやエンジンの性能向上は評価されました。また、先代と比較して広くなった室内スペースもS14型の長所の一つでしょう。しかし、S13型に比べて重くなったボディのために軽快さが損なわれたと言われています。
美しさが最大の魅力だったS13型に比べて、ずんぐりとしたデザインはやぼったい印象を与えてしまいました。エアロ装着グレードの設定や大幅なデザイン変更を行った後期型の発売でもその印象を払拭することができず、先代のターゲット層であった、かっこいい車を欲しい若者の支持を集めることはできませんでした。
ワイスピとイニシャルDでのS14シルビア
S14型シルビアは、自動車好きなら誰でも一度は読んだことがある伝説的漫画『頭文字D』に登場しています。赤城レッドサンズメンバーの中村健太が主人公藤原拓海と雨の中バトルを繰り広げたのは、1993年式の前期型Q'sでした。
また、世界中で大人気の自動車アクション映画「ワイルド・スピード」に登場しています。ドミニクの彼女のレティーが運転していた車が、S14型シルビアの北米版に当たる240SXでした。女性ドライバーが颯爽とドライブする240SXにあこがれた方も多いのではないでしょうか。
シルビアS14のモデル変遷&グレード紹介
S14型シルビアは、モデルライフの途中で大掛かりなマイナーチェンジを行いました。温和なデザインの前期型と鋭いヘッドライトが印象的な後期型に大別され、その見た目の違いは頻繁に比較されます。
S14シルビア:前期型
1993年にデビューしたS14型シルビア前期型は、丸みを帯びた優しいデザインが特徴です。S13型の個性である直線的なデザインやプロジェクター式ヘッドライトは採用されず、凡庸な車となりました。
S14シルビア:後期型
前期型は販売面で苦戦しました。美しさが大きな魅力であったS13型に比べて丸っぽいデザインは評価が低く、かっこいい車が欲しいユーザーからもスポーツ性能を求めるユーザーからも理解を得ることができませんでした。
1996年に大幅なマイナーチェンジを施した後期型は、釣り目と呼ばれる尖ったヘッドライトを採用しスポーツ性の高さを売りにしました。S14後期型でデザインの方向性を大きく変更した結果として、S15がスポーツカーらしさを徹底したデザインになったと言われています。
S14シルビア:J's
最廉価モデルは、「J's」というグレードです。カスタマイズベース車ゆえに装備が省略され、MTなら169万円からという若者でも手の届く価格で販売されました。自然吸気エンジンとはいえ、先代より20馬力もパワーアップされたエンジンを搭載しており、ちょっとしたスポーツ走行なら楽にこなすポテンシャルを持っていました。
S14シルビア:Q's
「Q's」はエアコンや集中ドアロックなどの装備を充実させた自然吸気エンジン搭載モデルです。快適装備と価格のバランスに優れ、シルビアの販売を支えました。
S14シルビア:K's
「K's」は220馬力を発生するSR20DETエンジン搭載のトップグレードです。ドリフト競技にもよく使われ、S14型では最も人気が髙うグレードとなっています。
S14シルビア:オーテックバージョン K's MF-T
1997年、モデル末期を迎えたS14型シルビアに最強のモデルが登場しました。オーテックが手を入れたエンジンは最高出力250馬力に達し、専用のチューニングが施されたターボチャージャーやサスペンションを搭載しています。大型のリアスポイラーやエアインテーク付きのフロントバンパーが、カタログモデルとは異なる個性を主張しています。
シルビアS14と他車の比較
S14型シルビアとライバル車の性能を比較します。現在の中古車市場で最も人気が高い、後期型のK'sを比較基準とします。RV人気でスポーツカーの販売台数が低下したとはいえ、S14型シルビアが発売されていたころはたくさんのスポーツカーが生産されていました。
S14型シルビア
【シルビア S14 K's 5MT (1996年6月モデル) 諸元】
- 全長×全幅×全高:4520×1730×1295mm
- ホイールベース:2525mm
- 車両重量:1240kg
- エンジン型式:SR20DET
- 最高出力:220ps(162kW)/6000rpm
- 最大トルク:28.0kgf・m(274.6N・m)/4800rpm
- 種類・総排気量:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ・1998cc
- 10モード/10・15モード燃費:11.4km/リットル
- 新車価格:2,395,000円
トヨタ・MR-2(SW20)
比較対象として選んだMR2は、1996年に改良された4型です。ミッドシップに高性能なエンジン搭載を搭載したMR2は、S14型シルビアとは違った楽しさを持つスポーツカーでした。
【MR2 SW20 GT-S 5MT (1996年6月モデル) 諸元】
- 全長×全幅×全高:4170×1695×1235mm
- ホイールベース:2400mm
- 車両重量:1280kg
- エンジン型式:3S-GTE
- 最高出力:245ps(180kW)/6000rpm
- 最大トルク:31.0kgf・m(304.0N・m)/4000rpm
- 種類・総排気量:直列4気筒DOHC16バルブ+ICターボ・1998cc
- 10モード/10・15モード燃費:10.6km/L
- 新車価格:2,713,000円
日産・180SX
先代の兄弟車である180SXは、S14型の登場後も販売が継続されました。S14型に搭載されたSRエンジンは改良がくわえられたのに対し、180SXのエンジンはS13型シルビアと同じものが使用されています。絶対的な性能面で劣るとはいえ、便利なハッチバックである点やスタイリッシュなリトラクタブルヘッドライトが搭載されている点は、S14型シルビアにはない特徴です。
【180SX タイプXスーパーハイキャスパッケージ 5MT (1995年5月モデル) 諸元】
- 全長×全幅×全高:4540×1690×1290mm
- ホイールベース:2475mm
- 車両重量:1230kg
- エンジン型式:SR20DET
- 最高出力:205ps(151kW)/6000rpm
- 最大トルク:28.0kgf・m(274.6N・m)/4000rpm
- 種類・総排気量:水冷直列4気筒DOHC16バルブ+ターボ・1998cc
- 10モード/10・15モード燃費:10.0km/L
- 新車価格:2,549,000円
日産・S13型シルビア
先代シルビアも強力なライバルでした。販売台数が多かったため安価な中古車が豊富に流通し、S14型シルビアの販売台数低下の一因とも考えられています。流れるような美しいデザインも、S14型では失われてしまった魅力です。
【シルビアS13 K'sスーパーハイキャスパッケージ 5MT (1992年1月モデル) 諸元】
- 全長×全幅×全高:4470×1690×1290mm
- ホイールベース:2475mm
- 車両重量:1170kg
- エンジン型式:SR20DET
- 最高出力:205ps(151kW)/6000rpm
- 最大トルク:28.0kgf・m(274.6N・m)/4000rpm
- 種類・総排気量:水冷直列4気筒DOHC16バルブ+ターボ・1998cc
- 10モード/10・15モード燃費:10.0km/L
- 新車価格:2,135,000円
日産・S15型シルビア
後継車種のS15型シルビアでは、小型化されたボディにアグレッシブなデザインが採用されました。S14型のトップモデルK's MF-Tに採用された250馬力を発生させるターボエンジンは、S15型シルビアのスペックRに搭載されています。S14後期型よりも力強く攻撃的になったデザインは、現在でも高く評価されています。
【シルビアS15 スペックR 6MT (1999年1月モデル) 諸元】
- ボディ:2ドアクーペ
- 乗車定員:4名
- 全長×全幅×全高:4445×1695×1285mm
- ホイールベース:2525mm
- 車両重量:1240kg
- エンジン型式:SR20DET
- 最高出力:250ps(184kW)/6400rpm
- 最大トルク:28.0kgf・m(274.6N・m)/4800rpm
- 種類・総排気量:水冷直列4気筒DOHC16バルブ+ターボ・1998cc
- 10モード/10・15モード燃費:11.2km/L
- 新車価格:2,390,000円
シルビアS14のカスタム紹介!
CARTUNEユーザーのかっこいいS14シルビアを、編集部が厳選してお届けします。ぜひカスタムの参考にしてください!
アニキさんのS14シルビア カスタム例
迫力のオーバーフェンダー・巨大なリアウイング・カナード・アンダーパネルなどを装着した一台です。オーナーのアニキさんは、各地のイベントに全て自走で参加されているそうです。
かいぽんさんのS14シルビア カスタム例
かいぽんさんは、愛車のS14後期型シルビアと共にドリフトやゼロヨンなどの競技をされています。愛車のS14には貴重な純正カーボンスポイラーが装着されています。後ろ姿に厚みのあるS14型だからこそ、力強い後ろ姿がかっこいいですね。
やちヴィアさんのS14型シルビア カスタム例
やちヴィアさんのS14型シルビアは、シザーズドアやGTウィングが装着され、見た人に忘れられない強烈な印象を残します。フルエアロを組み込んだボディや低さを追求した車高などあちこちに手を加え、バランスが取れた最高にかっこいい一台となっています。
おわりに
いかがでしたか?シルビアと言えばS15型が人気ですが、S14型シルビアもまだまだ現役です。魅力が詰まったS14型シルビアは、カスタムしてもよし、純正を楽しむのもよしです!
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