2018年12月04日 (更新:2020年06月18日)
知っておけばドヤ顔で自慢できるチューニングシリーズ〜トーションビーム式サスペンション編〜
自分の車の足回りがどのような構造になっているか、ちゃんと知っている人は少ないのではないのでしょうか。車には様々な足回りの構造があります。マルチリンクやダブルウィッシュボーンなどは有名ですよね。今回はその中の一つ、トーションビーム式の足回りについて、その構造からカスタムまで徹底解説していきます!
トーションビームの構造
トーションビーム式サスペンションは、一般的にはトーションバー式サスペンションや車軸懸架とは別物です。トーションビーム式サスペンションの一番の特徴は、上記画像のアクスルビーム部分です。アクスルビーム部分はある程度ねじれるようになっており、そのため左右の車輪はアクスルビームを介して繋がってはいますが、アクスルビームのねじれによりある程度自由にストロークします。
また一般的なダブルウィッシュボーン形式やストラット形式のサスペンションと違い、ダンパーとスプリングがそれぞれ別になって取り付けられているのも大きな特徴です。またトーションビーム式サスペンションはリアに採用されるサスペンション形式です。
トーションビームのメリット・デメリット
メリット
トーションビームの一番のメリットといえば、価格が安く抑えられるということです。その一番の理由は、構造が他のサスペンション形式よりも簡単で、部品点数が少ないためです。また構造が簡単なため、スペースをあまり必要とせず、その分車内のスペースを広くすることができます。
デメリット
もちろんトーションビームにはデメリットも存在します。ダブルウィッシュボーン形式やマルチリンク形式の車に比べ、サスペンションの動きは、どうしても左右の車輪がアクスルビームで繋がれているため制限されます。そのためこれらの形式に比べるとタイヤの路面追従性は良いとは言えません。また構造上の特徴から、リアのアライメント調整は純正状態ではできないのが一般的です。
トーションビーム式を採用している車
トーションビーム式サスペンションは様々なメリット・デメリットが存在することが分かりましたね。では実際にトーションビーム式のサスペンションを採用している車はなにがあるのでしょうか。今回は有名な国産車を中心に紹介していきたいと思います。
トヨタ・プリウス (1997-2015)
トヨタプリウスは初代から3代目までリアにトーションビーム式のサスペンションを採用していました。現行モデルからはリアはダブルウィッシュボーンになっています。それにしてもCARTUNEユーザー・わさおさんのプリウス、ものすごいキャンバー角ですね!とてもかっこ良いです。
トヨタ・ヴィッツ(1999-現在)
トヨタヴィッツは発売当初から現行車種まで、一貫してトーションビーム式を採用しています。お手頃な大衆車の足回りは、やはりトーションビームですね。上記のCARTUNEユーザー、しろうさぎさんのヴィッツ、とても車高が低くて、かっこ良いですね。
ちなみに今WRCに参戦中のヤリスWRC。ヤリスとはヴィッツの欧州車版のネーミングです。このWRCマシン、見た目はヴィッツととても似ているのですが、中身は全くの別物です。もちろん足回りも、ストラット式に変更されています。
ホンダ・シビックタイプR (2015-2016)
2015年3月にニュルブルクリンクFF最速の座を勝ち取ったシビックタイプR(FK2)。タイプRの名を冠しているこの車のリアのサスペンション形式は、なんとトーションビームです。トーションビームだからといってスポーツ走行が苦手なわけではないということを、シビックタイプRはニュルブルクリンクで証明してくれました。
トーションビームの乗り心地について
よくトーションビーム式の構造を持つ車は、乗り心地が悪いと言われています。しかし本当にそうなのでしょうか。トーションビーム式が他の構造にも劣らない「良いサスペンション」であるということは、シビックタイプRがニュルブルクリンクで証明してくれています。また、例えばトーションビーム式の構造を持つプリウスの場合、乗り心地について言及するユーザーはあまりいません。
不満を口にするとしたら圧倒的に後部座席の狭さや、回生ブレーキの扱いにくさ等、乗り心地以外の要素が多いです。基本設計がなっていない車は、サスペンション形式がどのようなものであろうと、乗り心地は悪いです。逆にトーションビーム式の車種でも、ちゃんと考えられて作られているものは、当然乗り心地が良いはずです。
トーションビームの車高・アライメント調整
車高調整
トーションビームの車高調整は、サスペンションがスプリングとダンパー別に分かれているため、一般的な車高調整とは異なってきます。例えば、車高調整式ダンパーを入れていても、トーションビーム式サスペンションでは、そこを調整するだけではあまり車高は変わりません。リアスプリングの自由長や、バネレートを変えてあげることで、車高は上下します。車高を下げたい人は、まずバネから変えてみると良いでしょう。
アライメント調整
トーションビームのデメリットの一つとして、アライメント調整ができないということが挙げられます。トーションビーム式のサスペンションは構造上の問題から、純正状態において、トー角やキャンバー角を変更することができません。しかし。リアのアライメントは、車のステア特性を左右する大事な要素です。
またドレスアップのために、キャンバー角を変えたいという人は多いと思います。トー角を変更することは難しいですが、キャンバー角ならば、トーションビーム式のサスペンションでも社外パーツを使用し、変えることができます。キャンバープレートというものを、ハブユニットの裏にかませると、トーションビーム式でもキャンバーが付くようになります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。トーションビーム式サスペンションに興味を持っていただけたでしょうか。ますは自分の愛車の足回り形式を調べてみましょう!形式によってカスタムパーツも大きく変わってきます。
車好きコミュニティ『CARTUNE』には、車の投稿がたくさん!あなたもアプリをインストールして参加しましょう!