2021年11月30日 (更新:2023年10月19日)
ユーザー車検のやり方を徹底解説!流れや注意ポイントをまとめました
やってみようと思ってもなかなか踏み出せないユーザー車検。今回は、そんなユーザー車検の事前準備から当日の流れなど、合格までの道のりを徹底解説します!
継続検査のやり方を徹底解説!
車検とは正式名称で”自動車検査登録制度”のことですが、この検査には車の状態に合わせていくつかのパターンがあります。ユーザー車検を検討する前に、自分の車がどの検査に該当するのかをみておきましょう。今回は、ユーザー車検で普通車の継続検査を行うと仮定し、手順を解説します。
継続検査
ユーザー車検のほとんどのケースがこの継続検査です。継続検査とは、いまナンバーが付いている車を対象とした検査のこと。現在乗っていて車検満了日が近づいていたり、すでに満了日を過ぎているけどナンバーは返納していないという、車検切れ状態の車両が該当します。
新規検査
ユーザー車検でもごく稀に行われるのが新規検査です。新規検査とは、いまナンバーがついていない車を対象とした検査のこと。これには、新車や国内で一度も登録されたことのない輸入車、一時抹消登録の中古車が該当します。
車検の予約をとる
ユーザー車検を受けるには、まずユーザー車検の予約が必要です。
検査予約システムに登録する
まずは、こちらの自動車検査インターネット予約システムに登録しましょう。
検査種類を選ぶ
登録が完了したら、ログインして「予約」ボタンをクリック。さらに「継続検査」、「普通車」とクリックして先へ進みます。
検査場を選ぶ
継続検査の場合、現在ついているナンバーに関係なく全国どこでも車検を受けることができます。例を挙げれば品川ナンバーでも鹿児島の検査場で検査を受けられるということです。最寄りの検査場を選択しましょう。
受験日時を選択する
次にユーザー車検に臨む日時をひとつだけ選択します。1〜4ラウンドに別れていますが、これは検査の受付をしてもらえる時間が4つあると捉えてください。また、検査場には次のようなルールがあるため、よく考えて選択する必要があります。
- 受付は、予約したラウンドの受付時間内に行うこと
- 検査は、当日3回まで受けることができる
- 3回の検査は、受付後ならいつでもOK
特に注意したいのが2と3。つまり、1ラウンドで予約を行った場合は3回の検査を9:00〜16:00の間に受けることができますが、3ラウンドで予約を行った場合は3回の検査を13:00〜16:00の間に受けなければいけません。検査の所要時間は15分程度ですが、不合格箇所があったときの調整と再検査の時間を考えると、午前中のラウンドを予約した方が有利です。自分の車の状態などを考慮して予約を行いましょう。
なお、検査予約は各ラウンドの受付開始前までであれば変更可能です。前日夜に確認したら空いてた、なんてこともあるため、諦めずにウォッチしてみましょう。
各情報を入力する
受験日時を選択したら、自動車検査証(車検証)を手元に用意し車台番号などを入力しましょう。間違っていると当日受付で弾かれてしまい、1日が無駄になってしまいます。
予約番号をメモする
予約が完了すると、予約番号が発行されます。当日受付時に必要となるためメモしておきましょう。
当日の持ち物
車検を受けるには次の持ち物が必要です、忘れずに持っていきましょう。
- 車検証
- 自賠責保険証
- 納税証明書(納税後2週間以内のみ必要)
- 現金
- 予約番号のメモ
納税証明書は2週間経過していれば不要
納税をPayPayなどの電子決済で行うと納税証明書が手元にないという状態に陥りますが、現在は納税後2週間ほど経過していれば陸運局のシステム上で納税の確認が取れるようになっています。
納税してから2週間経過していない状態で車検を受ける場合のみ、市役所で納税証明書(紙)を発行し持参しましょう。
受付で書類を受け取る
予約したラウンドの受付開始時間になったら、運輸支局場内の受付へ向かいましょう。多くの場合ユーザー車検専用の窓口が用意されているので、予約番号を伝え、印刷機で書類を印刷します。必要な書類は以下の3点です。
- 自動車検査票
- 自動車重量税納付書
- 継続検査申請書
書類に記入する
記入台の見本を見ながら記入します。電子化によりほとんどの項目がすでに自動記入されます。所有者名と住所をボールペンで記入しましょう。
印紙・証紙を購入する
場内の印紙販売窓口で自動車重量税額分と検査手数料分の印紙と証紙を購入しましょう。
- 検査登録印紙
- 審査証証紙
- 重量税印紙
ここでの支払いは自動車重量税があるため高額です、多めに現金を持っていきましょう。印紙と証紙は貼り付けてもらえます。
自賠責保険に加入する
車検には、合格後の2年間分の自賠責保険への加入が必要です。印紙・証紙窓口のすぐ近くにある保険の窓口で更新しましょう。
書類を提出して受付を完了する
車検証や印紙・証紙が貼られた書類一式と自賠責証書を、ユーザー車検の窓口へ提出します。問題なければ車両を持ち込む検査レーンを指定されます。ここからはいよいよ検査です。
(印紙や証紙、自賠責が揃ったら、そのままレーンに並ぶよう案内されることもあります)
レーンに並ぶ
車に乗り込み、指定された検査レーンへ向かいましょう。レーン前に並んでいる状態から、いくつかの点検や検査がスタートします。
フレームナンバー
まずは車台番号がフレームナンバーと一致しているかを確認します。フレームナンバーはエンジンルームに刻印されている場合などもあるので、あらかじめ位置を調べておき検査官に伝えましょう。
エンジンナンバー
エンジンの型式が車検証と合っているかどうかを確認します。こちらも、どのあたりに刻印があるかあらかじめ位置を覚えておきましょう。
外装
ウイングやエアロなど、外装の点検が目視で行われます。微妙なところはしっかりと測定されるため、違反していないかしっかりと確認しておきましょう。
内装
発煙筒の有効期限が切れていないか、ホーンボタンにラッパマークがあるか、シフトパターンの表示があるか、シートやシートレールは車検適合品か、各ウィンドウの透過率は適正かなどという点がみられます。
カスタムしてシフトパターンやラッパマークがなくなっている場合は、代わりにステッカーやバッジなどの装着が必要です。
灯火
ヘッドライトからナンバー灯まで、ちゃんと点灯しているかを検査します。これも、ちゃんと点灯しているかどうかレーンに入る前に確認しておきましょう。
ワイパー
ワイパーとウォッシャーが正常に作動するかを検査します。ウォッシャーは水が出なければいけないため、検査前にウォッシャー液を補充しておきましょう。
マフラー騒音
検査ラインへ入ると、マフラーの騒音測定が行われます。純正マフラーは省略されることがありますが、社外のスポーツマフラーが入っている場合はほぼ確実です。測定中は検査員の指示に従ってください。
サイドスリップ
サイドスリップでは前後輪の向きが正しいかを検査されます。板の上を車で通過するだけでOK。検査員の指示に従って車を前進させてください。
フットブレーキ
フットブレーキでは、通常のブレーキの制動力を検査します。画面や検査員の指示に従い、ブレーキを踏みましょう。
たいていはゆっくり踏むよう指示が出ますが、じわっと時間をかけて踏むとNG判定が出ることがあります。普通にグッと踏んでしまってOKです。
サイドブレーキ
サイドブレーキの制動力も検査されます。こちらも画面や検査員の指示に従い、サイドブレーキを作動させましょう。おそらく自分が思っている以上に効かせないと合格判定が出ません。
スピードメーター
スピードメーターが正しい速度を示しているかを検査します。車のスピードメーターが40km/hを指すところでアクセルを維持し、ヘッドライトでパッシングを行います。ミスしてもやり直しができるので、落ち着いてトライしましょう。
光軸
ヘッドライトの光の向きを検査します。指示に従ってロービームもしくはハイビームを点灯しましょう。検査は機械によって自動的に行われます。
排気ガス
アイドリング状態でサイドブレーキを引き、車から降ります。排気ガステスターをマフラーへ指示どおり差し込み、所定の位置に立つと測定が開始されます。30秒ほどで結果が出ます。
結果を記録する
排気ガス検査が終わった段階で、隣に用意されている記録機に検査用紙を差し込み、ここまでの合否を記録します。検査用紙の差し込み方向に注意しましょう。
下回り
下回り検査用のスペースへ車両を前進させ、ブレーキなどをかけずにしばらく待ちましょう。ここでは足回りにガタがないか、マフラーに排気漏れがないか、オイル漏れやブーツの破れ、各部の緩みなどが検査されます。
合否判定
検査ラインを最後まで進むと、車から降りて合否判定を受ける場所へ誘導されます。全て合格であれば合格印をもらえるので、書類を持って再度ユーザー車検用の受付へ向かいましょう。
不合格の場合は詳細を記した紙がもらえます。当日中に該当部分を修理して再度検査ラインへ並びましょう。1回目の検査で不合格の場合でもあと2回チャンスがあるうえ、残り2回の検査は不合格部分のみの検査でOK。しっかりと調整しトライしてみましょう。
車検証と検査標章を受け取る
無事合格したら、受付で新たな車検証と検査標章を受け取りましょう。フロントガラスに貼り付けてある検査標章を新しいものに貼り替えれば、ユーザー車検は終了です。
事前にしっかりと仕上げておけばクリアできる
車検は非常に難しいイメージがありますが、車に異常がなければ案外すんなりと済んでしまいます。ユーザー車検は通常の車検よりも数万円安くなるケースも多く、自分で整備できる人にとっては金銭的なメリット大。
しっかりと整備して、ユーザー車検にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。