2021年07月29日 (更新:2022年08月04日)
F-tuneROMの生みの親!BNR34純正部品をふんだんに使った開発車両はまさに「愛車」【スカミューオフ】
今回は’スカミューオフ’の主催者であり’F-tuneROM’の生みの親でもあるFUKU隊長さんのER34をご紹介。1つ1つに拘り抜いて仕上げられた34はとても高い完成度となっています!
愛車&オーナー情報
- 車種:日産 スカイライン 25GT-t (ER34)
- 年式:1998年(平成10年)
- 走行距離:210,000km
- ボディカラー:アスリートシルバーベースオリジナル(オールペン)
- オーナー:FUKU隊長
- 所有年数:17年
実はER!
知らない人が見れば、いや、知っている人が見てもBNR34に見えるFUKU隊長さんのスカイライン。しかしこれが実はER34だというから驚いた。
「丈夫なボディパーツ、丈夫なエアロパーツ、これをベースに探していたらGT-R純正パーツにたどり着きました」
外装は各所にBNR34の純正パーツやnismoパーツを使用して仕上げられている。フェンダーももちろん前後ともBNR34の純正品を使用しており、実車を目の前にした雰囲気はまさにBNR34そのものだった。ここまで来るとGT-Rのエンブレムも装着してしまいそうだが、付けていない理由を伺ってみると「あくまでベースはERですからね」ということだった。スカイラインを愛するオーナーだからこその、GT-Rへの敬意の表れかもしれない。
GT-Rのエンブレムがないこともそうだが、唯一ER34の名残が見られるのがブレーキ。ただしER34の純正ブレーキは他社種への定番流用になるほど十分な制動力を持つため、よほど特別な理由がない限りは交換する必要がないだろう。
ボディカラーは純正のアスリートシルバー(KV2)をベースに、赤みを抑え青みを強くしたこの世に1台だけのオリジナルシルバーに塗り替えられている。実車を目の前にしたときもKV2の赤紫っぽいシルバーの印象はなく、青みが強いおかげでとてもクールなシルバーの印象を受けた。純正色っぽくもあるがソニックシルバー(KR4)とも違い、とても外装の雰囲気にマッチしたカラーだった。
足元にはBBS LMを装着。Rサイズならではのリムの輝きが渋くてかっこいい。
ご近所付き合いは大切に
マフラーにはジェントルな音量に定評のあるFUJITSUBO製を装着。ただでさえおとなしい音量であるが、これにECVを組み合わせることで閉栓時には純正マフラー並みの音量だった。
車好きにとってはマフラー交換はメジャーなカスタムの1つであるが、音量の問題は常につきまとう。最近の車であれば音量規制も厳しくなっているとはいえ、たとえ規制値内でもうるさいと感じる人はいる。ご近所さんに煙たがられてしまっては肩身の狭い思いで生活しなければならない。
何より34もただでさえ盗難に気をつけなければならない年代車。ご近所さんへ最大限の配慮を実施し日頃から理解を得ておけば、万が一の場合にも目を光らせて味方になってくれるかもしれない。
「F-tuneROM」の生みの親
「F-tuneROM」
ER34オーナーの方なら、もしかすると一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
一昔前は定番だったROMチューン。最近の車は昔の車ほど単純な制御ではなくなっているため難しいが、R34世代はまだまだ定番のチューニングの1つだ。今回のオーナーであるFUKU隊長さんも、当時市販のROMチューンを実施したそう。
しかしあるとき、エンジンブロー。もともと街乗り向きではない特性にも違和感を覚え、「ならば自分の納得するROMを作ろう!」とF-tuneプロジェクトがスタートしたそうだ。’街乗りから効果を発揮し、ER34をより楽しむため’に開発されたこともあり、装着車のオーナーから届いたレビューも「上だけでなく低回転からよく回るようになった」「車が軽くなった感じがする」と大好評。公式サイトでは他にも様々なオーナーから届いたF-tuneROMの装着レビューが掲載されているので、気になる方はぜひ一度目を通してみてほしい。
取材時に少しお話しを伺ったが、とても真似できない苦労や試行錯誤がF-tuneROMには盛り込まれている。それを考えると今でもかなりお値打ちプライスだと思うが、今後材料費の高騰による値上げや、欠品等で最悪の場合はもう作れなくなってしまう日が来るかもしれないということ。検討しているオーナーはとりあえずコンタクトを取ってみることをオススメしたい。
一度、手元を離れた個体
はじめにオーナーの手元に来てから一通りのカスタムを終えた後、事情により一度この34を手放したそうだ。R34は歴代スカイラインの中でも総生産台数が少ないが、それでも数万台という個体が存在する。一度手放せば再び全く同じ個体が戻ってくることは早々ない。
しかしある時、手放した34が複数のオーナーを経て戻ってくる機会が巡ってきた。しかし再びオーナーの元へ来たときの状態は、とても見るに堪えない状態だったそうだ。
「正直、このとき素直にBNR34を買うこともできたのですが...」
でも目の前にあるのは自ら手を入れ、配線1つ1つまで把握している34。もちろんひとしおの思い入れもある。そんな’元愛車’の痛々しい姿を放っておけなかった。
「もう一度乗ろう」
再びオーナーの'愛車’となった34は内外装ともにリフレッシュされ、現在の姿へと返り咲いた。
撮影をさせていただいている間も、34からどこか誇らしげな表情をしている印象を受けた。きっと手放された後、現オーナーの元へ戻ってくることをずっと願っていたのだろう。
そしてそれはオーナーも一緒。取材の間も本当に楽しそうにお話を聞かせてくれて、こちらまでワクワクした。きっと’この34’のオーナーであることも誇りに思っているに違いない。
オーナーと34の素敵なカーライフと、スカミューオフのますますのご発展を心から祈念し、本取材記事を終えたい。
ギャラリー
(photo:CARTUNE運営 Hiroki)