2021年07月06日
車のエアコンはここをチェック、夏本番前に点検すべき9つの項目
車のエアコンは本来非常に高い冷房性能を持っています。その性能を引き出すためには定期的な点検とメンテナンスが重要。今回はカーエアコンを最大限活用するためにチェックすべき点を紹介します。
カーエアコンのチェック項目
車のエアコンの性能を最大限に引き出すためにチェックすべき項目には次のようなものがあります。
- 吹き出し口の清掃、洗浄で臭いを除去
- エアコンフィルターの交換で風量を改善
- エバポレーターの清掃、洗浄で雑菌を除去
- ブロアファンの清掃、洗浄で臭い除去、風量を改善
- 外気導入口の清掃、洗浄で臭い除去、風量を改善
- クーラーを稼働する前に換気して空気を入れ替える
- クーラーの空気は内気導入で稼働する
- クーラーの風は上から出す
- エンジンを切る前に送風を行う
チェック1:吹き出し口の清掃、洗浄で臭いを除去
エアコンの空気吹き出し口の掃除を行うことで、エアコン特有の嫌なニオイを低減することができます。
エアコンの吹き出し口の奥は、風がきれいに流れるように導風用のダクトが装着されています。これらの部品の表面には埃が付着していることが多く、これが舞ってニオイの原因となります。
吹き出し口のダクトが外せる場合は、外して内部をウェットティッシュなどで拭きましょう。外せない場合でも、歯ブラシやアルコールを塗布した綿棒などを差し込んで掃除することである程度のホコリは除去できます。
チェック2:エアコンフィルターの交換で風量を改善
エアコン用の空気をきれいにしているのがエアコンフィルター。エアコンフィルターを交換することで、エアコンの風量を復活させることができます。
エアコンフィルターは1〜2年程度でほこりなどで詰まり、空気がうまく流れずエアコンの風量が下がってしまいます。交換することで風量が復活しますが、エアコンフィルターはオプションである車種もあるため、まずは確認してみましょう。フィルターの部品代は¥2〜3,000程度です。
チェック3:エバポレーターの清掃、洗浄で雑菌を除去
クーラー使用時に熱交換器として働くのがエバポレーター。エバポレーターを洗浄することで、エアコンのカビ臭いニオイを一掃することが可能です。
カーエアコンのクーラーは、ひとケタ台まで冷えたエバポレーターに空気を当てることで冷たい空気を作り出しています。しかし、冷えたエバポレーターは結露で常に濡れているため、カビや雑菌が発生しがち。洗浄剤を使用してエバポレーターに付着しているカビや雑菌、微細なホコリを洗い流すことで、カビ臭いニオイを元から断ち切ることができます。
エバポレーターの洗浄方法については、こちらの記事をご覧ください。
チェック4:ブロアファンの清掃、洗浄で臭い除去、風量を改善
エアコンの風を生み出しているのがブロアファン。ブロアファンを清掃することで、風量が復活、ホコリっぽいニオイを減らすことができます。
ブロアファンは通常エアコンフィルターのすぐそばにあり、回転してエアコンの風を生み出しています。このブロアファンの羽にはホコリが堆積しがち。取り外して拭き掃除などを行い、ホコリやゴミを除去することで風量が復活します。しかし、中には非分解式のものもあるので注意してください。
チェック5:外気導入口の清掃、洗浄で臭い除去、風量を改善
車内ではなく外の空気を取り入れるのが外気導入。外気を取り入れる外気導入口を清掃することで、ニオイや風量を復活させることができます。
外気導入口は、多くの場合ワイパー下のカウルトップカバー(カウルトップグリルとも)の下に配置されています。ここは外気に直接触れているため、この付近や内部に砂や落ち葉などが溜まりがち。カウルトップカバーを外して中を掃除したり、エアコンを外気導入で稼働させた状態でクリーナーを適量噴射したりすることで、土臭いニオイなどを低減することができます。
中にはここに網やフィルターが設置されている車種も存在します。何もない場合はDIYで自作してみても良いでしょう。(DIYの場合、確実に固定しないとフィルターが吸い込まれ動作不良に陥る可能性があります。)
チェック6:クーラーを稼働する前に換気して空気を入れ替える
車内温度が高いときは、クーラーを稼働する前に一度換気を行うことでより早く車内を冷やすことができます。
暑い日にはすぐにクーラーを稼働させがちですが、その時に行いたいのが換気です。複数のドアやウィンドウを10秒ほど開けて車内の空気を入れ替えるだけで室温を数度下げることができ、クーラーが効きやすくなります。暑い夏こそ焦らず行いたいポイントです。
チェック7:クーラーは内気導入で稼働する
車のクーラーは内気循環モードで稼働することで、より効率よく車内を冷やすことができます。
エアコンに使用する空気は、車外の空気を車内に取り入れる外気導入と、車内の空気を再度車内へと循環させる内気導入の2つがあります。
車内の空気を換気で入れ替えた後は、クーラーを内気循環に切り替えて稼働させましょう。温度が下がってきた車内の空気を再びクーラー内へ循環させることで、温度の高い外気を冷やすよりもより冷えた空気を流すことができます。
30分に一度は外気循環を使用して換気を
内気循環は車内の空気を循環させて効率よく冷やすことができますが、換気ができないため車内の二酸化炭素濃度が上がりがち。二酸化炭素濃度が上がると眠気や疲労感が増すため、30分に一度は外気循環に切り替えたり、窓を開けて空気を入れ替えるようにしましょう。しばらく内気導入にして冷やし、車内が冷えてきたらその後は外気導入のみにするというのも手です。
チェック8:クーラーの風は上から出す
クーラーの風は、足元ではなくダッシュボードの吹き出し口から上半身に向かって出るように設定することで、より効率よく車内を冷やすことができます。
これは車のエアコン以外にも言えることですが、通常冷たい空気は上から下へと降りていきます。クーラーで発生させた冷たい空気を足元へ出してしまうと、車内全体に行き渡らずなかなか室温が下がりません。逆に、暖かい空気の場合は下から上へ昇るため、足元へ流す設定にすることで長時間暖かさを感じることができます。
チェック9:エンジンを切る前に送風を行う
クーラーを使用した後は、すぐにエンジンを切らずA/Cスイッチをオフにして1〜3分程度送風を行うことで、エアコンの嫌なニオイの発生を抑えることができます。
クーラーを使用すると、エバポレーターに結露が発生することは先述の通り。エンジンを切って車を降りる前に、目的地に到着する数分前からA/Cスイッチをオフにしてクーラーを止め、送風状態とすることで、エバポレーターに付着している水分を飛ばしカビや雑菌の発生を抑えることできます。
エアコンのメンテナンスで夏がもっと快適に
エアコンの構造は複雑でなかなか手入れしづらいものですが、日頃から心がけることで快適な状態を保つことができます。
これらのチェックを実践して、快適な夏のドライブを楽しみましょう