2019年08月15日 (更新:2020年07月16日)
自由の国アメリカにはどんな車メーカーがある?
アメリカは、ハリウッド映画などのエンターテイメント、世界的に有名な企業の多さ、広大な自然など、様々な物事が規格外のスケールで展開されている、まさに「夢と自由の国」。では、そんな国アメリカにはどんな自動車メーカーがあるのか見ていきましょう。
アメリカといえば?
アメリカは世界第3位の国土面積を誇る多民族国家です。「人種のるつぼ」といわれており、アメリカ人にも北米大陸を開拓したヨーロッパ系から、アフリカ系、日本を含むアジア系、イスラム系など様々な人種が生活しています。
ハリウッド映画や音楽業界など世界でもトップレベルにエンターテイメント事業が発達しています。
GoogleやFacebook、appleなど世界的に有名な企業の多くもアメリカ発祥です。国民性としては、社交性に優れた人も多い一方、自己主張をはっきりと通すなど競争的な一面もあります。
クライスラー
1925年にウォルター・クライスラーにより創設。ダッジやジープブランドを展開していたアメリカンモーターズなどを買収し、自社内ブランドとして展開するなど幅広い活動を行っていました。
しかし2009年にリーマンショックのあおりを受け経営破綻し、フィアットの傘下に入ります。2017年には日本市場からクライスラーブランドが撤退してしまいました。
代表車種は300C
アメリカ伝統のクラシックカー「マッスルカー」としてのワイルドさを守りつつ、高級セダンらしく品格を伴った重厚なデザインが特徴。
アメリカ車では珍しいプレミアムな雰囲気を強調しています。上級グレードの「300C」は5.7LのV8エンジンから363馬力を発揮し、スポーツカー顔負けのスピード感が味わえます。
ジープ
第二次世界大戦中の1940年に産声をあげたジープは、当初軍用車の開発がメインでした。
クライスラーの買収を受けた後は、軍用車のデザインを色濃く反映した「ラングラー」だけでなく、現代SUVらしいデザインの「チェロキー」などを販売。今もクライスラーグループのSUVブランドとして、日本でも輸入販売が展開されています。
代表車種はラングラー
日本の三菱・パジェロなどと共に、量産型SUVの王道を極めた一台。ジープらしい 豪快な存在感をアピールしています。
現行モデルはLEDヘッドライト、リアバンパーの下で足を動かすだけで開くトランクなど、現代的な便利さも兼ね備えパワーアップしています。
ダッジ
ダッジはアメ車の王道を行く車を多数ヒットさせていますが、元々はカナダのエンジンメーカーでした。
1928年にクライスラーグループに売却されると、スポーツカー部門で存在感を発揮したほか、同ブランド内のピックアップトラック部門の「ラム」を独立させるほどの活躍を見せました。
日本市場でも「デュランゴ」「ナイトロ」などが販売されていましたが、2011年に完全撤退しています。2017年にはダッジの主力スーパーカー「バイパー」が惜しまれつつ生産終了しました。
代表車種はチャレンジャー
ダッジの代表的な現行車種はチャレンジャーです。アメリカ伝統のマッスルカーの特徴である幅広なボディと車高の低さなどを反映しながら、現代に通ずる強烈なスピード感を発揮します。
「SRTヘルキャット」というチューニングモデルもあり、レーシングカーと見まがうほどの迫力ある走りを楽しめます。
ラム
元々は1981年に誕生したピックアップトラックの名前で、荷台部分に屋根を被せてSUVに仕立てた「ラム チャージャー」などの派生モデルもありました。
しかし2010年に「ラム・トラックス」として独立すると、クライスラーのピックアップトラック部門として独自の存在感を示すメーカーに。日本では正規輸入販売されていません。
代表車種は1500
現行の代表車種である1500はラムのなかでは大衆的な位置づけです。
しかし、ヘビーなデザインのフロントグリルに加え、「e-Torque」と呼ばれるハイブリッドシステムを搭載。
パワーあふれる見た目で恵まれた走行性能を発揮するので、ピックアップトラックマニアにはたまらない一台でしょう。
シボレー
「シェビー」の愛称でもおなじみのシボレーの創設は1911年。1954年にはコルベット、1967年にはカマロをリリースし、二台揃ってアメリカのマッスルカーブームを牽引しました。現在も自動車グループ「GM」の代表ブランドとして活躍中です。
このほかにも世界的ヒットとなったミニバン「アストロ」やスズキ・ワゴンRソリオのOEMである「MW」など、クーペ以外にも個性的な車両が次々登場しています。
代表車種はコルベット
コルベットは誕生から60年以上経った今でも現行で活躍する大御所スポーツカーです。
長いボンネットなどの個性的なデザインと、V8エンジンから放たれる凄まじい馬力に要注目。恵まれた走行性能を武器として、アメリカを中心に耐久レースなどでも活躍しています。
キャデラック
1902年に創設され、現在はシボレーなどを展開するGMグループのブランドとして活躍中です。1950年代からボディをワイドにし、恵まれた装備で高級車ブランドとしてのアイデンティティを確立。
見る者を魅了するゴージャスなデザインとハイパフォーマンスが特徴で、歴代のアメリカ大統領の公用車メーカーとしても愛されています。
代表車種はXT5クロスオーバー
代表車種のXT5クロスオーバーはキャデラックらしい豪勢さはそのままに、SUV化した革新的なモデルです。
荒れ地をパワフルに駆け抜けるためのSUVというイメージを大幅に覆し、ハイソサエティな都会がよく似合うイメージにSUVモデルをアダプタさせた印象です。
ビュイック
1903年に設立されたメーカーで、現在はGMのブランドとして展開されています。シボレーとキャデラックの中間の位置づけで、親しみやすくも洗練されたデザインの大衆車が中心です。
日本でも1920年代から導入されていましたが、2000年代に撤退し、現在は正規輸入されていません。
代表車種はリーガル
現在の代表車種であるリーガルは、シボレー・マリブと同じプラットフォームのドイツメーカー・オペルのインシグニアの兄弟車という位置づけ。
エアロパーツにより攻めたデザインで、スポーツカー顔負けの走行性能も発揮できます。ハッチバックやワゴンなどの派生モデルもあります。
GMC
1901年に前身会社が設立され、1912年にGMCというブランド名でトラックを発表したことで本格的に自動車メーカーとして歩み始めました。
軍用トラック、救急車、バスなどを製造した時期もありましたが、現在はGMグループのブランドとしてSUVやピックアップトラックに特化しています。
代表車種はテレイン
代表車種のテレインは、ダイナミックなボディが多いGMC車のなかではコンパクトな部類です。荒地にも負けない強さを感じる見た目ながら、装備に恵まれた高級感にも要注目。市街地も自然も似合うSUVという印象です。
フォード
2016年に惜しまれつつで日本市場から撤退してしまったフォードですが、アメリカなど諸外国ではまだまだ健在です。1903年にヘンリー・フォードにより創設され、当時としては先進的だった流れ作業のシステムを取り入れ、大量生産に成功させたことから人気を獲得しました。
「マスタング」「エクスプローラー」など抜群の存在感を放つモデルが多く、モータースポーツ分野でも活躍しています。
代表車種はマスタング
代表車種はマスタングです。1964年の誕生以来、モデルチェンジを繰り返しながら息の長い活躍を続けています。
現在はクーペモデルながら高級セダンにも通じる優雅さと、野生的なかっこよさを引き出す走行性能がスポーツカーファンを虜にしています。
リンカーン
1917年キャデラックの創設者としても有名なヘンリー・リーランドにより創られました。1922年にフォードグループの買収を受け、フォードの高級車部門として活動しています。
しかし、2016年にフォードグループは日本市場からの撤退を決定したため、リンカーンブランドも日本への正規輸入が断たれています。
代表車種はアビエーター
現行の代表車種はアビエーターです。元々は2003年に誕生し、2005年に新車販売を終了してしまいましたが、2019年に復活。SUVでありながらラグジュアリーな存在感で見る者を圧倒します。V6ツインターボで力強い走行性能も魅力です。
テスラ
2004年にイーロン・マスクが設立した電気自動車メーカーです。2008年にロータス・エリーゼをベースにしたEVモデル「ロードスター」を公開したのを皮切りに、扉が下から上に開く「ファルコンウィング」のSUVである「モデルX」など、自動車業界の常識を覆す車を展開しています。
2019年4月には完全自動で車線変更する機能を発表するなど、自動運転の開発にも積極的です。
代表車種はロードスター
ロータス・エリーゼをベースに開発されたEVスポーツカーです。最高時速は400km/lを超え、1000kmもの航続距離を誇るなど、電気自動車としても異次元の性能が特徴です。
見た目もほかのスポーツカーにはないミステリアスさが印象的です。
まとめ
アメリカの自動車メーカーはクライスラー、GM、フォードの3グループがしのぎを削っている状況でしたが、近年はテスラが電気自動車や自動運転技術など独自の路線を切り開き注目されています。
全体的にアメリカの車はダイナミックなデザインや走行性能を持ったものが多く、見た目でも中身でも見る者を圧倒するイメージでしょう。今後のアメリカの自動車産業の動向に期待が持たれます。