2019年08月15日 (更新:2022年08月18日)
イタリア車の自動車メーカー7社を解説!
イタリアはヨーロッパ・地中海の中央部に位置する国。トレヴィの泉やコロッセオなど歴史的な観光スポットも多く、ヨーロッパへの旅行先として人気があります。ではそんな国イタリアにはどんな自動車メーカーがあるのか見ていきましょう!
イタリアといえば?
イタリアといえば、首都ローマを中心に歴史と伝統が色濃く反映された街並みが有名ですね。スポーツ分野に関しても、サッカー「セリエA」や自転車ロードレース「ジロ・デ・イタリア」などが有名で、世界的なスポーツ選手も多いです。
モータースポーツも盛んであり、F1ではイタリアの自動車メーカー「フェラーリ」が創設年の1950年から参戦し続け、現在もトップチームとして活躍中。
日本国内レースのトップカテゴリ、SUPER GTにおいて活躍中のロニー・クインタレッリというイタリア人ドライバーの名は、聞いたことがある方も多いでしょう。
フェラーリ
車メーカーとしてのフェラーリの始まりは、レーシングドライバーとして活躍していたエンツォ・フェラーリが1929年に「スクーデリア・フェラーリ」というチームを創設したことに端を発します。
その後1947年に「フェラーリ社」を創設し、1949年に「166インター」を発表したことで本格的に自動車産業に参入しました。
以来、「F40」「テスタロッサ」「ラ・フェラーリ」「812スーパーファスト」など伝統的かつワイルドなスーパーカーを次々と世に送り出しており、先述の通り、F1の名門チームとしての地位を確固たるものとしています。フェラーリ=F1とイメージされる方も多いのではないでしょうか。
創設年の1950年から現在まで一貫した活動を続け、ミハエル・シューマッハをはじめとした多くの名ドライバーが活躍しています。
代表車種
現在の代表車種である488シリーズは今のフェラーリにおけるスタンダードモデルで、GTレースでも活躍しています。通常のクーペボディの「GTB」、オープンモデルの「スパイダー」、レーシングモデルの「ピスタ」までと幅広いバリエーション。
現代のスーパーカーを象徴するエッジの利いた見た目ときびきびした走りで、フェラーリらしい威厳を見せつけています。サーキットが似合うスポーツカーの一台でしょう。
ランボルギーニ
1963年にフェルッチオ・ランボルギーニにより創設されたランボルギーニ。創設当初は自動車ではなく、農業用トラクターを扱うメーカーでした。自動車メーカーとなってからは「カウンタック」「ディアブロ」「アヴェンタドール」など、ペッタンコに見えるほどの低い車高と強烈なスピード感が特徴的な、数多くのスーパーカーを輩出しています。
会社のシンボルであるエンブレムには闘牛が描かれており、同社の車には有名な闘牛の名前がつけられているものが多いことは有名です。現在では、フェラーリと並ぶイタリアの高級車メーカーとして世界的な知名度を誇るまでに成長しました。
また、モータースポーツ事業にも積極的で、様々なレースでその姿を観ることができるでしょう。2017年12月にはSUV「ウルス」を発表し、顧客層の拡大を狙うなどして世間を驚かせています。
代表車種
アヴェンタドールは、現行ランボルギーニの量産車のなかで最も上位に位置するモデルで、6.5LのV型12気筒のエンジンから740馬力という規格外のパワーを発揮します。
全輪駆動システムを採用しているためグリップも申し分なく、スピード感とコントロールの良さを高次元で両立。
見ればすぐに「ランボルギーニ」とわかる、同社の伝統を強く受け継いだデザインも魅力の一つです。ランボルギーニの車が持つ独特の雰囲気には、観るものをくぎ付けにする力がありますね。
マセラティ
1914年に、アルフィエーリ・マセラティとその二人の弟エットレ、エルネストによって、自動車ガレージとして創設された車メーカーです。現在ではマセラティにモータースポーツというイメージはありませんが、第二次世界大戦前までは名門コンストラクターとして様々なレースで活躍していたそうです。
何度か経営難に見舞われたこともありましたが、1993年にフィアットの傘下に入ると「クアトロポルテ」「ギブリ」といったラグジュアリーセダンや、「レヴァンテ」という高級SUVなどを発表し、独自のスタイルを確立しました。
流線形のスタイリングとシンプルながら気品あふれるフロントグリルがマセラティのアイデンティティーといえるでしょう。
代表車種
クアトロポルテは1963年に初代が発売されており、現行のマセラティ車のなかで最も歴史のある一台だといえるでしょう。3.8LのV型8気筒ターボからは530馬力というスポーツカー顔負けのパワーを発揮、ゴージャスな見た目とは裏腹な力強いパフォーマンスが印象的です。
発売当初からイタリアを代表するサルーンとして名を馳せていましたが、現在では優しさを感じる流線型のデザインがプレミアム感を引き立たせています。
フィアット
フィアットは「フィアット・クライスラー・オートモビルズ」として世界140カ国以上で自動車事業を展開しています。鉄道、船舶、航空機などの事業も手掛けており、複合企業を意味する「コングロマリット」としても世界的に有名なため、あまり車に詳しく無い方でもご存じかもしれません。
1899年にジョバンニ・アニエッリにより創設され、現在はマセラティ、アルファロメオ、アメリカのクライスラーを傘下に置いています。「500」「プント」「パンダ」など、歴代車種には愛嬌あふれる車が多い印象ですね。
代表車種
代表車種は何といっても500シリーズでしょう。現代では珍しい、丸々としたヘッドライトや卵のようなデザインがかわいらしく、子どものように愛らしいビジュアルが特徴的です。軽自動車に近いコンパクトな設計なので、小回りも利きやすいです。
最近ではオープンモデルの「500C」、SUVモデルの「500X」などの派生型も話題になっていますね。
アバルト
カール・アバルトにより1949年に創設された「アバルト」。レーシングビジネスでの成功経験をもとに、フィアット車のチューニングモデルを発売するなどして知名度を上げていきました。
1970年代の経営難によってフィアットの傘下に入り、以後アバルトブランドとしての目立った活躍はしばらく見ることができなくなっていました。
しかし、2007年より単独ブランドとして復活。フィアットの「500」「124スパイダー」をチューニングしたモデルを次々と送り出すなどし、以前の輝きを取り戻しています。走りにこだわるフィアットマニアにとっては要注目でしょう。
代表車種
フィアット500をベースにチューニングしたモデルのひとつです。
各エアロパーツによって重厚感が増すとともに、車体安定性がプラスされ、隠された走行性能がいかんなく発揮されてます。
可愛らしいイメージの強い500のイメージを覆すワイルドなルックスとスピード感が、フィアットマニアに新たな喜びを与えることでしょう。インテリアもレーシングカーのように攻めたデザインで魅力的ですね。
パガーニ
スーパーカーを超えた「ハイパーカー」のブランドとして最も成功を収めているであろうメーカー、それが「パガーニ」です。
1991年にオラチオ・パガーニにより創設されて以来、パガーニは「ゾンダ」の開発に精力を注ぎ続け、満を持して同車をを発表した1999年には、その強烈な存在感で世界のカーマニアを圧倒しました。
現在はゾンダの後継車種である「ウアイラ」が2011年から現行販売されており、ゾンダさえも超える異次元のパフォーマンスで多くの専門家や自動車ファンから注目を受けています。
日本にもパガーニの正規ディーラーがあり、ゾンダとウアイラの両方が販売されています。
代表車種
ウアイラはル・マンなどの耐久レースで見られるプロトタイプカーのようなルックスと、ケタ違いのパワーが特徴的。
6.0Lの排気量を持つV型12気筒のミッドシップエンジンは、775馬力ものパワーを叩き出します。サーキットで走らせても、どんな車も敵わないのではと思うほどの存在感を発揮するでしょう。
2017年にはオープンモデル「ロードスター」も登場しており、今後どんな話題を発信するかが注目されます。
ランチア
ランチアは1906年、ヴィンチェンツォ・ランチアにより設立されてメーカーです。ほかのイタリア車にはあまり見られない、優雅でありながらも力強さを感じさせるようなデザインが印象的です。
1969年にフィアットの傘下に入ってからは、高級車部門として「デルタ」「ストラトス」などを輩出したことで知られていますね。これらの車は世界ラリー選手権において、圧倒的な強さで存在感を発揮、ランチアを「ラリーの王者」という地位に押し上げました。
しかし1998年に日本市場から撤退するなど、近年は経営難によって事業縮小を余儀なくされています。
代表車種
イプシロンはランチア唯一の現行モデルです。
フィアット500がベースとなっていますが、こちらは愛嬌がありながらも、どこか落ち着いた雰囲気を持ち併せており、「500のお兄さん」というようなイメージを受けるでしょう。現在イプシロンは日本市場では入手できませんが、外国の都会になじみやすい存在感を持っています。
まとめ
以上、イタリアの自動車メーカーを紹介しました。フェラーリやランボルギーニではスーパーカー、フィアットはコンパクトカーという風に、メインジャンルを絞り込んで成功を収めたメーカーが多い印象です。
イタリアのメーカーは伝統性を忠実に守るメーカーが多く、日本車よりもアイデンティティが強く感じられますね。こうした国ごとのメーカーの違いを味わうのも、車を見る醍醐味でしょう。