2019年08月07日 (更新:2020年08月11日)
マフラーから火が?アフターファイヤーってなに!
愛車のマフラーから火が噴き出してきた経験はありますか?もしあるのなら、それはアフターファイヤーといってエンジンやマフラーに影響を及ぼすことがあります。今回は、アフターファイヤーの仕組みや影響についてお伝えしたいと思います。
アフターファイヤーとは?
大掛かりなチューニングを施したスポーツカーやスーパーカーなどでよく見られる現象、アフターファイヤー。アフターファイヤーとは様々な要因によって発生する、マフラーから炎が勢いよく噴き出す現象のことです。
車から炎が吹き出すさまは見ていて本当にカッコいいですが、車にとってはあまり良い現象ではありません。また、アフターファイヤーと混同されがちなバックファイヤーというものもありますが、アフターファイヤーとは全く別ものなのでご注意ください。
アフターファイヤーの起こる仕組み
燃料の濃度
車が走行するためには、気化した燃料と空気が混じり合った「混合気」と呼ばれる気体が必要です。一般的にエンジンは燃料と空気を正しい割合で流入して混合気を作り出します。それが点火プラグが引き起こす爆発によって燃やされ、排気ガスとなるのです。
しかし、燃料と空気の割合が不適正だと混合気の濃度が濃すぎるため、混合気をすべて燃焼させることができません。エンジン内部で燃焼しきれなかった混合気は、マフラー内部で引火して爆発。アフターファイヤーとなって排気ガスとともに排出されます。
点火プラグの不良
エンジンの駆動には点火プラグが必要不可欠。そんな点火プラグに不良が発生している場合も、アフターファイヤーの原因になることがあります。点火プラグが誤作動を起こして点火タイミングが遅れてしまい、排気に引火してアフターファイヤーが起こるのです。
点火プラグの不良は様々な要因がありますが、代表的な要因は燃料が濃すぎること。燃料が濃すぎると点火プラグが濡れて誤作動が起きてしまいます。また、エンジン内部に燃えカスが蓄積して不良を引き起こしてしまうこともあるようです。
コンピューターまたはキャブレター不良
上記では混合気が濃すぎることがアフターファイヤーを引き起こすとお伝えしましたが、逆に混合気が薄すぎてもアフターファイヤーは発生します。混合気が薄いと不完全燃焼状態となり、混合気が燃焼することなく排気されてしまうことがあるのです。
排気された不完全燃焼状態の混合気はマフラー内で引火します。混合気が薄すぎる原因はコンピューターの異常やキャブレター不良であることが多いです。どちらにせよ、車に異常が発生していることは間違いないので、迅速に整備工場に修理を依頼しましょう。
レーシングカーで見られるアフターファイヤー
車のわかりやすい異常のひとつであるアフターファイヤーは、時と場合によってパフォーマンスとして活用されることがあります。特に速さを追求したレーシングカーなどは、アフターファイヤーが発生していることが多いですよね。
レーシングカーは減速時でも、燃料の供給をストップしません。コーナーをクリアしたあとにレスポンスが悪いとタイムロスに繋がるので、あえて燃料をシリンダー内に噴射し続けているのです。このときに供給された燃料が不完全燃焼状態になります。
その後、マフラーに排気されることでアフターファイヤーが発生するというわけです。その点、一般車は適正な燃料をシリンダー内に噴射するようにECUで制御しています。車に異常が発生しない限りはアフターファイヤーを引き起こすことはありません。
アフターファイヤーを放置すると故障の原因に?
アフターファイヤー を放置すると?
愛車がアフターファイヤーしているにもかかわらず、カッコいいからと放置している人もいるのではないでしょうか。もしアフターファイヤーを放置している場合は、すぐに車に乗るのをやめて、ディーラーや整備工場に修理を依頼しましょう。
アフターファイヤーが頻発していると、キャタライザー(触媒)やグラスウールが溶けてしまい、マフラーに穴が開いてしまう可能性があります。その程度であればまだマシな方で、最悪の場合は炎が引火して車が燃えてしまう恐れもあるのです。
プロによる診断を受けよう!
愛車がアフターファイヤーを発生させている場合、まずはプロに故障診断を依頼してください。愛車のどこかに異常が発生しているはずなので、迅速に修理を依頼しましょう。たとえ修理費用が高いからといって、そのまま放置して乗り続けることは禁物です。
愛車にチューニングを施している場合は、アフターファイヤーが発生する以前の状態にデチューンすることをおすすめします。もしくはチューニングを依頼しているショップと相談して、アフターファイヤーが発生しないように調整してもらいましょう。
まとめ
ビジュアル的にはとってもカッコいいアフターファイヤー。レーシングカーやスーパーカー、チューニングカーのように意図的なアフターファイヤーでない限り、車に異常が発生していることは間違いありません。
前述したようにアフターファイヤーは車両火災の原因にもなりかねないので、迅速に修理を依頼するようにしましょう。また、故障診断の結果、アフターファイヤーではなくバックファイヤーだと診断される可能性もあります。
バックファイヤーは混合気が逆流してキャブレター内で燃焼しているため、アフターファイヤーよりも危険です。どちらにせよ、自分や周囲の安全性を確保するためにも愛車に長く乗り続けるためにも、アフターファイヤーには細心の注意を払いましょう。