WRX STIを徹底解説！308PSのスポーツセダン！

S4は直噴ターボFA20とCVTの組合せですが、STIは熟成されたEJ20と6MTの組合せとなっています。エンジンの違いはこのミッションとの相性を考えてのこと。さらに、センターデフが「マルチモードDCCD」とスバルが呼ぶ完全電子制御タイプとなっています。

また、WRX STI専用倒立式フロントストラットサスペンションや、徹底的な走り込みによるサスペンションチューニングがされており、さらにブレーキにも手が加えられ、前後ともに従来は17インチの2ピースだったものを、新型は18インチのモノブロックになり、ブレーキローターもドリルドタイプになっています。加えて、S4は電動式パワーステアリング、STIは油圧式パワーステアリングを採用しています。

同じ WRXシリーズといってもエンジンもミッションもS4とすべて異なり、別モデルと言って良いほどの違いがあるのがSTIなのです。

排気量は同じ2.0Lですが、S4のエンジンスペックは、最高出力は221（300）/5600、最大トルクは400（40.8）/2000-4800となっており、出力はＳＴＩの方が微増ですが高くなっています。また、STIでは車重がS4の1,815kgから50kg軽量化されています。

WRX STIのグレード構成はシンプルで、ベースグレードのＳＴＩと、レカロシートと19インチホイールなどを装着したSTI Type Sのふたつのみ。どちらも6MT仕様だけの設定となっています。

また、2015年に「S207」、2017年には「S208」が台数限定でリリースされており、「STI Type S」をベースに、スバルテクニカインターナショナル（STI）と共同でエンジンや足回りを専用開発し、内外装に専用装備を追加したスバルハイパフォーマンスカーのトップエンドモデルとなっています。

さらに、安全装備においては2017年の大幅改良によって、運転支援システム「アイサイト」の機能をさらに強化。「アイサイト・ツーリングアシスト」、「後退時自動ブレーキシステム」、「アイサイトアシストモニター」、そしてステアリング連動ヘッドランプも全車に装備しています。

WRX STIの中古相場は価格帯としては、179万円～828 万円となりますが、標準モデルとなるＳＴＩとSTI Type Sでは、179万円～393万円。また、207と208は428万円～568万円、STIコンプリートカーのチャレンジカップでは548万円～828万円となっています。

全体の平均価格は304万円となり、発売から5年経過した新車価格が400万円前後の車種としては非常に高い相場となっています。その他にもかなり手の入ったカスタムバージョンも多く、相場以上の価格の個体も多く存在しています。

走行距離が伸びてしまっているものや、サーキットなどでかなり走りこんだ個体も多く、見た目で判断できないダメージもあるので、中古車を選ぶ際には信頼のおける販売店で購入する必要があります。

スバルブランドの走りの象徴でもあるWRXの、さらにスポーツマインドを高めるＳＴＩは、スバリストならずとも心を熱くさせる数少ない車種となっています。ツインスクロールターボエンジンのハイパワーと、4WDであることを最大限に生かしたそのハンドリングやブレーキ性能は、けっして一般路では限界を楽しめることができないハイスペックな車ではあります。

しかし、実は快適な広さを持つ4ドアセダンであり、トランク容量も460リッターを誇る実用性も兼ね備えています。そこにこの、並み居るスポーツカーを追いかけまわせるパフォーマンスが加わって400万円のプライスは、コストパフォーマンスを考えたらバーゲンプライスなのです。