2019年07月06日 (更新:2020年08月25日)
スーパーカーの証!リトラクタブルライトを採用した輸入車
スーパーカーブームの頃は、その憧れの1つでもあったリトラクタブルライト。輸入車では国産車のように一時の流行ではなく、同じモデルで数世代にわたり採用されていました。ランボルギーニやフェラーリなど、多くのリトラクタブルライト搭載車をラインナップしたメーカーを中心に振り返ってみましょう。
リトラクタブルライトとは?
リトラクタブルライトとは、普段は格納されており点灯する場合に展開され立ち上がるヘッドライトのこと。多くの輸入スーパーカーでは、法規で定められているヘッドライトの最低地上高と、低いボンネット高を両立するためにに採用されました。
最大の市場であったアメリカの法規にあわせた取付高や、上端の高さをクリアするために採用されたリトラクタブルライトですが、そういった理由は別としてスーパーカーブームの頃などは、普段は格納されているというギミック的なカッコよさに憧れました。
今ではスーパーカーでさえもリトラクタブルライトを採用しているモデルはなく、全て固定式ヘッドライトになっています。プロジェクターヘッドライトやマルチリフレクターヘッドライトが登場したことで固定式ヘッドライトでもスラントしたデザインが作れるようになったのも理由の一つといえるでしょう。
ランボルギーニ・ディアブロが後期モデルでリトラクタブルライトから固定式ヘッドライトに変更した際に採用したのはZ32用のヘッドライトであるのは有名な話ですね。
輸入車でのリトラクタブルライト搭載車の特徴
リトラクタブルライトそのものにスポーティーなイメージを見出して採用を進めた国産車に対し、より早くから導入の始まっていた輸入車ではデザインを実現する為の機能として採用されたケースが多くなっています。
当時の技術ではカウンタックのような低くウェッジの効いたフロントに、各国の法規を満たす固定式ヘッドライトの装着は難しく、ガンディーニやピニンファリーナが描いたシャープなデザインを実現するためには必要不可欠でした。
ランボルギーニ
カウンタック
スーパーカーブームを牽引した名車といえばカウンタックでしょう。リトラクタブルライトを展開したときの丸型4灯(片側2灯)のヘッドライトは迫力十分です。自動車評論家の西川さんが所有するライムグリーンのLP400を拝見した際はその格好良さにやられました。
ディアブロ
カウンタックの後継車として、シザーズドアを引き続き採用して登場したディアブロ。前期型ではリトラクタブルライトを搭載していました。こちらのSVはよりスーパーカーらしさが強調された素晴らしい1台です。
ジャルパ
Lamborghini Jalpa 1981年3月のジュネーブ・ショーにおいて発表されたシルエットをベースにしており基本的なメカニズムに変更はない
— THE EMPEROR Racing Team Official (@theEmperorRacin) 2019年5月15日
エンジン3,485cc V型8気筒 DOHC
最高出力250馬力/7,000rpm最大トルク32.5kgm/3,500rpm
全長4,330mm全幅1,880mm全高1,140mmホイールベース2,450mm
車両重量1,510kg pic.twitter.com/UgDyC3oQLu
スモールランボの元祖であるジャルパ。フロント周りだけを見ると、赤いボディーカラーに丸型2灯のリトラクタブルライトの組み合わせはフェラーリ308に似た雰囲気を感じます。## フェラーリ
V12 MRの系譜
スーパーカーブームではカウンタックと人気を二分したフェラーリ512BB。先代の365GT4BBと基本デザインは共通です。
人気漫画、湾岸ミッドナイトではイシダの愛車ともなったテスタロッサもリトラクタブルライトを採用しています。もっとも、イシダの愛車はベースモデルとは異なり固定式ヘッドライトに改造されているのですが・・・。
エンジンとトランスミッションを2段重ねにした基本メカニズムは512BBと同じです。
テスタロッサの後継車である512TRもリトラクタブルライトを採用しました。ですが、残念なことに次のF512Mではついに固定式ヘッドライトに移行しています。現在のところ、V12MRフェラーリとしては最後のリトラクタブルライト搭載車です。
V8 MRの系譜
308に始まるV8 MRの系譜もリトラクタブルライトを採用していました。このシリーズは328、ホモロゲモデルの288GTOなど息の長いモデルになりました。
V8 MRフェラーリとして最後の量産車となったのがF355です。リトラクタブルライトを採用したスーパーカー然としたスタイル。そして史上最高とも言われるエキゾーストサウンドは憧れです。
F40
V8 MRの系譜の究極の1台はF40でしょう。F40LMの固定式ヘッドライトも迫力がありますが、リトラクタブルライト搭載車もエレガント、かつ獰猛さを両立した素晴らしいデザインです。
ポルシェ
914
VWとの共同開発で誕生した914。しばらく評価は低めでしたがこのところ、914/6を中心に再評価の動きが高まっておりユーズドカーの価格も上昇傾向です。
924の系譜
FC3Sがそのデザインを参考にしたとかしないとか・・・。914の後継車としてVW製水冷エンジンを搭載するFRとして登場したのが924の系譜です。リトラクタブルライトは944まで採用され、最終モデルの968ではポップアップライトに変更されました。
当時、ポテンザ・RE71のプロモーションビデオに登場した白い944ターボも格好良かったですね。
911フラットノーズ
#930の日
— 司@E‐HK11改 (@lp400s237) 2016年9月30日
911ターボ3.3フラットノーズ イギリス仕様
見慣れたフロントスポイラー。
フラットノーズのターボは330ps仕様。 pic.twitter.com/JvsmPo7N2S
レースカーである935のデザインテイストをベースカーである911に持ち込んだのがフラットノーズ(海外名:スラントノーズ)です。モデル途中で固定式ヘッドライトに変更したディアブロや、512TRからF512Mへの変化と比べても印象の違いが大きいですね。
フラットノーズ仕様はType964でも少数生産されています。
その他のメーカー
ランチア・ストラトス
伝説のラリーカー、ストラトスもリトラクタブルライトを採用しています。実戦ではライトポッドを搭載したり、ライトを開けっ放しで走ることも多かったですね。
アストンマーティン・ラゴンダ
リトラクタブルライトを採用したセダンとして、国産車としてはアコードが有名ですが輸入車となればインパクトNo.1はこちらのラゴンダでしょう。そのデザイン、オーバーハングの長さ、LEDを採用した先進のインパネ周りと全てが驚きの存在です。
ボルボ・480
【Back To 1985!】
— VolvoCarJapan (@VolvoJapan2012) 2014年11月6日
あの大ヒット映画と同じ1985年に登場したのが、この「480」です。未来にタイムスリップしそうなデザインですね! #tbt #VintageVolvo #ボルボ pic.twitter.com/9ClaDSK3r7
質実剛健なイメージが強いボルボがかつて販売していたのがこちらの480。ちょっと似た雰囲気のアコード・エアロデッキと同じ1985年に発表されています。
チゼータ・V16T
チゼータは本拠地をイタリアからアメリカに移して V16Tの受注生産を行なってるらしいけど 今でもリトラの車が新車で手に入るってことなのか、、、? pic.twitter.com/qJcWPjCXF5
— 門前 秋良🙄らきあえまんも (@Amommae) 2018年8月20日
ガンディーニデザインのボディに、V型16気筒!エンジンを横置きで搭載したこの車。車幅は2m超えです。リトラクタブルライトも縦の2段重ねと、一度見たら忘れられないデザインです。
チゼータ社のオフィシャルホームページにはまだオーダーフォームがありますので今でも注文可能なのかも!?そうであれば入手可能な唯一のリトラクタブルライトを搭載した新車になりそうです。
ジャガー・XJ220
Jaguar-XJ220
— AMG'K🇯🇵🇹🇭 (@kazuF0320) 2019年3月23日
ゴーカートやりに行ったら隣の整備工場で発見!ヤバすぎる😍 pic.twitter.com/x96TJemIL6
XJ220はジャガーのグループCカーをイメージさせるV型12気筒エンジンをミッドシップに搭載して登場する予定でしたが、市販時にはV型6気筒ツインターボへと搭載エンジンを変更しています。
車名の由来にもなった220マイル(約354km/h)を目指してバンクを疾走する、ブリヂストン・エクスペディアS-01のTV-CMが印象的でした。XJ220のリトラクタブルライトはライトが上がるのではなく、ライトカバーがスライドします。
まとめ
輸入車でのリトラクタブルライトは、スーパーカーやスポーツカーを中心に採用されていたのがわかります。ライトの形もバリエーションにとんでいました。ランボルギーニしかり、フェラーリしかり、今では固定式ヘッドライトが当然のものとして受け入れていますがリトラクタブルライト独特の格好良さも捨てがたいものがあります。
現在は新車で入手することが不可能ですが、ユーズドカーとして機会があれば所有してみたいもの。ただし、多くのモデルがネオ・クラシックとして価格が高騰しているのでモデルによっては新車以上の予算が必要になってしまうのが難点です。