タイヤの溝ってどれくらいを基準に交換すればいいの?

2019年07月10日

タイヤの溝ってどれくらいを基準に交換すればいいの?

普段何気なく運転しているクルマのタイヤ。特に、溝を気にして見ているでしょうか。タイヤの溝は、安全に走行するために大切な部分。すり減って溝が浅くなっているならば当然交換しなければなりません。しかし、どれくらい浅くなれば交換時期なのか分からない方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今回はタイヤの交換基準を「溝」の観点から解説していきます。

サマータイヤの溝の点検方法について解説!

溝がなくなるとどうなるのか?

タイヤは基本的にゴム製品です。そのため、日常的に走行すれば路面との接触により少しずつ摩耗が進んでいくことになります。

摩耗が進む、ということはタイヤのトレッド面に刻まれた溝(トレッドパターン)が減っていくということ。この溝が減っていくと、タイヤと路面とのグリップ力が低下し、駆動力や制動力が低下することにより、ブレーキを踏んでから完全に停止するまでの制動距離が増加するために事故の原因ともなりえます。

また、濡れた路面を走行した場合、タイヤと路面の間にたまった水を排出する力(排水性能)が衰えているために、制動時にハンドルやブレーキが制御不能になるハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。(※画像はイメージ)

タイヤの溝の点検方法

タイヤがすり減っていくと、溝が浅くなりスリップサインが露出します。このスリップサインは、タイヤの溝の底にある盛り上がった部分であり、タイヤのトレッド面全周に等間隔に配置されています。そのため、このスリップサインを見ることによりタイヤの交換時期を目視で確認することができるのです。

専用のツールを使って点検する場合は、溝の残りが1.6mm未満なら直ちに交換し、4.0mm未満であれば早めの交換を心がけましょう。

タイヤは全体を点検しよう

タイヤの点検は、見やすい外側ばかりになりがちです。しかし、目の届きにくい内側もしっかり点検する必要があります。なぜなら、タイヤのトレッド面に「偏摩耗」が起きている可能性があるため。

この偏摩耗とは、タイヤの一部が偏ってすり減っている状態のこと。偏摩耗は状態によって大きく3つに分類されます。

ショルダー摩耗

これはタイヤの肩に当たる部分であり、走行時に発生する熱を発散する役割を持つショルダーだけが偏って摩耗している状態。

発生する原因としては、タイヤの空気圧が低い・タイヤに対してホイールのリム幅が広すぎることが挙げられます。

センター摩耗

これはトレッド面のセンター部分だけがすり減ってしまっている状態です。発生する主な原因として、空気圧が高すぎる・タイヤサイズに対してホイールのリムが狭すぎる場合に発生します。

片側摩耗

これは、トレッド面が均等に擦り減らず外側/内側どちらかが偏ってすり減ってしまっている状態です。タイヤのアライメントが狂っている場合に発生しやすいのが特徴ですが、重いクルマに装着されたタイヤでも発生することがあります。

また、カスタムカーではキャンバー角を広くとった車両において、タイヤの内側だけが路面に接地するため良く発生します。

偏摩耗を予防するために

偏摩耗は、溝が一部分だけすり減るという特性上、日常的な目視で簡単に点検することが可能です。メンテナンスとしては、タイヤに適正な空気圧を充填すること。また、5000kmを目安にして、タイヤをフロントとリアで付け替えるなどローテーションを行うことで、偏摩耗を予防し、タイヤを長持ちさせることができます。

スリップサインは法令違反?

スリップサインはタイヤの溝が残り1.6mmになったことを示すサインなのですが、そのまま使用すると危険であるばかりか、保安基準にも適合しないため車検にも通すことが出来なくなります。

また、「整備不良」であるとして違反切符と罰金を課せられる可能性があります。

スタッドレスタイヤの溝の点検方法について解説!

冬季に使用するスタッドレスタイヤにも、サマータイヤ同様に残りの溝が1.6mmになったことを示す警告の目印が存在しています。

また、その他に「プラットフォーム」と呼ばれる、スタッドレスタイヤとしての寿命を示すサインが付いています。これは溝の深さが50%以上摩耗していると露出するサイン。プラットフォームが配置されている箇所は、タイヤサイドの矢印などにより示してあります。

凍結した路面で、スタッドレスタイヤの効果が発揮されないのはとても危険なこと。「まだプラットフォームが出ていないから大丈夫」ではなく、露出してしまう前の早めの交換を心がけましょう。

スポーツタイヤの溝の点検方法について解説!

スポーツタイヤと呼ばれるハイパフォーマンスタイヤにも、一般的なモデルと同様にスリップサインが付けられています。したがって、点検方法は変わりません。

一昔前は柔らかいゴムが使われているため、スポーツタイヤは一般的なタイヤに比べて寿命が短かったり街乗りには向かないと言われていましたが、現在では技術と素材の進歩によりサーキット走行にも街乗りにも対応するタイヤも数多く販売されています。

ただし、レーシングタイヤに分類されるタイプで、ドライタイヤと呼ばれるモデルはゴムの配合が特殊なものが多く、ソフト/ハードで表現されます。

ソフトタイヤは発熱が早いためグリップ力が高く、耐久性が低い。逆に、ハードタイヤはグリップ力が低いものの耐久性が高いという特徴があります。こういったレーシングタイヤは、使用される目的が限定的であり街乗りには向かないといえるでしょう。

まとめ

タイヤはクルマの駆動力・制動力・グリップ力といった走行性能を上げ、ドライバーの命綱とも呼べる重要な部品です。タイヤ交換の基準を正しく知ることで、誰かの命を守ることにも繋がります。適切なタイミングでタイヤを交換して、安全なドライブを楽しみましょう。