2019年07月01日 (更新:2020年08月11日)
新車で買える英国クラシックカー!木も使用されているモーガンとは?
1910年創業のイギリス・モーガンカーズは、創業当時と変わらないクルマづくりが特徴。そして、当時のとほぼ変わらないブリッティッシュ・スポーツカーが新車で購入できる希少なメーカーです。世界中に根強いファンをかかえるモーガンの魅力をお伝えします。
モーガン社とは
モーガンは、現代でも昔ながらのハンドメイドでクラシックスポーツカーをつくるイギリスの自動車メーカーです。鉄道技師だったヘンリー・フレデリック・スタンリー・モーガンの趣味ではじめた車づくりが、いつしか大規模なものとなり1910年にモーガンとして創業。モーガン第一号車は、3輪車の3Wheeler。その後1936年に製作したモーガン4/4は、現在世界でもっとも長く販売される量産車です。
モーガンは創業100年以上を経ても、設立当時と変わらない車づくりのスタンスを保ちつづけています。車の設計から製造完了までのすべての工程を、職人によるハンドメイドで車をつくり、顧客一人ひとりの車を丁寧に仕上げることで、古きよきブリティッシュ・スポーツカーを現代に残す希少な自動車メーカー。そのため、注文から納車までおよそ1年を要するものの、世界中から熱い支持を受けています。
木製ボディってホント!?
モーガンの車両は、おもに木材のアッシュ(セイヨウトネリコ)とアルミ、レザーを原材料に、職人によるハンドメイドでつくられます。シャシーはスチール製のラダーフレームながら、ボディ骨格は創業当時と変わらず木材が用いられ、軽量ボディによる高い運動性能と、木製骨格からドライバーの身体に伝わる独特の振動が特徴です。
モーガンの骨格に使われるアッシュ材は、軽量かつ高寿命。木材ならではの柔軟性で走行振動を吸収し、防腐処理を施せば、数十年は変わらない状態を維持します。アッシュ材の骨格には、職人が丁寧に形を整えたアルミ製のボディパネルを装着。内装は高級レザー4種を使い分けた、上質なインテリアに仕上げられ、往年の雰囲気を今に残すモーガンの新車が完成します。
現在新車で買えるモデル
モーガン3Wheeler
前2輪・後1輪のリバーストライクモデル。EURO4に適合するS&S製の2.0L V型2気筒エンジンは車両最前面に配置され、駆動力はマツダ製5速MTとドライブベルトを介して後輪へ伝えられます。細身のキャビンから眺める光景はまるでレシプロ航空機に乗っているよう。計器も航空機を模したものが装備されます。
エンジン出力はわずか69PSですが、わずか585kgの車重のため、0−100km加速は7.0秒でこなし、最高速度は185km/hをマークします。
ボディサイズ | 全長3,290全幅1,740全高1,105(mm) |
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車両重量 | 585kg |
乗車定員 | 2人 |
エンジン | V型2気筒エンジン |
最高出力 | 51kW[69PS]/5,200rpm |
最大トルク | 129N・m[13.2kgf・m]/2,500rpm |
トランスミッション | 5速MT |
駆動方式 | リバーストライク |
燃料 | ハイオク |
新車車両価格 | 767万円 |
モーガン4/4
1936年の登場当時から伝統的なブリティッシュ・スポーツの姿を保ち続けるモーガンのアイコンとも呼べるモデルです。112PSを発揮するフォード製1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、トランスミッションはマツダ製の5速MT。795kgの車重により、0-100km/h加速は8.0秒。最高速は188km/hをマーク。
サスペンションは、フロント左右独立のスライディングピラーと、リアはリーフリジットを採用し、登場当時そのままの乗り味が特徴のエントリーモデルです。
ボディサイズ | 全長4,010全幅1,630全高1,220(mm) |
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車両重量 | 795kg |
乗車定員 | 2人 |
エンジン | 直列4気筒エンジン |
最高出力 | 82kW[112PS]/6,000rpm |
最大トルク | 132N・m[13.4kgf・m]/6,000rpm |
トランスミッション | 5速MT |
駆動方式 | FR |
燃料 | ハイオク |
新車車両価格 | 767万円 |
モーガンPlus 4
モーガン4/4よりも走行性能を高めたハイパフォーマンスモデルです。幅広タイヤを収めるためにフェンダーを拡大し、156PSのフォード製2.0Lエンジンを搭載したもっとも走行バランスに優れた人気モデル。0-100km/h加速は7.5秒。最高速は189km/hの性能を発揮します
ボディサイズ | 全長4,010全幅1,720全高1,220(mm) |
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車両重量 | 927kg |
乗車定員 | 2人 |
エンジン | 直列4気筒エンジン |
最高出力 | 115kW[156PS]/6,000rpm |
最大トルク | 201N・m[20.5kgf・m]/4,500rpm |
トランスミッション | 5速MT |
駆動方式 | FR |
燃料 | ハイオク |
新車車両価格 | 994万円 |
モーガンRoadster
フォード マスタングと共通の3.7L V6エンジンと6速トランスミッションを搭載したハイパフォーマンスモデルです。高出力を受け止めるためにリアサスペンションはコイルスプリングに変更され、重くなるステアリングにはパワーステアリングを備えながらも車重950kgに抑え、0-100km/h加速は5.5秒、最高速は225km/hと一級のスポーツカーに匹敵する性能を発揮します。
リクライニング式のスポーツシートや、ヒーテッドウィンドスクリーンなどの豪華装備もロードスターの特徴。かつてのモーガン プラス8やエアロ8を彷彿とさせるモーガンのフラッグシップモデルです。
ボディサイズ | 全長4,010全幅1,720全高1,220(mm) |
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車両重量 | 950kg |
乗車定員 | 2人 |
エンジン | V型6気筒エンジン |
最高出力 | 209kW[284PS]/6,000rpm |
最大トルク | 352N・m[35.9kgf・m] |
トランスミッション | 6速MT |
駆動方式 | FR |
燃料 | ハイオク |
新車車両価格 | 767万円 |
まとめ
モーガンが世界中で高い人気を誇るのは、単純に走行性能を高めるのではなく、古きよき当時のブリティッシュ・スポーツカーの製法をそのまま継承しているのが理由です。
現代においても手間ひまかかる手作業で車をつくり、アッシュ材とアルミによるボディワークは、速さや利便や効率だけではないドライビングプレジャーと所有感、希少価値をドライバーに提供します。
イギリスの伝統を受け継ぐメーカーは現在でも数社あるものの、完全に当時のままの製法で製造しているメーカーはモーガンだけです。