2019年06月29日 (更新:2020年08月06日)
1度はサーキットで走ってみたい!サーキットに関する情報を一挙公開!
自分の技術を磨くため、または愛車の性能を試すために多くの人が集まり切磋琢磨しあっているサーキット。しかし、ちょっと敷居が高くサーキットデビューできそうにないと感じている方も少なくはありません。今回はそんな不安を取り除けるように、サーキットに関する情報を余すことなくお伝えしていきたいと思います。
サーキットとは
自動車メーカーのファンミ―ティーングや世界最高峰のレースであるフォーミュラワン、チューニングショップの走行会やJAF主催のジムカーナ大会など車好きにとって誰もがワクワクしてしまう場所であるのがサーキットです。
サーキットの定義は「自動車・カート・オートバイ・自転車などの競技用に作られた環状道路」の事を指します。
サーキットで行われる競技の種類
レースの大半は「速さ」を競う競技であるため基本ルールは「定められたコースを最短時間で走り切ったものを勝者とする」レースになります。カーメーカーやチューンドメーカーが総力を挙げて戦う「フォーミュラレース」「プロトタイプレース」「ツーリングカーレース」などもサーキットで行われています。
一般車で多い競技の種類は、多数の競技者と車で単純に誰が一番早いかを決める「レース」、1台ずつの走行で一周の周回時間をどれだけ早く行えるかを競う「タイムアタック」、決められた時間や周回数を最後までしっかりと走りぬく耐久力を競う「耐久レース」、1つ~複数のコーナーで速度・角度・コーナリングの美しさを競う「ドリフト」、コーナリングやブレーキングが相対的に重要になり小回りな旋回などを試される「ジムカーナ」などがあります。
競技方法により単走・複走などのレギュレーションが変わってきますので、ご自身に合った走行会へ参加するのが望ましくなっています。
サーキットでの競技によるメリット
地域にある私有地などでも行われることがありますが、サーキットの構造は多少ドライバーや車の限界を超えてしまっても回避できる場所などが広く作られているために、一般公道を使って行う競技と違い事故などのトラブルを抑えることができます。
安全域が広いので車の性能を100%発揮しやすく、一般公道の余裕がない広さの場所を走るよりもドライバー自身の技術向上にもつながりやすい、メリットがはっきりしている場所になります。
サーキットでの速度域で走行することにより自分の走行に関する無駄を見つけたり、不得意な分野を克服していくことで車から伝わってくる情報を正しく取り入れコントロール、ドライビング技術を向上させ車に余計な動きをさせない動作を覚え、一般道路でも正しい運転ができるようになり自ら起こす事故の確率を低減させることもできます。
何より、愛車の性能を100%発揮できる場所というのはサーキットしかありません。せっかく好きで買った愛車なら性能をしっかりと活かしてあげたいものです。ドライバーと愛車が共に「安全に」速く・上手になるための練習場として最適なのはやはり「サーキット」でしょう。
サーキットの種類
競技だけでなくサーキットにも多数種類があり「接地方法による分類」「形状による分類」「大きさや設備による分類」などがされています。では、サーキットの分類を見ていきましょう。
接地方法による分類
- パーマネントサーキット
競技専用施設として設計・造形・管理されている常設コースの事で、競技車両以外の走行が認められないことからクローズドサーキットとも呼ばれています。
広大な用地を確保するため基本的には郊外に設置されています。コースデザインの自由度がとても高いので低速から高速までバラエティーに飛んだコーナーが設置されています。
路面には摩擦係数が高い専用の舗装をされておりレースに適した状態に保たれています。コースに沿ってランオフエリアやバリアなどの安全施設が常備され、いつでも緊急体制がとられているので安全面での心配はありません。日本では三重県の鈴鹿サーキット、静岡県の富士スピードウェイがあります。
- 仮設サーキット
レースイベントの開催期間にのみ主催者が一般公道を借り切って設営する非常設コース。仮設の観客席やフェンスを準備しておき、イベント期間中は一般車両の通行を禁止してレースコースとします。日本では新城ラリーやWRC 日本ラウンド(2020年予定)などが公道を走行します。
一般道という特性を持っているので常設コースと比べてランオフエリアなどのエスケープゾーンが少なく、平均速度が抑えられた設定となっています。路面の摩擦係数が少ない、建物で見晴らしが悪くなっていたりと悪条件がそろっていることが多く、コースもガードレールなどで囲まれるため一瞬のミスでマシンが大破してしまう可能性がある過酷なものになっています。
- 複合型
日本ではお目にかかることが無い、常設コースと公道区間を組み合わせたコースです。ル・マン24時間耐久レースが行われているサルト・サーキットやF1で有名なスパ・フランコルシャンなどがかつて複合型サーキットでした。
形状による分類
- ロードコース
大小のコーナーと長短の直線を組み合わせて、減速・コーナリング・加速を繰り返すテクニカル志向の高いサーキットで、フォーミュラカー、ツーリングカー、GTカー、一般車両など様々な車種によりレースが開催されます。日本では岡山国際サーキットなどがあります。
使用時の周回方向は計時施設やコースの形状・安全対策の理由から一定の方向に決まっています。コーナーの外側の防護設備などは片側向方向を前提として設置されています。一部のレースやイベントではこの限りではありません。
- オーバルトラック
直線を傾斜(バンク)のついたターンでつないだサーキット(トラック)で楕円形、またはそれに近い形状になっています。日本ではツインリンクもてぎにオーバルコースが設置されています。
進行方向は反時計回りで、いかに高速を維持したまま走れるかを競うコースとなり1周のラップタイムより平均速度が基準となります。
- 複合型
ロードコースとオーバルの両方を兼ね備えたサーキット。ツインリンクもてぎでは同時に使用することはありませんが、海外のインディアナポリス・モーター・スピードウェイやデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでは使用されることがあります。
- ドラッグレーストラック
国内ではゼロヨンの愛称で熱気を浴びていた400mまでの直線の速さを競うレース。通常のサーキットには含まれませんが、レースを開催する場所という意味ではサーキットの一種になります。日本ではセントラルサーキットやオートポリスなどで行われています。
大きさや設備による分類
- フルサーキット
一般的に国際競技を開催できる規格を満たしたサーキットを指し、十分なポストやセーフティーゾーンを備え、パドックやピットなども充実していることが条件です。コース全長は5km以上ですが一部をショートカットするレイアウトにされることもあります。競技を開催する関係で大きな観客席を備えており、利用料金が高額になってします。
- ハーフサーキット
あまり使われる用語ではありません。一般的に国内競技を開催できる規格を満たしたサーキットであり、コース長が2km程度のものを指します。日本でのハーフサーキットは筑波サーキットが該当します。
- ミニサーキット
一般に、レースを開催するための規格を満たさないコースです。非公式のレースや走行壮行会を開催したり、趣味でコースを走る、車両テストに使用したりといった用途に使われます。近年ではD1GPやドリフトキングダムなどの会場として選ばれることが増えています。
コース長は500m~1km程度の物が多く、設備が少ない事やコースが短い事により使用料金が安く、気軽に使用できることが最大の特徴です。オフィシャルなどが少ないため利用者同士で配慮が必要になる場合があります。日光サーキットや備北ハイランドサーキットなどがあります。
サーキットのグレード
本格的なフルサーキットでは国際的なモータースポーツの統括団体である「国際自動車連盟(FIA)」が自動車レースに使用するサーキットを、規模や付帯設備等の状況により7種類のグレードで分類しています。グレード取得を行うためにはFIAによる査察を受ける必要があります。
国内格式のレースを開催するには「日本自動車連盟(JAF)」の承認を得るのみで良いので、国内でFIAグレードの取得をしているサーキットはごく少数となっています。では、ここでグレードの分類と開催できるレースの種類を見てみましょう。
グレード1 | F1を開催できるグレード |
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グレード1T | F1のテスト走行を実施できるグレード。このグレードのみ他のグレードに対する上位互換を持たないため、下位グレードのレースは開催できない。 |
グレード2 | 排気量2500cc以上のエンジンを搭載したF1を除くGP2やF3000などのフォーミュラカーレース、同じく排気量2500cc以上のエンジンを搭載したスポーツカーレース(主にプロトタイプレーシングカー)FIA GT選手権などを開催できるグレード。 |
グレード3 | 排気量2500cc以下のエンジンを搭載したフォーミュラカーのレース(グレード1・2に該当するカテゴリは除く)同じくスポーツカー(グレード2に該当するカテゴリは除く)を開催できるグレード。 |
グレード4 | 排気量2000cc以下のエンジンを搭載したフォーミュラカー(主にF3)及びスポーツカーのレース、並びにグループA・グループNのレースを開催できるグレード。 |
グレード5 | 代替エネルギー自動車のレースを開催するサーキットのためのグレード。 |
グレード6 | オフロードレース用サーキットのためのグレード。 |
グレード1T以外の上位サーキットは、下位グレードの全てのレースを開催することが可能となっています。
サーキットの設備や安全性
サーキットには観戦者用の設備や参加者用の設備など、様々なものが用意されています。ここではサーキットを走る側になって設備を見ていきましょう。
走行路
- コントロールライン
周回の基準となる線で、このラインを通過してから次に通過するまでの時間をラップタイムと呼びます。周回の終わりの事をフィニッシュラインとも呼びますが、ほぼ同じ意味です。
- グリッド
静止した状態からスタートする方式のレースのためにスタート位置を定義するマークです。スタンディングスタートで開始されるレースではフォーメーションラップという、スタート位置につくことを目的とした1周のみの走行を行いますが、その場合についているグリッドの事は「ダミーグリッド」フォーメーションラップ完了後は「スターティンググリッド」と呼びます。
NASCARやSUPER GTなどのローリングスタート方式では単にスターティンググリッドと呼ばれます。2輪、4輪でスターティンググリッドの位置が違う場合もあります。
- ストレート
ほとんどの場合、コントロールラインがある場合は長い直線にされています。正面の直線路を「メインストレート」「ホームストレート」と呼び、メインストレート以外の最も長いストレートの事を「バックストレート」と呼ぶこともあります。
コースレイアウトによりホームストレートよりバックストレートが長い場合もあります。「メインストレッチ」「バックストレッチ」と呼ぶと、より一層通に思われるかもしれません。
- コーナー
「角」という意味でいわゆるカーブの事を指します。「ターン」や「ベント」と呼ばれることもありますが、走り屋は「カーブ」と言ってはいけません。サーキットのコーナーには名前で呼ばれるものや単純に数字で呼ばれることもあります。
- シケイン
スピードの抑制(減速)を促す目的の、間隔が狭い複数の曲率半径を持つ小さな複合コーナーを指します。多くの物はストレートあるいはコーナー途中にクランク状で設置されています。
常設と選択式があり、選択式は本来のコースから分岐して再度合流するように設置され、主催者の判断により変更がされます。ショートカットすると大抵ペナルティがありますし、ゼブラ色の段差でマシンにダメージが入ってしまいます。
- バンク
スピードを落とさずに曲がることができるようにするため、コーナーをすり鉢状に迫り上げた傾斜を指します。オーバルトラックではすべてのコーナーがこれで形成されています。
通常のコースでも緩くバンクがつけられている事も多いです。鈴鹿サーキットでは「逆バンク」というものがありますが、これはほぼ水平であり逆にバンクが付いているように見える事からそう呼ばれているそうです。
- 縁石
コースとランオフエリアの境界を示す踏み板で、主に車体が切れ込むコーナー内側と車体が立ち上がるコーナー外側に設置されています。サーキット用の縁石は視認性を高めるために2色に塗り分けられています。
平坦な物もありますが、進行方向に傾斜と段差がついているものもあり、踏んでしまうとたいていバランスを崩してしまいます。「ゼブラゾーン」を略してゼブラと呼ばれることもあります。
- インフィールドセクション
本来のコースの内側に延伸された地帯を指します。多くの場合は単純なサーキットの内側に複雑な形状のコースを延伸して作られます。外周コースに比べてテクニカルなコーナーが作りやすいのでドライバーの技量が試されます。
外周コースで追い抜きをしたハイパワーマシンが軽量級マシンにインフィールドで追いつかれるなどといった手に汗握るシーンがよく見れる場所でもあります。
安全設備
- ランオフエリア
走行路の外側にある退避スペースを指します。コーナーをはみ出した車両が安全に減速したり、故障した車両を停車させる際に使用します。ストレートエンドに大きく減速するコーナーがある場合には減速しきれなかった場合のためにストレートの延長戦上に退避路(エスケ-プゾーン)を設けています。
ブレーキに砂が入ってしまいダメージを負う場合もありますのであまり入りたくはない場所です。
- グリーン
芝生を植えたランオフエリアを指します。車両へのダメージは少ないですが、減速も少ないためコーナーに設置債は大きな面積が必要になります。雨の日は逆に恐怖を感じてしまう場所となっています。
- グラベルベッド、サンドトラップ
グラベルベッドは砂利や土を敷き詰めた場所を指し、サンドトラップは波打たせた砂場を指します。ナンバー付車両での速度域でグラベルに突入した場合は驚くほどの減速力を発揮してくれますが、進入角度によってはエアロの破損や車両横転の危険性もあります。単純にグラベルと呼んでも間違いではありません。
単純にグラベルと呼んでも間違いではありません。
- バリア
ガードレールやコンクリートウォールの前に置き、ランオフエリアを突っ切った車両が衝突する際の衝撃を吸収するものを指します。
バリアの種類は多数あり、ウレタンスポンジを壁の前に並べた「スポンジバリア」、専用のタイヤを積んで壁の前に並べた「タイヤバリア」、わらの束を壁の前に並べた「ストローバリア」、インディ・レーシング・リーグが開発した衝撃吸収素材を使った「SAFERバリア」があります。
スポンジバリアは衝撃の反動で車両が跳ね返ってコースに押し戻されたり、マシンの炎上によって燃えてしまうといったデメリットがあります。タイヤバリアは使い古したタイヤを使用する所もありますが、本来は専用の新品を使用します。
ストローバリアは非常に燃えやすくマシンから出火した際は大変危険なため、海外の地方イベント以外でお目にかかることはまずありません。
- キャッチフェンス
木の杭を立てて網を張り車両を受け止めるものを指します。現代のサーキットではグラベル面積が広く客席などに車両が飛び込みにくくなっているためあまりお目にかかる機会はありません。過去には2輪のマシンから投げ出されたライダーが杭に当たって怪我をしてしまったり、4輪ドライバーが事故をした際もフェンスが邪魔で救出に時間が掛かってしまったりといった事例もあったそうです。
運営設備
- ピット
競技車両の整備や修理を行う場所を指します。競技中に修理や整備を行う場合もあるのでメインコースとピットロードでつながっています。通常はメインストレート脇に存在しますが、地形の問題でそれ以外の場所に設置されている場合もあります。
ピットレーンでは通過車両とピットクルーが近い場所にあるためレースのセッション中には人員が制限されることもあります。基本ピットレーンには制限速度が設定されています。
- コントロールタワー
主催者や時計記録員、コース監視員や競技審査委員の部屋がある高い建物。コース全体が見渡せるようになっておりコントロールラインの脇に設置されています。
- パドック
多くの場合はピット裏にあり積載車を使ったマシンの搬入や、参戦チームの休息やスポンサー、招待客の接待場所として使われる場所です。
一般客はパドックパスを購入することでパドックやピットの一部の場所に見学に行くことができます。
- ポスト
コース脇の有人監視施設を指します。レース中はマーシャルが常駐しておりコントロールタワーと相互情報交換を行っており、万が一の際は走行車両に対しフラッグで指示を出してくれます。
隣り合っているポストは目視できるようになっていますが、濃霧などの悪天候でポスト間の視認ができない場合にはレース中断となります。走行中は必ずマーシャルの指示に従うようにしましょう。
世界の有名サーキット
フォーミュラ1やル・マン24時間耐久、NASCARやインディー、バイクではmotoGPなど、世界各国でレースする各カテゴリーで有名になっていったサーキットがたくさんあります。どのようなサーキットがあるかみていきましょう。
ニュルブルクリンク
ドイツの北西部にある2つの異なる性格を持つサーキット。
まるで峠道かのようなアップダウンの激しさとブラインドコーナーが連発する北コース(ノルドシュライフェ)が有名です。
世界の名だたる自動車メーカーの車たちが走行性能の向上と、ライバルよりも優れたタイムを出すことで販売競争を有利にする目的で、頻繁に北コースでテスト走行を行っています。
現在北コースのレコードタイムはポルシェ911 GT2 RS MRの出した6分40秒33(市販車)となっていますが、172もコーナーがある曲がりくねった北コースをこのタイムで走るのは世界のトップドライバーでも大変そうです。
シルキュイ・ド・モナコ
モナコ公国にある公道コースで、フォーミュラ1モナコグランプリが開催されるテクニカルなサーキットで、F1モナコGPは世界3大レースのひとつとされています。
前半は豪華なカジノやホテルが並ぶ丘陵区の上り下り、海沿いのトンネルを抜けると後半はクルーザーやヨットが停泊している海沿いを走行します。F1コースの中で最も距離が短く、平均速度の160KM/h程度ですが2車線分の道路幅しかないのでわずかなミスで即リタイヤもあるリスキーなコースです。
現在のレコードタイムはメルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツのF1 W10 EQ Power、ルイス・ハミルトン選手の1分10秒166(フォーミュラ)となっています。最高速度280km/h以上出るトンネル出口からシケインにかけてのブレーキング競争は必見です。
シルキュイ・ドゥ・ラ・サルト
フランスのサルト県ル・マン市郊外にあるサーキット。ル・マン24時間耐久レースで有名なサーキットで、日本のメーカーで1991年に初優勝したマツダ787Bに憧れを持ったファンは多いのではないでしょうか。
日本のメーカーでは2018年にトヨタ TS050 HYBRIDが2度目の優勝を勝ち取っています。歴代最高周回数は397周のアウディとポルシェ。コース改修などで距離はアウディのR15 TDIが走破した5410.71kmが最長となっています。ル・マン24時間耐久レースも世界3大レースのひとつとされています。
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス市郊外にあるスピードウェイ町にあるサーキット。インディ500と呼ばれる世界3大レースのひとつが行われ、、観客動員数40万人を誇っています。
インディ500は決められた距離を走るスプリントレースですが走行距離が500マイル(1マイル=1.6km)と非常に長く、ドライバーは350km/hを越える速さで走り続けます。エンターテイメント性にとんだレース展開が多く、2017年には佐藤琢磨選手が日本人及びアジア人として初めてインディ500を制覇したことで話題となりました。
日本のサーキット
日本でも歴史を持つサーキットは勿論あります。
次は日本の3大サーキットを見てみましょう。
鈴鹿サーキット
日本初の全面舗装と観客席を備えたサーキットで8の字型のレイアウトは世界的にも珍しいハイスピードコース。フォーミュラ1だけでなくスーパー耐久・SUPER GT・
鈴鹿8耐・全日本ロードレースなど車だけでなくバイクのレースも多く開催しているサーキットで、隣接している施設には遊園地やホテルなど家族でも楽しめるテーマパークがあります。
富士スピードウェイ
世界有数の超ロングストレートとテクニカルセクションを兼ね備えた、スピードとドライビングテクニックの両方を体感できるハイスピードコース。スーパーフォーミュラ・スーパー耐久・SUPER GT・富士チャンピオンレースなど、様々なレースを開催しているサーキットです。
ツインリンクもてぎ
直線と直線を中低速コーナーで結んだストップ&ゴー方式のコースでスピード変化が激しいミドルスピードコース。富士スピードウェイ同様のレース観戦が可能となっていますが、全日本ロードレースやMoto GPなどバイクのレースも多く開催されています。近隣には自然豊かなアトラクションがあり家族でも楽しめる施設がたくさんあります。
サーキットで走行する方法
サーキットを走る車を見てしまうと車好きなら自分で一度は走ってみたくなるもの、ここではサーキットを実際に走行する情報をご紹介していきます。
貸し切り
もしご自身で企画ができるのであれば仲間と積極的にコースの貸し切り交渉をしてみてはいかがでしょうか?貸し切りにするのに少し料金がかかってしまいますが、ミニサーキットなどでは時間単位で貸し切りにすることができますのでドリフトコンテストやタイムアタック、模擬レースなど実際に走行しながら交流を増やし楽しむことができます。
走行会
ショップなどが主催で行っている走行会に参加するのも手です。初めてサーキットを走る場合にはこの方法が一番安全で金額も掛かりません。ショップで顔なじみの仲間や、まだ出会ってない人と知り合うこともできるので互いに切磋琢磨しながら自身の成長や車の性能差を肌で感じることができます。
親切なショップであればドラテク向上についての指導をしてくれるところもありますし、プロドライバーと仲が良いお店だとプロに同乗走行をお願いすることもできます。
会員になる
サーキットの会員になると走行に掛かる費用の割引が適用されたりします。フリータイムで走ることができる時間帯などで少しでも走り込みをしたい方は積極的に会員になっておきましょう。各サーキットにより特典は変わりますが、工具貸し出し無料などの特典が付いてくる場合もあります。
サーキットの使用料金
サーキットの走行料金は会員価格・予約価格・当日価格などで分かれていますが、30分毎や1時間毎に分けられています。各サーキットでも料金が変わってきますが、鈴鹿サーキットの場合はグリップGコース土日祝1時間5200円、ドリフトDコース土日祝1時間4200円となっています。
半日料金や1日料金で割引があったりしますので、体力次第では半日や1日走行の方がお得になります。
サーキットで走る前の準備
サーキットを走る上で、全てが個人の責任になってきますので安全のためには最低限の装備を揃えておきたいところです。
それでは最低限の装備をご紹介していきましょう。
ヘルメット
一番大切なヘルメット、万が一の時に頭部を保護し命を守る最後の砦になります。フルフェイスヘルメットでもジェットヘルメットでも問題ありませんが、オープンカーの場合にはフルフェイスヘルメットが規定とされている場合もあります。
大きなレースに参加する場合にはFIA規格基準のフルフェイスヘルメットが必要になります。
グローブ
サーキット走行で使用するグローブは指先から手首まで完全に保護されるものが必要になります。ハンドリングをより正確なものにするために、滑りにくくハンドルの感覚が伝わりやすい物を選びましょう。
薄手の革手袋や軍手、指ぬきグローブでも参加できる走行会もありますが、大きなレースではFIA基準規格に準ずるものが必要になります。
長袖長ズボン
サーキットの走行は基本的に長袖長ズボンでないといけません。私服で構いませんが夏冬関係なくオールシーズン服装は決められていますので、真夏などの暑いときは薄手の長袖などを着る工夫も大いに有りです。
大きなレースではFIA規格で難燃性のレーシングスーツが必要となってきます。
オイル交換
サーキット走行では高回転までエンジンを回すことが多くエンジン本体に負荷を掛けるだけでなく、オイルなどにも熱によるタレがでてしまい性能を活かせなかったりしてしまいます。
ノーマル程度のクルマであればレーシングオイルのような粘度の硬いものを入れる必要はありませんが、オイル交換だけはしておきましょう。
エンジンだけでなくミッションやデフにも同じく負担がかかってしまうので、こちらのオイルも同時に替えておくとより安心です。エンジンオイルは走行後にもう一度交換するのが理想となっていますので、余裕がある時には替えてあげてください。
ブレーキパッド交換
急加速・急減速が続く状況ではブレーキに掛かる負担(熱)も大きいため、純正のパッドや純正同等社外品のパッドではフェード状態が起こることもあります。
最低でもワインディンググレードよりも上のブレーキパッドを装着しておきましょう。
ブレーキパッド同様にフルードも熱で沸騰し、気泡が発生することによりブレーキペダルを踏んでもブレーキが抜けてしまう現象も起こってしまいます。ブレーキトラブルはとても危険なので、ブレーキパッド同様ブレーキフルードもしっかりと交換・エア抜きをしておきましょう。
タイヤの交換
日ごろ使っているタイヤでそのまま走っても構いませんが、タイヤのエア調整はしっかり行い、残溝が少ないものは使わないのがベストです。本気でタイムを出したい場合にはしっかりとグリップしてくれるタイヤを別にちゃんと用意しておきましょう。
高速で走行するためタイヤへの負担は街乗りとは比べ物にならないくらい掛かってしまいます。
スポーツ走行初心者の方は正直ハイグリップタイヤを入れてもタイムはさほど変わらないので、スポーティータイヤでクルマを基本に沿ってしっかりとコントロールできる技術を身に着けた方が上達への近道になります。
車をコントロールできるようになってタイムが頭打ちになってしまった時初めてハイグリップタイヤの恩恵を感じることができると思います。
サーキット保険
もし余裕があるなら、サーキット保険に入っておくことをお勧めします。あくまで車両保険などの任意保険は一般道を走る車に限られています。万が一コース上にオイルを巻いてしまったり、バリアを破損した際には清掃代や修繕代などは自己負担となってしまいます。
料金も思っている以上に高くついてしまうことがありますので、サーキットを走る前に保険会社さんに相談しておいて損はありません。
サーキットで走らせたいクルマ
サーキット走行は己との戦いであり、突き詰めていけば非常にシビアな世界となっていきますが、うまく走らせることができれば快感を覚える程楽しいクルマがあるのも事実です。ででは、サーキット走行で走らせたい車を少し見てみましょう。
ホンダ シビック(タイプR含む)
グリップ走行でとてつもないコーナリングを発揮する、ホンダのライトウェイトFFマシン。現行のセダンタイプも十分速いのですが、ハッチバック時代のシビックはその軽量さを活かしたコーナー入り口のブレーキング勝負を楽しむことができます。
NA車なのでターボ車とは立ち上がり競争で分が悪くなってしまいますが、VTECが作動した時にエンジンが上まで回る感覚はヤル気にさせてくれます。
マツダ RX-7
グリップ・ドリフトどちらでも使えるFRピュアスポーツカー。軽量コンパクトなロータリーエンジンは高回転まで独特の音を出してくれます。グリップでは持ち前の軽さを生かしライバルより旋回スピードを速く、直線もまっすぐ踏み抜くことで他車に引けを取ることはありません。
ドリフトなら重量配分と荷重移動を活かし、しっかりとトラクションをリアにかけて安定したコーナリングをすることができます。
日産 スカイライン GT-R
初心者からいわゆる本気組まで楽しめるスカイライン GT-R。2.6Lツインターボの恩恵を存分に活かし、立ち上がりからフル加速することであっという間にスピードの虜になることでしょう。
車体が重くブレーキがややプアなため、コーナリングでアンダーが出がちになりますが、スローインファストアウトを守るだけでちょっとしたライバルに置いて行かれることは、まずありえません。少しズルい車です。
トヨタ MR-2
ライトウェイトのミッドシップスポーツカー。エンジンが背中にあるので純粋にマシンコントロールを楽しめる車になっています。サーキットを走る事ももちろんできますが、ジムカーナでも参戦車両が多く、速さよりも技術を磨きたい方にはおススメです。
コーナリング中にリアの荷重抜けだけは起こさない走りを身につけましょう。
まとめ
サーキットを走行するのに難しいルールやしきたりがあると思われがちなのですが、こうして見ていただくと皆さんが思った以上にサーキット走行へのハードルは低いと思います。サーキット走行は誰しもが最初は初心者で、コツコツ続けていくことで上級者になっていきます。
しかし、サーキットだから100%安全という事は決してありません。お互いの配慮があって初めてスポーツ走行が成り立ちますので、譲り合う部分は譲り合い、決して無理をしない走行を楽しんでください。