エンジンのトルクがもっと欲しい!NAエンジンのトルクアップの秘訣とは? | CARTUNEマガジン
エンジンのトルクがもっと欲しい!NAエンジンのトルクアップの秘訣とは?

2019年06月29日

エンジンのトルクがもっと欲しい!NAエンジンのトルクアップの秘訣とは?

NAエンジンのトルクアップの方法を解説します。とくに低速域でのトルクがアップすると、車は非常に乗りやすくなります。エンジン性能に依存するNAエンジンは簡単にトルクアップさせることは困難ですが、不可能ではありません。NAエンジンを乗りやすくするトルクアップチューニングについて解説します。

エンジンのトルクとは?

ささげーさんのシビックタイプREK9の画像
ささげーさんのシビックタイプREK9の画像
引用元:ささげーさんの投稿

「トルク」とは、エンジンの回転軸が回る力の強さを示し、いわゆる加速力をあらわします。一方、「馬力」や「出力」とは仕事量のことを示し、その車が出せる最高速度と言い換えることができます。

出力とトルクと回転数は、以下の関係になります。

  • 馬力[W]=2π×回転数/秒[rps]×トルク[N・m]

つまり、大きなトルクを高回転で出すエンジンほど高出力エンジンであることになります。F-1エンジンが、小排気量エンジンにもかかわらず1,000馬力オーバーの出力が出せるのは最高回転数が2万rpm近くまで回せるためです。また、WRCのエンジンが400馬力を発揮するのは、低回転から高回転まで高いトルクを発生させることができるからなのです。

加速力を生み出す低速トルク

LuX@笑う棺桶さんのチャレンジャーの画像
LuX@笑う棺桶さんのチャレンジャーの画像
引用元:LuX@笑う棺桶さんの投稿

一般車両における低速トルクは、おもにアイドリング回転数から3,000rpm程度までの低回転域での加速力に影響します。この領域のトルクがアップすると、街乗りでは発進加速が楽になり、ワインディングでは鋭いコーナーの立ち上がり加速が体感できるでしょう。

しかし、NAエンジンのトルクグラフは、最大トルク発生回転数をピークにして、山なりの形になり、低回転域はエンジン効率が低いことを示します。

NAエンジンの低速トルクをアップさせるもっとも効果がある方法は排気量アップ。次に効果があるのは、カムシャフトを変更して最大トルク発生回転数を低い回転域に移動させることやギア比を低くし、速度を低める代わりに、回転数を高める方法などが効果的です。ですが、これらの方法は現実的ではありません。高額な費用がかかるうえに、車の使い勝手を著しく低下させることになります。

NAエンジンのトルクはアップできる?

実用性を保ったまま、NAエンジンの低速トルクをアップさせるのは困難です。ターボエンジンであれば、ブーストを上げるだけでトルクをアップさせることができますが、NAエンジンではエンジン本体の性能以上の能力は発揮することはできません。

しかし、NAエンジンのポテンシャルを引き出すチューニングを加えることで、結果的に低速トルクをアップさせることができます。ノーマルエンジンとその補機類は、燃費や実用性を優先しているためエンジン性能を100%使い切っているとはいえません。

それら余分なパラメーターを「トルクアップ」に振り分けるチューニングを施すことで、NAエンジンでもトルクをアップさせ、乗りやすく仕上げることが可能です。

NAエンジンのトルクアップのポイント

吸排気系

KTMTさんのロードスターND5RCエキゾーストマニホールドの画像
KTMTさんのロードスターND5RCエキゾーストマニホールドの画像
引用元:KTMTさんの投稿

ノーマル状態の車両は、コストや整備性、保安上の理由から、吸気抵抗の大きなエアクリーナーや、排気抵抗の大きなマフラー、エキゾーストマニホールドが装着されています。

これら給排気系のパーツを見直すことで、低速トルクを強化することができます。とくに大きな排気抵抗となる触媒を、より抵抗の少ないスポーツ触媒に交換することでエンジン本来の性能を引き出すことができます。

ただし、エンジンに対して太すぎるマフラーの装着や、マフラーのみを交換した場合は、低回転域でのエンジン充填効率が下がるため、低速トルクは失われがちです。NAエンジンは各部のバランスがもっとも重要です。

コンピューター

らおきさんのフィットGE8の画像
らおきさんのフィットGE8の画像
引用元:らおきさんの投稿

ECU(エンジン・コントロール・ユニット)は、エンジンの燃焼状態をコントロールするコンピューター。エンジン各部の情報を集め、燃料供給や点火時期などをコントロールします。

ノーマルコンピューターは、燃費・安全を重視のセッティングになっており、なるべく効率のよい空気と燃料の混合比で燃焼させながら、決してエンジンが壊れることのないように制御しています。

コンピューターの交換や書き換えをして、コントロールデータを変更することは、エンジンの安全マージンを少しだけ削る代わりに、エンジンからより効率よくエネルギーを取り出すことが可能になり、全回転域でのトルクアップに効果的です。

点火系

ossan  ohcさんのスカイラインR30プラグコードの画像
ossan ohcさんのスカイラインR30プラグコードの画像
引用元:ossan ohcさんの投稿

燃料を着火するための点火系強化もトルクアップには効果的です。過度に強化する必要はありませんが、どのような燃焼状態でも確実に着火できる環境を整えるのがポイントです。

着火しづらい低負荷巡航時の燃料が薄い状態でも、強力な火花をとばすことができれば安定した爆発を起こすことができるためトルクがアップし、運転しやすくなるでしょう。

より強力で確実な着火ができるスパークプラグやプラグコード、イグニッションコイルに交換することで点火系を強化することができます。消耗品であるため定期的に交換することで、安定したトルクを発揮できるようになります。

まとめ

lemoned_ae86さんのスプリンタートレノAE86の画像
lemoned_ae86さんのスプリンタートレノAE86の画像
引用元:lemoned_ae86さんの投稿

空気と燃料をむりやり押し込むことでトルクを出せるターボエンジンとは異なり、NAエンジンのトルク特性は、エンジンのピストンストロークやカムシャフトのプロフィールに大きく依存します。

高回転型のエンジンでは低速トルクが細くなり、トルクをアップさせるのは困難です。それでもトルクを改善させるには、エンジン補機類の細かなアップグレードの積み重ねと、それらのバランスが肝心です。

また、低回転域にもかかわらず、スロットルをガバっと開けるような雑なアクセル操作では、エンジンの吸気速度が低下して、トルクはダウンしてしまいます。NAエンジンを上手に乗るには、「エンジンの特性を知ること」「バランスのよいチューニング」「NAエンジンの性能を引き出す乗り方」の3つが重要です。

新着記事

おすすめ記事