ターボ車のブーストアップのブーストとは何を示しているのか

2019年06月07日

ターボ車のブーストアップのブーストとは何を示しているのか

ターボ車でブーストアップやタービン交換をすると、多くの方が取り付けるブーストメーター。ターボ車のブースト圧とはいったいなにを表しているのでしょうか。ハイパワーカスタムターボ車に乗るのであれば、特にブースト圧の意味を確認して、ブースト圧をしっかりと管理する必要があります。

ブーストとは

ブースト圧のこと

ブースト圧とは、ターボやスーパーチャージャーなどの過給器によって過給される空気圧力を示します。エンジンは、燃料に対して一定割合の空気を混合して爆発し、エネルギーを発生させています。より多くの空気を取り込むことで、多くの出力を発生させることができる仕組みです。一般的な自然吸気エンジンの場合は、吸い込める空気量はシリンダー容積が上限になっています。それに対して、ターボ車は過給器を用いて空気を圧縮し、自然吸気エンジン以上の空気量をエンジンに押し込むことができます。ブースト圧は空気圧力を示しますが、パワーを出すための空気量あるいは混合気量であるともいえます。

ブーストアップは諸刃の剣

ターボ車は、大型のタービンへの交換やブーストアップチューンを施すことでブースト圧を上げて簡単にパワーを引き出すことができます。しかし、ブースト圧を上げすぎると、異常燃焼(ノッキング)を起こしてしまい、エンジンはいとも簡単に壊れてしまいます。

ノーマルの状態では、エンジンの耐久性をみこして、ある程度の余裕を残したブースト圧に設定されていますが、カスタムによるブーストアップはエンジン耐久性を著しく削ることになります。そのためノーマル状態からブーストアップをした車両は、後づけブーストメーターでブースト圧を正確に管理する必要があります。

ブースト圧を表す単位

ブースト圧の単位は、気圧を示す「kgf/㎠(キログラム重毎平方センチメートル)」や「kPa(キロパスカル)」が用いられます。「1kgf/㎠=98.066kPa」であるため、メーターやメーカーがどちらの表示型式を採用しているかによって誤差が生じていしまいますが、それほど大きな差ではないため、「1kgf/㎠=100kPa」として認識されています。

現在のメーター表示は国際単位の「kPa」表示に置き換わっていますが、古いメーターでは旧単位の「kgf/㎠」が用いられ、会話のなかでは現在でも「ブーストアップして、ブースト圧を1.0キロかけている」と使用されるのが一般的です。

ブースト圧から読み取ることができること

ブースト圧が示す数値は、インテークマニホールド内の吸気管気圧を指します。具体的にはスロットルバルブからエンジン吸気バルブ間の、インタークーラーとインテークマニホールドとそのパイピング内の圧力です。

ターボは、排気ガスでタービンを回転させて吸入空気を圧縮するため、タービンの稼働率が低い低回転域ではブースト圧力は小さく、高回転になるほど大きくなり、大きすぎる圧力がかかった場合ははタービンアクチュエーターやウェイストゲートなどの圧力制御弁から排気ガスを逃がすことで、規定のブースト圧になるようにコントロールされています。

ブースト計で0.7kgf/㎠を示しているとき

ブースト圧が0.7kgf/㎠かかっている状態は、大気圧の1.7倍の空気圧をエンジンに吸い込ませていることになります。最大ブースト圧が0.7kgf/㎠に設定されているのなら正常ですが、最大ブーストが仮に0.4kgf/㎠であるのに対し、0.7kgf/㎠と高い数値を示す場合は、圧力制御弁が正常に動作していない可能性が考えられます。高すぎるブースト圧はデトネーションノッキングが起こり、エンジンブローしてしまう危険性が高まります。

反対に最大ブースト圧が0.9kgf/㎠に対して0.7kgf/㎠と低い数値しかかからないといった場合は、圧力制御弁が開いたまま固着していたり、吸気系統のパイプ外れや劣化による亀裂で吸気漏れを起こしている場合が考えられます。

アイドリング時の数値

タービンがほとんど稼働していないアイドリング中のブースト計はマイナス数値を示し、インテークマニホールド内が負圧であることを示すのが正常です。アイドリング中は空気の入り口であるスロットルが閉じている状態のため、インテークマニホールド内の少ない空気をエンジンが吸い込むため大気圧以下まで気圧が下がります。

アイドリング負圧はエンジンのバロメーター

アイドリング中の負圧はエンジンの調子を表すバロメーターといわれます。以前にくらべて負圧が大きく0に近づいた場合は、内部気密を保つことができないことを示すため、パイピングの劣化による圧力漏れの可能性や、摩耗したピストンリングから圧力が漏れてエンジンオーバーホールが必要だということがわかります。

負圧の数値はエンジンの種類や気温などで変動するため厳密な数値は指定することができませんが、明らかに異常な数値を示したり、数値が極端にブレる場合は、エンジンがなにかしらのトラブルを抱えている可能性があります。

まとめ

ブースト圧は、ターボエンジンの稼働状況を表します。古いターボ車やカスタムされたターボ車は一時的にブースト制御が立ち遅れにより、ブースト圧が過大になるオーバーシュートが起きやすくなります。瞬間的なオーバーシュートが頻繁に発生したり、全負荷状態でのオーバーシュートはエンジンを破損させてしまう場合があるため、正確なブーストメーターでの管理が必須です。

そのため、ブーストメーターを選ぶ際も、反応のよい機械式か、電子式ならば反応の速いステッピングモーター式での正確な管理をおすすめします。

なかには意図的にオーバーシュートさせて、アクセルレスポンスをよくするようにセッティングされた車もあるため、正常なブーストメーターの動きを普段から覚えておくこともターボ車を管理するうえで重要です。