2019年06月02日 (更新:2020年06月29日)
ベントレーのエンブレムの由来は?デザインの違いなども紹介
イギリス産の高級車として名高い、今年創立100周年を迎えるベントレー。その前方と後方に付いている翼の形のエンブレムが特徴的です。このエンブレムの由来や、デザインの種類・違い、そして類似したエンブレムを持つメーカーについて紹介していきます。
ベントレーとはどういうメーカーか
1919年発祥のイギリス自動車メーカー
イギリスのクルーに本社を構えるベントレーは、今からちょうど100年前の1919年にウォルター・オーウェン・ベントレーによって創立されました。1920年代から30年代にかけてはル・マン24時間レースで5回も優勝を飾り、モータースポーツ界にその名を轟かせ、1931年にロールス・ロイスに買収された後はロールス・ロイスモデルとのバッジエンジニアリング化が進行。ベントレーはロールス・ロイスよりもよりスポーティーなオーナーカーのイメージで差別化を図ります。
1998年にドイツのVWグループに買収された後は、イギリス王室公務専用車に採用されたり、ル・マンに復帰し2003年には総合優勝を成し遂げるなど、21世紀に入って現在に至るまで様々な面で注目を浴びる、有名メーカーです。
特長・魅力
ベントレーの掲げる目標は、「速い車、良い車、クラス最高の車」を作るというシンプルなもの。それを成し遂げるべく、何十年にもわたり積み重ねた専門知識と革新性を通じてラグジュアリーとパフォーマンスを独自に組み合わせ、世界で最も価値のあるグランド・ツアラーをデザインし製造しています。
大きなエンジン、複雑な構造のエアサスペンション、そして車種によってはフルタイム四輪駆動技術と、高度なメカニズムを持つのがベントレーの特徴であり、かつ贅沢なインテリアの質感、クーペでも大人4人が快適に乗車可能な居住性も兼ね備えているのが魅力とも言えます。
ベントレーのエンブレム:ウイングドB
エンブレムの由来・意味
ベントレーの翼があしらわれたエンブレムは通称「ウイングドB」と呼ばれています。このBという文字はベントレーの創始者であるW.O.ベントレーの頭文字から来ており、前述のル・マン24時間レースにおける5回の優勝を飾ったことにより定着しました。このエンブレムはベントレーが高性能なオーナードライバーズカーであることの象徴として今も脈々と引き継がれています。
エンブレムの種類
このエンブレムは色が赤と黒の2種類が存在し、V8エンジン搭載車が赤、W12エンジン搭載車が黒、という識別になっています。ちなみにベントレーが1番最初に発表したモデルの3Litreには青、赤、緑の3種類が存在していました。
似たようなエンブレムを持つ自動車メーカーたち
ベントレーに似たようなエンブレムを持っている自動車メーカーは幾つか存在しています。ここではその一部を紹介していきます。
クライスラー
クライスラーのバッチは、1924年に創始者のウォルター・P・クライスラーが世に送り出したクライスラーブランド初の車に使用された「ゴールドシール」のエンブレムと、 翼(ウイング)の印のある当時のラジエターキャップを組み合わせたもので、パワーと飛翔のイメージのシンボルでもあり、飛翔をイメージさせるウイングのエンブレムはベントレーにも相通じるものがあります。
ミニ
MINIというロゴマークが使用されるようになったのは1969年からで、現在のミニのエンブレムは、ミニ・クーパーの翼(ウイング)のデザインをミニの活力のシンボルとして用い、それに「MINI」の新書体とを組み合わせたもので、ベントレーのそれとほぼ同じ形状です。
アストンマーチン
ベントレーとアストンマーチン、それぞれ羽根と翼という違い以外はほぼ同じデザインはですが、アストンマーチンのエンブレムはエジプトのコガネムシの仲間・スカラベの羽根をモチーフにしたもの。スカラベは太陽神の象徴として神聖化されており、宝石や陶器などに用いられていました。
まとめ
ベントレーの歴史や特徴、そしてエンブレムについて簡単に説明してみました。今では高級車のイメージが強いベントレーですが、黎明期にはル・マンで活躍し優勝を果たすなど、モータースポーツ界でのその名を轟かせた、力強い車。あのエンブレムはそんな輝かしいベントレーの歴史を証明するものであることは間違い有りません。