2019年06月02日 (更新:2022年11月22日)
「馬のエンブレム」と言えば?ポルシェ、フェラーリ、マスタング、その関係とは?
馬をモチーフにしたエンブレムの車を見掛けたことはありませんか?実はそういった車メーカーは多く、そこにはちょっとした関連性も。馬を模したエンブレムの車メーカーや車種の紹介、関連性について説明していきます。
ポルシェ
ドイツのスポーツカーメーカーを代表するポルシェは1931年に技術者のフェルディナント・ポルシェによって設立されました。
南西部のシュトゥットガルトに本社に構え、1963年に発売された911は、ポルシェのフラッグシップモデルとして現在も製造・販売がされており、21世紀に入るとSUVのカイエン、マカン、そしてハッチバックセダンのパナメーラを発表する等、スポーツカー以外の市場にも参入し成功を収めています。
フェラーリ
ランボルギーニと並び、イタリアのスーパーカーの代名詞として挙げられるフェラーリは、1947年にイタリア北部のモデナ近郊で、元レーシングドライバーのエンツォ・フェラーリによって設立されました。
モータースポーツでの勝利、及びレースへの参戦資金を稼ぐ為に一般向けにスポーツカーの製造・販売をしているとも言われ、F1やル・マンといった世界中の著名なレースで長年好成績を収め、その名を今もなお轟かせています。
フォード マスタング
大量生産技術の導入で自動車産業に革命をもたらした自動車王とも称される、ヘンリー・フォードにより1903年に設立されたのがフォードです。マスタングは1960年代に小型車のファルコンをベースに開発された2ドアクーペで、同社ではモデルT以来となる大ヒットとなりました。
2016年のフォードの日本市場撤退に伴い正規輸入による販売は終了しましたが、シボレーコルベットやカマロと並び、アメリカを代表するスポーツカーとして現在も高い人気を誇ります。
それぞれの馬のエンブレムの関係性
ドイツとイタリアをそれぞれ代表するスポーツカーメーカーとアメリカを代表するスポーツカー。これら3つのメーカーと車種は馬をモチーフとしたエンブレムという共通点があります。それぞれの関係性について辿ってみましょう。
フェラーリとポルシェ
フェラーリ、そしてポルシェも跳ね馬のエンブレムを採用しています。ポルシェの跳ね馬は本社があるシュトゥットガルト市の紋章がルーツになっており、それに所在するバーデンビュルテンブルク州の紋章を組み合わせてエンブレムが成立しています。
そして実はフェラーリの跳ね馬も、このポルシェとルーツが同じ。何故イタリアがドイツの紋章を使用しているのかと言うと、第一次世界大戦で活躍した「撃墜王」と称されるイタリア軍のエースパイロットだったフランチェスコ・バラッカが、撃墜したドイツ戦闘機に付いていたエンブレムを戦利品として自身の戦闘機に付けていたからであり、レーシングドライバーとして活躍していた時代のエンツォ・フェラーリがレースで優勝した際、バラッカの両親から「勇ましさを象徴する紋章」としてそのエンブレムを授けてもらったことが、あのフェラーリのエンブレムの始まりと言われています。
フェラーリとフォード
跳ね馬のフェラーリやポルシェに対し、マスタングのエンブレムは走る馬。マスタングは元々北アメリカ大陸のプレーリー地帯の野生の馬を意味し、フェラーリやポルシェの跳ね馬とはルーツが違い、メーカー同士もあまり関連性が無いようです。
しかし、フォードは過去、ル・マン24時間レースにおいて自社の圧倒的な存在感を示そうと目論み、1963年にフェラーリを買収しようと試みた事がありました。
結局フェラーリ側の拒否により交渉は決裂してしまいましたが、その後「打倒フェラーリ」をモットーに1964年に誕生したフォードGT40は、それまで連続優勝していたフェラーリを圧倒的な速さで破り、4年連続でル・マンを制覇したという痛快なエピソードも存在します。
そして、馬のエンブレムをつけたマスタングのデビューが1964年。偶然と言われればそれまでですが、クルマ好きなら少しワクワクする歴史がそこにはありそうです。
馬のエンブレムは萌える
この記事では馬をモチーフにしたエンブレムの車、そしてそれらのエンブレムのルーツや関連性について紐解いてみましたが、これらのエンブレムの成り立ちには複雑な時代背景やメーカーの生い立ちが関連しているのが伺えました。
自動車メーカー、車種に対する理解がより深まれば、エンブレム一つをとっても楽しみ方が増えるのでメーカーの歴史等をたまに調べてみるのも楽しいかも知れません。