車のパーツによく使われているFRPとは?

2019年05月27日

車のパーツによく使われているFRPとは?

エアロといえば「FRP」というイメージですが、そもそもFRPについて詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、FRPが持つメリットやデメリット、どのようなパーツに使われているのかご紹介します。

FRPの定義とは?

FRPとは繊維強化プラスチックのことであり、〝Fiber-Reinforced Plastics〟の略称です。

ガラス繊維や炭素繊維などの繊維(ファイバー)をプラスチックと混合することで強度を増した複合材料のことを指します。

FRPの特長

軽量で加工が容易であるが弾性が低いのがプラスチック。その解決策として高い弾性を持つ繊維と混合して作られているため、非常に比強度が高いのが特徴です。

混合される繊維にも種類があり、ガラス繊維を混ぜたものはGFRP、カーボン繊維を用いたものはCFRPと呼ばれています。

また、樹脂繊維を使ったものも用途が広がっており、自動車だけではなく船体や鉄道車両、ユニットバスなどへも使われています。

FRPの製造方法

FRPの製造方法は大きく分けて2つあります。

細かくされた繊維をプラスチックにまぶす方法と、繊維の方向性を保ったままプラスチックと合わせる方法です。

前者は主にガラス繊維を混合する時に用いられ、後者はカーボン繊維を使用する場合に用いられます。

ただし、繊維の方向によっては引っ張り強度が極端に弱くなってしまうため、現在では板状にした繊維の層を複数重ねることにより、強度を獲得する方法が一般的となっています。

成形方法は繊維の上に硬化剤を混合した樹脂を気泡を抜きつつ重ねていくハンドレイアップ法やスプレーアップ法と呼ばれる方法がポピュラー。

他にも。繊維と樹脂を重ねたものを圧縮して成形していくSMCプレス法や、加熱することで硬化させる方法など多岐に渡ります。

FRPのメリット

軽量かつ高強度

FRPは、金属よりはるかに軽量であるにも関わらず、それに匹敵するほどの強度を持っています。そのため、乗用車よりもさらに軽い車体と強度を求められるレーシングカーなどに良く使用されます。

耐腐食性が高い

金属はもちろん、その他のプラスチック素材に比べてはるかに腐食しにくいのも特徴です。耐久年限も長く、錆びたりもしない特性を持っています。

汚れを落としやすい

FRPの表面はなめらかです。そのため、汚れを弾くようになっている上、もし汚れが付いたとしても落としやすいという利点があります。地面と近い位置にあるバンパーには汚れがつきものですから、まさに最適な素材だといえます。

補修が容易である

FRPは繊維です。その特性を生かして、破損個所にFRPを貼ってやるだけで補修が出来てしまいます。これは鉄やカーボンにはない強力な利点です。補修しやすいということは、加工もしやすいということ。現在出回っているエアロパーツが、一部を除いてほとんどがFRP製であるのはそのためです。

以上のことから、FRPはとても耐久性が高く、補修も簡単なため大変長持ちさせることが可能な優れた造形素材です。長期間に渡り野外での使用が求められる自動車部品の素材としては、うってつけの素材なのです。

FRPのデメリット

しかし、そんなFRPにもデメリットはあります。

基本的にFRPの加工は手作業による部分がほとんどであるため、完成度が必ずしも一律ではないということ。

また、繊維とプラスチックの合成してできているので、素材の分離が困難でありリサイクルが難しい点も挙げられます。そのまま廃棄することも難しいため、環境保全という観点から見ればあまり好ましくない素材なのです。そのため、繊維をガラス繊維などから麻などの植物繊維で代用することも検討されています。

FRPが使われる自動車部品

純正部品として

ボディをはじめ、プラットフォームやプロペラシャフトにもCFRPを採用しているモデルも存在します。

特にレクサスLFAは、ボディの約65%をCFRPで占められており、ボディへの使用率でいえば先日創立110年を迎えたブガッティの記念モデルとして1台だけ製作されたラ・ヴォワチューレ・ノワァールは、フルカーボンのボディを持っていました。

ただし、これは顕著な例です。純正部品に対するFRPの採用は、各メーカーで開発を続けている状態。量販車としては、現行プリウスPHVのボディにCFRPが採用されて話題になったことが記憶に新しい出来事でしょう。

このプリウスには、バックドアなどCFRPの加工は難しいとされてきた部位にCFRPが採用されています。これにより、今後もさまざまな部位にFRPが採用されていくのではないでしょうか。

カスタムパーツとして

FRPは、純正の部品よりもカスタムパーツとして以前から普及しています。前述したようにエアロパーツにはいわずもがなです。

他の部品としては、比較的平面で大きな加工が必要ないエンジンフードやルーフ、GTウイングなどはCFRP製のパーツも多く販売されており、軽量化と共にカーボンの織り目で〝イジってる〟感を演出してくれます。

まとめ

FRPが自動車部品に普及し始めたのは、軽量化による燃費効率の上昇も理由の一つ。カスタムパーツには以前から使われることが多かったFRPも、ボディに使われていたのはサーキットマシンや一部の高級スポーツカーだけでした。しかし、現在では量販車でもFRPが用いられたボディを持つモデルも増えてきています。愛車のボディのどこかにFRPが使われていないか探してみるのも楽しいかもしれませんね。