クライスラーの歴史やエンブレムの由来を紹介

2019年05月26日

クライスラーの歴史やエンブレムの由来を紹介

「アメ車といえば?」という質問に、まず名前が挙がるであろうメーカーがクライスラーです。日本国内でも「300」や「ジープ」など、手掛けたモデルの人気は高く、日本撤退のニュースが流れた時は、嘆く声が多く聞こえました。今回は、そんなクライスラーの歴史やエンブレムについてご紹介します。

クライスラーってどんなメーカー?

クライスラーは、アメリカ合衆国のミシガン州に本拠地をかまえる自動車メーカーです。同じアメリカの自動車メーカーであるGMやフォードと並び、「ビッグ3」と称されていたメーカーです。

クライスラーの歴史

引用元:www.chrysler.com

クライスラーの創業は1925年の6月。ウォルター・パーシー・クライスラーが開発した、6気筒エンジンを搭載する自動車「クライスラー・シックス」を製造・販売するための会社として産声を上げました。

創業者でありながら技術者でもあったウォルター・パーシー・クライスラーは、前職である鉄道技師で培ったノウハウを次々と注入していきます。

クライスラーの技術力の高さはここを源泉にしており、GMやフォードに比べても一歩先を行く技術力を擁していました。

量産車には前例が無かった4輪油圧ブレーキや、木材を使わないフルスティール・ボディの製造。また、パワーステアリングなど、現在では一般に浸透して当たり前のようになっている技術も、実はクライスラーが開発した技術なのです。

引用元:www.chrysler.com

1930年代に入って、流線形のエクステリアデザインを取り入れた「クライスラー・エアフロー」を開発。先進的な形状で世界を驚かせたのち、1941年からは当時のアメリカ軍の要請に応じて軍用のジープを製造するようになります。

大戦の特需により、大きな利益を上げたクライスラーですが、50年代からはさらに大きな変化が起きることになります。

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アメリカの好景気に乗る形でクライスラーの業績は黄金期といっても過言ではないほどの伸びを見せます。特に、高性能な大型車が大衆に受け入れられ、大きく売り上げを伸ばしました。クライスラーは、勢いのまま欧州を中心とした中小規模の自動車メーカーを次々と買収。拡張路線へと舵を切ることになります。

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しかし、その隆盛も長くは続きませんでした。70年代に入ると、日本やドイツメーカーとの競争やオイルショックに端を発する景気の悪化により、業績が急速に悪化していきます。これには、拡張路線を取ったクライスラーの戦略の一つであったフルラインナップ化も原因であったといわれています。

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倒産寸前にまで追い込まれることになったクライスラーですが、主力モデルを大型車からミドルサイズへ変更したり、徹底的なコストカットを断行。同時に売り上げも回復に向かい、業績を戻すことに成功したのです。

その後、クライスラーは様々な自動車メーカーと業務提携を結ぶ道を選択します。三菱自動車や、マセラティと業務提携を結び、アメリカンモータースを買収、ランボルギーニもこの時にクライスラーに買収されています。

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なんとか立ち回っていたクライスラーですが、1998年にドイツのダイムラー・ベンツと合併。社名を「ダイムラー・クライスラーAC」とします。対外的には〝合併〟とされていましたが、事実上ダイムラーによるクライスラーの買収でした。

ですが、合併後も原油価格の高騰などの影響により再び経営不振に陥り、2008年から始まった世界金融危機において、ついに経営は行き詰ります。

引用元:www.fcagroup.com

世界的不況のあおりを受け、2009年に経営破綻。連邦倒産法の適用を申請せざるを得なくなりましたが、手続き完了から約1ヶ月という驚異的なスピードで再建。現在ではイタリア・フィアットの完全子会社として傘下に収まっています。

クライスラーの人気車種

クライスラーを代表する車種といえば、やはり「300C」は外せません。発売されたのは2004年のこと。1955年から始まった、クライスラーのモデルの大型化・高性能化を体現する高級セダンです。

元は300Mの後継モデルであり、2001年のデトロイトモーターショーに出展された「ダッジ スーパー8HEMI」を前身としており、〝アメ車然〟とした迫力のスタイリングに加え、充実した装備を搭載しながらも比較的リーズナブルだったことから人気が爆発。クライスラーの業績を救ったモデルともいわれています。

2011年にはモデルチェンジされることになり、現行の型へ。大幅にリデザインされたエクステリアを持ち、LEDデイライトなど欧州のトレンドも取り入れられています。

日本での販売グレードは「300」「300リミテッド」「300C ラグジュアリー」の3グレードであり、後期型で「300S」へと車名を変更して販売していましたが、2017年の12月をもって国内の販売を終了しています。

ベースグレードである「300」の基本となるスペックは以下の通りです。

  • 全長:5070mm
  • 全幅:1905mm
  • 全高:1495mm
  • ホイールベース:3050mm
  • 搭載エンジン:3.6リットルV型6気筒 DOHC

クライスラーのエンブレムの由来は?

引用元:www.chrysler.com

クライスラーのエンブレムで特徴的な「ウイングバッヂ」は、創業者であるウォルター・パーシー・クライスラーが1924年に開発した「クライスラー・シックス」に使われていた「ゴールドシール」のエンブレムに、ウイングが刻まれた当時のラジエーターキャップを組み合わせたもの。

これには、「パワー」と「飛翔」のイメージがあり、五角形のロゴマークは五芒星を表現しています。

クライスラー傘下

DODGE(ダッジ)

1914年に設立されたダッジブラザーズ自動車を前身とする自動車メーカーであり、1928年にクライスラーに買収され傘下に収まりました。

かつてはその販売台数の内、約78%ほどをトラックなどが占めていましたが、トラック部門が分離されたことから2009年からは乗用車専門のブランドとなっています。

販売している「チャージャー」や「チャレンジャー」などは、アメリカンマッスルカーとして、日本国内でも高い人気を誇っています。

特徴的なのは十字のフロントグリルと羊を模したフードマスコットですが、これが初めて使われたのは1930年代のはじめ。50年代に入ってからは広告として車の信頼性をアピールするために「ラム(雄羊)」のイラストが多く用いられるようになります。

現在のロゴが乗用車に使われ始めたのは1990年代の後半に入ってからのこと。

ただし、現行のモデルにはこのラムのロゴマークはエンブレムとして使われておらず、リアに「DODGE」と社名が入れられている場合がほとんどです。

JEEP(ジープ)

現在ではクライスラー同様フィアット傘下にあるジープの歴史は、1940年にまで遡ります。

第二次世界大戦中のアメリカ陸軍の要請を受けて開発された小型の4輪駆動車を元祖に持ち、耐久性の高さと悪路走破性を持って多大な功績を挙げたとされています。

由来については現在でも議論がなされており、定かではありませんが当時のアメリカ軍の偵察車両のことを「ジェネラル・パーパス」のイニシャルである「GP」を早口で発音したことに由来するという説が最も有力なようです。

まとめ

先進技術と独創的なスタイルで、アメ車の歴史を作り続けてきたクライスラー。2017年にジープ・クライスラー以外の日本国内での販売からは撤退してしまっているため、クライスラーブランドの新車の購入は、並行輸入などに頼るしかない現状となっています。世界情勢の影響を受けてフィアット傘下となったクライスラーですが、これからもクラシカルな雰囲気漂うパワフルなモデルを作り続けてくれることに期待しましょう。