ECU書き換えをするまえに知っておくべきこと

2019年05月22日

ECU書き換えをするまえに知っておくべきこと

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現代の車では様々な電子部品を制御するためにコンピュータ制御が行われている事をみなさんはご存知だと思いますが、チューニングを進めていく上で一度は耳にしたことがあるであろうエンジン制御プログラムを書き換えるECU(現在では電子制御装置の総称であるElectronic Control Unit、旧称Engine Control Unit)、一体どのようなものなのでしょうか。今回はECUの書き換えについて解説をしていきたいと思います。

ECU書き換えとは

早速ですが、ECUの書き換えとは一体なんなのでしょうか?その答えはとても簡単で、ノーマルのECUでは安全マージンが多くなるようになっており、高負荷高回転域ではエンジンを壊してしまわないように空燃料が濃いめになるよう設定されたりしています。エンジンが持っている特性と制御内容を最適化し、性能アップを図ることがECUチューンの醍醐味とも言えますね。

エンジンコントロールユニットを書き換えること

ECUを書き換えることによって、レブリミッター・スピードリミッター・点火時期・空燃比・バルブタイミングの制御、ブースト圧・水温・油温などと連動した補正値を最適な物に書き換えるだけで劇的な変化を起こすことができます。チューニングと言うよりは今の仕様に合わせたECUのリセッティングと言った方が正しいかもしれませんね。

何故ECUを書き換えるのか

吸排気系が純正状態のECUではノーマルエンジンに対して手厚めの補正が入ってしまっていますが、エアクリーナー・タコ足・マフラーなどを交換している車両では吸排気効率が良くなり、燃料重量÷空気重量=理論空燃比である14.7よりリーン(薄い状態)になってしまいます。理論的には14.7の空燃比がいいと言われていますが、実際はエンジンの状態によって空燃比を変える必要があります。

アイドリングや低速時は回転数が低く吸排気ともに弱い状態で燃料室内の空気が残留し、薄めとなってしまう傾向にありますので安定させるためにリッチ(濃い状態)にする必要があります。

負荷が少ない中・高速域では燃費を良くするために比較的軽めの空燃比が望ましいです。

高負荷がかかってしまう全開時などは空燃費をリッチにする必要がありますが、高回転時には混合気の燃焼が追いつかず、結果としてアフターファイヤーを発生させてしまいます。しかし、燃料で熱を冷ます目的を持たせることもあるので、決して目立ちたいためにアフターファイヤーを出しているわけではありません。

通常なら燃焼室内の熱はシリンダーブロック・シリンダーヘッド・バルブシートなどから逃して冷却していますが、高回転高負荷になるとこのサイクルが間に合わなくなり最終的にはピストンやバルブの溶着(焼きつき)を起こしてしまうことになります。空燃比を濃くすることで燃焼速度を速くしたり、燃焼温度を下げることにつながります。

空燃料がリーンだと基本的にはパワーが上がるのですが、一番パワーが出るのは理論空燃費です。しかし、その状態で走り続けると熱を持ち最終的に溶着…。空燃料がリッチだとパワーが出にくくなり最悪の場合はプラグがカブってエンジンストール…。そうなってしまわないためにもECUの制御項目を最適化させる必要があるのです。

ECU書き換えのメリット

では、純正でエンジン保護を目的とし設定されている数値からわざわざ書き換えるメリットは一体なんなのでしょうか。それはここまでにも書いてきましたが、エンジンの制御が幅広くコントロールすることが可能だからです。

エンジンの性能を高くすることができる

ベストな状態で制御ができると、ターボ車では大幅な出力アップが期待できます。データ上で数値が変わっていなくても、運転手の意思通りの反応をしてくれるエンジンなら踏みやすさなどにもこだわったエンジン特性に仕上げることができます。エンジンフィーリングが自分の好みに仕上がってくるとドライビング自体も楽しくなってくれます。

乗りやすくなる

パワーやトルクの寄せ方にもよりますが、エンジンの性能が高くなれば街乗りでも余裕がでてくるので多少乗りやすくなったりもします(カリッカリのセッティングだと気軽に乗れなくなる場合もありますので、お店の人と相談しながらセッティングをするのが理想です)

ECU書き換えのデメリット

メリットを説明したところで次はデメリットもしっかりと説明していきます。とても繊細な方法なので間違った方法だとエンジンを壊してしまう可能性もありますので…。

安いチューニングではない

ECUの書き換えは、メリットが多い分費用と時間がかかってしまいます。車両によっては自身でマッピングできてしまう車両もありますが、基本的にはショップに車体を持ち込むことになってしまいます。この場合だと、自分の好みのフィーリングになるまでに何度もトライアンドエラーを繰り返す必要が出てきます。一発で好みの状態に仕上がることはとても稀で、何度も繰り返していくうちに金額と時間がかさんでしまいます。

あまりにも極端なセッティングに挑んでしまうとエンジンに負荷がかかり最悪の場合は壊れてしまうリスクもあります。大手有名チューニングショップでは実走セッティングを行なってくれるところもありますが、やはり金額はそれなりにかかってしまいます。

※ECUのセッティング中に万が一エンジンがブローしてしまってもユーザーは部品代の負担、業者は工賃の負担という割合が多いので自分が信頼できると思うお店を選択しましょう。

燃費が悪くなる

業者さんもすぐにエンジンが壊れてしまうようなパワー重視のセッティングは絶対にしません。マージンを持たせるためにリッチな状態にすることがあり燃費としては悪くなってしまう傾向にありますが、極端に燃費が悪化することはありません。

ECU書き換えにかかる費用

上記のメリット・デメリットを踏まえてECUのセッティングに挑戦したいと思っている方は、費用をしっかりと参考にしてください。

部品代

純正マップを書き換えてあるタイプのECUを購入する場合だと価格は安くても¥60,000〜となっていますが、ショップにある車体をベースにECUが作成されているため、自分の車につけたからと言って100%の性能を発揮できるわけではありません(恐らくそのショップと全て同じ仕様にしても個体差があるので100%はほぼ出せないと思います)

車両を持ち込んで今付いているECUの書き換えを行う場合は基本的に部品代は必要ありませんが、セッティングの際に修理や必要なパーツが出た場合は別途費用がかかってしまいます。メインECUでセッティングができない場合はサブコンやフルコンでの現社セッティングになりますので、コンピュータ代金がかかってしまいます。

工賃

純正ECUを使って書き換えをしてもらう際の工賃は安いお店では¥40,000〜となっていますが、現車セッティングが必要な場合はプラス¥50,000〜、合計で¥90,000〜費用がかかってきます(基本はECUセッティング+現車セッティングになります)現車セッティングの場合はその車両専用のマッピングにしてもらえるので安心ですね。但し、ECUの脱着費用が別途必要になるショップもあるのでお店の人としっかり見積もりなどのやりとりをしてください。

ECUセッティングをしてくれるショップではパワーチェックシートを渡してくれる所もありますので、ECUセッティングを突き詰めていくのであればとても強い味方になってくれます。

まとめ

今回はライトチューン以降のユーザーに人気の高いECUセッティングについて、特にセッティングを行う前に知っておいて欲しいお話でしたがいかがだったでしょう。エンジン制御しているものを別のデータに書き換えるため実際にはリスクがついて回ることもあります。

やはり知識や技術のあるお店やチューナーの方にお任せするのが一番で、ご自身で行う際は最悪エンジンを壊してしまうかもしれないと覚悟が必要です。またECUセッティングは正解が無いに等しいので、自身のフィーリングが全てになります。チューニングとしては一時のピークを求めるよりもトータルバランスを重視した方が扱い易く、結果として速くなる場合があります。

車の状態をしっかりと見極めて、長く愛車と付き合っていけるセッティングを見出してみてはいかがでしょうか。