2019年05月20日 (更新:2022年11月08日)
リアウイングって?その役割と取り付けについて知っておこう
スポーツカーの多くに装着されている、車体後方の大きな羽根のような部品・リアウイング。大きければ大きいほどスピードが出そうな感じがしますし、小さくてもワンポイントとして車体を飾ってくれたりするのですが、本来は何のために装着されるのでしょうか?今回はそんなリアウイングの謎に迫っていきたいと思います。
純正でリアウイングが取り付けされていない車でも、部品さえ売っていれば後から取り付けする事も可能なので、相場や取り付けに必要なものも解説していきますね。
リアウイングとはどういうものなのか
リアウイングとは、車体後方に装着される翼断面を持つ整流パーツのことです。ボディとウイングが離れておりウィングの下側にも空気が流れるタイプの物がリアウイング、ボディにピッタリくっついていてボディ面の整流をするタイプはスポイラーと呼ばれています。
リアウイングは数本のステーと翼断面でトランクリッドやハッチバックに固定されますが、翼断面のウイングは上面と下面に流れる空気の速さ(圧)を変えることでダウンフォースを発生させています
リアに付けるウイング
車体の前方はボンネットやフロントガラスなど風が当たる場所も多くダウンフォース自体は発生しやすくなっていますが、車体後方はルーフ以降どうしても乱気流が発生しやすくなっており、ダウンフォースが稼ぎにくくなってしまいます。ウイング上面より下面に流れる空気を早くしてあげると、下面の気圧が高くなりウイングを下に押し付けることができます。
極端に言ってしまうと、車体後方の空気は乱気流(車体前方と後方で気圧変化が起こっているため)として車体から剥がされ、空気量が少なくなってしまい負圧になってしまう。それによって車体が引っ張られるのを防ぐために、リアウイングがつけられているとイメージしていただくと良いと思います。
役割
リアウイングの役割は整流とダウンフォースの発生です。車体のルーフ部以降の空気を乱気流に変えてしまう前に、リアウイングで風の流れを整える。整えた空気をウイングに当て上面下面の気圧変化を起こしダウンフォースを発生させます。
構造
リアウイングは飛行機の翼を逆にした形状の板や空気抵抗を少なくする形のステーなどで構成されていますが、ウイングそのものの形状はストレートタイプのものや3D形状のものなど、様々なタイプが販売されています。取り付けステーにも種類があり、ウイングをステーの上に乗せ設置するタイプや、ステーの取り付け部を下に向けたスワンネックタイプというものもあります。
リアウイングとリアスポイラーの違い
リアスポイラーとは、主にボディにベタ付けの空力パーツのことを指します。それに対し、リアウイングは取り付けステーがついており、ボディよりも高い位置に配置されるものになっています。どちらもダウンフォースを発生させるものですが、リアスポイラーは機能面よりもドレスアップ目的、リアウイングは走行性能の向上を目的として装着されることが多いのが特徴と言えます。
リアウイングを装着すると何が変わるのか
リアウイングを装着する事によりメリットやデメリットも出てきますが、多くの物はメリットの方が大きいのではないでしょうか。ここからはリアウイングの装着で具体的に何が変わるのかを解説していきます。
見た目
リアウイングは面積の大きい物やレースマシンに使われているようなデザインの物が多く販売されており、見た目のインパクトは絶大です。特に社外品のリアウイングはデザイン性が重視されていますので、エアロパーツと組み合わせると見た目を変える効果はとても大きく、よりスポーティな印象を強めることができます。
ダウンフォースの発生
上記でも触れていますが、リアウイングがないとダウンフォースを稼ぎにくくなってしまいます。リアウイングの装着により高速走行時の車体を安定させ、ブレーキをかけた時のリアグリップ低下を抑制、高速でコーナリングをするときも車体が安定します。これほどまでにダウンフォースの恩恵は大きいので、スポーツ走行を楽しむ方は必須アイテムといっても過言ではありません。
重量増加
リアウイングを装着すると当たり前ですがその分重量が増加してしまいます。更にウイングの角度次第では走行中の風の当たり方が変化してリアをしっかりと押さえつけるようになりますので、車体重量が増してしまう感覚があります。足回りをしっかりと調整しておかないと、サーキットなどで本気の走行をする場合には慣れない挙動で戸惑う事もありますので、注意してください。
リアウイングの取り付け工賃
メリットがとても多いリアウイング。そのの取り付けにかかる工賃はいったいどれくらいなのでしょうか。相場を調べてみました。
業者の相場
ウイングの取り付けはカー用品量販店や専門のチューニングショップ、街の整備工場など工具があるところでは大体引き受けてもらえます。工賃は安いお店だと¥5,000~となっており、車種や形状によって金額が上がるような設定になっていますが、どのお店もウイング取り付けで¥15,000を超えてくることは珍しいようです。
自分で取り付ける場合の難易度
DIYでウィングの取り付けを行う場合には左右均等の場所にウイングを設置する必要がありますので、スケールメジャー・マスキングテープが必要なのに加えて。トランクリッドやハッチバックに穴開け作業を行うためのドリル・ホールソー、錆止め処理としてボディーカラーと同色のタッチペン、ウイングステー固定のためにスパナ・六角レンチなどが必要となってきます。
ハッチバックタイプのGTウイングは挟み込みタイプのステーが多いようなのでドリルやホールソーまでの工具は必要ありません。どちらもリヤガラスが近い場所にあります、リヤガラスに傷を入れたり割ったりしてしまうようなトラブルを回避すべく、毛布などでしっかりガラスをカバーすることもポイントです。
まとめ
今回はリアウイングについての解説でした。走行性能やドレスアップにも効果があり、重量以外にはほぼデメリットがありません。スポイラーでは満足できない方は、ちょっと大きなウイングを付けて周りと差をつけてみてはいかがでしょうか?