自分でできる!オイルエレメントの基礎知識と交換方法

2019年05月20日

自分でできる!オイルエレメントの基礎知識と交換方法

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普段から車に乗る人はディーラー・ガソリンスタンド・カー用品店などで行うオイル交換作業で、オイルエレメントという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、車のオイルエレメントの基本情報や交換方法について解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

オイルエレメントの基本事項

オイルエレメント(別名オイルフィルター)とは車のエンジンオイルの汚れをろ過させるためのフィルターのこと。コーヒーを入れるときに豆カスが入らないようにするためのコ-ヒーフィルターをイメージしていただくと、分かりやすいかもしれません。

エンジンオイルはエンジンのコンディションを保つための液体で、「潤滑」「冷却」「密閉」「防錆」「洗浄」という5つの重要な役割を担っています。エンジン内にエンジンオイルを循環させていないと焼き付きなどでエンジンが壊れてしまいますが、エンジンオイルは熱などによって汚れてしまったり金属片を吸収したりしてしまうので、フィルターでろ過しないと、悪いコンディションのまま、エンジン内を循環してしまうのです。

役割

オイルエレメントの主な役割は上記でも軽く触れているとおり、エンジンオイルのろ過。エンジン内部のオイルと混ざった燃料や、オイルの燃えカス(総称カーボンスラッジ)を除去するための部品です。長い間エンジンオイルを交換しなかったりオイルエレメントの交換をしなかった場合には、内部のフィルターが目詰まりを起こし、最悪の場合はエンジンの破損につながってしまいます

構造

オイルエレメントの構造はとても簡単に作られているように見えますが、内部は6つの部品で構成されています。各部品の役割は以下の表を参考にしてください。

部品名称 役割
サポートスプリング 振動やオイルの油圧によりエレメントが動かないように保持します。
リリーフバルブ 油の粘度が高いエンジンの始動時やフィルタエレメントが目詰まりを起こした時に、油の流量を確保する為に動きます。作動時オイルはろ紙を通らず汚れたままエンジンへ供給されます。
フィルタエレメント(ろ紙) エンジンオイル内の異物や不純物を取り除きます。ヒダ折り形状によって多くの濾過面積を持っています。
アンチドレーン弁 エンジン始動時に給油切れを起こさないよう、フィルタ内のオイルがエンジン停止中にオイルパンへ逆流するのを防ぎます。
ガスケット エンジンブロック側の取り付け面とフィルタをしっかりシールします。熱・オイルに侵されないように高品質材料が使われています。
圧力調整弁(レギュレータバルブ) オイルポンプからの油圧が一定以上になると開放し、オイルをバイパスさせエンジン内の油圧調整を行なっています。オイルポンプに組み込まれているものもあります。

取り付けられている場所

取り付けられている場所は必ずエンジン本体の下側に位置するエンジンブロックという部分です。中古車を購入する際、チューニングカーを購入した場合などは社外品のオイルエレメント移設キットなどによってはエンジンブロック以外の場所に設置されている場合もあります。

交換するタイミング

オイルエレメントの交換時期はオイル交換2回に1回ということはご存知の方も多いと思いますが、他にも交換のタイミングがあります。一般的に言われているのは、走行距離15000キロ〜30000キロ程度・使用期間1年〜2年程度での交換。最近ではロングライフオイルなども販売されていますが、走行距離や試用期間によっては、交換の必要がありますね。

交換に必要な工具

では、実際にオイルエレメントを交換する為にはどのような工具が必要になってくるのでしょうか。必要最低限の物だけでもご紹介したいと思います。

ジャッキ類

車のエンジンブロックと呼ばれる部分はエンジン本体の下部にあります。エンジンルームから交換することは滅多にできませんので、ジャッキやスロープなどが必要になってきます。足場の安全を確保し、ジャッキアップポイントを守って、車体が落下しないように注意しましょう。

ラチェットやスピンナーハンドル

スライドタイプやカップタイプのオイルフィルターレンチには必ず工具が必要になります。ラチェットハンドルやスピンナーハンドルを使用して外すと、作業がしやすくなります。

オイルフィルターレンチ

オイルエレメントを外す為に必要になってくる工具です。バンドタイプ・スライドタイプ・プライヤータイプ・チェーンタイプ・カップタイプなど種類がありますので、購入の際は種類を選ぶ必要があります。どのタイプにもメリット・デメリットがありますので、簡単に解説していきます。

種類 メリット デメリット
バンドタイプ サイズが合えば力を伝えやすいので簡単に外すことができる。固着しているエレメントにも使える。 サイズによってはバンド径が合わないことがある。オイルフィルターの取り外しには便利でも増し締めは傷が入るので不向き。
スライドタイプ 方向が一定ではないタイプの物なら増し締めにも使える。ラチェットやスパナなどでも使える物が多い。 サイズによっては径が合わないことがある。エレメントが固着していた場合には外せない事もある。
プライヤータイプ 価格は安価なものが多い。手のサイズにあってしまえば力が入りやすく取り外しが楽になる。 サイズが合わないと手で掴むことができないので取り外し自体ができない。狭いスペースで作業できないことがある。増し締めにはやや不利。
チェーンタイプ エレメントに噛み込むので固着しているエレメントに対してはとても強力。狭いスペースでも作業しやすい。 掛ける場所を選ばないとエレメント自体が破損する。増し締めには使いにくい。エレメントに掛ける作業がやや難しい。
カップタイプ 専用サイズなのでエレメントに合わせやすい。ラチェットやスパナでも使える。増し締めもしやすい。 固着には非常に弱い。購入の際は車のエレメントサイズを覚えておく必要がある。

オイルエレメントの交換方法

では、実際にオイルエレメントを交換する手順について解説していきます。エンジンの型式などによっては、作業が難しい場所についている車種もありますので、注意してください。

エンジンを温めてからジャッキアップする

エンジンオイルを暖めて流れやすくする為に、暖気程度でいいのでエンジンを始動しておいてください。暖めすぎてしまうと熱くて作業が進みにくくなりますし、火傷の恐れもあるので要注意です。ジャッキアップしたまま暖気に入ってしまうと、オイルが内部で寄ってしまい、重わぬダメージを与えてしまう可能性がありますので控えましょう。

エンジンオイルを抜いてからオイルエレメントを外す

暖気とジャッキアップが完了したら必ずエンジンを止め、革手袋を装着してからオイルフィラーキャプを一番に外しましょう、フィラーキャップが外れない場合は絶対に作業しないでください。エンジンの最下部にあるオイルパンからドレンボルトを緩めてオイルを流し出します。ATFのオイルパンと間違えてしまうと走行できなくなってしまうので、ATF側のドレンボルトだけは絶対に外さないでください。

※簡単な見分け方としては、エンジンブロックにエレメントが付いている側がエンジンオイルパンだと覚えておきましょう。基本的にATFは六角穴付きボルトで付いているものが多いです。色はオイルパンが黒、ATFオイルパンはシルバーだったりしますが、メーカーによってはATF側も黒の車体があります。(スバル一部の車種にはATFエレメントもありますので注意してください。ATFエレメントにはATFと記載してあります)

新しいオイルエレメントを取り付ける

エレメントを外す際は力んでしまいがちなので、うっかりエンジンなどの熱を持っている部分に触ってしまわないよう気をつけてください、当たると本当に熱いですからね!エレメント自体が丸みを帯びているので、エレメントカップを使う際はしっかりとカップを引っ掛けてください。途中で外れてしまうと弾みでよその場所に当たり、これまた熱いです。最悪ミッションにパンチすることになり突き指など怪我の恐れもあります。

一番良い外し方は、叩いたり勢いよく外そうとせず、ジワジワと緩めるような感じで作業していくと意外にも上手くできます。エレメントが緩んできたらオイルが流れ出てきますので、流れ出た時点で一旦手を休め、火傷しないようにオイルが少なくなるまで待ちましょう。

オイルが少なくなったらエレメントを外し、ガスケット部分(エレメントの下部)同士を合わせてガスケットの径が同じかどうかを確認するとともに、新しいエレメントのガスケットにオイルを塗布しておくと、固着の防止にもつながります。エレメントを装着する際は100%の力で締め付けないようにしてください。片手で回せるまで回して、ちょっと増し締めくらいの感覚で大丈夫です。最終的には、工具は使わず両手で外そうとしても回らないくらいがちょうどいいです。

新しいオイルを入れる

オイルエレメントとドレンプラグの締め忘れがないかをしっかりとチェックし、フィラー部からエンジンオイルを入れていきます。この時、オイルゲージをちょっとだけ緩めた状態にしておくと、オイルがエンジン内に流れていきやすいです(ゲージを全抜きしてしまうとゲージガイドからオイルが逆流してくる事もありますので注意してください)

オイルを入れたら量を確認しますが、必ずオイルゲージのアッパーとロワの中間以上の位置まではオイルを入れるようにしてください。エンジンを始動したらエレメント内にオイルが流れていきますので、再度エンジンを止めオイル量を確認してください。エレメントに流れた分、量を足してフィラーキャップを閉めれば完了です

ちなみに、私が整備士時代に気をつけていた事ですが、水平対向エンジン・V型エンジンはオイルの落ちが遅いです!オイルの量を測る時にはしっかりと時間をかけてあげてください。次々にオイルを足していくと油量過多になります。

エレメントが下向きになっている車種はオイルで革手袋がすぐに汚れてしまいます。コンビニの袋などを使うと、革手袋が汚れないように作業が出来るようになります。

ホンダ車の一部はエレメントがフロア側のブロックに付いていることがありますが、エキゾーストパイプが近くにあり非常に火傷しやすく、そしてエレメントが外しにくいです。ヤケド防止のために長袖の着用をおすすめします。

日産の一部車種はエンジンルームからエレメントを外した方が楽な場合があります(SRエンジン、RBエンジンなど)

まとめ

今回は、エンジンの寿命を縮めないための大切な部品であるオイルエレメントの基本情報や作業方法に関しての解説でした。オイルエレメントは長時間使っていると詰まってしまうだけでなく、ろ紙自体も溶けてオイルと一緒に循環してしまう事も少なからず起きます。大事な部品をメンテナンスして、愛車を大切に長く乗ってあげましょう。