2019年05月11日 (更新:2022年10月25日)
アルテッツァの中古車について解説!購入前に知っておきたいポイント!
ミドルクラスのFRスポーツモデルとして、走り好きには現在でもなお人気があるアルテッツァ。そんなアルテッツァをこれから購入しようと考えている方の為に、知っておきたいことや注意点などを紹介しましょう。
アルテッツァの基本情報
4WDスポーツセダンブームの中で、FRという駆動方式にこだわって作られたミドルクラスのセダンです。走行性能と居住性の両立を実現するために、新型FRプラットフォームを開発。重量バランスも考慮して縦置きエンジンをフロントミッドシップに置きました。
さらにショートオーバーハングと、走りへのこだわりがうかがえます。エンジンは2000ccで、直4と直6があり、エンジンにより6MT、5AT、4ATの3種類のミッションが組み合わされました。クロノグラフ時計をイメージしたメーターやモノトーンの内装など、室内の作りにもスポーティな感覚がちりばめられています。海外ではレクサスのエントリーモデル「IS」の初代モデルとして販売されました。「アルテッツァ」とはイタリア語で「高貴」という意味です。
またトヨタから販売されていた「プログレ」や「ブレビス」とプラットホームを共有しており、スポーツセダンでの位置づけでした。2005年にレクサスが日本国内での販売を開始したことにより、ISモデルが新たに展開され、アルテッツァはトヨタの製造から姿を消すようになりました。
アルテッツアのグレードと価格
アルテッツァの発売は1998年10月30日。2001年5月にマイナーチェンジを行い、2005年3月に「RS200」が生産終了、2005年7月に販売を終了しています。基本のグレードは「AS200」と「RS200」で、それぞれに仕様違いが3車種あり、計8つのモデルが販売されました。アルテッツァの販売当時の新車価格は以下のようになっていました。
グレード | 6MT | 4AT |
---|---|---|
2.0 AS200 | 2,140,000円 | 2,150,000円 |
2.0 AS200 Lエディション | 2,95,5000円 | 2,97,5000円 |
2.0 AS200 Zエディション | 2,380,000円 | 2,390,000円 |
2.0 AS200 ワイズセレクションⅢ | 2,100,000円 | 2,350,000円 |
2.0 RS200 | 2,310,000円 | 2,330,000円 |
2.0 RS200 Lエディション | 3,150,000円 | 3,190,000円 |
2.0 RS200 Zエディション | 2,530,000円 | 2,560,000円 |
2.0 RS200 リミテッドⅡ | 2,300,000円 | 2,340,000円 |
AS200
アルテッツァのグレード分けには明確なスタンスがあり、このAS200ではエレガントなセダンというコンセプトになっていました。レクサスが国外に向けて販売していたISモデルと同様の6気筒エンジンを搭載し、滑らかな動きと上質な乗り心地を目指していたものになります。
販売当初はトランスミッションの設定が4ATしかなく、スポーツ志向はもう一つのグレードであるRS200へと丸投げした形となっています。しかし、後にAS200にも6MTを搭載した車両が出てきました。160psを出力するエンジンは、決してパワフルではないものの、スムーズに回転し、ストレスなく走ることができるグレードに仕上がっていました。
RS200
AS200とは違い、完全にスポーツ志向のグレードとして展開されていたのが「RS200」になります。6MTと4ATの設定があり、4気筒エンジンを搭載するそのパワーは、扱いやすくも力強い走りを見せてくれて、ハチロクのレビンやトレノに続いてのFRスポーツとして、モータースポーツシーンでも多くのユーザーに使用されてきました。
2000ccながらも自然吸気エンジンとしては、当時国内最高となる210psの最高出力まで発揮されており、チタンバルブを使用するなど、最先端の技術が盛り込まれている車となっていました。
280T【100台限定】
日本国内で100台限定で生産された特別仕様車となるのが「280T」です。その特徴は、他のアルテッツァには付いていなかったターボが付いていることでしょう。最高出力は当時、メーカーの自主規制となっていた280psは確実に出ており、本来のポテンシャルからするとさらに高出力だったのではないかとも言われています。
トムズが制作した車両になるので、メーターはトムズ製、ホイールもトムズ製となっています。リアエンブレムには、他のグレードにはない「280T」のエンブレムが輝いており、限定車両でもあった280Tは、なかなか手に入れることができないグレードとなっています。
アルテッツァのスペック
アルテッツァの主要諸元は以下の通りです。車重等はグレードや装備によって若干の差はあります。
諸元 | AS200 | RS200 |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 4400 x 1720 x 1410 (mm) | |
ホイールベース | 2670(mm) | |
車両重量 | 1310(kg) | 1350(kg) |
排気量 | 1988 cc | |
最高出力/回転数 | 118 kW (160 PS) / 6200 rpm | 154 kW (210 PS) / 7600 rpm |
最大トルク/回転数 | 200 N・m (20.40 Kgf・m) / 4400 rpm | 216 N・m (22.00 Kgf・m) / 6400 rpm |
エンジン形式 | 1G-FE | 3S-GE |
エンジン種類 | 直列 6気筒 DOHC | 直列 4気筒 DOHC |
燃料 | レギュラー | ハイオク |
燃料タンク容量 | 60L | |
10-15モード燃費 | 11.6(km/l) | 11.4(km/l) |
サスペンション(前) | ダブルウイッシュボーン | |
サスペンション(後) | ダブルウイッシュボーン | |
タイヤサイズ(前) | 195/65R15 | 215/45ZR17 |
タイヤサイズ(後) | 195/65R15 | 215/45ZR17 |
アルテッツアの中古車価格
販売終了から時間が経過しており、グレードによっては市場在庫が少なくなってきている車両もあります。中古車市場にどのくらいの台数があり、平均価格はどのくらいとなっているのか。また、最も安い中古車や最も高い中古車のそれぞれの程度についてもご紹介していきます。
AS200
価格についてアルテッツァはやはり人気がMTに集中。同じ様な車両コンディションでも価格が5倍になることもあるようです。しかもMTは流通している台数が少なく購入を検討している場合は時間をかけて良いコンディションの車両を探すのがおすすめです。
グレード | 新車価格 | 中古車価格 |
---|---|---|
AS200 Zエディション/6MT | 238万円 | 107万円 |
AS200 Zエディション/4AT | 239万円 | 20万円 |
RS200
直列4気筒の210psの自然吸気エンジンを搭載し、完全にスポーツ志向の車としてのグレードとなるため、AS200よりも人気が高いグレードになります。グレードの違いによる価格差は余り見られないものの、車両コンディションにより価格差がが発生している場合が多いようです。車両によっては新車価格を超える車両もではじめているため、今後の価格動向がきになるところです。
グレード | 新車価格 | 中古車価格 |
---|---|---|
RS200 Zエディション/6MT | 253万円 | 128万円 |
RS200 リミテッドⅡ/6MT | 230万円 | 159万円 |
280T
280Tの生産台数は僅か100台。限定車両でもかなりレア度が高いため、流通している台数が少なく、探している人も多いグレードになります。もちろんそのため価格も高くなって来ており、RS200のMT同様今後も価格の高騰は継続しそうです。購入したい方は一定期間の相場を継続して見ながらより良いコンディションの車両を探すことをおすすめします!
グレード | 新車価格 | 中古車価格 |
---|---|---|
TOM'S 280T | 364万円 | 220万円 |
アルテッツァを中古車で購入する際の注意点
アルテッツァの中古車を購入する際に、どのような点に注意をすればよいのでしょうか。一般的な修復歴や水没車でないかの確認はどの車でも確認をおすすめしますが、アルテッツァは走ることが好きなドライバーが選ぶ車でもあるので、その点では普通の車を選ぶ以上に確認しておきたい点がいくつかあります。それではアルテッツァ購入ならではのチェックポイントを見ていきましょう!
エンジン・足回りの異音等
アルテッツァは、クロスギアレシオ6速マニュアルトランスミッションの設定や、トルセンLSDを装着するなどサーキット走行も可能な本格的FRスポーツモデルです。そのためにエンジンや足回りに過度な負荷が掛かった車両も多く見られます。「エンジン・足回り等」に記した異音・振動・オイルのにじみなどは特に入念にチェックする必要があります。
車の床下もチェック!
車の床下もチェックしましょう。鉄板の歪みや変形、マフラーなどの床下の部品に傷やヘコみ、交換した形跡がないかどうかなどを確認します。外観はきれいに修理しても、見えない部分はそのまま手を付けていないことがあるので、大きなダメージを発見出来ることもあります。他にはフロントフェンダーに飛び石の跡が多い車両は、サーキット走行をした可能性が高いです。
改造車の場合の書類を確認
インチアップホイール&タイヤやマフラーなど、チューニングパーツや社外部品などが装着されている車両も多いので、その部品にも注意が必要です。部品の取り付け状態や、その部品が車検に対応しているかどうかなどを確認します。販売店にどの部分が交換・改造されているか?書類なども揃っているかなども確認しましょう。
アルテッツアの維持費はどれくらい?
ミドルクラスのFRセダンで、今は希少なMTもある・・・とアルテッツァに乗ってみたい方は多いのではないでしょうか?それではアルテッツァの維持費を概算で計算してみましょう。
車検費用・税金
まずは、車検費用や税金を見てみましょう。
- 自賠責保険 25,830円
- 自動車重量税 45,400円(13年経過)50,400円(18年経過)
- 印代・証紙代 1,200円(指定工場)
- 基本整備費用 48,600円(トヨタディーラー車検・Mクラス)
タイヤ代や燃料代
燃料代などはどのくらいかかるのでしょうか?
燃費11(km/l)、月間走行距離1,000kmとすると、燃料使用量は一ヶ月で約90L。
ハイオク1L 150円、レギュラーガソリン1L 140円だとして、RS200で年間162,000円、AS200で151,200円となります。ここまでを単純に計算すると、車検費用÷2+燃料代で、一年間で約230,000円ほどの費用がかかることになります。
タイヤの費用は選ぶタイヤによってかなりの差が出来ます。215/45ZR17サイズでは、アジアンタイヤだと1本4,000円〜5,000円(4本で約20,000円)。対して日本メーカーのブリジストンやヨコハマタイヤでは1本15,000円〜25,000円ほどするので、4本交換すると約60,000円〜約100,000円ほどかかります。
195/65R15サイズでもアジアンタイヤだと1本3,000円〜5,000円(4本で約20,000円)。日本メーカーでは1本10,000円〜15,000円(4本で約40,000円〜約60,000円)の費用がかかります。
純正部品や社外部品の供給具合
初年度登録から年月が経ってくると走行距離も多くなり、交換が必要な部品がどうしても増えてきます。自動車部品メーカーは、カーメーカーに対して10~15年間ほどは補給部品の供給義務があるようですが、そろそろ部品メーカーからの供給は終わっている時期になります。
ネットで調べてみてもアルテッツァの純正部品の在庫状況は、ブレーキパッドやオイル/エアフィルターなどしか出てきません。しかしアルテッツァは社外からのアフターパーツも多数発売されているので、オークションサイトなどをチェックしてみるのがいい方法でしょう。
まとめ
これからアルテッツァを購入しようと考えている方に、少しはお役に立てたでしょうか?最初にも書いたように、今では貴重な存在となったミドルクラスのFRスポーツセダン。特に今はMT車がほとんどないので希少価値も高いと思います。
しかし、サーキットを走ったり足回りをいじったりなど、必要以上に負担が掛かった車両も多いので、購入される際にはエンジンやサスペンションなどの走行に関わる部分をきちんとチェックする必要があります。そして、購入後の維持費もそれなりに掛かることを覚えておいて下さい。