2019年05月09日 (更新:2021年08月27日)
日本車のエンブレムを一覧で解説!あのロゴやマークを実車画像で紹介!
世界的に見ても自動車大国である日本。国内には色々なメーカーの車がたくさん走っていますが、今回は国内自動車メーカーのエンブレム・ロゴの意味や由来を紹介していきます。日本のメーカーが母体で、海外をメインに展開しているブランドも紹介していきますので、ぜひご覧ください。
トヨタ
日本国内だけではなく、世界に展開している自動車メーカーのトヨタ。トヨタのエンブレムは内側の小さな楕円2つと外側の楕円1つで構成されています。内側の2つの楕円はお客様とトヨタの心を表しており、その2つを囲う大きな楕円は、内側の2つの心をつなぐ世界を表現しています。縦と横に交わっている多延はTOYOTAの「T」であったり、ステアリングを表現していて自動車そのものを意味しています。
現在使われているトヨタエンブレムは、1989年に会社創立50周年を記念して発表されたもので、同年の10月に販売開始された初代セルシオから使用されています。
レクサス
トヨタ自動車が展開している高級車ブランドのレクサス。元は1989年に北欧で展開が開始されましたが、2005年には国内でも展開されています。ブランド名であるLexusの由来は、高級を意味する「ラグジュアリー(Luxury)」とラテン語で基準を意味する「レックス(Lex)」を掛け合わせた造語がブランド名の由来となっています。
日本国内で正規販売された車種の車検証には「レクサス」と表記されていますが、並行輸入された車種の車検証には「トヨタ」「レクサス」「Lexus」の3種類が混在しているそうです。
日産
日産自動車のロゴはもともと「ダットサン」で使われていたものです。赤の日の丸と太陽をベースに天空をモチーフにしたコバルトブルーを入れ、真ん中に横一文字で「DATSUN」と書かれていたものが前身であったと言われています。現在のデザインは社内コンペで募集されたものが利用されており、創業当時のエンブレムの基本デザインが踏襲され、「至誠天日を貫く」という精神をより立体的な形で表現しています。
現在のデザインは2001年にフルモデルチェンジしたシーマ(F50型)、プリメーラ(P12型)から採用されています。
インフィニティ
日産自動車が日本国外で展開している高級車ブランドのインフィニティ。1989年にアメリカ市場向けの高級ブランドとして設立されました。インフィニティは無限を意味しており、英語の「Infinity」ではなくイタリア語の「Infiniti」となっています。エンブレムは「無限の彼方へと向かう開けた道」と「富士山」を表現しています。
日本国内の立ち位置としては、「世界水準で作られた高級車としての証としてであり、ブランドそのものを日本へ投入する意味ではない」としており日産自動車という会社においての最上位車であると表明されています。
ホンダ
「オヤジさん」の愛称で知られている創業者、本田宗一郎氏の性から名づけられたホンダ。ブランドロゴはアルファベットの大文字「HONDA」を赤色でデザインしたもの。エンブレムはHONDAの「H」と、Hマークをハンドルに見立てたもので、Hの上部は末広がりにされており縁起の良さを示す形状となっています。
自動車以外の製品も多数展開しておりオートバイと航空機は有名ですが、他にも耕うん機や芝刈り機などの農業機械、発電機や船外機などの汎用製品も扱っています。
アキュラ
本田技研工業がアメリカ・カナダで開業した高級車ブランドのアキュラ。ブランドの名前は「アキュラシー(Acuracy)」という正確という意味から由来しています。エンブレムはホンダのHマークを逆さにした「A」に起縁させたAマークを採用。アルファベットではAが一番に来るので「他の自動車メーカーよりも先頭に来る」という意味があります。
過去の販売車種はレジェンド・ビガー・インテグラなどの同型車がホンダと共通の名称で販売されていましたが、現在の販売車種ではアキュラブランドの名称へ変更・統一されています。
かつては日本への導入も検討されていましたが、自動車市場の状況変化などにより撤回されています。
マツダ
ロータリーエンジンやクリーンディーゼル技術で有名なマツダ。社名は創業者である松田重次郎氏の姓と、叡智・理性・調和の神を意味する最高神「アフラ・マズダー(Ahura Mazdā)」にちなみ自動車産業の光明となるよう願って付けられています。エンブレムは「自らをたゆまず改革し続けることによって、力強く、とどまることなく発展していく」という会社としての決意を未来にむけて羽ばたかせるMAZDAの「M」の形を象徴させています。
1984年以降の「マツダ株式会社」に改称される前の名称は「東洋工業株式会社」でしたが、マツダ車の原点は1931年開発の3輪トラック「マツダ号」であり、この時既に上記の願いが込められていたそうです。ちなみに東洋工業株式会社の前身は、1920年創業の「東洋コルク工業株式会社」となっています。
三菱
戦前より自動車の生産を行っている日本最古の歴史をもつ三菱。エンブレムの原型は九十九商会が船旗号として採用していた三角菱で、旧三菱財閥創業者である岩崎家の家紋「三階菱」と土佐藩藩主である山内家の家紋「三つ柏」から考案されたものが由来しています。後に社名を三菱とするきっかけにもつながっているとのことです。
かつては三菱のイニシャルである「M」を模したエンブレムを付けていましたが、当時のいすゞエンブレムと間違えられやすかったので廃止、MMC(Mitsibishi Motows Corporation)をシンボルマークにしていたが1987年頃からスリーダイヤと併用されています。
スバル
東洋一とも呼ばれた航空機メーカー旧・中島飛行機を源流に持つスバル。社名はプレアデス星団の日本名「昴」に由来しており日本では古くから「六連星(むつらぼし)」とも言われている。富士重工業が旧・中島飛行機系5社を吸収合併することで誕生し、6社を「統べる=統合する」という意思が込められています。エンブレムは六連星をモチーフに創業当時の6社が合併して新しい会社が生まれたことに由来しています。
株式会社スバル(旧・富士重工業株式会社)は「富士工業」「富士自動車工業」「大宮富士工業」「東京富士産業」「宇都宮車両」「富士重工業」の6社からなっています。
ダイハツ
歴史も古いトヨタの完全子会社であるダイハツ。社名の由来は「大阪にある発動機製造会社」の略称である「大発(ダイハツ)」と呼ばれていたことが由来です。エンブレムはDAIHATSUの「D]を表しています。
元々は名前の通りエンジンメーカーであったダイハツですが、1930年に自主生産した車両の名前は「ダイハツ号」で、大変な人気を集めました。1966年までは鉄道用車両の原動機・変速機・駆動装置も製造していました。
スズキ
軽自動車やバイクを中心に展開すると共に、様々なメーカーとOEMを行い国内販売台数も3位のスズキ。社名は創業者である鈴木道雄氏の性から由来しています。エンブレムはSUZUKIの「S」を表してデザイン化したもので、伝統を守り続ける変わらないエンブレムとして約60年使われています。
創業時は鈴木式折機製枠所でしたが、木工折機から金属製自動折機の生産にかけて精密機器のノウハウを得た後、自動車産業への進出を決定しました。実は2000年頃から2003年頃まで小型車のみに採用されたとても短命なエンブレムもありました。(普通車には通常のエンブレムが装着されています)
いすゞ
トラックやバスなどの商用車で有名ないすゞ自動車。社名は伊勢神宮の境内に沿って流れ、神宮における潔斎の場ともなる五十鈴川に由来しています。エンブレムにはISUZUのシンボルをデザイン化、「世界中のお客様に心から満足していただけるサービスを創造し、社会に貢献する」という企業理念を表現したもの。
戦後以降はトヨタ自動車、日産自動車とともに日本自動車業界の御三家とも呼ばれていましたが、乗用車部門は長らく不振であり2002年9月に日本国内での乗用車販売を打ち切り、乗用車部門から撤退してしまいました。
日野自動車
トラックやバスなどの商用車の生産、トヨタブランド車の受託生産を行っている日野。エンブレムはHINO「H」を象徴し、未来に向けて挑戦し続ける日野自動車の活力と発展性を表現したもの。地平線から昇る太陽や、日の出というイメージも持っています。
1930年、大型車両生産を強化しようとする国策により数社が合併しヂーゼル自動車工業(現いすゞ自動車)が設立。しかし、戦時体制下の国策により総合車両メーカーのヂーゼル自動車工業から特殊車両製造部門の日野製造所が分離独立化されることになった。日野製造所は日野重工業となり軍需車両の製造を行っていましたが技術者がヂーゼル自動車以前からの出身者で、企業系譜としてはいすゞ自動車の分派です。
UDトラックス
日本の大型車(トラック・バス)専門の自動車メーカーUDトラックス。1955年に発表された単流掃気式2サイクルエンジンが開発されたときに作られた「Uniflow Scavenging Diesel Engine」のUとDからなる赤い丸のマークを発祥としています。現在では究極の信頼「Ultimate Dependability」をお客様に提供し続ける存在になるとして、企業理念を強い意志として込めています。
旧会社名の「日産ディーゼル」や通称「ニッサンディーゼル」とともに旧社名当時から「UD」の名称で広く親しまれています。主力商品のトラックで、大型トレーラーの国内市場占有率は筆頭となっています。
光岡自動車
独特のパイクカーデザインでファンも多い光岡自動車。エンブレムは創業者である光岡進氏の性をアルファベットの大文字で「MITSUOKA」にしたものと、車を意味する紀元前800年頃の象形文字がベースとなっており、元々クラシックカーを現代に蘇らせるという目的の為に集まった技術者が「いつまでもルーツを忘れない」という想いを込めています。
昨年めでたく創業50周年を迎えた光岡自動車は、日本で10番目の自動車メーカーとなるには相当の苦労もあったそうです。しかし、ミニカー部門やキットカー部門で得た技術で「改造」ではなく「生産」への道を歩み、現在では国内外問わず人気を集めています。
まとめ
今回は国産車のエンブレムやロゴについてのお話でしたいかがでしたか?ほとんど歴史を折入れてご紹介したのですが、どのメーカーにも必ず歴史があります。メーカーのヒストリーを知ることで、カーライフが楽しくなってきますね。