2019年05月02日 (更新:2024年05月22日)
スペーサーを装着したまま車検に通すことは可能か?
ホイールスペーサーやワイトレはホイールのツライチにできる比較的手軽なパーツ。スペーサーを装着した状態で車検に通すことはできるのでしょうか?今回はスペーサーと車検について解説します。
記事の要約
- スペーサーの装着自体は問題ない
- 強度とはみ出しによって車検に通らないことがある
- お店によっては社内規定で車検NGとなることがある
- 強度証明書が付属しているスペーサーを装着したい
スペーサーは車検に通るのか
車体とタイヤホイールとの位置関係を手軽に変えられるホイールスペーサーやワイトレなどのスペーサー類。これらのスペーサーは車検に通らないという話がありますが、実際のところどうなのでしょうか?
スペーサーの装着自体は全く問題ない
まず大前提として、保安基準ではスペーサーやワイトレの装着自体を禁止しているわけではないことを覚えておきましょう。スペーサーやワイトレを装着していても、それが車検不合格に直結するわけではありません。
スペーサーが車検に通らない理由
スペーサー類を装着した状態で車検に通るかどうかは、保安基準をクリアしているかどうかで決まります。車検に通らない場合、車両が次のような状態となっていて、保安基準をクリアできていないことが考えられます。
- 純正よりも強度が下がっている
- フェンダーからタイヤ&ホイールがはみ出している
純正よりも強度が下がっている
スペーサーやワイトレを装着することでハブまわりやタイヤ&ホイールの取り付け強度が下がる場合は、車検不合格となります。
車の部品は設計時に強度計算が行われていますが、スペーサー類を取り付けることで純正よりも強度が下がる場合、車体は、堅ろうで運行に十分耐えるものであることという保安基準に不適合とみなされ、車検に合格できません。
合格するためには、スペーサーやワイトレを装着した状態でも、強度が純正と同等かそれ以上であることを証明する必要があります。
フェンダーからタイヤ&ホイールがはみ出している
スペーサーやワイトレを装着しタイヤ&ホイールがフェンダーからはみ出ている場合は、車検不合格となります。
タイヤとホイールは、車軸中心から前方30°及び後方50°の範囲でフェンダーからはみ出てはいけない(タイヤのみなら10mm未満OK)とされていますが、スペーサー類を装着することでタイヤ&ホイールがこの範囲から外に出てしまう場合、車検に合格できません。
社内規定で一律NGとしている店舗もある
ディーラーや車検専門店には、スペーサーやワイトレを装着している車両の車検作業を受け付けない店舗もあります。
これはスペーサー類を装着した状態での強度証明が難しいうえ、そのスペーサーが対象とする車両の状態が把握しきれないというのが理由。このような社内規定などの方針はあくまでお店が決めることであるため、仮に強度を証明することができるとしても、受け付けてもらえないことがほとんどです。
強度証明書が付属しているスペーサーを使用する
スペーサーやワイトレの中には、検査機関で検査し、基準を満たしたことを示す強度証明書を付属させている製品もあります。
このような強度証明書が付属するスペーサーは、装着状態でも強度が純正と同等またはそれ以上あることを証明できるため、装着したまま車検に通すことができます。
当然ですが、これらのスペーサーは対象とする車種が限られます。対象外の車種に装着したり、車両の状態がメーカーの想定と著しく異なる場合、この強度証明書は無効となることを覚えておきましょう。
強度とはみ出しに気をつけよう
スペーサーやワイトレを装着した状態で車検に通すために必要な条件をまとめると、次のようになります。
- 強度証明書が付属しているスペーサーを使用している
- 車種と状態がスペーサーの強度証明書の対象範囲内である
- フェンダーからタイヤ&ホイールがはみ出していない
自分の車にスペーサーやワイトレを装着していても、スペーサーに強度証明書が付属しており、車の車種と状態はスペーサーの強度証明書が対象とする範囲内で、フェンダーからのタイヤ&ホイールのはみ出しがなければ、問題なく車検に合格するといえるでしょう。
車をカスタマイズするうえで最も重要なのは安全性。ただ闇雲にかっこよさを追求するのではなく、安全を第一に考えたクルマづくりを心がけましょう。