2019年04月24日 (更新:2022年10月28日)
スズキ スーパーキャリイとダイハツ ハイゼットジャンボ、どっちを選ぶ?
小回りがきいて何でも積める軽トラックは、運送に農業に大活躍しています。しかし、荷物優先のため荷台を大きく取ったことで、運転席は非常にタイト。そこで最近注目を集めているのが、ラージキャブもしくはエクステンドキャブと言われる、運転席を拡大したタイプです。今回は、現在販売されているラージキャブ仕様の、スズキ スーパーキャリイとダイハツ ハイゼットジャンボを比較して、その特徴と両車の比較をしてみました。
スズキ スーパーキャリイの基本情報
それまでラージキャブ仕様のなかったキャリイに、仕事でも遊びでももっとキャビンを広くしてほしいという顧客に対応したモデルとして、2018年5月に設定されたのが広い居住スペースを備えた「スーパーキャリイ」です。
特長・魅力
スーパーキャリイの特徴は、キャビンスペースが拡大したことにより、居住性能が従来型のキャリイに比べて格段に向上したことです。
スーパーキャリイのキャビンは、後方へ460mm拡大し、全高が120mm高くなり、運転席は最大40度のリクライニング機構が追加。運転席のシートスライド量もキャリイよりも40mm長くなっています。
そして、シートの後ろには、高さ920mm×横幅1,235mm×長さ250mmものシートバックスペースも設けられ、雨に濡れたり汚れたりしたくない荷物や工具を収納することが可能になっています。
また、軽トラックで初の助手席前倒し機構により、書類整理や食事の時に便利に使えるシートバックテーブルも装備されました。さらに、ハイルーフタイプのオーバーヘッドシェルフが標準装備されたことで、室内の収納が格段に増えています。
軽規格により長さに制限があるために、キャビンを拡大することで縮小してしまう荷台においては、キャビン後方の下部に高さ230mm・奥行き495mmの開口部を設け、荷台フロア長は1,975mmが確保され、長尺物の荷物や脚立などが置くことが出来るように工夫されています。
グレード・価格
スーパーキャリイのグレードは標準タイプのLと、上級装備のXの2種となっています。XにはLの装備に加え、パワーウインドー、パワードアロック、電波式キーレスエントリー、そしてファブリックシート(Lはビニール表皮)が標準装備されます。
また、L、Xそれぞれに2WDと4WDが設定され、5MT、3AT、そして5AGSというミッションが選択できます。その他の機能については同様となります。
スーパーキャリイL
- 2WD・5MT 974,160円
- 4WD・5MT 1,123,200円
- 2WD・3AT 1,056,240円
- 4WD・3AT 1,205,280円
- 2WD・5AGS 1,061,640円
- 4WD・5AGS 1,210,680円
スーパーキャリイX
- 2WD・5MT 1,102,680円
- 4WD・5MT 1,251,720円
- 2WD・3AT 1,184,760円
- 4WD・3AT 1,333,800円
- 2WD・5AGS 1,190,160円
- 4WD・5AGS 1,339,200円
スペック
スーパーキャリイと通常モデルのキャリイとの差は、キャビンの大きさと荷台の寸法です。エンジンは共通でありターボ仕様の設定はありません。ただし、最大で80kgの重量増が影響し、燃費では最高20.2㎞/Lの通常モデルに対して同18.8㎞/Lと差が付いています。
- 全長/全幅/全高:3,395/1,475/1,885mm
- 荷台長/荷台幅/荷台高:1,480/1,410/290mm
- ホイールベース:1,905mm
- JC08モード燃費:15.6~18.8㎞/L
- 最高出力:37kW(50ps)/5,700rpm
- 最大トルク:63N・m(6.4kg・m)/3,500rpm
ダイハツ ハイゼットジャンボの基本情報
ハイゼットトラックにおけるラージキャブ仕様の歴史は古く、「ジャンボ」は1983年に登場し、6代目、7代目ではハイゼットトラックのトップグレードとして設定されていました。
その後、8代目では設定されず、9代目モデルは当初カタログモデルにはありませんでしたがマイナーチェンジにおいて復活。そして2014年に登場した10代目からは再び、トップグレードとして返り咲いています。
特長・魅力
運転室を後ろへ伸ばし、ハイルーフ仕様とし、リクライニング可能なシートとドア後方に大型トラックに見られるような窓をつけるという基本的なコンセプトが、初代「ジャンボ」から現行モデルまで変わっていません。
また、スーパーキャリイ同様に荷台前方をえぐるようにして長尺物の積載を可能にし、荷室長はスーパーキャリイ以上に長くとってます。
さらに、「ジャンボ"SA IIIt"」には、軽トラック初となる衝突回避支援システム「スマートアシストIIIt」をはじめ、VSC&TRC、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステムを装備するなど、安全性能の充実ぶりが特徴といなっています。
グレード・価格
ハイゼットジャンボのグレードは基本的にひとつで、安全装備の“SA Ⅲt”の有無だけが異なっています。そして、2WD、4WDそれぞれに5MTと4ATが設定されます。オートマチック車は、軽トラック唯一の4ATに多段化しており、燃費性能に貢献しています。
ジャンボ“SA Ⅲt”
- 2WD 5MT 1,150,200円
- 2WD 4AT 1,247,400円
- 4WD 5MT 1,301,400円
- 4WD 4AT 1,398,600円
ジャンボ“
- 2WD 5MT 1,096,200円
- 2WD 4AT 1,193,400円
- 4WD 5MT 1,247,400円
- 4WD 4AT 1,344,600円
スペック
スーパーキャリイと大きく異なるのは荷台の長さです。約20㎝の違いは大きく、使える仕事の多様性という点ではより有利に働きます。
また、燃費に関しては5MTではスーパーキャリイとほぼ同等ですが、ATではスーパーキャリイの3ATを大きく上回っています。しかし、5AGSには届かないという状況です。
- 全長/全幅/全高:3,395/1,475/1,885mm
- 荷台長/荷台幅/荷台高:1,650/1,410/285mm
- ホイールベース:1,900mm
- JC08モード燃費:17.4~18.6㎞/L
- 最高出力:34kW(46ps)/5,700rpm 4AT車は39kw(53ps)/7,200rpm
- 最大トルク:60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm
スーパーキャリイとハイゼットジャンボを比較してわかること
ライバル不在のクラスだったラージキャブ仕様のハイゼットジャンボに対して、ハイゼットジャンボを研究しつくした最新モデルのスーパーキャリイが全てにおいて優れていても当たり前なのです。
しかし、スーパーキャリイがハイゼットジャンボ以上にキャビンを大きく取り、居住性能を高め、必然的に荷台寸法が小さくなったことが、ユーザーにとっては一長一短ということに繋がりました。
あくまでトラックである以上は荷台の大きさが仕事に直結し、ただでさえ大きいとは言えない軽トラックの荷台が狭められるとなると、仕事によってはつかえないという事になります。
逆に、載せるものが少ない業種やレジャーなどに使おうとするならば、キャビンは広ければ広いほどいいわけで、そのような方はスーパーキャリイを選ぶべきでしょう。
ダイハツとしては、もし居住性能をもっと重視したいというユーザーがいたら、スズキにはないもうひとつの派生モデル、「デッキバン」というカードがあるので、極力荷台を広くしつつ居住性をも改善するというハイゼットジャンボは、けっして魅力を損なわないのです。
CARTUNEユーザーのカスタム例
さすがのカーチューナーもこの手のモデルは少ないかも…?と思ったのですが、スーパーキャリイはなくても、歴代モデルに設定されていたハイゼットジャンボは多数ありました。
オレンジ色が映える美しいジャンボ。アルミもタイヤもバッチリで、車高も落としてオバフェンも決まっていて、スポイラーまでフル装備。ジャンボだから出来るコーディネートに感服です。
これは完全にSUV!メーカーのコンセプトカー並みの仕上がりです。最近は軽トールワゴンでもSUVが流行っているので、このデザイン、売れそうですね。ここまで本格的に仕上げるとは、お見事!
まとめ
軽トラック=仕事車というだけでなく、遊びにも使える車として利用したい方も多いと思いますが、その運転席のタイトさは乗った人にしかわからないでしょう。
狭いし、シートも下がりきらないし直角だしで、実際、長時間乗って背中を痛めた経験もあります。それがジャンボやスーパーキャリイでは足は延ばせるし、リクライニングもたっぷりとあるのですから、遊びに行く気にもなりますね。
カーチューナーの皆さんを参考にすれば、見違えるように恰好良く出来ます。これなら軽トラもありですね。